女性に多いトラブルのひとつ、貧血。立ちくらみやめまいなどが一般的な不調です。
でも、「朝起きたら1時間ぐらいはぼおっとしている、頭痛がひどい、午後になると眠くなる、集中力がない、眠いけれど眠れない、といった人も気をつけて」と語るのは、新宿溝口クリニック・栄養カウンセラーの定真理子さんです。こうした、だれにでもありがちな不調にも、じつは鉄不足がひそんでいることがあるといいます。
ダルさや冷え、肌あれの原因に酸素とくっついてカラダのすみずみまで届ける宅急便・鉄。これが不足するとカラダのいたるところで酸素が足りなくなり、トラブルとなってあらわれます。
集中力がなくなったり、頭痛が起こるのは脳の酸素不足が考えられます。不眠もそう。脳内の神経伝達物質をつくるのにも鉄が大きくかかわっているんです。(定さん)
さらに、つま先や指先に酸素が足りなくなると冷えとなってあらわれるのだそう。眠っている間にも皮膚のすみずみに酸素が届かないと、肌細胞がうまくつくられずに肌荒れも起きやすくなるといいます。
通常の健康診断ではわからない貧血もとはいえ、「健康診断では貧血っていわれなかったし......」と思う人もいるかもしれません。貧血をチェックする指標といえば一般的にヘモグロビン値が有名ですが、「フェリチンの値もチェックしてみて」と定さん。フェリチンとは、貯蔵されている鉄のことであり、こちらが不足していることも十分考えられるのだそう。
フェリチンとヘモグロビンは、貯金とおサイフの関係にたとえることができます。私たちはおサイフに一定のお金を入れ、足りなくなったら貯金から下ろして使いますが、これと同様のことが血液中でおこっています。血液中のヘモグロビンが不足したとき、カラダは貯蔵されたフェリチンを使うのです。
意外に不足しがちな鉄分。先日の記事で紹介したように、魚や肉など動物性の食材から補うのが効率的です。
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