アーユルヴェーダの考え方からみると、これは、消化に必要な体内の火(アグニ)がとても弱く小さくなってしまったため。火を燃やすとき、薪をくべすぎると炎が消えてしまうように、食べ過ぎが続くと消化力が一気にダウン。反対に、薪をくべないと火が消えてしまうように、何も食べない断食は消化の火を消してしまうことにもなります。
食後に体が重く眠くなる、食後数時間経ってもお腹が空かない......。こんな症状は、消化力が落ちているサイン。体の調子が戻るまでの一定期間、とりわけ軽い食事をすることを心がけましょう。ちなみに、空腹とは、おなかがぐーっとなって、「お腹と背中がくっつく」くらいの状態です。「小腹が減った」状態はまだ空腹ではないと考えます。
「おかずなし」が調子を整えるおすすめの軽い食事メニューは、「主食+お味噌汁+漬け物」。おかずがないからといってごはんを食べ過ぎないように注意します。数日間これだけで規則正しく食事をすると体が軽くなってきます。
少し消化力が戻ってきたなと思ったら、これに煮びたしなど、野菜の軽いおかず1品を加えましょう。お味噌汁とおかずに根菜と葉野菜をバランスよく取り入れ、根野菜は柔らかくなるまで調理するのがポイント。お味噌汁やおかずに生姜を取り入れるのもおすすめです。肉や魚は消化に時間がかかるので、できる限り避けたいところ。もしどうしても食べるのであれば、少量にして大根おろしや生姜などと一緒に食べるようにしましょう。
メインとなる主食は、デトックス効果のある小豆玄米粥がおすすめです。玄米はヘルシーなイメージがありますが、口の中でどろどろになるくらいまでよく噛まないと消化の負担になります。一口ごとにそれくらい噛む自信がない場合は、おかゆとして食べるのがベスト。また、普通に炊くのであれば、分竭き米や白米のほうが消化がよく、おすすめです。
断食やジュースだけで数日過ごすような方法は、体質によっては体に負担が大きすぎたり、逆効果だったり、消化の火が完全に消えてしまったりする場合もあります。1日のうちで消化の火を調整できるのが理想ですが、それができない場合は、シンプルなメニューに切り替えることで体の働きを正常に戻しましょう。デトックスの助けになる白湯を取り入れるのも効果的です。
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