2月19日(木)は旧暦1月1日。いよいよ新しい年がはじまります! 年はじめのお楽しみといえば「初夢」です。初夢とは、元日の夜、もしくは1月2日の夜にみる夢のこと。昔は、新年の最初にみる夢を最重要視していました。
縁起のいい初夢をみるにはというのも、夢には神様のお告げや、これから起きるできごとの前兆があらわれると考えられていたから。年のはじめにみる夢がいい夢ならば、新年の運勢も良運だと信じられていたわけです。そのため、悪い夢を避けていい夢が見られるように、いろいろ工夫がされました。
なかでもポピュラーなのは、縁起物とされる宝船の描かれた絵札を枕の下に敷いて眠るという方法。室町時代には、なんと将軍から一般庶民まで実践していたのだとか。当時の絵札は宝船に稲穂を描いたシンプルなもので、神社で配布されていました。それが江戸時代になると七福神の乗った宝船のまわりに鶴と亀も描かれ、さらに松竹梅も加えられたおめでたづくしの絵札を売り歩く商売もあったというから驚きです。
どうにかしていい夢をみようとしていた昔の日本人にクスッとしますが、ささいなことを幸福感に結びつけようとする暮らしぶりは、現代人が見習うべき点かもしれませんね。
悪い夢をみたときの対処法さて、私たちが実践する場合は、絵札を自分で描くもよし、誰かに描いてもらうもよし。子どもに描いてもらって、家族みんなで枕の下に敷いて眠るのも楽しそうです。
縁起のいい夢は「一富士、二鷹、三茄子」ですが、自分にとって心地のいい夢なら、なんでもよしとしましょう。朝起きたとき、夢の内容を忘れてしまっていたら、目覚めたときの気分で判断するのがオススメです。
もし悪い夢を見てしまったら......昔は、絵札を川へ流せば凶運をまぬがれると考えられていました。とはいえ、私たちが絵札を川に流すことはできません。そこで、悪夢をみてしまったり、目覚めの気分が悪かったりしたら、絵札をゴミ箱へ捨ててしまいましょう。捨てることで厄を払い、もやもやとした気分もスッキリするはずです。
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