リラックスしたふたりの表情は、見ていてとても心地良い 「気持ちいい」をみつける
普通の服、ベーシックなものをしっかり押さえて、少しの遊び心も持ちながら、自分にとっての「気持ちいい」を見つける。それが"大人流のおしゃれ"だと思います。
(『ふたりが見つけた、いつもの「普通服」』p11より引用)
おしゃれのために、ちょっと無理をしてからだを締め付ける服を来た日は一日中気持ちまで疲れてしまう事ってないでしょうか。だからといってオーバーサイズが楽かというと、動くのに邪魔だったりして「見た目」を気にすると自分の感じる心地良さを無視してしまいがちになります。「見られる自分」ではなく、「感じる自分」を大切にする視点というのは服選びの基本なのかもしれません。
コーディネートのエッセンスであるストール。色はもちろん、サイズや柄で遊んでみることがおすすめだそう。 感性は磨ける
センスというと、もって生まれた感性のようですが、わたしは「感性は、誰でも絶対磨ける」と思っています。
(『ふたりが見つけた、いつもの「普通服」』p19より引用)
決して美人ではないけれどハッとするほどおしゃれな人っていますよね。それはやはりその人がもつセンス。特別なものに感じがちですが林さんは誰でも磨けるといいます。それには自分の感性に耳を澄ませ、日々過ごすのが大事のよう。情報にあふれる社会の中で自分のアンテナにふれるものに敏感でいることはアクティブに過ごす事にも繋がっていきそうです。
ポジティブに捨てる
新しい自分になるために、ぼくがおすすめしたいのは「捨てること」
(『ふたりが見つけた、いつもの「普通服」』p106より引用)
買ったとき高価だったり、気に入ったデザインだった服というのは、思い出とともに捨てにくいもの。でもやっぱりその時の自分と今の自分は変化しています。すべての人に訪れている変化を素直に受け止めて、その先の新しい自分をつくってくと考えると、なんだかワクワクとしてきます。捨てる時のコツは「じっくり見ないこと」だそう。
年齢を重ねるごと馴染む着物に、多佳子さんがあわせるのは白の半襟。洋服の感覚でネイビーやグレーなどをチョイスする事が多いのだとか。 ナチュラルを活かす
やはり女性は年を重ねても「女」の部分を捨てたくないもの。どうしても若くいることに敏感になってしまいます。ついアクセサリーをつけすぎたり、お化粧を厚塗りしてみたり......。つけるとなんだか「やった感」があって安心してしまいますが、どうしても不自然な雰囲気は伝わってしまいます。増えてくるしみやしわなんて隠しきれませんし、と笑う林さんは見ている人に安心感を与えるほど素敵。それはやはり、すべて受け入れてゆったりと自分を見て、感じてあげるということを丁寧にされているからなのだと思います。
毎日着ている洋服は、身を守るものであると同時に一番わかりやすい自分を表現するものでもあり、こころを映し出す鏡でもあります。
衣替えのついでに洋服たちとにらめっこをして整頓していく事は、以前の自分と今の自分との対話になるのかもしれません。
[『ふたりが見つけた、いつもの普通服』]
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