新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子・二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだし、ついに格闘技デビューをしてしまったこのコーナー。今回はなんとサウスポーとオーソドックスの両刀使いに挑戦!? 川尻達也選手も苦労したと言われるシャッフルの道に踏み込んでしまった結果……
参考記事
TJデラショー、ヘナン・バラオンをシャッフルで破る■大沢ケンジのUFC総括http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar543115
私は常々不思議に思っていたのです。
格闘技をよくわかっていない頃からなんとなくサウスポーの方が強いイメージがあり、オーソドックスとサウスポー両方共に使えてスイッチできる人はより強く、さらにオーソドックスとサウスポーを混ぜに混ぜてシャッフルできる人は最強というイメージがあるのに、なぜオーソドックスの人が多いんだろう? 両方使えた方が有利だとわかっているならみんなオーソドックスもサウスポーもできるようにすればいいのに……
ジムに入ったばかりの頃、私は「構え」の意味がわからなかったので、キックボクシングのクラスで先生に「二階堂さんはどっち構え?」と訊かれ困惑しました。
え……どっち構えなんて言われても、いままでの人生で構えたことがないからわからないわ。左足を前にしている人が多いけど、どうして右利きなのに左手を前に出さなきゃならないのかしら……そもそもどうして片方の足を前に出さなきゃいけないの?? そのときの気分でどっち前にするか決めちゃダメなの???
始めての構えにやり辛さを感じつつ「右利きの人はみんな左前(オーソドックス)にするよ」と言われたので生粋の日本人である私は右へ倣えで左足を前にしておきました。
もともと構えを理解していない私にさらなる混乱を招いたのはレスリングです。レスリングクラスに最初に出たときも「二階堂さんはどっち構え?」と訊かれ、「打撃は一応左足を前にしています」と答えようとしたのですが、ここで先生から衝撃的な言葉が飛び出しました。
「レスリングだと右利きの人はだいたい右足を前に構えるけどね」
・・・え? じゃあ私は打撃もレスリングもある総合では、打撃のときはオーソドックスで、タックルに行くときはサウスポーにならなくてはいけないの??…????
わからないことがわからない状態に陥った私は、最初の数か月間は打撃もレスリングも日によってオーソドックスにしたりサウスポーにしたり、
先生「あれ?二階堂さんってサウスポーなの??」
二階堂「う、うへへぇ??(^台^;)ヘラヘラ」
先生「??」
二階堂「へへぇ????(……あれ? いま右足前にしているけどこれがオーソドックスじゃなかったっけ? 左足を前にするのがサウスポーじゃなかったっけ?あれ違う??)」
と、いろいろなことがわからなくなり、人知れず大混乱に陥っていました。
後にわかったのですが、右利きの人は右手の攻撃の方が強いので、右ストレートを打つために左足を前に構えるんですね。そしてアマチュアレスリングや柔道出身の人は利き足の方が前に出しやすく、利き手と利き足はほぼ同じ側のためほとんどの人が右足を前にするサウスポーの構えになるそうな。だからレスリングや柔道出身のMMAファイターの多くはそれに合わせて打撃もサウスポーにするのです。
まだ自分がオーソドックスとサウスポーどちらがやりやすいかあんまりわからなかった頃、ふと気づきました。
あれ? これ今のうちに両方練習しておけば、両刀使いになれるんじゃね?
それからしばらくのあいだ、打撃でもレスリングでも気分によって構えを変え「へへえ!シャッフルやでえ!」と似非シャッフルをしてTJデラショー気取りをしていました。その結果……
・技が覚えられない
レスリングのテクニックを右でできないうちに左でもやってみたりして、結局右でも左でも覚えられない。
・オーソドックスもサウスポーもしっくりこない
右も左もちゃんとできないのでどっちもやりやすくない。
・スパーのとき構えが定まらない
スパーの最中にいま自分がオーソドックスなのかサウスポーなのかわからなくなり、いま出している打撃がジャブなのかストレートなのかもわからなくなる。
私はようやく気付きました。両刀使いになるためには、倍時間がかかるのだと。もともと右も左もできない人間がいきなり両方やるのは無理なのです。オーソドックスならオーソドックスと決めて、そっちだけ練習してちゃんとできるようになった人が何度も何度打ち込みをすることでサウスポーも使えるようになるのです。
いまでは私も打撃とレスリング両方共オーソドックスと決めて練習しています。まずは動きを覚えるためにオーソドックスでのみで打ち込みしていますが、あまりにも片方でしか練習しないため基本的なアームドラッグでさえ左手でしかできなくなってしまいました。さすがにアームドラッグは両方できた方がいいのでこれだけは現在両方で練習中です。
スパーなどで瞬時に出るのは慣れている方の手なので、試合中に頭の中がこんがらがったり足がもつれることなくスイッチやシャッフルのできる選手はすごいです。相当練習しないとあんなにスムーズに動けないだろうなあ。
Dropkickメルマガロングインタビューの一覧表。
試し読みもできます! 名前をクリックすると記事に飛びます!
中村祥之インタビュー③<New!>
ファイティングオペラ『ハッスル』とはなんだったのか
「斎藤文彦INTERVIEWS②」<New!>
オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る
KEI山宮<New!>
パンクラシストの憧れと死を見つめて
ミスター高橋with田山正雄
レフェリーの魔術「試合はこうして壊れていく――」
若鷹ジェット信介
黒歴史ファイティングオペラ――ハッスルの最期を看取った男
斎藤文彦INTERVIEWS①
プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」■
金原弘光
UWFが柔術を知った日〜道場はどう変わっていったのか〜
上田勝次
FMWを支えたキックボクサー「アイツが死んで以来、ヒジは使ってないよ…」
追悼・堀辺正史
矢野宅見「ダメなお父さんでしたねぇ……」
鈴木秀樹
「はぐれIGF軍団」誕生秘話
佐藤嘉洋
マット界初! 選手組合「日本キックボクシング選手協会」とは何か?
中村祥之
ZERO-ONE激動の旗揚げ
金原弘光
鬼が作るUインターの激ウマちゃんこ
山本淳一
元・光GENJI、プロレスデビューを語る
大沢ケンジ×礒野元
「格闘技とルール」桜庭vs秋山、Dynamite!! USAの舞台裏
RENA×浜崎朱加
SBとMMAの女王対談
北岡悟
「パンクラスイズム横浜」設立
木村浩一郎
90年代・灰色の狂気――「FMWとリングスで俺はこの業界をナメてしまったんですよ」
塩崎啓二
元レフェリーの衝撃告白「私はPRIDEで不正行為を指示されました……」
矢野卓見
ヤノタク、堀辺正史と骨法を語る――愛と悲しみの17000字インタビュー
山本宜久
「ヒクソンと戦ってるとき、放送禁止用語が聞こえてきたんですよ…」
朝日昇
“奇人”が語る「本当に恐ろしい昭和格闘技」
田中ケロ
ケロちゃんの新日本プロレス伝説
草間政一
私が戦った暗黒・新日本プロレス
天龍源一郎×神取忍
男と女の壮絶プロレスとは何だったのか?
村上和成
平成のテロリスト・村上和成――格闘家が挑んだ命懸けのプロレス道!!
桜田一男
喧嘩日本一見参! ケンドー・ナガサキ「SWSは全部で99億円使った」
中野巽耀
「一番尊敬できた先輩は高田延彦だよ」
平田淳嗣
おまえ平田だろ!「スーパーストロングなプロレス人生」
金村キンタロー
理不尽小僧「インディで年収1500万……一銭も残ってないです!」
更級四郎
“Uと馬場”を支えた黒衣の絵描き
「俺は悪い奴だった……」元カリスマブロガーの懺悔録
新倉史祐
道場破りから前田日明vsルスカまで……「俺が見た昭和・新日本プロレス伝説」
尾崎允実
元パンクラス代表「前田日明とも仲は良かったんですよ」
天田ヒロミ
K-1天国と地獄「谷川さんがやるようになってK-1はダメになりました」
船木誠勝
「俺は真剣勝負がやりたかったわけじゃないんです」
入江秀忠
修斗とUを漂流した男「俺は自称UWFじゃないんですよ」
ウォーリー山口
プロレスなんでも屋「ジャイアント馬場と竹内宏介、ふたつのG魂」
山田学
初代シューターにしてパンクラシストの大冒険
小比類巻貴之
「ミスターストイックのキャラは正直、しんどかったです」
謙吾
「スーパールーキーが見たリングスvsパンクラス仁義なき戦い」
青柳政司
「左目を失っても打倒プロレスの旅は終わらない」
中井祐樹
「ボクシングができるアントニオ猪木が理想でした」
柳澤健
レスリングとオリンピック まだらのルーツ
髙田龍・前編
90年代インディの夢と地獄…レッスル夢ファクトリーとは何だったのか?
髙田龍・後編
男たちのプロレス屋形船…友情とカネが砕け散ったWJ
西村修
「独裁者・長州力に逆らうってエネルギーが必要なんです」
中井りん
「恥ずかしいけどテレビに初めて出ました!」
横井宏考
リングスの怪物くん「格闘技は前田さん、プロレスは橋本さんが師匠でした」
菊田早苗
「PRIDEの弁当に毒が入ってるんじゃないかって……」
高岩竜一
「90年代ハチャメチャ新日本プロレスと俺が愛した橋本真也」
石川雄規
バトラーツの奇跡と絶望…“情念”のロングインタビュー
鈴木秀樹
ビル・ロビンソン最後の弟子「弱いプロレスラーは迷惑なだけです」
康芳夫
世紀の呼び屋「猪木vs人喰い大統領アミンはぜひやりたかったね」
大沢ケンジ
語ろう青春の和術慧舟會!~ゼロゼロ年代格闘技界の裏側~
鶴巻伸洋
W☆ING発、リングス行き! 怪しい格闘家人生
桜井マッハ速人☓猫ひろし
巣鴨凸凹マラソン部
北原光騎
男が男に惚れる天龍劇場「俺にとって天龍さんは“神様”だよ」
安西伸一
元『格闘技通信』名物記者の「俺が愛したグレイシー柔術 」
漫画家・中川カ~ル
骨法会員番号229番が見た「骨法変節の瞬間」
小笠原和彦
リアル・空手バカ一代!「ボクは“やっちゃっていいよ”組なんです」
太田章
デイブ・シュルツの親友が語る「フォックスキャッチャーの時代」
麻生秀孝
関節技の帝王!サブミッションアーツレスリング総帥
佐藤大輔×藤井健太郎
佐藤大輔はなぜガチ相撲に激怒していたのか?
柳龍拳
この男は実在する!!合気道の達人ロングインタビュー
倉持隆夫
元・全日本プロレス中継アナウンサー「作られたスポーツを実況するということ」
“雀鬼”桜井章一×笹原圭一
「PRIDEと生きた時代」
クロン・グレイシー
グレイシーを10倍楽しむ方法
榊原信行
「僕のことは嫌いになっても、格闘技のことは嫌いにならないでください!」
矢野卓見
再び堀辺正史を語る――「先生も知らない骨法の秘密」
田口隆祐
将棋を語る
レイザーラモンRG
「ラッスンゴレライから考える世�虎vs安川惡斗」
酒井正和
“格闘技団体”としてのあり方――パンクラス
佐藤嘉洋
判定問題のせいで闇に葬り去られていますけど、魔裟斗戦はMAX史上最高の盛り上がりだったと思います
更級四郎×ターザン山本
G馬場ブレーンの語らい――全日本プロレスが再生した日
仙波久幸
芸能スクープはプロレスである~名物記者が語る横山やすしからAKB48まで
師走の翁
エロマンガ界の大家が語るJKリフレ・プロレス技事件
ウルトラマンロビン
「あんなにネットで叩かれたら普通は自殺しますよ!」
中村祥之
負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏「新日本プロレスはあのとき橋本真也がいらなかったんです」
ヤノタク×中川カ~ル
俺たちが愛した喧嘩芸骨法
ターザン山本
「佐山サトル、前田日明、高田延彦、船木誠勝、石井館長たちがプロ格という魔物を作ったんですよ」
小林聡
野良犬の哲学「選手もプロモーターも群れてちゃ面白くないんですよ」
滑川康仁
地獄のリングス前田道場卒業生
佐野哲也
リアル神代ユウ「格闘技を続けるために警察学校をやめたんですよ」
中井りん
アジア人初のUFC女子ファイター!「日米友好親善と世界平和のために参戦します!!」
ノブ・ハヤシ
K-1逆輸入ファイター 白血病からの復帰
永島勝司
アントニオ猪木と北朝鮮
森谷吉博
「MMA?絶対に無理!!」未来へ飛んだRENA――大晦日出撃その舞台裏!
武田幸三
キックに命を懸けた男
猪木快守
猪木一族の事業欲とは何か?
大家健
ガンバレ☆プロレス代表の麻雀放浪記
中村和裕
PRIDE崩壊後に見えたもの――
安西伸一×小佐野景浩
天龍源一郎が生きた時代~『週プロ』と『ゴング』の天龍番対談~
矢野啓太
ピエロの狂気「胸いっぱいのプロフェッショナルレスリング論」
高岩竜一×田山レフェリー
理不尽とは何か? 90年代新日本プロレス居酒屋トーク
HARASHIMA
「学生プロレス時代、真壁さんとスクワットを延々やってましたね」
岡倫之
ブシロードクラブの怪物「プロレスラーが世界最強であることを証明します!」
内藤のび太
修斗世界王者は仮面を脱いでも“のび太”だった!!
桜井隆多
カール・ゴッチの教えは茨城に生きていた
「多重ロマンチック」漁師JJ
アナタはなぜブログを更新するのか
渋谷莉孔
「プロ相手でも勝てるようになったので“地下格禁止令”が出たんですよ」
中村大介
2014年のUWF――「それでもボクはUスタイルで戦い続けます」
“中条ピロシキ”橋本吉史
学生プロレスとラジオ
今成夢人
「ガクセイプロレスラー・ライジング 卒業後のリアルなリング」
大山峻護
愛と苦しみのPRIDE物語「ハイアン戦の恐怖はしばらく消えませんでした」
木村ミノル
K-1毒舌王「いまの格闘技界はお客さんの目線を気にしすぎなんですよ」
菊野克紀
「最近は武器の型もやってます」沖縄拳法に震えろ!
鈴木信達
極真、米軍、行政書士!! 破天荒人生
浜崎朱加
INVICTAアトム級世界王者インタビュー
マキシモ・ブランコ
「日本は最高の国。街を一人で歩いても殺されない」
矢野卓見
武道の幻想と現実「合気の達人は存在しますよ」
三富政行(元・潮吹豪)
「私が博報堂を辞めてプロレスに浸かる理由」
しなしさとこ
総合格闘技と女性の戦い
福田洋
ジョーカーの狂気とアメリカンプロレス
管理人に直撃!
インディ興行の聖地”新木場1stRINGとは何か?
松本晃市郎
格ゲーを語る「リュウ戦は日本で2番目に強いんです!」
松田干城
高校球児がアメリカに渡りUFCデビューするまで