そこで書籍『おとなも学べるこども礼儀作法』(少年新聞社)を参考に、基本を再確認してみたいと思います。
お辞儀のしかたをおさらい
礼儀作法を「敬意を表す動作」としてとらえた場合、心だけでは伝わらないので、やはり型が重要です。
たとえば立ってお辞儀をする作法(立礼)にも、草礼(そうれい)、行礼(ぎょうれい)、真礼(しんれい)の3つの礼があります。
「草礼」は会釈など軽いご挨拶のときに。上体を15度くらいに傾け、手は自然に前側に下げて膝につけます。視線は相手のお顔を見ます。
「行礼」は葬儀や神社の参拝でも見かける、普通のお辞儀です。上体を傾け、女性の場合は手を自然に前側に下げて膝上で静止させます。視線は1m先を見ます。
「真礼」は心をつくしてのお礼や、お詫びをするときに。上体を深く傾け、手は指先をきちんとそろえて膝上で静止させます。視線は真下へともっていきます。このとき視線が足に向かうと、首が曲がり不格好になってしまうので要注意です。
どのお辞儀も共通して、肘をはることなく、指を離さず、背筋をのばすことを心がけたいものです。
席を譲るべきか悩んだときは
3つのお辞儀のしかたを挙げましたが、やってみると気持ちがよいものです。それは体に無理のない型だからかもしれません。
また礼儀作法には相手に働きかける動作もあります。
たとえば電車で座っていたら、前に年配の方が立ったとき。「どうぞ」と席を譲ってよいものか悩んだら、お相手のご意向を確認するために「おかけになりますか?」とひと声かけることも礼儀作法のひとつです。
礼儀作法は自分も他人も幸せにしてくれる
礼儀作法とは、人を敬う気持ちのあらわれでもあります。そんな心の作用について『おとなも学べるこども礼儀作法』にはこう書かれていました。
きちんとお辞儀をすれば、相手は「自分を大切に扱ってくれた」と感じます。(中略)きちんとお辞儀をしたり、あいさつをしたりして、また、相手からの反応を受ける中で、自分の心も育っていきます。型は、そういうものなのです。
(『おとなも学べるこども礼儀作法』P94より)
たしかに礼をつくし、きちんとお辞儀をしてもらうと嬉しいものです。こちらもお返しに、思いやりをもって接したくなります。
礼儀作法とは自分だけでなくほかのひとも幸せにでき、ほかのひとからも大切にしてもらえる魔法のようなツールなのですね。
photo by PIXTA
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