ちょうど夏休みで日本に帰省していた娘は祖母と一緒に種まきをし、そしてNYに戻ってから今度はアメリカの店でオジギソウの種を購入して、日本とNYの2箇所で育ててみることにしたのです。
義母がほぼ毎日、娘のためにオジギソウの写真を撮って送ってくれます。娘と私はそれがとても楽しみで、NYのも枯らさないようにしなくちゃ、と大切に育ててきました。
オジギソウは冬が寒い日本では一年草ですが、暖かい場所では多年草なのだそうです。NYの建物はセントラルヒーティングで冬でもホカホカなので、日当たりに気をつければ冬越しそう......。なかなか成長はしないものの、それでも枯れずにどうにか春を迎えました。
ところがある日、思いがけないことが起こってしまったのです。すっかり暖かくなりヒーターも切れたので、たっぷり日光に当てるため窓際のラジエーターの上に植物達を移動させたのですが、ある肌寒い夜に大家さんがヒーターのスイッチをONにしてしまったのでした。
朝起きると、ラジエーターからスチームの音がするではありませんか! 急いで窓際に行くと、植物達は熱いラジエーターの上でグッタリしてしまっていました。サボテンなどは大丈夫でしたが、元々か弱かったオジギソウは茹でたスプラウトのように......。
本当にショックでしたがそれでも諦め切れず、根っこは生きているかもと、しばらく様子を見ることにしました。私は内心もうダメかなと思っていたので、がっかりしている娘を励ますため、去年余った種を出してきて卵の殻に土を入れ、新しく種を蒔きました。
ところが、オジギソウはまさかの復活を遂げたのでした。
春から夏へと移り変わる時期はやはり植物達にとって、本当に特別な季節なのだととても実感しました。それまで手塩にかけて育てもなかなか成長しなかった か弱なオジギソウが、気温の上昇や日照時間が長くなった途端に、驚くスピードでグイグイと成長し始めたのでした。
そして先日、待望の花を咲かせたのです! それはまるで線香花火のように繊細で可愛らしい花でした。
オジギソウはその名前の通り、手で触れるとサッと葉を閉じてお辞儀をするのですが、そのせいかまるで、植物と言うよりもペットを飼っている様な気分になる不思議な植物です。
このまま、また冬を越すことができるのかな、それとも花が咲いて種が付いたらお役目を終えて枯れてしまうのかな......。そんなことを思いながら、今日も娘と一緒にオジギソウさんに話しかけるのでした。
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