感情に流されず、自分が選んだ流れに乗るための技術です。感情や思考はどんどん前に前に進もうとしますから、まずは一旦停止です。でも、思考を一旦停止するのは難しいですから、体を使います。つま先立ちになって「とん」と、かかとを床に下ろすのはとても効果的です。何度かとん、とん、とかかとを下ろしましょう。今この瞬間に碇をおろすようなイメージです。
感情を相手にぶつける前に、まずは立ち止まって自分に怒りがあることを確認します。そうして、さらにその裏にある「家族は協力すべきだ」という考えがあることも認めます。当然のことながら、自分と相手は違う人間ですから、自分の考えを同じように、そっくりそのまま相手に持ってもらうことはまあ、無理でしょう。たとえ「家族は協力すべきだ」という考えが同じようにあったとしても、どんなふうに協力するのかについてはそれぞれのやり方があります。出かける準備を手伝うことを協力とみなす場合もあれば、休日にたっぷり休息をとることを温かく見守ることを協力とみなす場合もあります。
相手を変えようとする前に、変わってほしいと願う前に、自分の中にあるその考えに目を向けてみましょう。相手はただ存在しているだけです。変わるべき存在がいるのではなく、その相手は変わるべきだと考える自分がいるだけです。相手を変えることはできない、でも自分は変わることができる、というのは、自分が成長して相手を受け入れられる心が持てればいい、とかそういうことではないのです。あるがままの自分、いろいろな考えを持っている自分に気づく。それだけで充分です。
自分の中にある感情や考えを知った上で、相手に協力してほしいことがあったらリクエストしてみます。その場合はしないでほしいことではなく、具体的に何をしてほしいかを伝えましょう。
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