作り置きというと、日持ちのするお惣菜の数々を思い浮かべがちですが、なにも完璧な料理の形にして仕上げる必要なんてないんです。一つひとつを一品としてきちんと仕上げようと思えばそれなりに時間がかかりますが、その手前の状態まで作っておく、というふうに考えればグッと作業時間が短縮されます。
洋風にも和風にもアレンジできるキュウリたとえばキュウリ。そのまま食べられる野菜の代表格ではありますが、塩もみキュウリが冷蔵庫に常備されていると、それだけでぐんとメニューが広がります。そのまま朝ごはんの目玉焼きのお皿に添えれば、あっという間にグリーンが追加されるし、ツナ缶と和えてツナサンドにしたり、レタスの上に乗せてサラダにしたり。ワカメと和えれば箸休めの一品に(お好みでぽん酢や三杯酢で味つけがおすすめ)。
作り方は簡単。薄くスライスして塩もみし、水分をしぼらずにそのままタッパーに入れて保存しておけばOKです。私はアレンジバージョンとして、よくキュウリに大根を縦長に細く切り塩もみしたものをまとめて作っておきます。そのままサラダになるし、オリーブオイルを加えれば洋風に、ごま油でアジアンテイストにとおかずに合わせて変化もつけやすいので重宝します。
冷凍よりもボイルがおすすめの鶏肉また、鶏肉をパックで買ってきたときは、余った分をそのまま冷凍するのではなく、茹で鶏にしてしまいます。こちらも全くと言っていいほど手間いらず。鶏肉がかぶるくらいたっぷりと水を入れたお鍋にネギ1/2本と生姜一片を入れ、弱火で煮るだけ(途中、灰汁を取ってください)。30分もあれば充分美味しくできるので、ごはんを食べているときにキッチンで作っておくといいでしょう。
鍋ごと冷まし、スープにつけたままタッパーで保存。鶏肉は細かく刻んで先出のキュウリや大根と和えれば立派な一品に。ごまペーストでソースを作れば棒棒鶏になります。茹で鶏はそのまま食べても美味しいので、切ってお皿に盛るだけでもいいし、ラーメンやうどんのトッピングに添えてもOK。スープはスープとして使えますが、このスープと鶏ごとごはんを炊き込めば、美味しいシンガポールライス(鶏飯)の出来あがり。
これだけで豪華な一品。牡蠣のオイル漬けこの時期に出番の多い牡蠣はオイル漬けにしておくととっても便利。こちらも作り方はとても簡単。鍋にオリーブオイルを温め、みじん切りにしたニンニクと鷹の爪1本を入れ、きれいに洗って水切りした牡蠣を投入します。半分くらい火が通ったら、さらに白ワインとローリエ1枚を入れ牡蠣に充分火が通るまで煮ます(このとき胡椒やオイスターソースを加えても)。
保存用の瓶に牡蠣を入れ、牡蠣がすっぽりかぶるくらいオリーブオイルを入れて完成。お好みでタイムなどのハーブを加えるとより風味豊かになり、冷蔵庫で3週間くらいは大丈夫。この牡蠣はそのまま食べられるので、おつまみとして大活躍。もちろん、パスタの具にしたり、軽く野菜と炒めるなど使い勝手も抜群です。刻んだ生姜と一緒に炊き込めば牡蠣ごはんにも。
食材を冷蔵庫や冷凍庫に保存するとき、ほんの一手間かけてあげることで、日々の料理がずいぶんと楽になります。アイディア次第で広がる美味しくてラクチンな食卓。無理のない範囲で楽しみながらやってみるのがコツだと思います。
photo by PIXTA