たしかに大人になると、職場だけでなく親族や隣人など、どうしても避けられない関係というのがあります。しかも一度苦手だと判断してしまうと、ますます苦手意識が高まり、ほどよい関係をつくることがむずかしくなることも。
こうした負の感情に振り回されている状態から抜け出し、簡単に自分のモチベーションを高める方法はないものか調べていたところ、心理コンサルタントである八巻理恵さんの著書『セルフコーチング』という本を見つけました。
本によると「負の感情」ではなく、常にその奥にある「肯定的な意図」にスポットライトをあてることで、気持をプラスに昇華できると書かれています。
目の前の上司ではなく、お客さんの笑顔に焦点を当てるたとえば顔を突き合わせるのもイヤだと思う上司に、お客さんから依頼されたことを承認してもらいたいときは、先延ばしにしたくなったり、逃げたい気持ちになるのは自然なことです。でもそこで「上司が苦手」という感情にスポットライトを当てず、その奥にある「肯定的な意図」とも言える、「お客さんに喜んでもらいたい」という本当の欲求にスポットライトをあてることで、積極的な行動の動機づけになり、前向きな行動をとることができるというお話です。
たしかに苦手な相手と向き合わなくてはならなくても、その先にお客さんの笑顔が見られるとしたら、「よしがんばろう」という気持ちになります。そもそも接客業を選んだときは、それが意図だったはず。そういった「初心にもどる」ことも、目の前にある負の感情から本当の欲求に焦点を当てなおす、切り替え作業に含まれるのではないでしょうか。
本当の欲求を見つけて、モチベーションに変えるふいに訪れた人間関係については、「初心にもどる」ことは当てはめられませんが、その場合は自分に「どうして苦手なのか」「この気持ちは自分に何を教えてくれるのか」そういった質問をすることで、じつは相手に嫉妬しているだけだったとわかるかもしれないし、じつは気にしていることを指摘されて必要以上に反応してしまっただけだと気づくかもしれません。
この場合の「嫉妬だった(=自分もそうなりたい)」「指摘が気に障った(=そのコンプレックスをどうにかしたい)」などという感情も、本当の自分の欲求と言えそう。そこに焦点を当てることで、「ではその欲求をかなえるためにどうすればいいのか」という前向きな姿勢に方向転換できそうです。
こうして自分に上手に質問し、自分の本当の感情を見つけ出すセルフコーチングに慣れてくると、苦手意識にとらわれることなく、きっともっと人として女性として素敵に成長できそうです。
[『セルフコーチング〜あなた自身を「最高の自分」へと導くために〜』]
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