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「人生の全てをフラに捧げてきた」フラの伝統を伝えるイヴァラニ・カリマさんインタビュー
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「人生の全てをフラに捧げてきた」フラの伝統を伝えるイヴァラニ・カリマさんインタビュー

2017-04-04 22:00
    世界最大のフラの祭典2017年メリー・モナーク・フェスティバル」が、今年も4月16日から4月22日までハワイ島ヒロで開催されます。 世界中のフラダンサーあこがれのイベント

    メインイベントの競技会は、フラ最高峰の大会として、世界中のフラダンサーのあこがれのステージ。今回、その団体部門に出場するハーラウ(フラスクール)のクム・フラ(フラの先生)「イヴァラニ・カリマ」にお話を伺いました

    イヴァラニ・カリマは、ハワイ島ヒロのクム・フラ。フラ界のレジェンド、故アンクル・ジョージ・ナオぺのまな弟子としてもよく知られている人物です。アンクル・ジョージは、メリーモナーク・フェスティバルの創設者のひとりでもあり、日本でいえば人間国宝のような存在。そのアンクルだけからフラを学び48年、イヴァラニはアンクルの伝統を伝えてきました。イヴァラニが主宰する「フラ・ハーラウ・オ・コウ・リマ・ナニ・エ」がメリーモナークに出場するのは、2006年以来11年ぶりとなります。

    アンクルが私と分かち合ってくれたフラを皆さんとシェアしたい

    「今年メリーモナークに出場すると決めたのは、いまがそのときだと思ったからです。アンクルが私と分かち合ってくれたフラを、私も皆さんとシェアしたい。アンクルのスタイルを皆さんにも伝えたい。アンクルのフラを守るためにも、出場するべきだと思いました。

    アンクル直系のフラを引き継ぎ、メリーモナークで演じることは、大きなよろこびです。今まで学び、経験してきたすべてのことを、メリーモナークで披露できるのをうれしく思います。」

    イヴァラニのハーラウで出場するダンサーは14人。中には、日本人も含まれています。

    「今回の出場に、とてもワクワクしています。2006年に出場してから、あっという間に10年以上経ってしまいました。2006年に出場したダンサーはひとりだけで、その他のダンサーはすべて新しいダンサーたちです。彼女たちにとっては、初めてのメリーモナークのステージとなります。

    今回出場するダンサーは、13歳から42歳。幅広い年齢層で一緒に踊るのは、大きなチャレンジでもあります。ダンサーたちは皆、メリーモナークに向けて1年以上練習してきました。私の姪もダンサーとしてステージに立ちます。また、私の姉がシンガーとして参加してくれますし、甥はアラカイ(クムのアシスタント)を務めてくれます。

    新しい世代のダンサーたちにとって、メリーモナークのステージは特別な機会です。私たちはメリーモナークのステージを『フラ・パー』と呼んでいます。フラ・パーとは、本来、フラを踊るために作られた石造りのステージのことで、単なるステージとは異なります。フラを踊る際、最高位に格付けされているステージなのです。

    フラの世界のベストの中のベストが集まるわけですから、メリーモナークで踊るということは、すべてダンサーたちにとって、最高の栄誉です。」

    今回出場する団体部門「フラ・アウアナ(現代フラ)」と「フラ・カヒコ(古典フラ)」では、どんな曲を選んだのでしょうか?

    「フラ・アウアナは『カマラニ・オ・ケアウカハ』です。この曲は、1982年、私のウーニキ(クムになるための卒業試験)の曲でもあります。アンクルからこの曲を学び、その後何年も踊ってきました。いわば私の"シグニチャーフラ"。私がパフォーマンスをするときは、必ずこの曲を踊ります。

    ケアウカハは、私が生まれ育った場所。そのケアウカハについての曲を踊るのは、大きなよろこびです。その気持ちを伝えたいと思っています。フラ・カヒコは『ア・ハーマークア・アウ』。これは、私たちが『メレ・ホオ・イポイポ』と呼んでいる曲で、愛のチャントです。

    あるところにひとりの男がいました。彼は愛らしいハーマークアという娘に出会い、一目ぼれしてしまいました。男は彼女に夢中になり、ふたりは恋に落ちるという内容です。"ハーマークア"は、ハワイ島北東部の地域のことでもあります。ハーマークアという場所は、美しい女性のようだと言われているのです。

    このメレは、一般的なカヒコとは少し異なります。使用する楽器は、"カーエケエケ"という竹製のパイプです。その音は耳に心地よく、"愛の楽器"と呼ばれています。この楽器を使うフラは、あまり見る機会がないと思います。」

    フラを分かち合い、教え、経験するのは特別なこと

    「フラを始めたのは8歳のとき。アンクル・ジョージのもとでフラを始めて、以来、アンクルだけが私の先生です。ウーニキを受けたのは1982年。その頃、私はコナに住んでいて、アンクルを手伝っていました。アンクルは1980年にコナに引っ越したのですが、しょっちゅう電話で呼び出されるので、私もコナに引っ越したのです。

    ウーニキに合格したけれど、すぐに自分のハラウを始める気になれず、86年になってようやくハラウをスタートしました。94年ごろヒロに戻り、以来、ずっとヒロでフラを教えています。クムになってから今年で31年。フラ歴は48年です。

    フラは私の人生のすべて。48年間、私は人生のすべてをフラに捧げてきました。フラを分かち合い、教え、経験するのは特別なこと。フラは私にとって本当にすべてなのです。フラをやっていなかったら、何をしていいのかわからないでしょうね。」

    日本に帰ったらハワイの経験をフラで表現してほしい

    イヴァラニのハーラウは日本にも姉妹校があるため、ひんぱんに日本を訪れフラを指導しています。また、フラとハワイについてより深く知ってもらうため、ハワイでも定期的にワークショップを開催しています。日本のフラ・ダンサーたちに、特に伝えたいことはどんなことでしょうか?

    「日本でフラといえば、そのほとんどがフラ・アウアナです。もしもアウアナしか学んだことがないのならば、フラ・カヒコを学んでほしいと思います。フラ・カヒコを学ぶことで、フラのルーツをさかのぼることができます。そして、クムフラとのつながりを深めるためにも、ぜひハワイに来てほしい。そうしないと、フラの本当の奥深さにふれることはできないし、感じることも、表現することもできないからです。

    たとえば、私たちはフラで使うものを基本的に自分たちで作ります。花などの植物は自分でつみ、自分でレイなど装飾品を作ります。すべてを手作りする、それがダンサーです。その重要性を知ってほしい。ハワイを訪れたら、私たちが感じていることを感じてほしい。私たちが見ていることを見てほしい。そして、日本に帰ったら、ハワイで経験したことを通して、フラで表現してほしいと思います。」

    2017年メリー・モナーク・フェスティバル

    日程:4月16日(日)~4月22日(土)

    場所:ハワイ島ヒロ市内各地。下記イベントはエディス・カナカオレ・テニス・スタジアム。

    4月20日(木) ミス・アロハ・フラ

    4月21日(金) 団体/フラ・カヒコ

    4月22日(土) 団体/フラ・アウアナ

    <メリー・モナーク・フェスティバル事務局>

    住所:865 Piilani Street Hilo, HI 96720

    電話:(808) 935-9168

    FAX:(808) 969-3058

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2017/04/061508hula.html
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