そもそも「女性にとって豆が良い」と言われている理由には、大豆に女性ホルモンに似た働きをすることで知られる「大豆イソフラボン」が含まれているところが大きいそう。この大豆イソフラボンは更年期症状を緩和させたり、骨粗しょう症対策に有効とされているとか。さらに大豆には葉酸も多く含まれているから、妊娠中の女性にもうれしい食材なのです。
では大豆以外の豆ならどうでしょう。株式会社マルヤナギ小倉屋の和夛さんにお話をうかがいました。
豆によって異なりますが、食物繊維、タンパク質、ミネラル類(鉄、亜鉛、カルシウム、カリウム)、ビタミン類(葉酸、ビタミンB1など)と、女性に必要な栄養素が含まれています。(和夛さん)
たしかに、どれもほしい栄養素ばかり。さらにはこんな提案もいただきました。
一時期「ベジファースト」が話題になりましたが、大豆や豆類を食事の最初に食べる「豆ファースト」を実践すれば、食後の血糖値上昇を緩やかにし、腹もちも良くなり、ダイエットにも効果的です。(和夛さん)
「ベジファースト」のつぎは、「豆ファースト」にも注目が集まりそうです。
市販の蒸し豆なら料理に加えるだけこのように女性は積極的に摂りたい豆ですが、水溶性の栄養素がたくさん含まれているので、その調理法に気をつけたいもの。そこで栄養素だけでなく、豆の旨みも残す「蒸し豆」の状態で使うのが理想的。より手軽にいただきたいときは、市販品(下調理済)の蒸し豆をうまく使うのが便利。サラダやスープ、カレーなどに加えるだけで手間がかかりません。
でもコスパと、出来たてのおいしさを求めるなら、乾燥豆を家で蒸すのが一番。そこで必要なのが下ごしらえです。乾燥した大豆をたっぷりの水が入ったボールに入れて、しわがなくなるまで一晩ねかします。あとは圧力鍋や蒸し器を使って蒸すか、水をはったお鍋に、大豆を入れた陶器の湯飲み茶わんを入れて蒸す方法も。ズボラな私は鍋で煮込み料理を作るときに、水分に浸からないように鍋に乗せた片手ザルに豆をいれて蓋をし、煮込みと蒸しを同時に作ることも。
蒸し豆を使ったレシピ豆を使った料理といえば、煮物に入れたり、サラダに加えたり、アレンジが広がらないのが残念。そこで「おいしくて健康的な蒸し豆が、日本の定番食材になることを目標」という新サイト「蒸し豆PROJECT」より、気になるレシピを2つご紹介します。まずは、お弁当にもよさそうな「蒸し豆のチーズ焼き」から。
・蒸し豆のチーズ焼き
<材料(6cmカップ4個分)>
蒸しミックス豆 60g
ウィンナー 2本
コーン 20g
ケチャップ 適量
スライスチーズ 1枚<作り方>
1. ウインナーを1cm角に切る。
2. 材料をすべて混ぜ、耐熱カップもしくはアルミカップに入れる。
3. スライスチーズを4等分し、各カップに1枚ずつ乗せる。
4. トースターで約10分、チーズに焦げ目がつくぐらいまで焼く。(「蒸し豆PROJECT」より引用)
つぎに、管理栄養士 堀知佐子さん監修の、食物繊維たっぷりの「蒸しあずきと大麦のリゾット」です。
・蒸しあずきと大麦のリゾット
<材料(2人分)>
蒸しあずき 55g
蒸し大麦 70g
トマトジュース(有機) 200cc
温泉卵 1個
のり 少々
刻みネギ 少々<作り方>
1. 鍋にトマトジュースと蒸しあずき、蒸し大麦を入れて火にかける。
2. 水分がなくなったら器に盛り付け、温泉卵とちぎったのり、刻みネギをかざる。(「蒸し豆PROJECT」より引用)
こうした蒸し豆のレシピも増やしつつ、大豆加工食品である味噌や豆腐、納豆、豆乳なども加えれば、毎日のように豆料理を食べることができそう。女性にうれしい食材を日々手軽に摂り入れて、よりイキイキと過ごしたいと思います。
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