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『不安』から『成功』へ導く5つのレッスン
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『不安』から『成功』へ導く5つのレッスン

2017-08-07 23:00
    脳神経外科の菅原道仁先生による、「不安と脳」の後編です。前編では「不安」の正体と、その向き合い方についてお伝えしました。心配性の人はなかなか一歩を踏み出せないため、成功に近づけないイメージかもしれませんが、それは間違い。心配性の人が見ている「先読み」こそ、成功への道なのです。後編は、今からすぐに始められる、「不安を成功に変える」実践編です。

    ******

    成功者はみな、異常なまでに心配性

    私の著書『成功する人は心配性』にも書きましたが、これまでに成功してきた経営者、スポーツ選手、アーティストなど著名人の多くは、病的なまでに心配性でした。松下幸之助もスティーブ・ジョブスもイチロー選手も。心配性の人には「先読みする能力」と、「リスクを洗い出せるスキル」が備わっているからです。一見、ネガティブに思える「不安」や「心配」は、捉え方を変えるだけで「成功するための条件」になり得るのです。

    本書ではさまざまな方法を解説していますが、ここでは5つご紹介します。

    大切なことは、一つでも、少しでもいいからとにかく始めること。全部を始めなくても構いません。(もちろん、全て実践していただいてもOKです)。心配性の人は「曖昧」が苦手です。準備が整わないと始められない、勉強してからでないとダメだ、と行動に制限をかけがちです。

    まず準備として「思いこみリスト」を書いてみましょう。書くのが面倒で進まない人は、レッスン1〜5に飛んでも構いません。頭で「やらない言い訳」を考える前に、まずは行動しましょう。

    書き出すことは、自分が「やりたい」と思っているのにできていないこと、一歩を踏み出せないこと。そして、それらが「なぜできないと思うのか」も書いてみましょう。その「なぜ」の部分が思いこみ。「本当にそう?」「本当にできる方法は1つもない?」という目で眺めてみてください。自分が勝手に決めている「思いこみ」が見えてきます。「できない」「無理」「恥ずかしい」などの理由が浮かんできたら、それは脳がサボろうとしているサインでもあります。

    リストができましたか? 
    果たしてあなたは心配性だったでしょうか。
    もしそうなら、目標に確実にたどり着くスキルをもっていることになります!

    レッスン1:ドローン視点をもつ

    ドローン視点とは、つまり「メタ認知」のこと。メタとは「高次の」という意味で、自分の行動を、外からもう一人の自分が見ているようなイメージです。メタ認知能力が高い人は、低い人に比べてストレスが少なく、年収が高いというデータもあります。

    友人が仕事や恋愛で悩んでいるとします。聞く側(あなた)は上司の行動や言動、ボーイフレンドの行動などを俯瞰で見てアドバイスしますね。もしくは、「思いこみ過ぎじゃない?」なんて言うかもしれません。

    しかし自分が当事者の場合、どうでしょう。不安に駆られて、事態をそのように俯瞰ではなかなか見られないケースが多々あります。自分の立ち位置を認識するには、不安な感情に囚われている自分を離れて、全体を客観的に見る必要があります

    そこで役立つのがドローン視点です。ドローンに乗った気分で、上空から現状を眺める癖をつけましょう。第三者視点で、「なるほど、あそこであの大きさの穴に嵌っているんだな」ということを見られるようになると、それはもう不安ではなく「解決方法」に変わります。

    便利な魔法の言葉があります。「~と、自分は考えている」という言葉です。この言葉を使うことで、物事を簡単に客観視できるようになります。

    レッスン2:フィルターの眼鏡を掛け替える

    ある出来事に直面した時、「無理だな」と思う人と、「できるな」と思う人では、どちらの方が、成功率が高いでしょうか。簡単ですね、もちろん後者です。これは考え方の癖。考え方の癖とは物事の受け止め方で、過去の経験により異なってきます。

    たとえば、

    「料理ができない」→「料理に慣れていないだけ」「以前、私の料理を食べた人の口にたまたま合わなかっただけ」
    「やらなきゃいけない仕事がある」→「やれる仕事がある」
    「水があと少ししかない」→「水がこんなにある」

    このように、どちらの捉え方もあります。矢印の左側にある「不安」が、思いこみのフィルターです。
    この癖(フィルター)を書き換えるのは、実はとても簡単です。脳の記憶を「できる」「簡単」「余裕」と上書きするのです「できない眼鏡」を「できる眼鏡」にササッと掛け替える自分をイメージしてみてください。それだけで、脳は「できるんだ!」と上書きしてくれます。疑う前に、行動ですよ。

    レッスン3:三日間、情報断食をする

    この見出しを読んで「えー、無理」と思った人は、すでに「ノルアドレナリン」に支配されているかもしれません。人間は、新しくて刺激的な情報に触れると、ノルアドレナリンという神経伝達物質(ホルモン)が放出されます。別名、ストレスホルモンとも呼ばれるこのホルモンは、心拍を上げ、ドキドキさせる働きがあり、恐怖心やイライラの原因となります。新しい情報に触れなくなると不安になりイライラしますね。その不安を解消するために人は情報に触れ続けてしまうのです。

    不安なときほど情報収集をやめましょう3日間情報断食をすると、不思議なくらい不安がなくなります。また、不安な時に仕入れた情報は、ほとんど役に立ちません。前編でご紹介した「気分一致効果」という脳の仕組みがあるからです。自分の都合のいい情報(=できない理由を正当化するもの)ばかりが目に付き、不安要素が雪だるま式に増えていく、というものです。

    レッスン4:LINE活用術

    不安はLINEでも書き換えられます。タイムラインを使用していきます。
    まず、タイムラインを自分しか見られない設定にしてください。そして、不安や心配事を次の要領で書き込みます。

    <1> 不安を感じたときの出来事を文字のみで書く
    <2> そのときに浮かんできた考えを文字のみで書く
    <3> <2>で感じた感情と逆のスタンプを押す


    つまり、<2>で不安を感じて落ち込んでいたりしたら、思い切り笑顔の「やったー!」というようなスタンプを押すわけです。これは、いくつでも書きこんでみてください。そして、過去にスクロールして、それぞれの<1>出来事、<2>感情、<3>スタンプを眺めてみましょう
    脳は自動的に<3>「やったー!」と思えるところを探し出そうとし始めます。今後、自動的に「やったー!」と思える点をフォーカスし始めます。「フィルターの架け替え」「気分一致効果」をうまく活用するレッスンです。

    レッスン5:バケットリストを書く

    人生は、本来やりたいことをするためにあります。ところが心配性の人は他人に気を遣いすぎたり、他人の目が気になったりして自分の声が聞こえなくなっているケースがよくあります。人生最後の日を意識してみましょう

    自分の寿命はあとどれくらいでしょうか。日本人女性の平均寿命は86.99歳。たとえば今40歳で、平均寿命まで生きるとすると、365日✕47年。人生最後のまで、たったの17,155日です。そのうち1/4は眠っているとすると、残された時間は約13,000日です。人生は有限です。これだけはやっておきたい「バケットリスト」(バケツのなかに放り込むという意味)を作りましょう

    ●どこに旅に行きたい?
    ●成し遂げたい仕事は何?
    ●誰と恋をしたい?
    ●あと何回、親の顔を見たい?

    何でも構いません。残りの人生で、誰と何をしたいか。日々大切なものを意識しましょう。不安を感じてもゴールを目指したい。それなら、目の前の不安をひとつずつ取り除いて、ゴールにたどり着けばいいのです。難しいことはないし、迷っている時間もありません。不安と上手に付き合い、理想の人生を歩んでいきましょう。

    <<前編 『不安』は脳の使い方で簡単に消し去れる!


    菅原道仁(すがわら・みちひと)さん
    脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長。
    外来診療は月に1500人を診察することも。「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践。「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までサポートする医療を行っている。2015年6月、東京都八王子市に菅原脳神経外科クリニックを開院。著書に『成功する人は心配性』(かんき出版・2017年6月19日発売)、『死ぬまで健康でいられる5つの習慣』(講談社)、『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)などがある。菅原脳神経外科クリニック

    Illstration / chao!


    ■医学博士で脳画像診断医の第一人者である加藤俊徳先生に聞きました。
    <<前編『苦手』は、脳の使い方であっという間に克服できる
    <<後編『なりたい自分』になるための脳トレメニュー3

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2017/08/063951brain04.html
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