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入浴するだけでOK? 睡眠負債を防ぎ、高いパフォーマンスをキープするコツ
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入浴するだけでOK? 睡眠負債を防ぎ、高いパフォーマンスをキープするコツ

2018-08-21 20:00
    世界でも睡眠偏差値が低いといわれる日本。昨年は「睡眠負債」という言葉が流行語トップ10に選ばれるなど、どうやって質のよい睡眠をとるかに多くの人が注目しています。

    今回は「睡眠負債」という言葉を世に知らしめた睡眠研究の世界的権威、スタンフォード大学・西野精治先生が登壇された、江崎グリコ主催の「よいパフォーマンスを実現する最高の睡眠について」のセミナーから、睡眠のミッションと睡眠不足がもたらすさまざまなリスクをピックアップ。毎日のパフォーマンスを上げるスタンフォード式睡眠術についてもご紹介します。

    睡眠の5つのミッション

    image via Shutterstock

    著書『スタンフォード式 最高の睡眠』は30万部を超えるベストセラー。睡眠研究の総本山といわれるスタンフォード大学で長年研究を続け、同大学の睡眠生体リズム研究所の所長をつとめるのが西野精治先生です。

    「重要なのは、人間の睡眠・生体リズムは非常に乱れやすいということ。今年の夏のような猛暑や湿気、ストレスもリズムを崩します。睡眠は量とともに質も大事。累積した“睡眠負債”は人体に恐ろしいダメージを与え、後から寝だめをしてもなかなか回復しません」(西野先生)

    西野先生によると、睡眠の主なミッションは次のとおり。

    脳と体に「休息」を与える 「記憶」を整理して定着させる 「ホルモンバランス」を調整する 「免疫力」を上げて病気を遠ざける 「脳の老廃物」をとる

    脳も体も休息するレム睡眠中は、老人でも成長ホルモンが分泌され、肌や骨をつくります。記憶を定着させるだけでなく、いやな記憶を消すのも睡眠のミッション。「脳は体のなかで一番活発な臓器。使えば使うほど老廃物がたまるので、効果的に除去するには睡眠が重要」と西野先生は話します。

    睡眠不足だと太りやすい?

    image via Shutterstock

    「日本人は睡眠時間が6時間未満、寝てもすっきりしないという人が多い。アジア人はあごが小さく気道が奥まっているので、閉塞性無呼吸(睡眠時無呼吸)の症状も出やすいです。」(西野先生)

    睡眠不足には“太りやすくなる”という思わぬ弊害も。眠らないと血糖値が高くなり、食欲を抑制するレプチンの分泌低下が起こります。食べる量も増え、血糖値が上がりやすいため、生活習慣病のリスクも高まります。そのほかにも、

    鬱病、不安障害になりやすい 薬物依存になりやすい がんのリスクが高まる 脳内でアミロイドベータの蓄積が促進され、アルツハイマーの発症率がアップする

    など、百害あって一利なし。

    ちなみに、ナポレオンのようなショートスリーパーの確率は1%未満で、ほとんどが遺伝子の突然変異によるといいます。

    入浴と昼寝でパフォーマンスを維持

    image via Shutterstock

    慢性的な睡眠不足は、1〜2日寝だめしても解消できないと西野先生。寝たいだけ寝たとしても、睡眠負債を解消するには3週間かかると話します。

    しかし、睡眠時間そのものを増やすのは、忙しい現代人には難しいこと。そこで西野先生がすすめるのが、特に「入眠直後の睡眠の質」にこだわるスタンフォード式の睡眠術です。

    もっとも簡単なやり方は、入浴を利用すること。人間は40度のお湯に15分入ると、体温が0.5度上がります。その後、体温は90分ほどかけて元に戻りますが、入浴前よりやや低くなります。このタイミングで眠ることで、質のよい睡眠が得られるそうです。

    温泉に入ると疲れがとれるのは、温泉のほうが熱吸収がよいため、より深い睡眠が得られるから。温泉の水質によっても違いがあり、ナトリウム泉はやや疲れやすく、炭酸泉は疲れないためお年寄りやスポーツ選手にもおすすめだといいます。

    睡眠改善効果が知られるアミノ酸や、ノンレム睡眠を延長するといわれるオルニチンを配合したサプリメントなどを利用するのもひとつの手。睡眠時間を短縮せざるを得ない人は、昼寝をすることでパフォーマンスの維持につながり、認知症や糖尿病の発症率も下がるとアドバイスをいただきました。

    根底に慢性的な睡眠不足の傾向があるのが現在の状況、という西野先生。まずは毎日の入浴から、睡眠負債の解消を心がけてみてはいかがでしょうか。

    西野精治
    スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SNCL)所長。1987年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学精神科睡眠研究所(現研究所の前身)に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。1999年にイヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見し、翌2000年にはグループの中心としてヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止める。2005年に、SNCLの所長に就任。睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究。

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