「少しでも自分を変えようとしている人には、教訓となりそうな言葉を選ぶようすすめています」と語るのは、アシュリー・リーヴァーさん。カリフォルニア州の認証栄養士、リーヴァーさんは次のように話します。
「その言葉は、結果ではなくプロセスに関して前向きなものであるべき。プロセスに関する名言は、自分の習慣をレベルアップするのに役に立ちます。長い目で見ると、行動を変えたり、成功を長続きさせたりするには習慣がものをいうのです」
フィットネスアプリ「Trainiac」のパーソナル・トレーナーで、ACE認定ヘルスコーチのマッケンジー・バンタさんは、大切なのは手段よりも理由だと言います。「もっと深く考えてみましょう。その目標を達成することは、なぜあなたにとって大切なのでしょうか? それを書き出してみてください」
いったん言葉を選んだら、ふだんの生活でいつでも思い出せるようにしておきましょう。
たとえば名言を写真に撮ってスマホの壁紙にするのもいいし、ポストイットに書いてトイレや洗面所に貼っておくという手も。
いちばんツライ時期でさえもやる気を失わずにいられるような言葉を、専門家に教えてもらいました。では、さっそく見ていきましょう!
1. 頭で思っているほどダメじゃないことを、私の身体は知っている
完璧でいるのは不可能、とバンタさん。「達成できそうにない“完璧な”身体のイメージを必死になって追い求めたりせずに、健康と体組成にフォーカスしつづけることが大切」
自分の身体の嫌いなところに目を向ければ向けるほど、健康を向上させるための計画を守りにくくなる、と指摘するのは、フロリダ州の認証栄養士スザンヌ・ディクソンさん。
「まず自分の身体(と自分自身)のことを好きにならなくてはダメ。そうすれば体重を減らしてそれをキープすることができるんです。いまの自分の“太っている”身体がきらい、もし目標体重になれたら自分のことが好きになれる、と人は考えがち。残念だけど、ダイエットに成功したいなら、これではまさに順番が逆です。成功のいちばんの秘訣は、ネガティブな考えを捨てること」
2 . 食べることは、楽しむこと、そして滋養になること
罪悪感を感じながら食べるのは、きっぱり禁止しましょう。この名言を心に刻んで、食べる物について罪悪感を覚えないようにしてほしい、と語るのは、栄養コミュニケーション・コーディネーターを務める認証栄養士のアリッサ・アルドリーノさん。
「食べるもののせいで人は悪人になったりしません。だから罪悪感を感じる必要はない」とリーヴァーさんも同意見。ディクソンさんも「クリーンな食べ方」というトレンドは危ういと考えています。
「仮にある食べ物がクリーンな食べ方に含まれていないとしたら、それってどういう意味なんでしょうね。汚いってこと? そんなの誰のためにもならないですよね! “汚い”食べ物も“クリーンではない”食べ物も存在しないし、ましてやそれを食べている人についても同様です」とディクソンさん。
3. 新しい食事で心機一転の再スタート
間違いは学ぶチャンスだと考えて、と言うのは、認定栄養士ミシェル・ハイマンさん。この名言を胸に、最後に食事をしたあとどんな気持ちになって、今後はどんなふうに調整していきたいかじっくり考えてみてもいいかもしれません。
「ドカ食いしてもOK、明日か次の月曜からやり直せばいいやという、“その日ですべてチャラになる” といったものはないんですよね」と話すのは、認定管理栄養士ローレン・ハリス=ピンクスさん
「どの食事やおやつも、健康的なものを選ぶことができる機会です。たったひとつのつまらない選択でこれまでの積み重ねを台無しにしないで」
4. 息を吸って、息を吐く
再スタートといえば、あなたにそうする余裕さえあれば、呼吸することも心のリセットになります。
「体重が増えてしまったり、なかなか落ちなかったりといった場合の大きな要因はストレスと関係があります。人生のいろいろな場面でストレスを管理していけば、よりよい選択ができるようになり、順調にダイエットを続けられるようになりますよ」とリーヴァーさん。
5. 私が選んでいるのは、バイタリティをあげる食べ物
体重を減らすことは、カロリーを摂取してカロリーを消費すること。これは正しいのですが、だからといって、もっともカロリーが低いものを選ぶのが賢い選択だとは必ずしも言えません(たとえば、人工添加物がたっぷり含まれた食品や、パワーを維持するためのほぼ炭水化物でタンパク質ゼロの食品とか)。
「身体に栄養を与えることが必要不可欠。私は自分の患者には、食べられないものではなく、食べられるものすべてを重点的に考えるようにしてもらっています。食べ物は燃料です。そして人生の基本的な要素なんです。色とりどりの野菜もどんどん食べて」と話すのは、ジョージア州の看護実践博士、クリスティン・オージャさん。この名言は、決定する力を持つのは自分だと言っているところに説得力があります。
「アイスクリームは食べられない」というようなフレーズを自分に言い聞かせるのは、余計に食べたくなってしまうだけ。「食べるものを選ぶ力を自分の手に取り戻して。あくまでも自分の選択肢にないものを食べないのであって、食べることが“できない”と言ってしまうと、自分の決定権を奪ってしまうことになります」とディクソンさん。
6. 禁止事項なんてない
「ほとんどの人が、いずれは自分で決めた禁止事項に反発して、禁じていた食べ物をやたら食べすぎてしまうんですよ。その結果、自分が情けなくなったり、後悔したり、失敗したと感じて、絶望的な敗北感を味わうという負のスパイラルにハマってしまうんです」とリーヴァーさんは言います。
さらに「剥奪されると落ち込む」と続けたのが、ダイエットサイトのオーナーで本も書いている栄養士ラニア・バテイナーさん。
「ほかの人についてはわかりませんが、私は栄養士だけどルールにはうんざり。特に食べたいものを食べてはいけないという決まりがそう。個人的には、いまも昔もおいしいデザートを楽しんでいるし、全粒粉のパスタよりも白いパスタのほうが好み。ときどき夕食にステーキが食べたくなることも。好きなものを禁止して、好きじゃないものを食べるように要求するダイエットをどうして守らないといけないの?」とバテイナーさんは問いかけています。
7. 私は自分をいたわることを選ぶ
自分の身体に耳をかたむけて、自分をいたわりましょう。身体の内側から外側までを大切に扱うことで、台所やジムでも意識せずにより健康的なことを選べるようになるはずです。
「たとえば、もっと果物や野菜を食べる、週に何度も楽しんで運動する方法を見つけるなど、健康的な習慣を続けていこうと決めることは、やる気を持続させます。なぜならそうした決定が、自分をダメだと思う気持ちからではなく、自分をいたわる気持ちから生じているから。自分のことを恥じて食べる量を減らしたりしても、たいてい長続きしません。恥や罪の意識というのは、変わろうとするときに効果的なモチベーションにならないからです」(アルドリーノさん)。
8. しょっちゅう空腹を感じるのは大丈夫、でもお腹が空きすぎてはダメ
体重を落とすために、決して飢餓感を覚えるべきではないし、それにお腹が空きすぎている状態にはならないで、とバテイナーさん。自分の身体から合図を得てマインドフルになるきっかけとして利用するのは、ダイエットを着々と進めていく上でプラスとなります。
「少々空腹を感じるのは、食べるときだというよいサイン。携帯できる栄養のある食べ物が手近にあれば、決してお腹が空きすぎてしまうような事態にはなりません。計画を立てていなかったり、食事の間が開きすぎたり、あるいは食事をまとめて抜いたりすると、飢えを感じてしまいがち」(バテイナーさん)
9.体重計は、重力と私の関係を計っているだけにすぎない
身体に関することすべてに集中している最中は、物理的な現象のことを忘れないで。
「体重計の数字以上に、進歩の状態を測る方法はたくさんありますよ。たとえば筋肉や持久力が増えた、食事を意識するようになった、野菜をたくさん食べるようになった、前よりも家で料理をする機会が増えたなどがそうです」とハリス=ピンクスさん。
エネルギーが増えて、日常の行動(階段をのぼる、買い物を運ぶなど)が楽になったというのも考慮してもいいですね。さらに洋服がぴったりフィットしてきたなら、それは勝利と進歩のしるし、とハイマンさん。
10. 私の価値を決めるのは体重じゃない
同様に、サイズは価値を反映するものではありません。
「体重がすぐに落ちて、身体に栄養を与えていない場合は、骨の健康や代謝の効率にとって大切な筋肉量を失ってしまっているのかもしれません」とオージャさんは注意しています。
11. もっとも安定して体重が減ることが、もっとも健康的な減量法
バテイナーさんいわく、微調整がいずれは大きな結果につながるし、より持続できるとのこと。多くの人は、すぐにやせたいと思うのですが、それでは体重が元に戻ってしまいます(それどころか、さらに増えてしまうことも)。
「体重を減らすにはゆっくりと確実にやっていくほうが効果的で、結果的に維持できるものになります。毎日ソーダは1杯減らして飲むことにして、1週間に3回の有酸素運動を10分間増やすことにしてみて。この2つの習慣だけで、1年経つ頃には10kgの減量につながっていますよ」
12. 私の身体は私のことを毎日あらゆる方法で支えてくれている
「成功するダイエットと失敗するダイエットに関する研究によれば、自分の身体を嫌っているほうが、ダイエットに成功する可能性が低くなります」とディクソンさん。「そしてこの成功には長期間にわたって体重を維持し、健康的な食事や身体を動かす習慣を身につけることも含まれています」
自分のことを精神的にとがめたり、揚げ物を食べた自分を叱ったり、“太いふともも”を嘆いたり、こうしたことはすべて、体重を減らそうとしている際に自分を傷つけている表れです。
13. いったんセルフケアの方法を決めたなら、私は成功して目標を達成できる
自分にぴったり合った健康のプランが定まったら、自分にはそれを達成できるし、必ず実現すると信じましょう。
「私はふだんから“しない、できない、すべきでない”という言葉を使わないようにしていて、クライアントとのコミュニケーションでもそういう言い方は避けています。また、クライアントにも自問自答するときにはそうした言い方を使用しないようにすすめています。“含める、やってみる、考慮する、加える、いたわる”といったポジティブな感覚のほうが好きなんです。人は、禁止されたと感じるのではなく、力づけられたと感じる必要があるんです」(ハリス=ピンクスさん)
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