普段の食事と同じものを食べようと思っても、食欲は進まないし、胃にもたれてしまいます。そんなときには、「胃腸を休めて自分自身の力で回復できるように身体をととのえることが大切」と話すのが、長野・安積野にあるホリスティックリトリート穂高養生園で調理を担当する鈴木愛さんです。
鈴木さんは不調のときに飲みたいスープを数多く考案し、先だって『なんとなく不調をととのえるスープ』(世界文化社)という一冊にまとめました。不調を感じやすいこの時期、どのような野菜をどのようにしてとり入れるとよいのでしょう?
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風邪のときに摂るとよい野菜は?
image via shutterstock鈴木さんによると「風邪のひきはじめは温める、風邪をひいて発熱したら冷ます」が鉄則。悪寒を感じたら、しょうが、長ねぎを摂って体をしっかりと温める方向で。とろみづけにもなる葛は、腸をととのえる作用があるとのこと。
そして、風邪をひいてしまったら、次は冷ますことを意識します。熱を冷ます力があるのは大根。大根は生のままでは体を冷やすけれど、干すと体を温める野菜にチェンジする性質があります。冬の冷えが気になるときには、5mm角の細切りにし、ざるに広げて風通しのよい日が下に1日半ほど干すとよいそうです。
冬はなるべくふだんから「早寝・遅起き」を心がけ、できるだけ体をやすめつつ、乾燥対策にうるおすもの、冷えには温めるもの、免疫力を上げる食材をとって、ととのえておきましょう。
『なんとなく不調をととのえるスープ』53ページより引用
干し大根の豆乳スープ
干し大根、えのきだけ、にんじんを、ひたひたの昆布だしでやわらかくなるまで煮て、豆乳と白みそ、にんにくすりおろしで仕立てるまろやかなスープです。仕上げにごまと香菜をかければ、豊かな彩りに満足感も高まります。
せん切りにんじんのスープ
せん切りにしたにんじん、セロリ、えのきだけを昆布だしで煮て、黒こしょうと小ねぎで仕上げるシンプルなスープです。せん切りにしたため火の通りもよく、具合の悪いときでも短時間で作ることができます。
寒さが続いたときに摂りたい飲み物は?
image via shutterstock真冬に寒さが続いてくると、体が縮こまって緊張状態に。すると血液循環も悪くなるので、リラックスするのが大事と、鈴木さんは言います。
冬のリラックスに最適なのは、キャベツ、小松菜、りんご。なかでもりんごは疲れをとったり、イライラをやわらげる効果も期待できると鈴木さん。
そこで、簡単にできる「りんごの葛湯」を教えてもらいました。葛湯というと難しそうに見えますが、りんごジュースで簡単にできます。仕上げにシナモンやしょうがの薄切りを入れても体が温まりますね。
りんごの葛湯
材料:
りんごジュース(ストレートタイプ)300ml 葛粉 大さじ1と1/2 塩 ひとつまみ作り方:
鍋にすべての材料を入れ、へらで混ぜながら葛粉をよく溶かす。 中弱火にかけてよく混ぜながら温め、ふつふつとしてきたら弱火にし、約3分煮る。* * *
食べたものを消化するにはたくさんのエネルギーが要ります。もし、食べなければそのエネルギーは身体の回復に向けられる。だから、不調のときには胃腸に負担のかかりにくい消化のよいスープを摂り、胃腸を休めることが大事であると鈴木さんは話します。
体調を崩したときだけでなく、毎日続ければ「不調かな」というサインがわかってきます。凝ったものでなくてよし。季節の野菜で身体をケアするスープ習慣を続けていきましょう。
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つらいなあ、と思ったら
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[なんとなく不調をととのえるスープ]料理写真:出版社提供
1650円もすんのか。心臓に悪いな。
「なんとなく不調をととのえるスープ」1,650円の宣伝記事。