緑が豊かな季節になると、殺風景になりがちなキッチンにも緑を飾りたくなります。せっかく台所に飾るなら、食材として使える緑を置きたいもの。そこで今人気なのが、豆苗です。
実はこの豆苗は、エンドウ豆が発芽して成長する前のもの。
元はエンドウ豆であるため、豆類と緑黄色野菜の両方の栄養がつまっているのが特徴。なので豆苗1つでこれらの栄養素が揃うことになります。詳細な栄養素は以下の通り。
豆類...たんぱく質・ビタミンB1・ビタミンB2
緑黄色野菜...βカロテン・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンK
実はこれらの栄養素は、夏の三大不調である「日焼け」「夏バテ」「夏風邪」を解決してくれる強い味方なのです。症状別に見ると、
日焼け予防には...βカロテン・ビタミンC・ビタミンE
夏バテ予防には...ビタミンB1・ビタミンB2・たんぱく質
夏風邪予防には...ビタミンC・βカロテン・食物繊維 などが効果的とか。
と、まさに夏の不調にぴったり!
豆苗1つでこれらの予防ができるのであれば、積極的に取り入れたいものです。食材としても香りが強すぎないので、どんな料理でも合うのが嬉しいところ。
これからの季節は、豆苗特有のシャキシャキ感を楽しめるさっぱりとした料理が食べやすいのではないでしょうか。たとえば、「スルスルとろろの豆苗」が簡単で美味しいです。
疲労回復も! 夏バテ知らずのカラダに!「とろろ豆苗」<材料(2人分)>
豆苗:1パック
塩昆布:10g
山芋:150g(大和芋がおすすめ)
酢:大さじ1
うずらのたまご:2個
(A)
だし汁
薄口しょうゆ
みりん<作り方>
(1)豆苗は根を落として洗い、3cmくらいに切って塩昆布と和え、30分程置く。
(2)山芋は皮をむいて、酢を入れた水につけておく。
(3)山芋の水気をふいて、すり鉢またはおろし器ですりおろす。
(4)(3)にAを少しずつ入れて混ぜ合わせる。
(5)器に1を盛り付け、(4)を流し入れ、うずらのたまごをのせる。<ポイント>
豆苗は、塩昆布で和えることで生のままでもしんなり食べやすくなり、栄養をまるごと摂取することができます。山芋は、消化を助ける働きがあり、体力増強、疲労回復効果も期待できるため、夏バテの時におすすめの食材です。ビタミン類が豊富な豆苗と、熱中症の予防にも効果的なカリウムを豊富に含む山芋や塩昆布を一緒に摂ることで、暑さで食欲が低下する季節を上手に乗り切りましょう。
豆苗は、根元の近くの小さい芽の上、豆から2cm位上の部分をカットして、サッと水洗いしたものを使うだけのとても便利な食材。1度刈っても、残った根の部分を水に浸しておけば約1週間程度で再収穫できるから、キッチン栽培気分も味わえます。
安い!美味しい!栄養豊富!そのうえ夏の三大不調にも効果的となれば、これからも欠かせない食材になりそうです。
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(知恵子)