わたしが暮らしているのは、古い町家。マンションから引っ越してきてはじめての梅雨は、高い湿度によるさまざまなトラブルに見舞われ、驚きの連続でした。けれど、5年目ともなる今では、このオーガニックな暮らしにもすっかり慣れ、GWあたりからしっかり気をつけて、カラッと晴れた日には窓を全開、できれば押し入れのふすまも全開して家じゅうに乾いた風を通す、酢水で畳をさっぱり拭き上げておくなどの対策ができるようになりました。
町家暮らしになって変わったことは生活の中に数えきれないほどあるのですが、そのひとつに「香り」があります。
和の暮らしには、やはり奥ゆかしいお香の香りが似合います。(写真提供/松榮堂)
マンション暮らしのときは、たとえばラベンダーの香りのルームスプレーなどを好んでいたのですが、この家で同じように使ってみてもなんだかしっくり来ないのです。その代わり、いただきもののお香を焚いてみると、とてもいい感じ。
ジメジメとうっとうしい日が続くと、ちょっと気になる雨のニオイ。このとき我が家で活躍するのも、もちろんお香です。
わが家で愛用している「二条」と「堀川」。ともに、スティックタイプ 20本入
わたしが愛用しているのは、創業300年以上の香老舗『松榮堂』の大定番、芳輪「堀川」と「二条」。とくに白檀の甘みがしっかりと濃くきわ立つ「堀川」は、「これでなくちゃ!」というファンもたくさんいるという人気の香り。けれど、湿度によって少々香りに敏感になるこの時期は、同じく白檀をベースにしているけれど、よりあっさりした華やかな香りの「二条」がオススメです。
夏と冬の衣替えのときに大活躍の防虫香(1箱10袋入)
衣替えの衣類と一緒に引き出しへ入れる防虫剤も、市販の化学的なものから防虫香に変えました。和ダンスの引き出し、冬服の衣装ケースだけでなく、仕事柄所有量の多い書類や資料等の紙類、撮影小物として使う布類を片付けるときにも、必ず一緒に。保管状態にもよりますが、半年ほどは効果と香りがもつそうです。
そうそう、この夏の衣替えで防虫香を求めに行った『松榮堂 京都本店』のショウウィンドウに、こんなすてきなアイテムを見つけて、しばし釘付けになってしまいました。
マッチ箱のように横から引き出すと、中からお香の携帯セットが!
ひとつひとつ手づくりの、竹細工職人さんの手による、竹製の懐中香箱です。香皿を兼ねた繊細な小箱に、ちいさな香立てと刷毛が収まったなんとも愛らしいアイテム。旅や出張が多い大切な方へのとっておきのプレゼントに、覚えておきたいですね。
源氏かおり抄 竹河 千尋草(たけかわ ちひろくさ)。掛け香立、刷毛、お香7本(堀川)、巾着付きで23,100円。(写真提供/松榮堂)
[香老舗 松榮堂]