フランスでは、今年の5月に、同性愛の人のための結婚が認められ、フランス・モンペリエで初めての同性愛夫婦が誕生して話題になりました。そんな、どんどん進化していくフランスの結婚事情。
なかでも面白いのが、結婚したカップルに送る「ご祝儀」です。
フランスでは、ご祝儀のかわりに、個人の予算にあわせ、自由に金額を選ぶものや、新郎新婦が事前に提示した、いわゆる"欲しいものリスト"「リスト ド マリアージュ」を、親しい友人や家族が手分けして購入するというのが一般的なんです。
「リスト ド マリアージュ」の仕組みは、いたってシンプル。新婚カップルが、新生活に必要なものを約2000ユーロ(約26万円)くらいを目処にリストにし、それをプランタンなどのデパートなどに申し込みにいきます。
デパートが親しい友人や家族に知らせてくれる
そのデパートが、手分けして欲しい友人や家族全員に知らせ、それぞれが予算に応じてリスト内の商品を選んで購入してプレゼントするというもの。もちろんこの時、贈り物が被らないように、購入済みの商品にはマークが記載され、共有されているので安心です。
最近では、デパートなどの公式サイト上でカンタンに申し込むことができ、リストの購買状況も確認できるのでとっても便利です。
「ご祝儀貧乏」知らずのフランス
ちなみに、フランスの結婚式には民事婚と宗教婚の2タイプがあり、前者は宗教のこだわりがない場合、市役所での宣誓式でサインをし、その後、親しい友人に囲まれて食事を楽しむというカジュアルなものが主流になっています。
また、宗教婚は、教会で白いウエディングドレスを着るというトラディショナルなパーティをするもの。その後は、日本のようにレストランやホテル、ガーデンなどで会食をしながら、お祝いをし、この時、ボックスにお祝い金を募ったりする場合があるようです。
ただ、会食費はあくまで主催者のカップルもち。完全にお祝い金でまかなえるということはないようなので、このタイプの結婚式は、ある程度経済的に余裕のある、エリート階級に限られてくるようです。
事実婚が多いことで知られるフランスですが、伝統を尊重してきちんとした式を挙げたいと望む女性は日本人と同様に多いことも事実です。ただ参加者は、3万円以上のご祝儀がかさんで、6月に"ご祝儀貧乏"と嘆かずに済むようです。
(下野真緒)