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先日、とても素敵な絵本の翻訳をしました。
『LE CALME DE LA NUIT』というフランスの絵本です。
文はヴィルジニー・アラジディカとカロリーヌ・ペリシェの共同執筆、そして絵はエマニュエル・チュクリエール。ヴィルジニーとカロリーヌは若手にも関わらず、既に50冊以上の絵本の執筆や企画を手がけている、注目の絵本作家です。
初めてこの絵本を手に取った時、まず、エマニュエルが描いた植物や動物達の可愛らしさと、シンプルかつ繊細な色の美しさに惹かれました。
このフランス語のタイトル『LE CALME DE LA NUIT』は、直訳で「夜の静けさ」という意味なのですが、ページをめくるたびに、少しずつ日が暮れて森が暗くなってゆくさまが、とても丁寧に描かれているのです。
そして文を読み出すと、動物達が眠る準備をしたりゴゾゴソと草むらの中を動く時の静かで細やかな音が、まるで私達のベッドにゆっくりと広がっていくようでした。
この絵本の特徴の一つは、文章がストーリーを追っていくのではなくて、まさに「夜の静けさ」が感覚的に子供達へと伝わっていくところです。
この絵本を翻訳する作業は、毎晩、我が家のベッドで行われました。というのも、
子どもは毎日同じベッドで、同じお話を繰り返し聴くのが大好きです。そうしていると、とても安心して、ゆったりと眠たくなっていくからでしょう。
娘に毎晩、即興でフランス語を日本語に直して読んであげながら、彼女がどんな反応をするか、密かに観察して、文章を仕上げました。
夜空がゆっくりと深い色にかわっていくように、静かな響きの言葉が、子どもたちを夢の世界に連れていってくれることでしょう。
何度も繰り返し読める、まるで優しい眠りの呪文のような絵本です。ぜひ、読んでみて下さい!
RSSブログ情報:http://www.mylohas.net/2014/07/039422le_calme_de_la_nuit.html