杉浦さやかさん著『うれしいおくりもの』(池田書店)。衣食住にまつわるさまざまな贈りものやエピソードとともに、ラッピングやカードのアイデアもあれこれと。
中には、私がさやかさんと交わしたいくつかの贈りものも登場します。私も以前、『気持ちが伝わるおいしい贈りもの』(大和書房)という本を書いたことがあるほど、日頃から誰かになにかを贈ることがとても好き。相手の嗜好に合わせてあれやこれやと考え、買いものに出かけたり取り寄せしたり。喜んでもらうことができればなにより嬉しいけれど、考え、選んで、贈る、その一連の流れを趣味のように楽しんでいます。
そんなさやかさんと私は普段から、会えば自然と贈りものの話題に。手土産、家族や友人の誕生日、クリスマスや正月の行事、お礼やお返し......ときに一緒に贈りもの選びに出かけ、意見を交換しながら買いものをすることも。
杉浦さやかさんからいただいた誕生日プレゼント。似顔絵カード、リボンブレスレット、猫のアンティークボタン、レースペーパーでラッピング!左のカードは、本のおまけのミニペーパー。私がいただいた誕生日プレゼントのエピソードが(本誌にも同内容が)掲載されています。
さやかさんは店や品の下調べや下見に余年のない慎重派で、私はぱっと即決する直感派。けれどもふたりに共通しているのは、贈ったものやいただいたものを、ノートや写真で詳細に記録していること。そうすることで相手の好みが見えてきたり、いただいたものがまた違った誰かへの贈りもの選びの参考にもなるのです。
杉浦さやかさんからの、誕生日プレゼント。ラッピングをほどくと、リボン模様のタイツが。私が以前、さやかさんがはいていた「unpeu」のタイツを「かわいい!」と言ったのを思い出し、同ブランドのタイツをオーダーしてくださったそう。
意外なのは、親しい友人誰しもが贈りもの上手と認めるさやかさんが「プレゼントってむずかしい」と書いていること。歳を重ねるとその人自身の好みがはっきりしてくるので、本当に必要なものは自分で選ぶのが1番ではないかと、一時は親しい人への贈りものほど迷いが大きかったとか。それでも今は初心に返って、相手が好きだろうと思えるものを悩みながらも楽しめるようになったそうです。
俵万智さん作、網中いづるさん絵『そだちノート』(アリス館)。これからお母さんになる、友人への贈りものに選びたい本。
本といえばもう1冊。姉のように慕うイラストレーターの網中いづるさんから、挿画を手がける、俵万智さん『そだちノート』(アリス館)を贈りものにいただきました。こちらは、自分の中に新しい命が芽生えた女性が、俵万智さんが綴る言葉や詠む短歌の間に、メモや気持ちや絵を書き込んだり写真を貼って「世界で1冊だけの本」をつくるための本。命を宿し、赤ちゃんとともに成長するお母さんの記録は、未来の自分自身と子どもへの、とびきりの贈りものになるでしょう。
贈りものについて思いを巡らせるこの時期。どんなものを選んだらよいかと迷ったとき、贈りものについての本を手にとったり、本そのものを贈りものに選んでみるのもひとつかもしれません。
最近、贈りものにいただいて嬉しかったもの。その1。ミナペルホネンデザインのサーモマグ。温かいものがすぐに冷めてしまうこの時期は、外出時だけでなく、つねに仕事机のかたわらに。
最近、贈りものにいただいて嬉しかったもの。その2。京都府福知山の友人から届いた、兵庫県豊岡市の焼菓子店「キノシタ」の冬季限定チョコブラウニーと、グラノーラ。
最近、贈りものにいただいて嬉しかったもの。その3。徳島「アアルトコーヒー」の新店舗、「14g」のパンと、クリスマスブレンド(コーヒー豆)。オーナーの庄野雄治さんより。