2月の沖縄は雨が多く、洗濯物や柑橘の皮がなかなか乾かない日々が続いておりました。柑橘の皮というのは、たとえば文旦や伊予柑など、この季節ほんとうにおいしい日本の味です。この香り豊かな皮を天日でからりと干して密封瓶に保存しておくと何かと便利。米酢やオリーヴオイルに漬けて風味をうつしたり、砂糖で煮てピールにしたり、お風呂に浮かべたり。しかしまぁこうにも湿気が多いと青や黒い点々が!という事態も起こりうるわけで......。
とはいえ恵みの雨なのです。向かいの山から水を引いているわが家にとってはこの時期の雨量で1年の水量が決まります。なのでそうそう文句も言っていられず。
そんな雨多き2月、この集落にあたらしいいのちがふたつ誕生しました。ふたりの友人がそれぞれ3人目のお産を迎えたのです。自宅でのプライべート出産を選択した彼女たちは、経験者から話を聞いたり専門書を読んだり、熱心に知識を重ねていました。
当然のことながら自力で産む、というのはそれ相当の覚悟が必要です。何より妊婦中の健康管理が安産への鍵となります。陣痛から出産、胎盤(後産)、へその緒の始末まで、あれやこれやを準備周到で迎えねばなりません。「ドキドキする〜〜〜〜」と言いながら、山道を登ったり、畑仕事に励んだりする姿はなんともたくましかったです。
そして晴れてふたりとも、元気な男の子を無事出産しました。ああ、めでたい。
そんなわたしもいよいよ臨月に突入。自分の番が回ってきました。「どんな出産をしようか、したいか」とイメージを膨らませていたのですが、DIYで建てた自宅で助産師さんの介助のもと、お産を進めることに決めました。
うちのふたりの子どもたちは助産院にて80歳のベテランお産婆さんに取り上げてもらったのですが、今回お世話になる助産師さんは、わたしと同じ歳。そして彼女もただいま妊婦さんなのです。なんだか親近感が湧いてしまって「取り上げてもらう」というより「いっしょに向かう」という同志的な感覚です。まるで「出産部」という部活のような(そんなのありませんが)、そんな心境になっています。そして40歳という立派な(?)おとなへのステージをよいこらしょと登るような、そんな心境です。
6年ぶりの出産なだけに妊娠中はいろいろありました。6年間に溜め込んだものをどどーんとデトックスするような経験も越えて、心機一転。
「兄弟同士って3人目から関係性が変わるのよ」と、3人以上子どもがいる方は口を揃えて言います。それがいったいどういうことなのかとても興味があります。果たしてどんなことになるのやら......。
みなさまにいいニュースをお伝えできることを祈って!