東京都現代美術館で開催中の「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展に行って、自分のそんなつまらなくなった部分を見つけてしまいました。
海を愛したデザイナーの意思
会場に入ってすぐに飛び込んでくるのが、漂着したゴミの山。会場内ではただ雑多に積み上げるのではなく、色別に集められています。
これらを拾い集めたのはデザイナーとして知られるヨーガン レールさん。惜しまれながら昨年他界した彼が遺した作品は、彼が移住先の石垣島の海岸で感じた変化から生まれました。
どこからか美しい浜辺に流れ着くゴミ。愛してやまない海が無残に荒らされてしまったことに心を痛めた彼の意思を感じる展示は、次の部屋で一転します。
捨てられたものに新しい命を吹き込むアート
ここではその漂流物から生み出された「美しいもの」たちの渦に巻き込まれます。プラスチックのゴミたちで作られたランプは、力強く新しい命を宿し、私たちを引き付けます。一面鏡張りの部屋に展示されているので、幻想的な世界がどこまでもどこまで続いているかのような錯覚を感じるかもしれません。
この展示のテーマタイトルは「地球はだれのもの?」。ヨーガンレールさんは、人が不必要だと無造作に捨ててしまったゴミを使って美しいものを作り出すことで、地球環境に対する人々の意識を喚起しようとしました。
このほか、おかざき乾じろさんによる小中学生の子どものみが入れる「はじまるよ、びじゅつかん」やアーティスト会田誠さん一家による「社会はだれのもの?」と考えさせる空間、アルフレド&イザベル・アキリザンによる「住む:プロジェクト―もう一つの国」など、子ども向けと思って訪れないのは、もったいないほどの展示が10月12日まで開催中です。
[おとなもこどもも考える ここはだれの場所?]
会場:東京都現代美術館 企画展示室1F
会期:2015年7月18日(土)〜10月12日(月・祝)
開館時間:10:00~18:00(2015年7~9月の金曜日は21:00まで)*入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(2015年9月21日、10月12日は開館)、9月24日