ある日突然「ドロン」、さよなら
ニューヨークタイムズのコラムによると、2014年10月にハッフィントンポストが1000人の成人を対象に行った調査を公表。11%の人が1度は「ゴースティング」をしたことがあると答えています。最近の有名なゴースティング例といえば、ハリウッドスターのショーン・ペンとシャーリーズ・セロン。人生設計や考え方などについて衝突が多くなり、しかしいちいち喧嘩することにも疲れた彼女は、ペンからの電話にも出なくなり、SMSにも反応しなくなったといいます。
そんな自然消滅を狙ったと言われる「ゴースティング」はこのように、ある日突然、何の理由もなく人からの連絡の一斉を無視したり、無駄なストレスや話し合いなどを避けることが特徴とされています。
「特に意味がない」からタチが悪い
人とのかかわり方が複雑化する現代社会。連絡を無視することは、今に始まったことではありません。ただ恋愛関係では、「上手に別れる」こともますます難しい世の中になったことも背景にあります。へたをすればストーカーをされ、あるいはネットにて様々なことを書かれ、ますますこじれ収拾のつかないことも。興味のなくなった相手とすっぱりさっぱり決別するには、ゴースティングは最適で、最終手段の一つとして捉えられているのかもしれません。
「なぜそのような心理が働くか」というと「実は深い意味はないのでは」というのが専門家の見方です。WNYC代表取締役、アナ・セール氏によると、そもそも深いかかわりを求めない、面と向かって難しい問題について語る機会を持たなくなってきたソーシャルメディアによる役割が大きいのではという見方をしています。
スピードお見合いのような手軽な出会いもあれば、さっくり終わるゴースティングもあって当然、という見方もあるでしょう。しかしパートナー・セラピストのディビッド・ヴィルチフォート氏はこのような関係の終わらせ方に疑問を持ち、それが怒りのエネルギーに代わることを指摘しています。
なぜ別れるのか、何か不具合があったのか。無視することほど傷つくことはありません。費やした時間や愛の大きさなどを考えた時、やはり最後ぐらいは今まで以上に真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。
[DIE WELT, The New York Times, Sueddeutsche.de]
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