建長寺は、鎌倉で最も禅の歴史があるお寺。建長寺総務部長の村田靖哲さんによると「ヨガも坐禅も起源は同じ」なのだそうで、ここでヨガや坐禅を体験することができるなんて本格的です。
禅×ヨガ×音楽のフェス
目玉の坐禅体験は建長寺のなかでいちばん広い龍王殿で行われます。
でも、お寺での坐禅というとちょっぴり敷居の高さも感じます。うまく集中できなかったらどうしよう。警策(けいさく)で打たれたらやっぱり痛いのかな......なんて緊張してしまいますが「私たち僧もそれほどずっと頭を無にし、坐っていられるわけではありませんよ。つい考えごとをしてしまうこともあります」と村田さん。
また「警策はペナルティではなくあくまで、修行の後押し、励ましです。必要と感じるなら僧が近くに来た時に、手を合わせてください」(村田さん)とのこと。
実際に坐禅を組んでみると、無になるどころか、色々な思いや考えがあふれ出てきました。村田さんは「あふれ出た思いは、すべて自分の中の課題です。普段は気づけない自分の課題を知るだけでも坐禅の意味があるのではないでしょうか」ともお話してくださいました。
禅フェスの坐禅体験は、誰かと比べるのではなく、参加者がマイペースに禅の感覚を掴んでいける場のようです。
お寺とライブハウスは似ている?
坐禅の後は、地元アーティストによるアコースティックライブが夜まで続きます。
お寺でのライブなら、演奏するひとも聴くひとも、澄み切った気持ちで音楽を楽しめそうです。
参加アーティストのふくい舞さんは「お寺とライブハウスは共通点がある」と話してくれました。
昔のひとは宗教にすがりパワーを得ましたが、現代のひとは私も含めてなんですが、音楽にすがりパワーを得ている人が多い様に思います。
そう考えるとお寺でライブはごく自然なマッチングではないでしょうか。私は最近よくお寺でライブをしますが、祖父母の家がお寺ということもあり、お寺で歌うのが大好きです。おだやかな気持ちになれて、心が整う感じがします」(ふくいさん)。
ふくい舞さん
ライブがすべて終わると、参加者全員「寝たまんまヨガで簡単瞑想」でクロージング。静寂の戻った夜の建長寺で横になるのは、とっても気持ちよさそうです。
会場にフード類の持ち込みをすることはできませんが、お腹が空いたら建長寺発祥のけんちん汁も味わえます。
当日早めに来場すれば、建長寺の広い敷地を散策して楽しむこともできます。大規模なロックフェスも楽しいけれど、禅フェスは鎌倉の深まる秋の1日を心穏やかに過ごせるフェスです。
「Zen Fes」
場所:鎌倉建長寺
日時:2015年10月25日(日)13:00~20:00(開場12:00)
※坐禅は14:30〜15:15。建長寺は16:30に閉門し、16:30以降の入場ができないので、早い時間からの参加がおすすめです。
参加方法:こちらから事前にチケットを購入(一般3,240円、小学生以下無料)
[ZenFes]
(織田愛)