パートナーを失うことは大きなストレス
「勤労者のストレス評価表」によれば、もっとも大きなストレスの第1位は「パートナーの死」だそうです。たいせつな人を突然失った悲しみは、時間が経ってもなかなか癒えるものではありません。そのために、專門の癒しである「グリーフ(悲嘆)セラピー」が注目を集めています。グリーフセラピーとはどういう癒しなのか。『最新! トランスパーソナル心理技法』、橋爪謙一郎さんの文章にありました。
大切な人を亡くしたあとに、心の中に中に湧き上がってくる思いや感情を表に出すことは、ごく自然な反応である。それは強い心痛を伴うが、グリーフプロセスにおいては必要なことなのである
(『最新! トランスパーソナル心理技法』P243より引用)
無理をせず、前を向くためのケア
大切な人を失った悲しみや喪失感、こころの中に湧き上がってくる想いを涙や言葉として表に出すことは、とても自然で、残された人たちが前を向いていくために必要なことです。けれども、時間のスピードが速い現代において、周りの人を心配させないよう「もう大丈夫」と無理したり、感情を出すことを遠慮してしまう人も多く、立ち直りを遅くしたり、心身症の原因となる恐れもあるのだそうです。
それを防ぐためには、
1:死が現実であることを認める。
2:自分の思いや感情を思うままに表現する。
3:亡くなった人の思い出を忘れない。
4:新しい自分を作り上げていく。
5:生きる意味や生きがいを探す。
6:周りの人からの思いやりのある、継続したサポートを受け入れる。
が大切なのだそう。もちろん、無理は禁物で、誰かに頼りたいときは遠慮しなくて大丈夫です。自分の悲しみだけではなく、誰かがこのような悲しみにくれていた時、「何もできない」と思うことはありません。ただ相手にそっと寄り添って、感情を出させてあげることが、いちばんの助けになることを、グリーフセラピーは教えてくれるのです。
[CiNii]
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