沖縄に戻った日はとても肌寒く、内地とほとんど変わらない。
どうやら寒波と共に帰島したようで、おかげで寒さへの慣れはあっても、「ああ、帰ってきたなぁ」といった体感ではなく。でも、戻ってまいりました。
家の窓という窓を開け放ち、新鮮な森の風を通すと、まるで家が息を吹き返したようなふくらみを感じました。やはり、家というものは人が住んでいないと鎮まるものですね。
たくさんのお土産をバッグから取り出し、それぞれの場所へストックします。
淡路島のみかん、蓮根、じゃこ、干し海老、切り干し大根。ドイツのチーズ、ファイブビーンズの珈琲豆、鳩サブレー、甘酒、キャンドル。
淡路島では行くとこ行くとこみかんをいただくという幸運に恵まれ、おやつはつねにみかんでした。
姫路で見学に行った学校、「まっくろくろすけ」のことを少し。
「自分のことは自分でやろう」を掘り下げて、徹底しているその取り組みに関心しました。
子どもたちがボーンボーンとトランポリンで飛び跳ねています。
「あつー」と言いながら上着を脱いだ子は、スタッフに「これ、あっちに置いてもらっていい?」とジャンパーを手渡そうとしました。
すると、「そんなん自分で置いてよー」と一蹴。その子も負けず「それくらいいいやん。ケチや!」と言います。
すると周りの子が「自分のことは自分でやるのは当たり前のことや!」と返してきました。
この一連のやりとりで、わたしは「うーむ」と考えてしまった。
「甘え」とか「自立」とか「責任」とかいう言葉がぶわーんと頭に浮かんで、行ったり来たりしながらいろんなことを思い出しました。
旅は、いろんな人のお世話になります。今回も、友人の家に何泊もさせてもらったり、お土産をもらったり、いい話を聞かせてもらったりと、繋がりのうれしさが実を結びます。
吉祥寺のイベント「種市」では、マクロビオティックの奥津典子さんと対談させてもらいました。彼女とはいくつかの共通項があり(同じ年で店の開店時期も同じ。今年、第三子を出産など)、すーっと水が土に沁み込むように安心して話すことができました。
安心しすぎたせいか、わたしは理路整然と話すことが苦手、かつ愚直で丸裸になんでも言ってしまう、という性質なので思い出すだけで恥ずかしいのですが、その場に居た友人いわく「いつものきこちゃんだったよ!」だとか......。「なーんだ」と安心したわけですが。
そのなかで話したことなのですが、今、「価値観の再確認」がいかに大切かということを、またあらためて思い出した旅でした。
41歳という年齢は、折り返し地点でもあるので、きっとそうなふうに、(ひしひしと)思考してしまうのだと思います。
次の旅は年明けの長崎は雲仙の「種市大学」に行きます。はじめての雲仙です。