自律神経の基本を伺った#1に続き、今回は「オフィスでできる自律神経の整え方と、ここぞというときの調整法」をご紹介します。
●切っても切れない間柄「呼吸」を味方につける
忙しく仕事をしていると呼吸が乱れてくる、ということがありませんか? 呼吸が乱れると自律神経も乱れます。しかし、ゆっくり呼吸をすれば、自律神経は整うというのです。
小林先生のおすすめは、「1対2の呼吸」。
「ゆっくり息を吸ったら、その倍の時間をかけてゆっくり息を吐いていくだけです。このとき、口からでも鼻からでも良いのであまり気にせず、リラックスをして行うことが重要です」
呼吸を整えるのは、乱れた自律神経を整える最も手っ取り早い方法。ちょっとした隙間時間に試せます。
●仕事や家事もゆっくりとした動作で
仕事や家事をするとき、時間がないと急いでいるとついつい動作が荒っぽくなってします。そんなときは、意識的にゆっくりとした動作に切り替えてみます。動作同様、喋り方もゆっくりにすると、自分のベースが整い呼吸も穏やかに。また、少し立ち止まって深呼吸をするのも効果的だそうです。
●イライラしたらタッピングで自分を取り戻す
机の上などトントンと一定のリズムで叩くタッピングも◎。イライラしてきたら、片手でタッピングをしてみましょう。これなら、仕事や家事をしながらでもできるのでお手軽ですね。
●無理して苦手な人と付き合わない
誰でも、苦手な上司や同僚は少なからずいるもの。仕事でのやり取りは社会人として必要なことですが、飲み会やランチの時間まで無理してお付き合いしていませんか? 苦手な人となるべく付き合わないのも自律神経を整えるのには重要なことです。
一方、友人とのお付き合いなら安心と、馴れ合いでダラダラ会ったりしていませんか? いくら好きな人でも目的もなく会うと逆に疲れて自律神経を乱してしまうのだそうです。
「時間を自分のために使う」「会いたいと思わなければ付き合わない」というのも大切なこと。心当たりのある人は、気をつけてください。
●「ここぞ!」というときの調整法
「明日はプレゼン」「会議で発表しなくてはいけない」など、「ここぞ!」という時の調整法を小林先生に伺いました。
「そういう特別な場では、『意識を変える』ことが緊張を解きほぐします。たとえば、その部屋にある時計を探すなど
一旦意識を変えることで呼吸が深くなります」
小林先生も、「ここぞ!」という時に実践されている方法なのだそう。ぜひ参考にしてみてください。
●自律神経の乱れは日々の積み重ねでリカバリー
「自律神経を整える」と聞くと、特別なトレーニングが必要と感じていましたが、じつは手軽な方法で整えられることがわかりました。毎日意識して、ちょっとだけゆっくり動いてみる。会社の休憩中に深呼吸をしてみる。など、ほんの少し心がけるだけで効果があるようです。
どれも本来の自分の力を呼び戻せる手軽な方法。いまから少しずつ実践してみてはいかがでしょうか?
次回は、#3「心も体も良い状態にシフトできる自律神経の調整方法(おうち編)」です。
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#1 目指すは心も体も心地よい私。自律神経研究の第一人者小林ドクターに聞く自律神経の整え方
お話を伺った方:順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生
こばやしひろゆき/ 1960年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、順天堂大学小児外科助教授などを経て、現職。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アーティスト、文化人などのコンディショニング・パフォーマンス向上指導に関わる。『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム)など著書多数。
<参考書籍>
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