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記事 26件
  • 【15万字・記事詰め合わせセット】斎藤裕、ドミネーター、アポロ菅原、RIZIN判定基準、パット・パターソン…

    2020-12-31 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part83大好評記事21本、15万字オーバーで600円!!(税込み)

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    part83
    ◎北尾光司vsジョン・テンタがシュートマッチになった理由/アポロ菅原


    ◎RIZINフェザー級王者・斎藤裕「彼とはどこかでまた会うかもしれませんが、ダイレクトリマッチは…」


    ◎シバターRIZIN参戦とアンディ・カウフマンのウソと真実


    ◎【必読】笹原圭一広報「RIZINの判定基準について説明いたします」


    ◎朝倉未来はジョーカーを引いてしまったのか? 弥益ドミネーター聡志1万字インタビュー


    ◎デスマッチ新世代!! サイコパスボーイ佐久田俊行インタビュー


    ◎東スポ「プロレス大賞」改革案はこれだ!■事情通Zのプロレス点と線


    ◎杉浦貴……いいときも、悪いときも、ノアで戦い続けた男■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ◎ZERO1お家騒動とは何か?■事情通Zのプロレス 点と線


    ■斎藤文彦INTERVIEWS


    ・ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン


    ・晩年のロード・ウォリアーズ■斎藤文彦INTERVIEWS


    ◎和術慧舟會創始・西良典「総合格闘技がなかった時代の話をしよう」


    ◎大晦日後は……憂流迦、井上直樹、平本蓮がラスベガスへGO!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク


    ◎五味隆典vs皇治……スキャンダルファイトの魔法、そして呪い


    ◎「まだこの世界にいていいんだ」――所英男43歳、RIZINに帰還


    ◎亀田和毅vs皇治はなぜ消えたのか


    ◎相撲MMA最弱を破壊するか!? スダリオ剛は“スポーツの天才”だった!


    ◎美濃輪育久、ミノワマンに求めた格闘ロマンの行く末


    ◎レンガ職人、警備員、寿司職人からUFC王者へ……フィゲイレードはフライ級を救うか



    ◎“ベストバウトマシーン”ケニー・オメガ、真の全米デビューを飾る


    ◎「プロレスをやめたら、俺には何も残らない」……デスマッチファイターが引退を選んだ理由とは


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    国際プロレス、全日本プロレス、パイオニア戦志、SWS……昭和から平成にかけて様々なプロレス団体を渡り歩いてきたアポロ菅原インタビュー第5弾。北尾光司vsジョン・テンタがシュートマッチになった理由を語り尽くします!(聞き手/ジャン斉藤)【アポロ菅原インタビューシリーズ】
    ①アポロ菅原「国際プロレス最後の夜は、麻雀をやっていました」②【全日本プロレス編】アポロ菅原インタビュー「いま振り返っても何もできなかったんじゃないかな」
    ③「剛竜馬とパイオニア戦志、北尾光司」④ SWS鈴木みのる戦シュートマッチ全真相1万字インタビュー


    ――前回、SWSの鈴木みのる戦を振り返ったインタビューが大好評で。
    菅原 ああ、そうなんですか。
    ――今回も期待しています!
    菅原 よろしくお願いします(笑)。
    ――その鈴木みのる戦があったSWS神戸大会で、北尾(光司)さんがWWEから派遣されたアースクエイク(ジョン・テンタ)相手に試合を壊すような行為に出ました。脇固めで腕を折りにいったり、目潰しのポーズで威嚇しながら、実際に目を狙って攻撃。激怒したテンタとお互い目潰しのポーズで威嚇し合うという……。最後は北尾さんがレフェリーに暴行して反則負けでした。
    菅原 自分のことで手一杯だったので、あの試合自体はちゃんと見てなかったんですよ。あとからいろいろ話を聞いて……この試合は東京ドームでもシングルマッチをやってますよね。
    ――2日前にやってテンタがヒップドロップからの体固めで勝ってますね。 
    菅原 その日の晩、横綱から自分に電話があったんですよ。「神戸でも負けるのかな」と。自分は「それはないと思うけどなぁ」と言ったんですよね。だって東京ドームで負けるって影響力はありますよね。それなのに2日後にまた負けるということは、なかなか考えにくいと思うんですよ。でも、横綱は「また負けるのかなあ」という感覚でいたみたいで。いまだから言えますけど、自分は「最悪の場合、ケガしたということで会場に来なくてもいいんじゃないか」って。そんなふうに言ったんですよ。
    ――そんな反則アドバイスを(笑)。菅原さんからしても2連敗はさすがにないと思ったんですよね。
    菅原 テンタさんがWWEでプッシュされているのはわかっていても、横綱は知名度的にもこれから日本のプロレスを背負って立つ人ですよ。 
    ――北尾さんにとってはSWSはホームだし、相手は他団体の選手で今度はいつ来日するかわからない。
    菅原 もっと他にやりようがあったんじゃないかなあとは思いますけどね。
    ――いまの話を聞いて驚いたのは、北尾さんとテンタの2連戦はかなり前に決まっていたわけじゃないですか。マッチメーカーから事前に試合内容についての説明はなかったということですか?
    菅原 なかったんじゃないですかね。わかりません、それは。さっきも言ったように東京ドームが試合が終わった夜に、横綱は自分の所に電話をかけてきて「神戸でも負けるかもしれない」って言ってたんですよ。
    ――ということは事前に説明はされてないということですよね。 このカードは注目カードですけど……。
    菅原 よっぽどの試合だったら事前に説明はあるかもしれないですけど。普段のシリーズなんかは16時ぐらいに会場入りしますよね。それでポンポンで了解ですよ。相手のことはわかってますから、こういう技を使ってくるから、自分がどういう風に対処するかとか考える程度ですよ。
    ――昭和のプロレスはエース外国人がシリーズ最終戦に猪木さんや馬場さんとシングルマッチで戦うじゃないですか。それまでにシリーズ中にタッグマッチなんかで何度か肌を合わせて……。
    菅原 最後に大きい会場でやりますのでね、それに向けて持っていくっていうところはありますよね。途中の札幌中島体育センターあたりで気合いの入った試合を見せたりして。
    ――あのときのSWSとWWEの接触は東京ドームと神戸大会だけで、テンタと北尾さんは今回が初手合わせでした。北尾さんからすれば、2連敗後の展開はどうなるのかという不信感があっても不思議ではないですね。
    菅原 そういうところはあったと思いますよね。本人が納得するかどうかは横に置いといても、 事前に説明があればまた違ったんでしょうけど。ましてやシングルマッチですからね。シングルマッチに2連敗はかなり厳しいと自分は思ってますよ。 これは風の噂で聞いたんですけども、「いくらなんでも2つはないだろう」という選手の声があったと記者さんたちから聞きました。 仮に東京ドームで負けて、神戸で勝ったとしても3:7くらいの気持ちですよ。
    ――プロレスは初戦で勝つことが重要ですよね。 
    菅原 横綱の初戦の負けが反則だったら、まだいいんですけどね。
    ――当時SWSのマッチメーカーだったカブキさんは天龍源一郎さんのレボリューション所属。反天龍派の荒川さんが北尾さんを焚きつけたんじゃないか……という噂もありますね。大好評記事21本15万字オーバーの詰め合わせセットがまだまだ続く……
     
  • 【必読】笹原圭一広報「RIZINの判定基準について説明いたします」

    2020-12-30 16:27  
    150pt
    毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はRIZINの判定基準について解説しています!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるルール関連記事】・【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」・判定基準が10倍よくわかるジャッジ対談■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ・これでわかったRIZINの判定基準!■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ〜模擬ジャッジ編〜
    ・【桜庭vs秋山、Dynamite!! USAの舞台裏】大沢ケンジ×礒野元「格闘技とルール」
    ――笹原さん! 朝倉未来vs斎藤裕の判定が議論になっているので、あらためてRIZINの判定基準について解説をお願いします!
    笹原 この試合は確かに競った内容で、判定自体は議論するほどのものかな……と個人的には思ったんですけどね。「RIZINの歴史に残る素晴らしい試合だった!! あっぱれ!以上!」で良いじゃないですか(笑)。
    ――これがボブ・サップvs大砂嵐だったら皆さんスルーですよね(笑)。
    笹原 RIZINの判定基準に関していえば、以前Dropkickでレフェリーの福田(正人)さんと大沢ケンジさんが対談(https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1473876)したときから、そこまで変わってないんですよね。でも、いまだに「RIZINの判定ガー」みたいな声が多いのは、そのDropkickの記事を誰も読んでいないということですよ!
    ――なぜか怒りの矛先がDropkickに! そんなことよりあの対談の大沢さんがたまたまフラッシュダウン2回を例に挙げていて、朝倉vs斎藤戦に当てはめやすいものでしたけど……。
    笹原 あくまで例えですよね。「フラッシュダウン2回取っても判定で勝てないんだ」というわけでもないですし。判定って本当に奥が深いというか、難しいんですよね。
    接戦の末、3-0の判定で朝倉未来を下した斎藤裕――なので今日はいろいろとお話を聞きたいんですけど。まず格闘技って「判定になったら、どんな内容でも、この選手を支持をするように」とか団体の意向が反映されているんじゃないかって陰謀論が湧きがちですよね。
    笹原 とくにRIZINはそう言われるんですよね。ホント、ウチはフリーメイソンかよ!って思いますよ(笑)
    ――RIZINのロゴマークにはプロビデンスの目が隠されている……気がしてきました。あまり知れ渡っていないのは、以前は団体側が審判団を構成していましたが、現在の審判団は独立組織として運営にされています。団体側として「このスター選手の試合はよきに計らって……」なんていう変なお願いはしづらいと。笹原 しづらいというか、できないですよね。そんなことやったら、斉藤さんのようなゴシップ大好き人間にリークがされて大変な騒ぎになりますよ!
    ――すいません……ってボクが謝る話じゃないんですけど。
    笹原 いまは外部団体に一般社団法人日本MMA審判機構(JMOC)という組織がありまして、そこに競技運営チームの編成を依頼しています。なので完全に独立しています。大会ごとにこちらからオファーをかけて、JMOCから「今回はこのチームで競技運営をやらせていただきます」というやりとりなんかもしているんです。
    ――どの試合を誰がレフェリーをやって、誰がどの試合のジャッジするかという話し合いもしてるんですか。
    笹原 担当についてもすべて競技チームにお任せしていますね。もちろん、時には話をすることがありますけど、担当レフェリーなどの決定は基本すべてお任せです。
    ――そこは団体側が都合のいい編成にはできないようになっているとていうことですね。
    笹原 そうです。「李下に冠を正さず」じゃないですけど、相当気を使ってるんですよ。 試合ごとのレフェリー・ジャッジのシフトは事前に受け取りますが、ギリギリ直前までRIZIN内部のスタッフにすら伝えないようにしています。例えば台本を作る部署の人からすると、「はよ情報くれよ!」という感じかと思いますけど、その情報がどこかで選手関係者の耳に入る恐れもあるじゃないですか。で、「今日はあの人がジャッジだから」とか「あのレフェリーがやるみたいだから一言挨拶しておくか」みたいなことになるかもしれない。そこまで気を使ってやっているんですよ。売れっ子キャバ嬢でも、ここまで気をつかいませんよ!
    ――売れっ子キャバ嬢とRIZINルールに詳しい笹原さんに今回のテーマである判定基準をお聞きしますが、RIZINの場合は試合全体評価ですね。
    笹原 はい。UFCのようにラウンドごとにポイントを付けるシステムではありません。試合全体を評価して、その試合において「どれだけ一本・KOに近づけたか」をジャッジします。
    ――朝倉未来選手が試合後に「セコンドから1&2ラウンドを取っていると言われた」とコメントしたことで、RIZINルールを勘違いしているんじゃないか……という反応がありました。
    笹原  いや、あれは「このまま戦えば判定で勝てる」ということだと思いますね。未来選手も、そしてセコンドの海選手もRIZINで何試合もやってますからね。判定が全体評価だってわかっていますよ。
    ――RIZINの判定基準を説明すると、もっとも評価されるのは一本・KOに近づく「ダメージ」。その「ダメージ」の場面を作れなかったときは、積極的かつ攻撃的だったかを評価する「アグレッシブネス」。そこでも差がなければ、試合のペース、ポジションなどを評価する「ジェネラルシップ」で勝敗を決するわけですね。
    笹原 はい。パーセンテージで振り分けると「ダメージ」は50、「アグレッシブネス」は30、「ジェネラルシップ」は20。イエローカードでマイナス20%になります。
    ユニファイドルールにおける判定基準。RIZINでは「ダメージ」「アグレッシブネス」「ジェネラルシップ」に該当する。――試合全体で評価するトータルマスト判定はRIZIN側の要望なんですよね。
    笹原 そうですね。
    ――「ダメージ」「アグレッシブネス」「ジェネラルシップ」の三段階の評価は、アメリカのアスレチック・コミッションが施行しているいわゆるユニファイド・ルールに準じるものですよね。 そこもRIZIN側の要望なんですか?
    笹原  RIZINルールもユニファイドも判定基準は本質的には変わりはないです。もちろん1ラウンド5分の評価と試合全体15分の評価ではそれぞれの判定基準の重みは異なってくると思いますが、どちらの選手が試合でより一本・KOに近づいたのか?ということが、どちらの判定も大前提になっています。 当然その基準のあり方については常に話し合いは行なっています。
    ――日々アップデートしてるわけですね。
    笹原 「アメリカのアスレチックコミッションがこんな発表をしている」とか「あのルールがなくなった」という動きもあるじゃないですか。 JMOCはABC(全米ボクシング&コンバットスポーツ・コミッション協会)やカリフォルニア州のオフィシャルともパイプを構築していますので、そういった情報を共有していろいろと議論しています。これはよく言っているんですけども、いまのルールは最終稿ではないんですよね。どんなスポーツでもルールは常に変わって進化していくものですし、 実際RIZINルールもこれだけ改定しているんですよ。 
    ――最近ではシューズ着用の関してもルールは変わりましたね。
    笹原 はい。いままでシューズ着用でも、一部の状態では蹴りが認められていたんですが、改定後は蹴りはもちろんヒザ蹴りも禁止になりました。ただしシューズ着用を禁止するものではありません。
    ――これはなぜ改正されたんですか? 神龍誠選手のシューズありのカカト踏みつけが理由じゃないかと騒がれてましたが。
    笹原 何か直接的なきっかけがあったわけじゃなくて、すでに2016年頃からずっとシューズ着用で相手の顔を蹴るというのは見え方や危険性、公平性はどうなんだろう?という議論はあったんですよ。シューズを履くデメリットとして足関が極まりやすいってことはありましたけど、いまは足関で勝敗が決するとか、全体で見れば少ないじゃないですか。だとするとシューズ着用はメリットしかないんですよね。
    ――シューズを履けば滑りにくいし、テイクダウンも防ぎやすいですし。禁止にはしないのは、異種格闘技戦テイストの強いRIZINにボクサーが出てくるかもしれないという想定で残しているんですか?
    笹原 ちなみにRIZINルールでは道着の着用もOKになっています。 なぜ、こんなことをしているかというと、PRIDEからの流れを汲むRIZINは、異種格闘技戦が前提にあるからなんです。
    こういうこというと、「は? 今時、異種格闘技?ユニファイドにしろ!」みたいな声が上がることがあるんですけど、その団体のルールに歴史や出自が反映されているのがそんなにおかしいのかな?って思うわけですよ。もちろん、明日にはなくなるかもしれないですけど(笑)。
    ――ルールは“生き物”ということですね。
    笹原 そうです。もっと言えばこのルールはあくまで文章にすぎなくて、人間が関わって初めて血肉を通わせることができるんですよ!「〇〇は反則です」とルールで定めていても、実際の試合では考えられないようなことが起こるわけです。そのときに「ルールに書いてあるから反則ね。以上」じゃなくて、なぜそうなったのか、どうすれば良いのか、って突き詰めて考えなきゃダメなんですよ!現行のルールにあぐらをかくんじゃなくて、より良いものに変えていこうという意識が必要なんです!!って暑苦しいですか?
    ――いや、大丈夫です(笑)。
    笹原 その上で、RIZINルールには、こういう思想があって、こういう意味があるんだいうことを伝えられればいいなと思っていますけどね。
    ――基本的にどの団体もルールは似たり寄ったりですけども、RIZINとしては、そこはこだわりたいと。
    笹原  はい。かといって、いまのルールに固執しているわけではないんですよ。良いものはどんどん取り入れればと思いますし、最終的には世界のMMAは、ユニファイドルールに収斂されるかもしれない。全然いいんです。ただ、そうなるためには議論や考察が必要だってことです。
    ――たとえばPRIDEの時代には、判定になるとレスリング出身のジャッジがレスラー出身のファイターに付けがちな傾向がありましたよね。
    笹原 あれはジャッジの基準がいまほど確立されてなくて、レスリング出身の見方でジャッジしていたということですよね。テイクダウンを奪った、ポジションを奪ったから勝ちだろうというレスリング目線。どうしてもバックボーンに引きずられるところはあったと思いますし。いまは皆無とも言い切れないでしょうね。 それこそ、RIZINに限らずラウンドマストを採用する試合でも、判定基準をどう運用するか、段階的に評価するんだよということが浸透し始めたのも、冒頭で話した福田さんと大沢さんがDropkickで対談した頃で、ここ数年の話ですしね。
    ――一時期のUFCもローキックがあまりポイントにならなかったり。今回の朝倉未来vs斎藤裕の判定でいえば、フラッシュダウンを2回取っていますけど、3人のジャッジは朝倉選手の勝ちにはつけなかったということですね。
    笹原 RIZINの基準からすれば、パーセンテージで振り分けた「ダメージの50」を取るには至らない、という判断だったと思います。私もリングサイドで見ていて、全く同じ感想でした。
    ――なるほど。 
    笹原 1ラウンドごとに採点するラウンドマストの10点方式であれば、朝倉選手のあの攻撃は1ラウンド5分という時間内の評価であればポイントになると思います。でも、RIZINルールは15分間トータルで見た場合の「ダメージ」ですから。わかりやすい例を出すと、RIZINバンタム級GP決勝戦の堀口恭司vs石渡伸太郎の1ラウンドで、堀口選手がコーナーに追い詰めてパウンドで畳み掛けたじゃないですか。石渡選手はゴングに救われましたが、あそこまでやると、仮に判定になった場合には、明確に「ダメージ」を入れると思います。石渡伸太郎を追い込む堀口恭司。「ダメージ」を確実に取れる一例。
    ――堀口選手があの攻撃で「ダメージ」の50を取ったとして、石渡選手が残り2ラウンドで「アグレッシブネス」や「ジェネラルシップ」で上回っても堀口選手の判定勝ちは揺るがないわけですよね。
    笹原 はい。RIZINの判定基準は「ダメージ」が最も評価されます。今、斉藤さんが言った通りの場合だと両者50−50ですが、ダメージの50の方が評価されるということです。未来vs斎藤でいえば、ジャッジペーパーを確認したら3人ともダメージを入れていなくて、斎藤選手の「アグレッシブネス」もしくは「ジェネラルシップ」を取って判定勝ちでした。 
    ――斎藤選手が積極的かつ攻撃的に試合を支配していたという評価ですね。最近のMMAは打撃偏重のイメージがあるから、フラッシュ気味のダウンを奪った未来選手の勝ちなんじゃないかなって見えてしまったんですね。
    笹原 もちろん、その見方が全面的に間違っているとは思いませんよ。斎藤選手が苦しそうな顔をして、表情を歪めているのがジャッジAが見ていれば、ダメージをつけてもおかしくないですし。ただ、ジャッジ3名はダメージに加点するまでには至らない、という判断だった。そうすると、アグレッシブネスを見るわけです。ジャッジはフラッシュ気味のダウンを奪った未来選手と、積極的に攻撃を仕掛けていた斎藤選手とを比べて、後者のほうが優っていたと判断したってことかと思います。
    ――未来選手がテイクダウンを防ぐ際にロープを掴んだことで警告が与えられましたが、あれは判定に影響はないんですよね?
    笹原 判定に影響があるのはイエローカードからです。RIZINのペナルティは「注意」「警告」「減点(イエローカード、レッドカード)」「失格」という設定で累積方式ではありません。反則の内容に応じてのペナルティなので一発でイエローカードもあるし、警告が続くこともある。ロープ掴みに関しては、セミファイナルの扇久保博正vs瀧澤謙太で瀧澤選手にもロープ掴みの警告が出ましたが、それが悪質とレフェリーが客観的に判断すれば一発でイエローカードが出ますし。今回の警告の場合は「判定には影響ない」というアナウンスもすれば、見るほうは混乱しなかったんじゃないかと思いますね。そこは改善点かと思います。
    ――イエローカードでもうひとつ。朴光哲vs白川陸斗のとき朴選手がインターバル中、自ら袋に入った氷と水を頭からかぶってしまい、マットが氷と水まみれになったということでイエローカードが出ました。あの試合は白川選手のKO勝ちでしたが、イエロー付きの朴選手は「アグレッシブネス」を取らないと判定負けになると。 
    笹原 はい。その通りです。イエローと「ジェネラルシップ」は20%ですから。
    ――タイトルマッチは5ラウンド制にすべきだ、みたいな声もありますけど、もしそうなった場合でもジャッジの仕組みは変えないんですか?
    笹原 いや、5ラウンド制なら、いまの全体評価は無理があると思っています。ラウンドマストの10点法に変えたほうが良いでしょうね。
    ――5ラウンドでトータルマストだと、試合が長すぎて評価が難しいですよね。1ラウンドに起きたことなんて印象が薄れがちですし。
    笹原 私の感覚では、トータルマストは15分がギリギリだと思います。
    ――判定の難しさでいえば、今回の未来vs斎藤よりも、昨年大晦日の浜崎朱加vsハム・ソヒ(判定1-2)、9月の矢地祐介vs大原樹理(判定1-2)のほうが難しかったんじゃないかなと。
    笹原 そうですね。浜崎vsハムはハム選手の三角絞め以外は浜崎選手の完封でしたし、矢地vs大原はどっちもKO寸前に追い込んでいるんですよね。
    ――ハム選手の三角絞めは明らかに一本に近づいてましたが、関節・締め技はどこまで効いてるのかは打撃より判断しづらいですよね。
    浜崎朱加vsハム・ソヒも判定が難しい試合だった笹原  そういう意味ではグラップラーは受難の時代だと思います。打撃はもの凄くわかりやすいんですけど、同じモノサシで関節技を計らなきゃいけない。堀口選手が石渡選手を追い込んだシーンは見た目わかりやすいじゃないですか。関節技はどこまで追い込んだのかと言えるのか。アキレス腱固めを極めて「ギャー!!」と叫べばポイントになるのか。
    ――藤原組長に極められても「極める場所が違うぞ」とアドバイスをした猪木さんはどう評価すればいいのか(笑)。 
    笹原 結局、極まっていないからタップしないわけじゃないですか。いまの世界的な判定の傾向でいえば、グラップラーは不利なのかなと思います。 言えるのは、どのような採点方法も百点満点の方法なんてなくて、ラウンドマストでやったとしても何かしら批判は出るでしょうし。実際にラウンドマストでもジャッジがバラバラにつける試合なんて枚挙にいとまがないですよね。
    ――試合後に検討会はあるんですか?
    笹原  まず競技チームの方で検討会をやってもらって、RIZINに報告が入ります。その上で改めて映像を見ながら反省会をRIZIN事務局でやっていますね。
    ――いまのRIZINの判定基準だと、最後まで勝負がわからない面白さがある。 
    笹原 ラウンドマストだど1ラウンド&2ラウンドを取ったら、3ラウンドは流してもおかしくないですよね。
    ――1ラウンド&2ラウンドは僅差でA選手が取ったとして、3ラウンドはB選手が印象的なダウンを奪っても、判定では2-1でA選手になってモヤモヤするという。
    笹原 そこはラウンドマストの弊害ですよね。僅差の10-9でも、明らかに差のある10-9でも、同じ10-9には変わりはないですから。審判の心理からすれば、1ラウンドごとにリセットできるラウンドマストの方がやりやすいん。だと思いますけど。
    ――UFCはパンチやキックのヒット数、テイクダウンをデータとして画面に提示していますね。
    笹原 その手数にも精度というのがありますからね。テイクダウンは数字としては見やすいかもしれませんが、どこまで打撃が有効だったのか。ひとつの指針としてはわかりやすいですけど、手数だけ取り上げて「こっちのほうが多かったから勝ち」としても説得力がないときもあるでしょうし。 
    ――「ダメージ」を重視していると言っても、目に見える顔のダメージじゃないですし。
    笹原 そういう意味の「ダメージ」ではないですね。斎藤選手はパンチを食らってフラついたあとのリカバリーが上手でしたよね。「効いてないぞ!」とすぐに返していった。そこを含めて選手は戦っていると思います。リングサイドで見ていたボクの印象としては斎藤選手の判定勝ちなのかなと。でも、RIZINのマッチメーカーのチャーリー柏木は朝倉選手の判定勝ちだと。柏木さんはモニターでこの試合を見ていたんですよね。遠くから見ていたり、画面からだと、斎藤選手はパンチを効かされてフラついたんじゃないかという印象はあったかもしれません。
    ――MMAでもモニターのジャッジも必要なのかなって思ったんですけども、カメラ角度によっては判断しづらいシーンは出てくるという。こういう話をしても判定に納得しない人はいると思うんですけど、人によって見方は違うからジャッジは3人用意されているっていうことですね。
    笹原 DEEPはジャッジが5人いますからね。
    ――あんまり選手が判定にぶつくさ言うもんだから、佐伯さんが「だったら5人にするわ!(怒)」と怒りの導入をしたという(笑)。
    笹原 5人制の利点は「4-1」のときに「1」のジャッジがどこを見ていたのか?っていう反省点が浮き彫りになることですね。「2-1」だと「そういう見方もあるのかな」程度で済むじゃないですか。 
    ――「1」になりたくないです(笑)。RIZINにはグラウンドやコーナーポストで膠着したらブレイクがかかりますが、今大会はブレイクが早かったですよね。
    最終ラウンド、結果的に早めのブレイクが試合を動かしたといえる笹原 ボクから見ても今回はブレイクが少し早かったかなという印象は受けました。いずれも許容範囲であるとは思っていますが、「ジャスト」ではなかったかもしれません。ブレイクは「展開がなくて、膠着を解く必要がある場合……」というのが基準じゃないですか。具体的に秒数が決まっているわけじゃないので同じ試合の中で同じシチュエーションであっても2Rの膠着と3Rの膠着ではブレイクまでのタイミングは異なることもあります。上を取っても何もしないということを繰り返す選手に対しては膠着ブレイクの判断は当然早くなるでしょうし、一概に何秒でブレイクなんていう比較はできないものです。あとは、直前の試合や前回のイベントが影響したりすることもあるんだと思います。どういうことといえば9月大会の瀧澤謙太vs金太郎の3ラウンド終盤、テイクダウンを巡る攻防で両者の動きが止まったままでしたよね。
    ――あー、たしかにブレイクでもおかしくなかったですね。
    笹原 ボクも大会後に「なぜあの場面はブレイクを取らなかったんですか?」と競技チームに質問をしたんですよね。 それを受けての今回の大会だったので、いつもだと、あともう少しいタイミングを見る二歩三歩手前でブレイクしてしまったんじゃないかなと。反省が活かされるという意味では良いことですけど、まぁでも本当に「ジャスト」のタイミングは難しいですよね。
    ――ブレイクありの興行としてはそうやって微調整していくと。全体的にブレイクが早かったのに、朝倉選手を勝たせたいからブレイクしたに違いないって思っちゃう人がいるんですよね。
    笹原 ルールに準じてやっているだけですけどね。レフェリーにそんなことを考えている余裕はないですよ。判定にしろレフェリングにしろ本当に難しいし、我々団体側と競技チームはコミュニュケーションを取りながら、目の前の問題に取り組んでいることはわかっていただきたいですね。日夜努力しているんですね。
    ――そうやっていろいろと騒ぎたくなるほど、朝倉未来vs斎藤裕が面白かったということではありますね。
    笹原 恒例になっていますけど、本当にRIZINは面白い!
    ――出た!自画自賛!ダイレクトリマッチは? 朝倉未来vs斎藤裕の振り返りは会員ページへ!
    この続きと、斎藤裕、北尾vsテンタ、斎藤裕、所英男、西良典、スダリオ剛…などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1980138この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事100円から購入できます!

     
  • 北尾光司vsジョン・テンタがシュートマッチになった理由/アポロ菅原

    2020-12-30 16:27  
    150pt
    国際プロレス、全日本プロレス、パイオニア戦志、SWS……昭和から平成にかけて様々なプロレス団体を渡り歩いてきたアポロ菅原インタビュー第5弾。北尾光司vsジョン・テンタがシュートマッチになった理由を語り尽くします!(聞き手/ジャン斉藤)【アポロ菅原インタビューシリーズ】
    ①アポロ菅原「国際プロレス最後の夜は、麻雀をやっていました」②【全日本プロレス編】アポロ菅原インタビュー「いま振り返っても何もできなかったんじゃないかな」
    ③「剛竜馬とパイオニア戦志、北尾光司」④ SWS鈴木みのる戦シュートマッチ全真相1万字インタビュー



    ――前回、SWSの鈴木みのる戦を振り返ったインタビューが大好評で。
    菅原 ああ、そうなんですか。
    ――今回も期待しています!
    菅原 よろしくお願いします(笑)。
    ――その鈴木みのる戦があったSWS神戸大会で、北尾(光司)さんがWWEから派遣されたアースクエイク(ジョン・テンタ)相手に試合を壊すような行為に出ました。脇固めで腕を折りにいったり、目潰しのポーズで威嚇しながら、実際に目を狙って攻撃。激怒したテンタとお互い目潰しのポーズで威嚇し合うという……。最後は北尾さんがレフェリーに暴行して反則負けでした。
    菅原 自分のことで手一杯だったので、あの試合自体はちゃんと見てなかったんですよ。あとからいろいろ話を聞いて……この試合は東京ドームでもシングルマッチをやってますよね。
    ――2日前にやってテンタがヒップドロップからの体固めで勝ってますね。 
    菅原 その日の晩、横綱から自分に電話があったんですよ。「神戸でも負けるのかな」と。自分は「それはないと思うけどなぁ」と言ったんですよね。だって東京ドームで負けるって影響力はありますよね。それなのに2日後にまた負けるということは、なかなか考えにくいと思うんですよ。でも、横綱は「また負けるのかなあ」という感覚でいたみたいで。いまだから言えますけど、自分は「最悪の場合、ケガしたということで会場に来なくてもいいんじゃないか」って。そんなふうに言ったんですよ。
    ――そんな反則アドバイスを(笑)。菅原さんからしても2連敗はさすがにないと思ったんですよね。
    菅原 テンタさんがWWEでプッシュされているのはわかっていても、横綱は知名度的にもこれから日本のプロレスを背負って立つ人ですよ。 
    ――北尾さんにとってはSWSはホームだし、相手は他団体の選手で今度はいつ来日するかわからない。
    菅原 もっと他にやりようがあったんじゃないかなあとは思いますけどね。
    ――いまの話を聞いて驚いたのは、北尾さんとテンタの2連戦はかなり前に決まっていたわけじゃないですか。マッチメーカーから事前に試合内容についての説明はなかったということですか?
    菅原 なかったんじゃないですかね。わかりません、それは。さっきも言ったように東京ドームが試合が終わった夜に、横綱は自分の所に電話をかけてきて「神戸でも負けるかもしれない」って言ってたんですよ。
    ――ということは事前に説明はされてないということですよね。 このカードは注目カードですけど……。
    菅原 よっぽどの試合だったら事前に説明はあるかもしれないですけど。普段のシリーズなんかは16時ぐらいに会場入りしますよね。それでポンポンで了解ですよ。相手のことはわかってますから、こういう技を使ってくるから、自分がどういう風に対処するかとか考える程度ですよ。
    ――昭和のプロレスはエース外国人がシリーズ最終戦に猪木さんや馬場さんとシングルマッチで戦うじゃないですか。それまでにシリーズ中にタッグマッチなんかで何度か肌を合わせて……。
    菅原 最後に大きい会場でやりますのでね、それに向けて持っていくっていうところはありますよね。途中の札幌中島体育センターあたりで気合いの入った試合を見せたりして。
    ――あのときのSWSとWWEの接触は東京ドームと神戸大会だけで、テンタと北尾さんは今回が初手合わせでした。北尾さんからすれば、2連敗後の展開はどうなるのかという不信感があっても不思議ではないですね。
    菅原 そういうところはあったと思いますよね。本人が納得するかどうかは横に置いといても、 事前に説明があればまた違ったんでしょうけど。ましてやシングルマッチですからね。シングルマッチに2連敗はかなり厳しいと自分は思ってますよ。 これは風の噂で聞いたんですけども、「いくらなんでも2つはないだろう」という選手の声があったと記者さんたちから聞きました。 仮に東京ドームで負けて、神戸で勝ったとしても3:7くらいの気持ちですよ。
    ――プロレスは初戦で勝つことが重要ですよね。 
    菅原 横綱の初戦の負けが反則だったら、まだいいんですけどね。――当時SWSのマッチメーカーだったカブキさんは天龍源一郎さんのレボリューション所属。反天龍派の荒川さんが北尾さんを焚きつけたんじゃないか……という噂もありますね。<会員ページへ続く>

    この続きと、斎藤裕、北尾vsテンタ、斎藤裕、所英男、西良典、スダリオ剛…などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1980138この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事100円から購入できます!

     
  • シバターRIZIN参戦とアンディ・カウフマンのウソと真実

    2020-12-28 13:13  
    110pt
    この記事はシバターRIZIN参戦を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・平本蓮インタビュー「“昔のK-1”を取り戻すために、いずれMMAをやります」
    ・サイモン・ケリー「プロレスに関わることは倍賞美津子さんに大反対されました」
    ・「東京ドームを押さえろ!」(長州力)■名言で振り返るマット界の歴史
    ・シューティング初代ライトヘビー級王者・川口健次インタビュー

    RIZINのカード順が発表されまして、こうやって並ぶとかなり豪華ですよね。これでPPVは5000円と安い、というか1万円取ってもいいのかなって思いますよ(笑)。まあ地上波でも流れるので1万円は厳しいかもしれないですけど、オープニングVと各試合の煽りV、そして各選手の入場がカットされないことを考えたらね。地上波では生中継もあるということですけど、おそらくNHK紅白歌合戦がいったん休憩してニュースを流す20時45分の時間帯がRIZINにとっては瞬間最高視聴率を稼ぐポイントなので、そこに誰の試合を持ってくるのか。そこも気になりますね。
    カード順の発表で話題を呼んだのは、シバターがしれっと紛れ込んでいることなんですね。なんの前触れもなかったので「いったいどういうことだ!?」と騒ぎになってトレンドワードにもなって。まあ前触れはあったんですけど、あくまでシバターが勝手に参戦すると騒いでいただけでRIZINはスルー気味。
    でも、こうなってみると、シバターの劇場もRIZINが噛んでいたということなんでしょうけど、面白いのはRIZINがシバターに乗っからないし、自分たちも煽らないことなんですね。榊原さんが「カード順が決まりました」ってツイートしたけど、シバターには一切触れない不自然さ。そこが面白い。煽らないことで「いったい何が起きてるんだ!?」という煽りになってるんですよ。シバター参戦をミステリーにしている。巨大なクエスチョンを投げかけたわけですね。
    いまって格闘技界に限らず、なんでも煽りすぎじゃないですか。YouTubeだツイッターだインスタだってとにかく煽って炎上させる。 大げさでもいいから煽って注目させる。それはニューメディアが使われてるからオルタナっぽいんですが、いまやそれ自体がスタンダートになってる中で、今回のRIZINのやり方はカウンターになっているわけですね。それはRIZINが再開した8月の斎藤裕選手から始まってるように見えるんですね。あの朝倉未来大先生が「やってやりましょうかね」つってんのに「タイミングが合えば」とスカした。あそこから伝染していったというか。
    そしてSNSでは「RIZINに◯◯を出せ!」運動が過激に始まったじゃないですか。煽りばかりが目につく時代ということもあって、ああいう押し売りに辟易してる人って、じつはいたと思うんですよね。最近も「オレをRIZINに出せ!」アピールがあちこちで目に付きますけど、そこで何が起きたかというと「RIZINに出せ」どころか、そうやってアピールすることがダサいと言っていたドミネーター選手がピックアップされたり、唐突に五味隆典選手が出てくる。結局その選手が魅力的であるかどうかで、いかようにもできるっていうあたりまえのことを突きつけられた。アピール自体は実は物事を動かさないというか、ぶっちゃけシバターも参戦内定したから「俺を出せ!」って騒ぎ出したわけですし。
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  • ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン■斎藤文彦INTERVIEWS

    2020-12-28 12:49  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはパット・パターソンです!

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■日本発世界…コロナ禍の近未来ビジネスモデル

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■WWEが体現する「ウイズ・コロナ」 の時代のプロレス■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった■無観客レッスルマニアが生み出した“異常な2試合”

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた■棚橋弘至vsクリス・ジェリコから見る新日本・AEW提携の可能性

    ■エンド・オブ・デケイド――プロレス界の2010年代■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■ネット社会に出現したニュータイプAEW、その可能性■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■レッスルマニアウィーク現地取材レポート■平成という「アントニオ猪木が去った時代」■アメリカの新団体AEWは脅威になりえるか■それでもケニー・オメガは新日本プロレスに残るか■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期


    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■馬場、猪木から中邑真輔まで!「WWEと日本人プロレスラー」■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る

    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか
    ――今回取り上げるプロレスラーは、つい先日の12月2日にお亡くなりになったパット・パターソンです。
    フミ あまり知られていませんが、パット・パターソンはアメリカと日本のプロレス史にもの凄い功績を残している存在なんです。しかし、その歴史的な重要性がそこまで認識されていないんですね。
    ――ちょっと前までWWEでビンス・マクマホンの右腕として活躍してましたが、日本のプロレス界にも影響を。
    フミ パット・パターソンは50代以上の、いや、おそらく60代以上の年輩のファン層にとって一世を風靡したプロレスラーとして知られています。1941年生まれ。1945年(昭和20年)に第二次世界大戦が終わったときは4歳ですから、ある意味で戦中派と言えるかもしれない世代です。カナダのモントリオール出身で、典型的なフレンチ・カナディアン。母国語はフランス語で、大人になってからアメリカのテレビを毎日見て英語を身につけたと言われています。パット・パターソンはリングネームで、本名はピエール・クレモントというフランス人然とした名前なんです。
    ――パット・パターソンって本名じゃないんですね。ちょっとビックリしました(笑)。
    フミ アメリカのプロレス界では、ゲイであることを公表した最初の1人なんです。同業者や一部のマニアにはその事実は知られていましたし、日本でもパット・パターソンがゲイだというヒントは活字メディアによって与えられていたんです。公表したのはWWEネットワークがスタートしたときに製作されたリアリティー番組。そこで初めてパット・パターソン本人の言葉でゲイであることが明らかにされました。
    ――アメリカのスポーツ界ではゲイに対する風当たりが強いどころではないですよね……。
    フミ それは差別なんですが、現実にはそういう部分はまだ残っています。NFLやMLBにもゲイは一定数いるはずなのですが、スポーツの世界ではいまだに偏見の対象です。LGBTQに対する理解が高まっている時代だからこそ、ボクたちの認識も高めていかなければいけないと思うんですね。同性愛、性的マイノリティに対して差別的な扱いをすることは間違いですから。ただ、プロレスの場合は、ゲイを公表したことでキャラクター設定やプロレスとしてビジネスが成立するかどうかも問われるんです。ゲイであることとレスラーであること、そしてたとえばヒールであること、リング上のキャラクターとの整合性の面でどうなのか?と。
    ――見る方も混乱しますよね。
    フミ パット・パターソンにはそういうやや複雑なバックグラウンドがありますが、まず日本との関係からひも解いていくと、アントニオ猪木さんのアメリカ武者修行時代の親友なんですね。
    ――猪木さんと親友!
    フミ 猪木さんがアメリカ武者修行に出たのは力道山死後の1964年(昭和39年)。それから2年間アメリカマットで試合をしてたんですけど、オレゴン州ポートランドを拠点としたノースウエスト地区というテリトリーで10ヵ月ぐらい戦っていたんです。そこで一番仲が良かったのがパット・パターソンなんです。猪木さんが21歳の頃ですよ。21歳の猪木さんの姿はちょっとイメージしにくいですけど、一緒の車で会場に向かって、一緒にトレーニングして、一緒に試合をして……その出会いが猪木さんにとって重要になるんですが、猪木さんが新日本プロレスを旗揚げしたときにロクな外国人レスラーを呼べなかったですよね。日本プロレスと全日本プロレスがアメリカのありとあらゆるテリトリーと関係が深くて、新日本プロレスが一流外国人レスラーを呼べないようにブロックした。
    ――新日本に嫌がらせをしたわけですね。
    フミ そんななかでカール・ゴッチさん以外で最初に新日本プロレスにやってきた一流の外国人選手はジョニー・パワーズ、そしてパット・パターソンだったんです。
    ――それは武者修行時代の繋がりから。
    フミ そうなんです。アメリカ武者修行時代に親友だった事実を隠しつつ、敵に回って戦いつつ新日本プロレスに協力していた。
    ――馬場さんにブルーノ・サンマルチノやドリー・ファンク・ジュニアがいたように。 
    フミ もちろん新日本プロレスにはストロングスタイルの象徴としてカール・ゴッチ先生がいたんですが、アメリカの、とくに西海岸のテリトリーとビジネスをしていくうえでこのパット・パターソンの存在はもの凄く大きかったんです。ちなみに猪木さんが2010年にWWEホール・オブ・フェイムで殿堂入りして、表彰式に出席するためにアメリカに行ったときにパット・パターソンと久しぶりに再会をはたして。ボクもそのときのレッスルマニアを現地で取材したんですが、ホテルのラウンジで2人が一緒に盃を交わしているところを目撃しました。
    ――貴重な光景!
    フミ ニック・ボックウィンクルさんも交えてにこやかに談笑しながら楽しそうにワインを飲んでいましたね。事情を知らないとオールドタイマーがただ歓談してるだけに見えるんですけど、実は深い関係なんです。
    ――猪木さんが殿堂入りできた背景には大物パット・パターソンとの親交もあったのかもしれないですね。
    フミ アントニオ猪木さんがアメリカでもいかにビッグな存在かというところが凄くよくわかるんですね。パット・パターソンの初来日は日本プロレスの第10回ワールド・リーグ戦。1968年(昭和43年)で27歳でした。力道山時代から続いていたワールド・リーグ戦の記念すべき第10回大会にはキラー・コワルスキーやフレッド・ブラッシー、ジェス・オルテガ、ターザン・タイラーといった歴代の名レスラーたちがやってきて、まだ若かったパット・パターソンは7番手ぐらいの位置でした。2回目の来日は1973年(昭和48年)12月。新日本プロレス旗揚げ2年目ですね。坂口(征二)さんが新日本に合流した年ですが、パット・パターソンの新日本来日には前振りがあって、その年の夏に猪木さんと坂口さんの黄金コンビがロサンゼルスに遠征します。そこでジョニー・パワーズ&パット・パターソン組が保持するNWA北米タッグ王座に挑戦しました。このベルトはのちに新日本の看板となるものなんですが、そのとき猪木さんたちはベルトを獲れずに帰国して、その年の12月にジョニー・パワーズ&パット・パターソン組がNWA北米タッグのベルトを腰に巻いて新日本プロレスにやってきたんです。
    ――ロサンゼルスで前哨戦があったんですね。
    フミ 日本でも猪木&坂口の黄金コンビはジョニー・パワーズ&パット・パターソン組に挑戦するんですけど、3本勝負の3本目が反則決着で王座奪取ならず。いまの感覚で考えれば反則絡みということは翌年もパターソンたちを呼ぶつもりだったんだろうなあという仮説が成り立ちますね。
    ――つまり因縁を引っ張ったということですね。
    フミ 面白いのはジョニー・パワーズとパット・パターソン組が保持していたとされるこのNWA 北米タッグの王座は、ボクがプロレスマスコミになってからいくらリサーチしても、それ以前の歴史が存在しないんですよ。
    ――えっ!? 
    フミ 想像するに新日本プロレスとテレビ朝日(当時はNET)がアメリカで最も権威のあるタッグ王座としてプロデュースした。しかもその名称はNWAの3文字までつけて、ジョニー・パワーズ&パット・パターソン組が持っているとすれば、それっぽく見えるじゃないですか。
    ――いわくつきのベルトなんですね。
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  • 亀田和毅vs皇治はなぜ消えたのか

    2020-12-24 19:45  
    100pt
    この記事は亀田和毅vs皇治を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】「今日もダメだけど、まあいいか」と諦める……みんなボブ・サップを抱えて生きているのだ【プロはこう見る!!】天心vs堀口は「フェイクの天才」対決です/鈴木秀明
    クロン・グレイシー グレイシーを10倍楽しむ方法 「キックぼんやり層」必読!! 那須川天心vsロッタンはここがヤバかった
    大晦日RIZINで皇治vs亀田和毅の試合がじつは内定していたことが明かされました。亀田側がメインイベントを要求してたとか、 来年はキックボクシングもやってみたい……という話もあったそうですね。あとはいつ記者会見で発表するのか、という段階まで交渉は進んでいたんですが、亀田サイドから急遽お断りの連絡があったと。榊原さんの話によれば、亀田和毅からの売り込みだったそうですが……。なぜ亀田和毅は皇治戦をドタキャンしたのか。
    まず亀田ファミリーという存在を語ると、結局彼らはベビーフェイスじゃないんですけど、ベビーフェイスの位置に立っていたい人たちだと思うんです。そこは秋山成勲選手と同じで、彼らは完全に純度120%のナチュラルヒールなのに、 ベビーフェイスであろうとする。ナチュラルヒールなんだけどもキャラクターとしてヒールはやらないと。「俺たちはいわれなきバッシングを浴びてる」ぐらい思っちゃってるわけですよ。 なので自分たちがいいように振る舞えるホームに拘り、アウェイの場には出てこないんですね。亀田興毅でいえば内藤大助戦、秋山選手でいえば三崎和雄戦くらいじゃないですか、敵地に赴いたのは。
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  • 大晦日後は……憂流迦、井上直樹、平本蓮がラスベガスへGO!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2020-12-24 19:03  
    110pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマは大晦日後は……憂流迦、井上直樹、平本蓮がラスベガスへGO!です!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)【1記事70円から購入できる過去記事】・クレベルvs摩嶋? 米山引退、憂流迦vs所は幻に……■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク・北米のプロスポーツで殺人、レイプやDVの経歴を持ってる選手を売り出すことは難しい

    ・【1万字インタビュー】シュウ・ヒラタが「RIZIN大好きさん」とのバトルの内幕を激白!

    ・オファーがあるのに「オファーがない」とは何か?

     
    ――大晦日直前の収録になりましたが、ここにきてシュウさんのマネジメントする選手のRIZIN出場が、なんと4人(佐々木憂流迦、井上直樹、平本蓮、倉本一真)になりました!
    シュウ ありがとうございます。本当は7人入れたかったんですけどね(笑)。
    ――7人ですか(笑)。
    シュウ いまだから言えますけど、やっぱり摩島一整選手は入れたかった。あとは関鉄矢選手とユータ&ロック選手ですね。ユータ&ロック選手は、斎藤裕選手や中島太一選手にも勝ってる選手ですから。
    ――その中で最も可能性があったとすれば、やはり摩島選手ですよね。
    シュウ 摩島選手は11月にクレベル・コイケ選手と試合をしないか?というオファーがありましたからね。そのまま大晦日にスライドできればよかったんですけど、そこは山本美憂選手に負けちゃったのかな~。
    ――クレベル選手の相手は美憂選手の夫であるカイル・アグオン選手になりました。なかなか外国人選手を呼びづらい中で、美憂選手と一緒に来日できるんだったら起用しようか、という動機はあったのかもしれないですね。
    シュウ まあ、やっぱり1人ぐらい外国人選手を入れて色をつけたいとは思うので、ボクも榊原さんだったらそういう決断していたと思います。で、こういう微妙な時期にはボクは選手と毎日のようにやりとりするんですけど、参戦できるかできないか逐一情報を入れてあげないと、やっぱり減量があるのでかわいそうじゃないですか。ですから、12月10日の記者会見の1~2日前には「もう参戦はないから」と知らせていましたね。だから、来年一発目のRIZIN開催予定は3月かな? そこに照準を合わせたほうがいいと話しましたね。
    ――ええっと、いま「3月にRIZINがあるんだ」と皆さんビックリしていると思うんですけど(笑)。
    シュウ いや、あくまで予定ですからね。でも、やるんだったら3月か4月ですよね、きっと。
    ――MEGAが2月開催ですからね。ただ、来年は都内でオリンピックイヤーなので、地方開催が多くなるんじゃないかという見方もあります。
    シュウ ああ~、というかオリンピックやれますかねえ? まあ、それはいいか。
    ――その12月10日の会見を受けて、いま話題を呼んでいるのが平本蓮選手です。いろいろと大変な騒ぎになってます(笑)。
    シュウ なんか面白いですよね、彼は(笑)。
    ――ただ、シュウさんからすると、目の前の1~2戦じゃなく、5~10戦でどうなるかというのを見据えているところはありますよね。
    シュウ もちろんそうです。最終的に目標をUFCにセットするには、10試合したらできれば全勝、最悪8勝2敗でいくと。その2敗も実績のある選手に負けているという状況にしないといけないと思っているんですよ。ただ、ひとつひとつの試合で話題を作っていくのは、これは平本くん個人の力量ですよね。
    ――今後平本選手はラスベガスに呼び寄せて練習させるという計画なんですか?
    シュウ はい。これもう決めちゃったんですけど、コロナの影響でニューヨークだとジムもフルにオープンできない中、ベガスを拠点にしましょうと。じつは、魅津希選手たちのチームメイトで、UFCバンタム級のアルジャメインが、ニューヨークに2軒不動産を持っているんですけど、3軒目はベガスに買ったんですよ。
    ――アルジャメイン級の選手でもそんなに不動産を買えるんですね。
    シュウ いや、こっちの選手でクレバーな子たちってそうなんですよ。頭金の20パーセントあれば家を買えるわけなんで、そうすると4000万円の家を買うのに800万円あればいいから、ボーナスなんかが入るとポンと買っちゃったりして。そこを賃貸にしたりテナントを入れたりして家賃で全部ローンを払っているんです。最終的には転売するんですけど、アルジャメインはもう2軒ぐらい転売してるんじゃないかな?
    ――GSPがカナダでやってた投資術を同じですね、。
    シュウ そうですね。じつをいうと、アルジャメインとチームメイトのアル・アイアキンタ選手はニューヨークの不動産ブローカーのライセンスを持っているんで。だから家を買って、業者の手を借りずに転売することもできますし、家を売りコミッションを得ることもできるんです。
    ――どこの国も不動産は強いですねえ。
    シュウ 彼のベガスの家は、UFC PIから車で7分ぐらいのところに買ったんですけど。なぜベガスに買ったかというと、やっぱりこれからはベガスでの試合しかないし、チームメイトがセコンドで来たときにその人たちが宿泊できるからなんです。もう完全に奉仕というか、チームのファイターズハウスという感じで買ってくれたんですよね。
    ――太っ腹というか、献身的ですね。
    シュウ ですから1月15日から、魅津希選手もそっちに動かします。
    ――魅津希選手といえば、いま術後のリハビリ中ですよね?
    シュウ ええ。なぜかというと、UFC PIですべてのリハビリが叶うからなんです。そして、そのあとのケアからフィジカルトレーニングまで、全部専門家が揃っているんですよ。UFCと契約している選手は全部タダで使えるわけですから、それは使わない手はないですよね。
    ――さすがUFC!
    シュウ もうアルジャメインは自分の家のガレージに全部マットを引いてジムにしちゃってますし、あの家はもうどこでも練習できるぞという感じのファイターズハウスになってますね。
    ――そこに平本選手も呼ぶ、と。
    シュウ そうです。もっと言うと、ブラジルもコロナの影響でなかなか練習環境が整わない。11月の時点で、ジムはまた閉鎖を余儀なくされ、いつ再開するかまだ目処がたっていないんです。なので、そっちの選手も呼び寄せる計画ですね。ジェシカ・アンドラージ選手はすでにベガスにアパートを確保してありビザの更新手続きが終わり次第ベガスに移ります。チームメイトのキャロル・ローザ選手とそのカノジョでもあるインヴィクタFCに出ているジェシカ・デルボニ選手も一緒に来ます。結局ベガスで試合をするんだし、アブダビのファイトアイランドに行くにしても、いったんベガスに来て、そこで24時間隔離しないといけないわけですから。そう考えると、ベガスにいるのが一番いいんですよ。で、これ皆さん知らないかもしれないんですけど、UFCはトライフェクタという食事面をサポートする会社とも契約しているんですよ。なので、ベガスにいると3食も全部作ってくれるんですよね。
    ――凄い!そして食べたい!
    シュウ 選手の体調に合わせて選手それぞれにメニューを作ってくれるんで。だから、我々はネバダ州に選手を集結させて、ちゃんとした練習環境を整えるというのが一番大切だという結論に達したわけですね。そこには、ずっと付き合いがあった柔術の世界チャンピオンであるロバート・ドライズデールもいて、そういう人たちともコラボしながらやってるんで。もともと、ボクはニュージーランドのアデサンヤのところに平本選手を送り込みたかったんですけど、ニュージーランドはコロナの規制が大変なんですよ。だったらもうベガスに来ないかということで、これは井上直樹選手も佐々木憂流迦選手も一緒です。
    ――となると、憂流迦選手も直樹選手も平本選手も、全員がそこに移る。
    この続きと、斎藤裕、北尾vsテンタ、斎藤裕、所英男、西良典、スダリオ剛…などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1980138この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事100円から購入できます!
     
  • 五味隆典vs皇治……スキャンダルファイトの魔法、そして呪い

    2020-12-23 11:09  
    110pt
    この記事は五味隆典vs皇治を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【宗教と幻想、システム論】修斗は朝倉未来に勝ったのか
    ・北米のプロスポーツで殺人、レイプやDVの経歴を持ってる選手を売り出すことは難しい■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・佐伯さん、KINGレイナはどうなるんですか!?
    ・【RIZIN24の裏側】RIZIN広報・笹原圭一の1000倍返しインタビュー
    皇治選手が五味隆典選手を「火の玉ボーイ」ならぬ「金◯おじさん」呼ばわりしてたRIZINの記者会見に行ってきました。凄いフレーズですよね、「金◯おじさん」(笑)。ボクもおじさんで、金◯を持ってるので「金◯おじさん」なんですけど。
     この放送を聞いてる方々も「金◯おじさん」もしくは「金◯青年」ですよね。その「金◯視聴者」の皆さんにお聞きしますが、1月2日のご自分のツイートを振り返ってみてください。おそらくですけど、「RIZINに続いてほしい!」という感じで嘆いているはずですよね。
    その日に何があったのかといえば、大晦日RIZINの視聴率が発表されて、みんな地獄に突き落とされていた(笑)。大晦日興行は格闘技ファン的には大満足する内容だったんですけども、視聴率は大晦日格闘技史上最低。どうすればRIZINは生き残れるのか……ということで「#RIZIN 視聴率補充計画」なるタグをオフィシャルが作りましたけど。あのタグはいったいどこに消えたのでしょうか(笑)。
    お正月は「RIZIN頑張れ!」という雰囲気だったのに、2月のRIZIN浜松大会の朝倉未来のカードが発表されると、その対戦相手(ダニエル・サラス)がどうなんだ?と。朝倉選手は中2ヵ月で試合をするのに批判されましたよね。そして4月の地上波にも朝倉未来は出る。4ヵ月で3試合。朝倉未来を使って春のRIZINを乗り切ろうとしたら、その相手としてリストアップされた朴光哲はどうなんだと批判されて。みんなRIZINを応援するけど、出されたものには絶対に文句を言う。やっぱりファンは残酷なんですよ!(笑)。
    その4月大会は新型コロナの影響で大会が中止になり、RIZINの経営も不安定。クラファンでなんとか凌いでいくような状況ですよ。そこでまた「RIZIN頑張れ!」というムードになったんですけど、それでもやっぱりカード発表ごとに批判は起こるわけですよね。 何しろあの那須川天心vs皇治にすら文句は出ましたから。みんな贅沢!(笑)。
    今回の五味vs皇治にも怒ってる人が多いですけど、 亀田和毅が皇治戦をドタキャンしたお祭りカードの代替えとしてはそこまで悪くないと思うんですよ。よく五味ちゃんがOK したなと。正直、カード編成も土壇場で皇治選手の相手はいませんでしたから。ヘタしたら天心vs皇治の再戦をやるぐらいしか手はなかったんじゃないかなって。
    このカードに噛み付いてる選手の中では白鳥(大珠)選手と皇治選手の試合はこの先、見たいんですが、このタイミングかというと微妙で。皇治vs白鳥ってちゃんと磨けば1万人イベントのメインを張れるカードになのに、 ここでやったら埋もれてしまうというか、まだ機は熟してないと思うんですよね。いまだと格闘技ファンしか盛り上がらない。まだ完全に焼けてないのに料理を出しちゃうような感じがします。逆に五味vs皇治は大晦日以外でしか出せないというか。
    話はズレますけど、RIZINに「俺を出せ!」ってアピールしている格闘家って多いじゃないですか。ボクがもったいないなと思うのは、誰一人うまいプレゼンができていないことなんです。その選手を出場させれば、RIZINにどんなメリットがあるのかを売り込まなきゃいけないわけですよ。「これだけチケットが売れて、これだけPPVが売れて、スポンサーもついて、こういう展開が生まれて……」。スーパー・ササダンゴ・マシンに頼んで“煽りパワポ”を作ってもらった方がいいんじゃないかと(笑)。自分のファン向けに「俺を出せ!」というツイートをして、リツイートや「いいね」がたくさんついたところとて、 RIZIN運営は動かないと思うんですよね。あと「◯◯を出せ!」系が多くなってるので気にもとめない感じになってるので……。こうなったらみんなで新潟までスーパー・ササダンゴ・マシンに会いに行こう!(笑)。
     会見の五味ちゃんは気だるい態度でしたけど、やる気満々だと思いますよ。コンディションはわからないですけど。体重差のある相手にムキになって言い返したら、カッコ悪いと思ってるんじゃないですか。そこはシャイな五味ちゃんの美学ですよ。五味ちゃんがアンチの多い皇治選手をKOしたら爽快感が大晦日を包み込むでしょう。逆に皇治選手が頑張れば、 皇治軍団は喜び、またアンチが憎しみを燃やすというね(笑)。
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  • 杉浦貴……いいときも、悪いときも、ノアで戦い続けた男■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2020-12-20 15:26  
    130pt

    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマは杉浦貴です!




    <1記事から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    G1、チャンカン、N-1……秋の3大リーグ戦・総括


    追悼ロード・ウォリアーズ
    SWSは企業プロレスだったのか『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    名子役から名優へ…中嶋勝彦
    デビュー戦から見た木村花というプロレスラー
    小川良成…孤独と苦難から生まれた「孤高のテクニシャン」新型コロナ禍の中のプロレスW-1活動休止、NOAH新体制、全日本はWWEと接近?追悼“喧嘩日本一”ケンドー・ナガサキ
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    新生NOAHは何が変わったのか?
    獣神サンダー・ライガーと山田恵一プロレス者の青春「竹内宏介とザ・マニアックス」ケンドー・カシンの数奇で偏屈なマスクマン人生日本のプロレスを変えた「浅井嘉浩」という男革命戦士・長州力、笑顔でリングを降りる――追悼・青木篤志さん望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜三銃士、四天王、UWF、邪道…平成のプロレスを変えた5つの勝負ジャイアント馬場没20年追善興行と飯塚高史引退試合北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」多発するプロレスラーのケガを考える愛すべき元横綱・輪島が戦った全日本プロレスの2年間全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話プロレスラーが憧れたプロレスラー、マサ斎藤さんあの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん
    中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士最後のムーンサルトプレス……天才・武藤敬司縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生WARからイッテンヨンへ! ライオン・ハート時代のクリス・ジェリコ
    「情」で生きる佐々木健介の激烈人生! 
    プロレスラーで初めて大臣になった男、馳浩大森隆男のワイルドな全日本プロレスLOVE 暴走親方、諏・訪・魔!!嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田超獣ブルーザー・ブロディ【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴
    癌に勝った絶対王者・小橋建太“プロレス巨大組織”NWAとは何だったのか?呪われたIWGPが最高権威になるまで悲運の闘将ラッシャー木村、耐えぬき続けた人生 燃える男、アニマル浜口――!!“天龍番”が感傷に浸れなかった天龍源一郎引退試合全日本プロレスを二度は裏切れない……」秋山準馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレスジョー樋口、和田京平…全日本プロレスを支えたレフェリーたち 我らが英雄ザ・ファンクスの凄み! 猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!
    「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラスプロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス『週刊ゴング』の創刊と休刊まで……闘いのゴングはこうして鳴った!80年代タイガー、90年代ライガー! ジュニアヘビー級の歴史!!“リングの現実”に殉じたNOAHの栄枯必衰昭和のプロレスを支えた影の実力者! さらば永源遥――!!史上最も愛されたヒール! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー

    輪島、北尾、曙……プロレスラーになった横綱たち!!
    全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信
    鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”
    高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで
    「プロレス取材の難しさ」
    一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿



    ――本題に入る前に……小佐野さんも選考委員を務めるプロレス大賞が今年も発表されました。
    小佐野 今年は新型コロナの問題もあってオンラインで開催されたんですよ。
    ――ああ、そうですよね。ZOOMかなんかで。
    小佐野 そう。そういう事情もあって各部門の投票先は事前にメールで送ることになっていて。第1次投票の時点で過半数を超えていたら、その選手に決まっちゃうんですよね。
    ――従来はディスカッションを経て第1次投票。投票1位が過半数を超えてなかったら議論の末、第2次投票が行われるというシステムで。
    小佐野 だから難しかった。いままではMVPを決めたら、次はベストバウト……という流れで投票するけど、今回はまとめて事前にメールするから。今回のMVPは内藤哲也だったでしょ。MVPに潮崎豪を推していた人は、他の個人賞には潮崎の名前を絶対に入れてない。
    ――ああ、なるほど。MVPでダメなら三賞に、という思惑が働かない。
    小佐野 内藤がMVPになってしまったら潮崎推しだった人はやっぱりどこかの賞に潮崎を入れたくなる。じゃあ敢闘で、殊勲で……というやり方が今年はできなかったから。あと時間もそんなにかけられなかったし、いろんな規制の中でやるしかなかった。今年はスポーツ関係のこういった選考会が中止になってるけど、プロレス大賞はもう40何年もやってる伝統的なものだから途切れさせたくないという東スポの意向もあった。なので「不本意ながらオンラインの開催でお願いします」という話だった。今年は17人の選考委員だったので1票の重みも大きかったし、ちゃんとディスカッションできるようにコロナの収束を願うしかないよね。
    ――ZOOMだと議論は難しいですよね。
    小佐野 慣れてない人もいるからね。会話に入り込んでいいものなのかとタイミングが難しいし、司会進行の方が「◯◯さんはどうですか?」と振ってくれたけど。それに接戦になっていれば議論になるんだけど、今回の審査員は少なめの17人だったので、第1次投票で9票入ったら決定。そこに文句をつけようがないというか。
    ――過半数に達しやすいという。
    小佐野 選考結果自体をいえば、ファンは「MVPはまた新日本か……」となっちゃうんだろうけど、どうしても大きい大会をやって注目を浴びている団体からの選出は多くなるよね。それだけ影響力を与えているってことだから。今年はコロナの問題で大会が開けたり開けなかったりしていたから、団体によっては苦しい面もあったんだけど。
    ――予定は大幅に狂いましたよねぇ。
    小佐野 たとえば今年選出がゼロだった全日本プロレスは後楽園ホールが最大規模の会場で、大田区体育館規模でさえやってない。諏訪魔の三冠戦も後楽園だったし、どれだけの人間がこの試合を見ていたのかってことが問われるから。今年のノアは大きな会場でやったり話題性があったし、来年2月には10年ぶりに日本武道館でやる。やっぱり一般人でも見るような大会をやっていかないとプロレス界は発展していかないからね。
    ――団体の力が問われるわけですね。
    小佐野 やっぱり選手だけの力だけではなくなってきてると思う。たとえば観客数十人の前で凄い試合をやっても、やっぱり評価の対象になりづらい。
    ――そこは格闘技も同じですね。評価はするけど象徴にはしずらいという。
    小佐野 それに「凄い試合」ってたくさんあるから、その中からなぜ選ばれるのか。そこでわかりやすかったのはノアの潮崎vs藤田がベストバウトの候補に挙がったのは、今年ならではの試合だったからでしょう。
    ――30分以上の睨み合いは無観客だからできたことですよね。
    小佐野 今年の潮崎はボロボロになりながらよくやっていたと思うよ。テーピングもあんなに巻いてね。拳王と60分フルタイムをやって、藤田和之や中嶋勝彦とも長い試合をやって、それで杉浦貴とは50分超えの凄い試合をやったでしょ。 場外戦はほとんどやってないからね。潮崎が1年を通して頑張ったけど、MVPを獲れなかった現実がある。それは潮崎だけの問題でもないよね。何年か前に全日本の宮原(健斗)が MVPを獲ると宣言して結局ダメだったけど、それはやっぱり本人だけの責任ではない。昔の大仁田厚みたいに電流爆破で突き抜けちゃったのであれば別だよ。あのときの大仁田は世間を巻き込んじゃったから。
    ――それぐらい高い壁であるということですね。
    小佐野 結果的に今回のプロレス大賞はブシロード系とサイバーファイト系が占めちゃったんだけど。さすが新日本は面白いよ。今回は内藤じゃなくて高橋ヒロムが MVPを獲ってもおかしくなかったし。

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  • 東スポ「プロレス大賞」改革案はこれだ!■事情通Zのプロレス点と線

    2020-12-18 14:49  
    110pt
    プロレス業界のあらゆる情報に精通する事情通Zの「プロレス 点と線」――。今回のテーマは東スポ「プロレス大賞」改革案はこれだ!です。【1記事90円から購入できるバックナンバー】
    全女イズム最後の継承者・高橋奈七永インタビュー「リングの中でも外でも潰し合いでした」柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」Uのミライを見た女――高岡左千子「私は運気からUWFのスケジュールを組んでいたんです」

    鬱と宗教とUWF……プロレスの信仰心はどこに向かうのか■大槻ケンヂインタビュー



    【人生最終回】安田忠夫「もうすべてがイヤになったから、練炭自殺したんだよ……」


    ――Zさん! 東京スポーツ選定プロレス大賞が不正選挙疑惑で選考が長期化しそうです!
    事情通Z それはアメリカ大統領選挙だろ! トランプ大統領の悪あがきも空しく次期大統領はバイデン、今年のプロレス大賞MVPは内藤哲也で決まりだよ。
    ――投票で何事も決定していいのかボクには疑問ですね。自民党が選挙で勝つと、国民を「奴隷」呼ばわりして一方的に断罪するプロレスマスコミの◯◯さんだって黙ってませんよ!
    Z 反・自民党のプロレスマスコミはけっこういるんだから話をややこしくするんじゃないよ!
    ――重い冗談はともかく、今年の選考結果も物議を醸しています。ABEMA傘下となり勢いを取り戻したNOAHからMVPや年間最高試合を選ばれるべきだとか、はたして内藤哲也が今年の顔なのか……などなど。☆MVP 内藤哲也
    ☆ベストバウト オカダ・カズチカvs内藤哲也(新日本プロレス1月5日/東京ドーム)
    ☆最優秀タッグ賞 杉浦貴&桜庭和志
    ☆殊勲賞 潮﨑豪
    ☆敢闘賞 高橋ヒロム
    ☆技能賞 遠藤哲哉
    ☆女子プロレス大賞 ジュリア

    Z 以前からプロレス大賞がファンの声が反映されてないとか批判されてるわけだけど、プロレス大賞が“東スポ・プロレス大賞”だという前提で捉えているファンが多くなった印象があるよ。東スポの誌面でどれだけ話題になったのか、どれだけ貢献したのか。その視点で見れば、こういう結果になるんじゃないと。
    ――イニシャルトークになっちゃいますけど、プロレス界にも東スポにもたいして貢献もしてもいない澤田敦Cが2008年の新人賞に選ばれるのはどういう理由だったんですかね?
    Z 余計な話を蒸し返すんじゃないよ。それくらいいい加減な一面もあるってことだよ。
    この続きと、斎藤裕、北尾vsテンタ、斎藤裕、所英男、西良典、スダリオ剛…などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1980138この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事100円から購入できます!