• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 19件
  • 【15万字・記事16本詰め合わせセット】追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……

    2022-10-31 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part106大好評記事16本15万字で600円!!(税込み)
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    part106
    ○ズンドコから見た我らが英雄アントニオ猪木

    ○日本人史上最年少でUFCと契約! 西川大和インタビュー「ステージが変わるだけ」

    ○AEWの噂と誹謗中傷……信者はアンチに豹変する

    ○平本蓮「俺のオナニーが面白いなら応援して、つまらないなら嫌っといて」

    ○【フライ級革命】堀口恭司の新しい旅が始まる■笹原圭一RIZIN広報

    ○【平本蓮戦】弥益ドミネーター聡志「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるじゃないですけど……」

    ○プロレス界の歌ウマ王は誰だ?■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ○侵略者、現る!! 宇佐美正パトリック「みんな食ってやります」

    ○西川大和UFC契約の舞台裏/RIZINマッチメイク二転三転■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ○IWGP女子王座の違和感の正体■斎藤文彦INTERVIEWS

    ○【令和のSWS】AEWのバックステージで揉め事が止まらない!!

    ○辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    ○“スーパーヴィラン”青木真也はRIZINでこそ剥き出しになる

    ○スパーの一本取られた・取られないのは、ホントにどうでもいい■水垣偉弥

    ○【史上最大のMMA対抗戦】榊原信行とスコット・コーカー、敗れざる者たちの逆襲


    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉この記事は「アントニオ猪木」を語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)
    ――我らがスーパースター、アントニオ猪木さんがお亡くなりになりました。
    斉藤 猪木さんを追悼するニュース記事、SNS、動画の数から、いかにプロレスというジャンルを超えた英雄だったことが伝わってきますよねぇ。ボクの猪木さんの好きな言葉のひとつはこれなんです。ライバルだったジャイアント馬場さんが亡くなったときに「死んだことによって馬場さんが美化されてる」って言ってるんですよね。
    ――猪木さんらしいですね(笑)。
    斉藤 愛弟子の破壊王(橋本真也)の葬儀でも「あの世でも元気ですか?」とコメントを残して物議を醸したんですよ。いまからすると「猪木さんらしい」の一言なんですが、ほら当時の猪木さんって一部のプロレスファンから嫌われていたから……。
    ――2005年頃だと暗黒・新日本真っ只中ですし……。
    斉藤 追悼記事で猪木さんが美化されてるわけじゃないですが、やっぱり猪木さんってダメな部分を含めて面白い方だったので、ズンドコ方面も振り返りたい。さっきの「嫌われていた」という話でいえば、アントニオ猪木のイメージって世代によって違うと思うんですよ。猪木さんの全盛期の試合をリアルタイムで見ていたのって40代後半がギリギリでしょう。よく知らないファンが大半だと思うんですよね。
    ――猪木さんってデビューからお亡くなりになるまで、ずっと注目されてきた人ですよね。
    斉藤 70年代はモハメド・アリと戦ったりプロレス最強を掲げるスーパースター猪木、80年代はIWGP舌出し失神をはじめとするカオスな猪木、90年代前半は政治家にしてリングにスポット参戦して印象を残すキラー猪木、引退後は新日本を苦境に追い込むフィクサー猪木ですよね。この時代はPRIDE人気に乗っかって一般的には「ダーおじさん」化していく。アントニオ猪木のことはよく知らないけど「1、2、3、ダー!!」で盛り上がるみたいな。ただ、プロレスファンからはけっこう嫌われていた。
    ――アントニオ猪木による新日本プロレスへの強権介入で。
    斉藤 そこには誤解もあるんですけど、のちほど説明します。じゃあボクはどの時代の猪木ファンかといえば、プレイヤー時代もそれなりに好きだったんですけど、引退後のフィクサー期が本当に面白かったんですね。猪木さんを中心に魑魅魍魎が跋扈する世界が刺激的で。
    ――まあ、新日本帝国が崩壊していくわけですからね。
    斉藤 同時に猪木さんが永久電機とか発明や事業にのめり込んでいる姿も最高だったんです。手前味噌になっちゃいますけど、ボクが所属していたカミプロって、引退後の猪木さんのキャラクター形成において重要な役割を担っていたところがありまして。カミプロからダーク猪木や実業家・猪木の面白さを知った読者も多いと思うんですね。何か事件や問題が起きたときに「さわってねえんですよ」と無責任に言い放つ無責任な言葉をクローズアップしたり。
    ――猪木さん周辺や新日本からすれば「余計な報道をするな!」って感じですよ(笑)。
    斉藤 当時の猪木さんはアメリカに住んでまして、日本とアメリカをファーストクラスで行ったり来たりしてたんです。で、アメリカに帰る前は成田空港のVIPルーム、もう20~30人ぐらい入れる大部屋が使えていた。そこで猪木さんがくつろぎながら記者会見をやってたんですよ。記者会見というか懇親会。成田空港に集まった記者は10名くらいかなあ。そこで猪木さんの独演会が始まるんですけど、話が発明やら政治情勢とか脱線しまくるんです。プロレスの話もするんですけど、抽象的な内容でまとまりがない。それだと記事にしづらいし、媒体によって内容が違ってくることも起こってしまう。
    ――「どっちの内容がホントなんだ?」ってなっちゃいますね。
    斉藤 それに書けないこともあるでしょう。ある人が亡くなったときも「○○が殺したんだろう」ってブラックジョーク的に口にしたら、さも猪木さんが真実を語ったみたいに伝わったこともあったし、けっこうデリケートな場だったんですよ。トラブルにならないように会見後はマスコミが集まって、記事の方向性を話し合って決めることがあったみたいなんですよね。
    ――「あったみたい」ってアナタも現場にいたんでしょ?
    斉藤 ボクは猪木さんの成田会見番でしたからね。でも、前に松澤チョロさんの記事でも話ししたことがあるけど、当時のカミプロの連中って挨拶もまともにできないから。本当は「カミプロに入りました○○です!」って他媒体の人間に挨拶して回るもんだけど、いっさいやらない。
    ――単なる礼儀知らずですよ。
    斉藤 で、成田会見が終わって、記者がみんな集まってる輪にボクも加わろうとしたら、ある記者が「おまえはくるな」みたいに手で払いのけられたんですよ。
    ――カミプロの人間がまたぐんじゃないと(笑)。
    斉藤 そりゃあもっともなんですけど、手で払いのけるほうもどうかしてるでしょ。当時のボクは超やさぐれていて、べつに編集者なんていつやめてもよかったので○○○○○○○○○○○○○○○したんですけどね。
    ――……よく問題にならなかった!
    斉藤 本当ですよ。で、それでも怒りが収まらなかったから、こっちは好き勝手書いてやるってことで、みんながスルーしていた発明の話から始まり、猪木さんのキツイ新日本批判もそのまま載せることにしたんです。どういう局面だったか忘れたけど「テレ朝、死んじまえ!」とか。
    ――ひどい発言だけど、面白い(笑)。
    斉藤 成田会見は毎回面白くて、往復で3~4時間かかったんですけど、まったく苦にならなかったですね。中でも最高だったのは国立競技場『Dynamite!』直前のやつかな。世紀のイベントについてのコメントを聞くために記者が大集合したんですけど、猪木さんは開口一番「皆さんに大事なお知らせがあります。ついに永久電機の会見を行ないます!」って吠えだしてみんながズッコけるという。
    ――たしかに永久電機が完成すれば世紀の発明ですけど(笑)。
    斉藤 このへんの発明ネタって猪木さんの人生を考えるうえですごく重要で。実業家・アントニオ猪木を通して見えてくるものがあるんですよね。猪木さんのお父さんは石炭商をやっていて、猪木さんがエネルギー事業に熱心なのは、そもそもお父さんの血なんですよ。母方のおじいさんも石炭商で財をなしている方ですし。あとお父さんは選挙に出馬中に急死しちゃってるんですよ。
    ――猪木さんがエネルギーに関心を持ち、政治家を志すのは宿命なんですね。
    斉藤 猪木さんは祖父のことを『猪木寛至自伝』でこう語っていて。「祖父は、よく言えば豪傑、悪く言うと山師的な、スケールの大きい快男児だった。良いときは天下を取る勢いだが、悪いときは無一文になってしまう。とにかく極端なのである」
    斉藤 これ、猪木さんの人生そのものですよね。猪木さんの兄弟もそんな感じなんです。お兄さんの猪木快守さんには何度か取材したことあるんですけど、もう山師な方で。キューバの財宝船引き上げとか、夢みたいな話ばっかりするんですよ。「斉藤くん、一緒に財宝船を引き上げようよ!」って。最後に会ったのは癌研センターだったんですけど、末期癌なのに「中国に面白いビジネス話があるから一緒にやろう」と。数ヵ月後に死んじゃったんですけどね。
    ――猪木さんも最後までプラズマという発明を気にしてたそうですしね……。
    斉藤 猪木家の血ですよね。お父さんが亡くなったあと猪木一家がブラジルに移民したのも、もうひとりのお兄さんの野望溢れる提案からだったそうですし。移民計画でブラジルは楽園として描かれていたんですが、現実は地獄だったんです。朝5時になると鐘がなって、ピストルを持った現場監督が現れて農園に連れて行かれる。作業中は脱走しないようにムチとピストルを持った見回りがいる。逃げた人は撃ち殺されたそうです。猪木さんたちの住まいには電気ガス水道がない。猪木さんが電機とかライフラインに興味を持っているのは移民時代の経験も大きいんじゃないかなって思うんですよね。
    ――そのブラジル移民時代にちょうど遠征に訪れていた力道山に見いだされたんですね。
    斉藤 力道山との出会いがプロレスラー・アントニオ猪木の始まりですね。それで日本に戻るんですけども、猪木さんは自らプロレスがやりたくて日本に戻ってきてるわけじゃないんですよね。そこが面白いところ。プロ野球をクビになったジャイアント馬場さんも同じです。自分の居場所を求めた結果、それがプロレスだった。あの時代のプロレスラーはみんなそうなんですけど、好きで始めたものではないこともあって、猪木さんはそのコンプレックスを爆発させることになりますよね。
    ――力道山も実業家の顔を持っていたから、そこの影響もあるはずですよね。
    斉藤 猪木さんは力道山の付き人でしたから。ただ猪木さんはそこは否定気味なんですよ。力道山は不動産に投資する堅実なビジネスであるとしてて。
    ――自分は堅実ではないと(笑)。
    斉藤 まあ猪木さんは力道山に対しては愛憎溢れてましたから、額面どおりのお言葉を受け取れないんですけどね。だって付き人時代の常軌を逸したかわいがり、しごきはホントにキツかったですから。火のついた巻きを身体に押し付けられたり、ゴルフのドライバーで頭をぶん殴られたり。15万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【史上最大のMMA対抗戦】榊原信行とスコット・コーカー、敗れざる者たちの逆襲

    2022-10-28 19:51  
    160pt
    この記事はRIZINvsベラトール対抗戦を語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【GLEATなU】船木誠勝「2021年のUWF」14000字インタビュー
    ・【漆黒のヘラクレス】武田光司選手、なぜそんなに黒いんですか?
    ・【牛久、伊澤!!】一言多い有能コーチ・横田一則が語るRIZIN2冠のウラ側
    ・ボクシング門戸解放の裏側…那須川天心のバンテージは誰が巻く?■山田武士
    ――RIZINvsベラトールの対抗戦カード、すごいことになりました。
    斉藤 「鳥肌全部立った!」とはこのことですよ!ちょっと前に皇治vsジジのボクシングルールでキャッキャしていた団体だとは思えない。
    ――ハードコアからエンタメまで、RIZINの振り幅(笑)。
    斉藤 マジメな話、ベラトールがトップファイターを4名も他団体主催のイベントに送り込むって前代未聞ですよ。いまUFCが日本でナンバーシリーズをやるのって、まあ現実味がないじゃないですか。ズバリそれに等しいビックインパクトです。
    ――でも、以前からDropkickは「ベラトールはRIZINに選手を派遣できる」「AJマッキーは来れるはず」とは言い続けてましたよね。
    斉藤 以前AJマッキーvs朝倉未来戦を候補に挙げたら「実績のない選手と戦うわけねえだろ。マッキーの気持ちを考えろ」とお叱りを受けたもんですが、「マッキーの気持ち」って槇原敬之のアルバムタイトルみたいで笑った記憶があります。今回も未来vsマッキーは来年やってもおかしくないみたいなツイートしたら「ランキングの上がらない試合を受けるわけがない」というお叱りをいただいたんですよ。
    ――しょっちゅうお叱りを浴びてますね。
    斉藤 でも、ベラトールってUFCほどの選手層じゃないから、そこまでランキング重視のマッチメイクじゃないし、トップ選手は長期契約を結んでるから、やることがなくなりったりする。選手も人間だから、やりがいもほしい。こういう話題性のある企画モノは大歓迎だったりするはずなんですよ。
    ――MVPもベアナックルボクシングに出たりしてましたね。
    斉藤 タイトルマッチに敗れて、またイチから出直す……のもしんどいですよね。だったら金になって話題性のあることをやる。北米MMAメディアってUFCしか取り上げないですけど、今回の対抗戦は北米メディアも即報道してましたから。大晦日までガンガン取り上げることはないでしょうけど。
    ――ちゃんとしたファイトマネーがもらえて話題性のあるものならやると。
    斉藤 ベラトールも頻繁にGPをやったりしてテーマをつくってるけど、基本は年2回ペース。年3回は戦って稼ぎたいファイターからすればやりがいはあるし、みんなPRIDE直撃世代だから聖地さいたまスーパーアリーナで試合はしてたいんじゃないですかね。
    ――ベラトールのスタッフと折り合いが悪かったマイケル・チャンドラーがたまアリで戦えるということで、ものすごく“いい人”になったやつですね(笑)。
    斉藤 映画版ドラえもんだと、ジャイアンがいいヤツになるようなもんですよ。ただ、ボクが言っていたのはワンマッチとかベラトール日本大会との合わせ技だったらマッキーも来る……という見方で。まさかRIZIN1大会のみなのに、軍団で来襲するとは……。
    ――想像を超えた対抗戦。
    斉藤 ありえないからこそ謎も多いんですよ……ベラトール日本大会でもないのに、そもそもなんで4人も5人もスターを送ってくれるの?って。しかもアメリカの中継はライブじゃなくて録画。ベラトールになんのメリットがあるんだ?って。アメリカ現地のプライムタイムに合わせて放送するのはまだわかるんですけど。
    ――そこはスコット・コーカーが日本に思い入れがあるとか、榊原さんとの繋がりがあるから……。
    斉藤 それだけで片付くレベルの企画じゃないですよね。この4人がいればベラトールのメインカードは4つも埋まるし、それはつまり2大会は開催できるってことですから。日本進出の足がかりとはいっても、そこまでパイの大きくない日本市場で知名度を上げるなら、アメリカに力を入れたほうがいいに決まってますし。
    ――アジアなら中国のほうが市場は大きいですよね。
    斉藤 それなのにここまでやってくれるのは、まさか榊原さんが週刊ポスト級のスコット・コーカーの弱みを……。
    ――おい、週刊ポスト級とかやめろ。
    斉藤 それは冗談だとして、もう1つの謎は……。


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • スパーの一本取られた・取られないのは、ホントにどうでもいい■水垣偉弥

    2022-10-27 11:36  
    160pt

    北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るRIZIN、UFCなどMMA雑談トークです(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)

    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【UFCトーク】イリーの愛すべき不安定さ、風間敏臣vs中村倫也の展望■水垣偉弥

    ・パク・シウ「大人になってもMMAなんて一切知らなかった」

    ・RIZINに外国人を取り戻す■RIZIN海外事業部・チャーリー柏木信吾

    ・MMAシーン縦横無尽16000字!! シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ――今日は水垣さんをお呼びして、UFC、ROAD to UFC、RIZINといろいろおうかがいしますが……それにしても昨日は朝から夜までお疲れさまでした!
    水垣 いやあ、もうアブダビ時間に対応したので完全に時差ボケです!
    ――ちなみに、この週末はどういうスケジュールだったんですか?
    水垣 まず、22日(土)は昼前からの子供の運動会からはじまり……。
    ――あ、いきなりハードですね(笑)。
    水垣 そのまま23:30開始のUFCアブダビ大会の解説に入りました。といっても、オンライン出演なので家の仕事部屋で解説をしていたんですが、そのまま朝を迎え、少し仮眠をとり、夜20時からのROAD to UFCの解説でAbemaに出社したというかたちですね。
    ――大変ですねえ。
    水垣 いやあ、けっこうシビレる週末で、Dropkickのインタビューがそのアブダビ時間の締めくくりとなります(笑)。
    ――前もこんな感じでしたから、疲れ切った水垣さんを最後に取材するのがDropkickということで(笑)。まずUFCからですが、ピョートル・ヤンvsショーン・オマリーの話題から。オマリー判定勝利のジャッジが批判を浴びてますが、ぶっちゃけ水垣さんはどう思いました?
    水垣 ボクはもう完全にヤンが勝ったと思って疑わなかったので、ちょっとビックリしましたねえ。
    ――全体で印象を残したのはヤンだったので、判定が告げられたときは世界中の人が「なんで?」と驚いてますよね。結果的にオマリーに判定がついた理由はどう分析されますか?
    水垣 まあ、ボクシングかなあと。打撃の手数です。
    ――2ラウンドは三者ヤン、3ラウンドは三者オマリー。1ラウンドは割れて二者オマリーでした。
    水垣 でも、1ラウンドにヤンが落としている理由があんまり見当たらなかったですよねぇ。2ラウンドはオマリーが打撃を効かせたシーンがありましたが、ジャッジはそのへんのボクシングでのインパクトを取ったのかなという。でも、そのあとヤンも効かせてるんですよね。さらにテイクダウンに成功しているので、ボクはヤンが打撃で取り返してプラスαもあったのかなと思っていました。
    ――3ラウンドは競ったんですが、みんなオマリーにつけてます。
    水垣 ボクは3ラウンド目も若干ヤンかなと思ってました。オマリーも頑張っていて各ラウンドで競っているけど、結局ポイントをしっかり取っていたのはヤンかな。ただ、実際、その会場のケージサイドで観ているのと、画面で観るのとではまたちょっと印象が違うのかもしれないですけど……。
    ――いま聞いていて思ったのは、MMAとして高い評価をもらえる動きをしていたのは、どのラウンドもヤンなんだけど、手数とかそういう部分で細かく評価していくとオマリーにつけられても仕方がない……と解釈をするしかないのかなと。
    水垣 そうですねえ。でも、この判定は久々に「うーん……」となりました。
    ――こういう判定が続くと、MMAというスポーツの魅力も損なわれる可能性がありますよね。
    水垣 まあ、おそらくオマリーのジャブや、長い距離で打った手数を評価したと思うんですけど、そのあとのヤンのテイクダウン、パウンド、トップからの攻めが評価されてないですし、そのへんがちょっとなあ……という感じはしますね。
    ――この結果、オマリーがタイトルマッチ挑戦かという話になっていくと思うんですが、ちょっといまのままでは乗り切れないですよね。
    水垣 試合後のインタビューでオマリー本人も「……ん?」と戸惑っていたように見えましたし。それがすべてを物語ってるのかなという気がします。なので、オマリーのタイトルマッチへのストーリーには、ちょっとクエスチョンマークがついたというのが正直なところですかね。
    ――そのバンタム級トップ戦線では、アルジャメイン・スターリングvsTJ・ディラショーの試合がありましたが、ディラショーが途中でケガしたとはいえ、アルジャメインの牙城が揺るぎない印象はありますよね。
    水垣 しかも、オマリーは相性的にも悪いですよね。
    ――そして、メインではライト級タイトルマッチで、チャールズ・オリベイラがイスラム・マカチェフにまさかの一本負けという。もうUFCは本当に回転が早い!
    水垣 早すぎます(苦笑)。あらためてハビブ・ヌルマゴメドフの長期政権の偉大さを感じるというか……ただ、ここでスーパースター軍団と一巡して、今回は叩き上げふたりのタイトルマッチに決着がついたことで、ライト級はまた新しい扉が開いたんじゃないかなと思いますね。そこに、今度はベニール・ダリウシュとかが挑戦したら、ますますスーパースターたちの時代がすぎた印象を感じますよ。
    ――もうちょっとオリベイラにも幸せな時間を過ごさせてほしいなと思ったんですけど(笑)。
    水垣 とくにライト級は層が厚いですよね。でも、ボクは個人的にライト級が一番好きで、体重、スピード、パワーといろんなもののバランスが取れている階級だと思っているので、本当に面白いです。
    ――オリベイラもそうですし、マカチェフもそうですけど、8連勝とか9連勝してようやくタイトルショットを手にするという。
    水垣 どんだけ層が厚いんだという感じですよね。
    ――先週のUFCでは平良達郎選手が2戦目にして一本勝ちを見せていて、いい感じで上がっていってますよね。
    水垣 1戦目に比べて硬さもなくなってました。とくに、1戦目の1ラウンド目はめちゃめちゃ硬かった気がしたんですけど、2戦目はもう少し順応したかなと思いますし、いい勝ち方でした。
    ――こうなると、次はランカーとの試合でもいいぐらいですか。
    水垣 同じフライ級のムハマド・モカエフがいいかたちで上がってきてますけど、ふたりとも層の薄いフライ級において期待の選手じゃないですか。それを、ここで潰し合いさせちゃうのか、ふたりとも育てていくのか……UFCがどういう判断するのかなという感じですね。
    ――UFCにおけるフライ級は選手層もそうですし、カードもちょっと図りにくいところってないですか?
    水垣 まあ、単純に選手が少ないですからね。アメリカ人も、ブラジル人も、ロシア人もそうですけど、フライ級は少ないですよ。だから、これからROAD to UFCとかでアジアから選手が集まってくると、このへんは本当にアジアの階級になる気はします。本当にランカーとほかの選手の差があまりない気もしますし、トップ10の上から下までもそこまで明らかな差はなさそうな気がします。
    ――たとえばマネル・ケイプと平良選手が戦ったらどうなるか興味深いです。
    水垣 ああ、それも面白いですよね。
    ――ライト級の選手が5連勝以上しないとタイトルマッチが回ってこないみたいな状況と比べると、だからこそフライ級はチャンスがあるんだろうなという気がしますし。あとは、平良選手って体格負けしないところも大きいですよね。
    水垣 あの階級だと平良選手はけっこう大きいほうだと思いますし、本当にチャンスがありますよ。日本人にとって一番大きいチャンスがある階級だと思います。
    ――さて、次はROAD to UFCの話題ですが、松嶋こよみ選手が残念な負け方をして、解説の水垣さんの顔が死んでるように見えました。
    水垣 その発言、ツイッターで見ましたよ(苦笑)。実際、テンションが下がっちゃってたので、もう隠せなかったですよねえ。
    ――この試合の判定も微妙でした。
    水垣 いやー、ボクは正直、松嶋選手が勝ったと思いました。解説でも言ったんですけど、1ラウンドを取って、2ラウンドも松嶋選手かなと思ってました。3ラウンドはちょっと受けてしまった部分はあったと思うんですけど。
    ――相手に取られていてもおかしくない内容というか。
    水垣 そうなんですよ。1ラウンドも2ラウンドもどちらも競ってる試合ではあったと思うんですよね。だからこそ、3ラウンドをしっかり取っておきたいなというのは正直ありましたよねぇ。
    ――ほかの階級でも、今回アンシュル・ジュビリというインドのライト級の選手もそうですし、アジアからどんどん強い選手が出てきてますよね。
    水垣 いやあ、本当にびっくりしました。インド、それからインドネシア。ライト級はトーナメントの両脇が韓国の選手だったから、そのまま韓国人が勝って決勝で当たるのかなと思っていたんですけど、本当に予想外すぎて。ちなみに、インドの選手(アンシュル・ジュビリ)は本来なら1回戦で宇佐美正パトリック選手と戦う予定だった選手なんですよね。
    ――たしかにそうでした! あれって、一見“かませ”じゃないかという感じがありましたが、まさに未知の強豪だったという(笑)。
    水垣 いや、ボクも絶対に勝てた相手だから、パトリック選手の欠場はもったいないことをしたなあ……と思っていましたが、蓋を開けてみたら勝負はわからなかったなと。キム・ギョンピョ相手にあの試合ができたとなると……パトリック選手はまだ経験値的にMMA歴が浅いですから、突破口が開けたかどうかはわからないですよね。ただ、ボクシング勝負になった場合は相性的には悪くなかったと思うんですけど、彼って一応グラップラーみたいなんですよね。
    ――え! あのインド人選手はグラップラーだったんですか? 
    水垣 ボクのリサーチによると、彼はマトリックスFCという大会から上がってきてる選手なんですけど。
    ――マトリックスFCって最高の団体名ですよ!(笑)。
    水垣 そこの戦績を調べると完全にグラップラーなんですよね。だから「打撃なんてできないよな」と思っていたら衝撃が走りましたよね。インドは人口が多い国じゃないですか、今後UFCがマーケットとしてそういう国を狙っていって、インドにUFC PIなんかをつくって発掘していくような雰囲気になるとちょっと怖いです。とんでもない選手が出てくる可能性ありますよ。・中村倫也vs風間敏臣はどちらが有利
    ・野瀬翔平覚悟のシーン
    ・クレベルに勝てるのは朝倉未来か
    ・牛久絢太郎の狙いはなんだったのか?
    ・オリベイラvsマカチェフからクレベル攻略を考える
    ・計量失敗談義
    ・スパーの一本取られたは、ホントにどうでもいい……14000字インタビューはまだまだ続く


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • 西川大和UFC280欠場の件についての声明文

    2022-10-26 20:48  
    UFC280を直前で欠場となった西川大和選手から以下の声明文が発表された。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■皆様にお知らせがあります。
    この度のUFC契約の件で
    1)試合までギリギリとなった10月14日、サステインの弁護士から、今年の9月19日に行われた自分と草・MAX選手との試合の契約には「4ヶ月の独占交渉期間」が入っている、よって自分のUFC280での試合出場を許可しない、試合をキャンセルせよと、ズッファ社の法務部宛にファックスされてきました。
    2)自分はサステインとの契約書にはサインしていません。このことは公証人の前でも宣誓し、公証人が捺印し自分もサインしたその文書はズッファ社の法務部宛に提出済みです。
    3)今年の9月19日の試合以降サステインから試合のオファーがなかったところ、9月22日に、UFCからの話がきたので、すぐ、そのことを当時
  • “スーパーヴィラン”青木真也はRIZINでこそ剥き出しになる

    2022-10-21 11:51  
    150pt
    この記事は“スーパーヴィラン”青木真也はRIZINでこそ剥き出しになるを語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・朝倉未来vsメイウェザーはなぜコア層から失敗が望まれてしまうのか
    ・続・「ボクが夢見た“グレート・ムトー”2月の東京ドーム」
    ・金太郎はあのときの朝倉海ではない。堀口恭司はあのときの堀口恭司ではない……
    ・IWGP女子王座設立にあれこれ言う会
    ――「西川大和選手の件になんで触れないんですか?」と絡まれてましたね。 
    斉藤 もうツイッターくらい好きにやらせてくださいよ!(ドン)。西川選手UFC欠場のニュースが表に出て1~2時間足らずで「なんで触れないんだ」って言われましても。
    ――ジャン斉藤には24時間ツイッターに張り付いている義務があるんですよ。
    斉藤 前にも言ったんですが、基本的に140字でしか伝えられないツイッターがボクのすべてだと思われても困るときがありますよね。ニコ生で突っ込んだ話をする場合もあるし、長く説明したところで誤解されることもあるから、あまりコメントしないことだってありますし。そもそも西川選手の件は、娘の寝かしつけをしているときにツイッターを見たらその情報が流れてきて……。
    ――ツイッターでは「娘の寝かしつけをしてて、いまツイッターを開いた」と言い訳していたけど(笑)。
    斉藤 寝かしつけをしながら感想を述べる案件じゃないですよ。ちゃんと情報収集しないといけないし。まあ西川選手の件はしばらくしたら“答え合わせ”がされるでしょう。
    ――様子見したいところはあるわけですね。最近話題になったニュースはONEが日本で記者会見を開催。チャトリCEOがRIZINや朝倉未来を弄りました。
    斉藤 これはなかなか面白かったです!「RIZINはエンタメ団体」とか「朝倉未来は平凡な選手」とか、いったいなんの会見なんだってくらいRIZINをギラギラと意識してましたね。火に油を注ぐがごとく「三浦孝太とONEムエタイ部門のファイター、タイでどっちが人気があるんですか? ONEムエタイは三浦孝太のようにラジャダムナンを埋められるんですか?」と聞いてほしかったですよ。
    ――心が汚れきった人間がする悪い質問だ!(笑)。
    斉藤 でも、チャトリさんのやつはアオシン(青木真也)への営業妨害ですよ。あっ、アオシンというのはDEEPのテルミさんがつけた、まるで流行ってないあだ名ですね。初っ端にアオシンが自分のマッチメイクに関して「朝倉未来なら受けないカード」と煽ったのに、それ以上の火の玉ストレートをチャトリが投げてきたわけだから。
    ――被せたらアオシンが目立たたないと。
    斉藤 そうそう。なにやらONEの方針でRIZINをイジってるムードにも見えて、アオシンの独自性が消えかけたというか、手下感が出てしまった。記者会見評論家のボクがチャトリがどういう煽りをすればよかったか。ちょっと考えてみました。創作なので名前は変えています。


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • 辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    2022-10-21 10:19  
    200pt
    松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第7弾。今回はスマックガール創設者の篠泰樹さんをお迎えして女子格闘技を語ります! 左から松澤チョロさん、篠泰樹さん。女子格闘技黎明期をよく知る2人の2万字対談!(聞き手/ジャン斉藤)

    【1記事から¥110から購入できます!】・マァ⭐ティン(星野育蒔)に逢いたい■松澤チョロの女子格闘技・脱線トーク・日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス

    ・「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス

    ・橋本真也を最後に取材した男・松澤チョロが語る「ゼロワン時代の破壊王」

    ・『紙のプロレス』は鬼畜系だったのか〜小山田圭吾と原稿チェック問題〜■松澤チョロ・世界最遅! シバターvs久保優太を語ろう■松澤チョロの脱線プロレス・誠実のプロレスラー・大谷晋二郎を信じろう■松澤チョロの脱線プロレス
    ――ボクが篠さんと会うのは2度目なんですが、一度目は松澤さんを交えてこの3人で会ってるんですよね。
    篠 そう言われると会ったような気がします(笑)。
    ――当時カミプロの編集部員だったボクが、篠さんが2003年大晦日『猪木祭り』の現場を仕切っていたのでインタビューしたんですよね。
    松澤 それって週刊現代がPRIDEについていろいろと報道する前のことでしょ?
    ――たしか2005年の11月頃ですね。大晦日特集で過去を振り返る企画で。最近の読者は知らないと思いますが、ボクはズンドコ興行の担当だったじゃないですか。
    松澤 壊れた興行やイベントを追っかけるという特殊な担当ね(笑)。
    カミプロでボツになった篠さんインタビューを振り返るジャン斉藤と松澤チョロ。その原稿はカミプロ休刊のどさくさでどこかに消えてしまいました。――なので暴動をはじめとするエピソードを篠さんに聞きまくったんですが、原稿完成後に当時カミプロ編集長だった山口日昇からストップが入ってボツに。そのときはよく知らなかったけど、いま2003年『猪木祭り』を振り返るのはいろんな意味で危ない……ということで、数ヵ月後にいろいろと把握するわけなんですが。
    篠 オレ、変なことしゃべってないですよ(笑)。
    ――どうなんでしょうか(笑)。
    篠 わりとそのへんは常識人だと思いますよ(笑)。まぁ、『猪木祭り』に関わったのは女子格闘技絡みが一つのきっかけなんですけどね。
    ――今日の対談のテーマですね。篠さんと松澤さんはいつぶりくらいの再会なんですか?
    松澤 一番最近会ったのは女子格闘技の運営に関わっていた長尾メモ8さんが2019年に癌になって、女子格闘技の選手や関係者がメモ8さんを応援しようということで集まったときですよね(長尾メモ8さんは2022年9月23日にお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りします)。
    篠 2~3年前かな。ライターの高崎(計三)さんが主催してくれたんです。メモ8さんはスマックガールを筆頭に女子格闘技を裏側から支えていた歴史の教科書に出てくる人なんですよね。自分はスマックガールをやめてから、ケジメとして格闘技業界に接点をもたないようにしつつ、日本を出て海外に住んでましたからね。
    松澤 あのときで10年ぶりくらいに会いましたね。
    ――篠さんは運営側、松澤さんはマスコミとして黎明期の女子格闘技に携わってきたわけですよね。そしてスマックガールは定期開催された世界初の女子MMAイベントで。
    松澤 篠さんはあんまり評価されてないけど……。
    篠 あっ、されてないんだ(笑)。
    松澤 いやいや、もっと評価されて然るべきって話です!(笑)。やっぱり世界初の女子格闘技団体を立ち上げたわけですから。
    篠 もともとはネオレディースという女子プロレス団体の設立に関わってました。
    松澤 井上京子さんがエースの団体。猪木さん好きの篠さんらしく、正式な社名は株式会社新日本女子プロレス(笑)。
    篠 名付けたのは別な人なんですよ。そもそも、仕事として最初に関わったのはW★INGです。
    松澤 話がどんどん複雑になりますね(笑)。W★INGからネオ・レディースってどういう流れなんですか?
    篠 子供の頃からプロレスラーになりたかったけど、身長が足りないから諦めつつ、80年代に社会人プロレスのイベントを手掛けて、全日本女子プロレスからリングを借りて興行していたんですよ。
    松澤 全女からリングを借りるって本格的ですね(笑)。
    篠 まぁ、チケットは売っていたけど、アマチュア・プロレスです。
    松澤 社会人プロレスといえば谷津嘉章さんですけど。
    篠 谷津さんとは関係ないです(笑)。芝浦にあったGOLDというクラブで興行をやってました。
    ――GOLDでプロレスってすごいですよ(笑)。
    松澤 篠さんは初期DDTで、高木三四郎さんと渋谷club ATOMで絡んだりしてましたけど、その頃も関係はあったんですか?
    篠 高木さんと知り合う遥かに前の話ですね。当時は角川書店で働いていたので、趣味と実益を兼ねてプロレスラーの取材などもしていたんですよ。たとえば、全日本女子プロレスにブリザードYukiという覆面レスラーがデビューしたじゃないですか?
    松澤 長谷川咲恵が正体の。のちにオッキー沖田さんと結婚して離婚しちゃいましたけど。
    篠 あれ、オレの企画なんですよ。
    松澤 そうだったんですか!?  それは知らなかったです。
    篠 角川時代はわがままを聞いてもらっていたけど、唯一ダメって言われたのがプロレス興行。いまの角川歴彦会長から「プロレス興行だけはやめとけ」と。でも、少年エースという雑誌をベースに漫画とプロレスのタイアップは許可をもらえたので、ブリザードYukiの企画を進めたんですよ。
    松澤 タイアップありきでブリザードYukiのマンガを始めたんですか?
    篠 そう。要はタイガーマスクの女子版をやろうとしたんです。ロッシー小川さんが相談にのってくれたんですよね。ゲーム化やアニメ化も企画してました。
    ――ブリザードYukiは東京ドームでデビューしますけど、入場演出でスタントマンにトラブルがあって。そのせいで長谷川咲恵が動揺しちゃって試合はスイングしなかったみたいですね。
    篠 スタントマンによる事故があったんですよね。それで長谷川選手が動揺しちゃったんですよね。ほかにも大仁田さんがFMWを立ち上げた頃に取材して、大将から「応援してくれよ!」って頼まれたから繋がりのある編集者たちを紹介したり、若手に食事をおごったり、リッキー・フジ選手や工藤めぐみ選手をスポンサーに紹介する飲み会を開いたりしてました。その後、大宝(拓治)さんと川並(政嗣)さんというFMWを影で支えていた2人が独立を計画していて、世界格闘技連合W★INGを旗揚げするから手伝ってほしいと頼まれたんですよ。
    松澤 元『週刊プロレス』の小島和宏さんが書いたW★ING本は読んでないんだけど、そこに篠さんは出てくるのかな。
    ――その本、読んでますが篠さんの名前は出てなかったですね。
    篠 オレは裏方で手伝っていただけだから。見える部分だと……モンゴルマンはオレの企画ですよ。でも最初のシーズンから未払いだったんで、セカンドシーズンからは手伝ってないですね。
    松澤 さすがW★INGですね(笑)。
    篠 旗揚げの後楽園ホールをはじめ、最初のシリーズを一緒に回ったんだけど、経費の精算もされず、厳しそうだったので1回フタを閉じて、プロレスとはお別れしました。その後も一部の選手と交流は続いていたんですけどね。数年後に全日本女子プロレスが傾いてプロレス界も大変そうだなーと思っていると、井上京子選手が団体を作るから応援してもらえないかと頼まれたんですよ。角川書店から独立して、そこそこ儲かっていたのでプロレス界に貢献したいと思ったんですよね。
    松澤 それがネオ・レディースなんですね。
    篠 はい。最初はスポンサーの依頼で、けっこうな金額を提示してきたので、それはスポンサーとしては厳しいので、議決権を持てるかたちだったら考えると返したら、共同代表の席を空けますからという話になって(笑)。だから当初は代表が2人いて、その方の名義で選手と報酬に関する契約が勝手に履行されていたんです。オレが手伝ったのは、団体ロゴやパンフレットなどを作ってあげたり、主に資金提供ですね。
    松澤 ネオの内部に入ったのは、けっこうなお金を出していたからなんですね。
    篠 昔から猪木信者、UWF信者だったので、女子プロレスに興味なかったし、内部に入ることは本意ではなかったんですけどね。議決権を持てないと、お金を溶かされちゃって困るから。女子プロレスの人気が下落していたし、W★INGの経験もあったので(笑)。
    松澤 トップの全女が沈みかけていたわけですからね。
    篠 道場兼常設会場も作ろうという話や配信事業なども計画していたんですよ。
    松澤 渋谷のリキパレスじゃないけど、実際に渋谷に作りましたよね?
    篠 現在のWOMBがあるところですね。許可を取れると聞いて不動産契約まで進めたんですが、結論を言えば当時は商業地域として認められず、興行ができないということで、旗揚げ前に一度イベントを実施したあとで契約解除しました。その後、現在の使用者たちが時間をかけて変更したんでしょうね。
    松澤 篠さんが早すぎたんですね(笑)。
    篠 ネパールで建国史上初のプロレス興行を手掛けたり、韓国やオーストラリア、アメリカでも試合をやったり、このあたりはすべて自分が担当してましたね。あと、ネット配信などもやりました。ReMixをスカパー!でPPV配信して、2500円で当時は驚くほどの結果を出しているんですよ。あれは桜庭あつこ効果ですけど。
    松澤 PPVをやってましたね。ウリの1つがグラビアアイドルだった桜庭あつこの総合デビューで。
    篠 ネット配信は最初にBIGLOBEさんと組んでやりました。その後はNTTさんとも組みました。現在RIZINがやってることは2000年にやってるんです。ただ、時代が追いついてなかった(笑)。日本で最初にインターネットでクレジットカード決済サービスを提供したのもオレなんですよ。
    松澤 スマックガールの選手に密着したリアリティー番組的なものをやっていたり!
    篠 格闘技を手掛け始めた頃からリアリティーショーはやりたかったんです。番組企画はいろいろと手掛けて、TBSと組んで『ワンダフル』という番組の中でも定期的に放送したり、挑戦してきたんだけど、まだ少し早すぎましたね。
    松澤 わりとメディア露出は多かったですよね?
    篠 予算がないのに露出量は多かったと思います。最近の時流的なことは、当時からやってたんだけど、あまりにも早すぎて世間がついてきてくれなかった感じですね(笑)。
    ――ネオ・レディースからReMixに移ったのはどういう経緯があったんですか?
    篠 プロレスの興行が厳しくて、小さな会場で開催するのが手一杯になってきた頃、オレが別に投資して役員をやっていた会社がコンテンツ産業に参入する話があって、「女子版のPRIDEをやってみたら?」という話が出たんですよ。サンクスやサークルK、ファミリーマートさんと一緒にキオスク顛末というローソンにあったLoppiみたいな端末を開発してコンテンツ販売するプロジェクトがあって、そこで女子格闘技を取り扱うという計画だったんです。諸事情でオレが役員を降りるという条件で1億円を用意してもらい、自分でもらって遊んでもいい金だったけど、それでReMixを立ち上げたんです。経験がなかったので大変でしたけどね(笑)。
    松澤 女子格闘技イベントとしてはその前にL-1がありましたよね。
    篠 まぁ、L-1はいろいろとね(笑)。
    松澤 ズバリ言うと真剣勝負じゃない試合もあったと(笑)。
    篠 何とも言えないけど、もっと良い形で女子総合格闘技の大会を開きたいと思ったんですよね。
    ネオの選手たちに話したら拒絶されて、悩んでいた際に元LLPWの八木淳子さんを紹介されるんです。
    松澤 八木さんはLLPWから引き抜いたかたちになるんですか?
    篠 彼女はLLPWを辞めていて、本人も総合格闘技に興味を持っていたんだけど、LLPWから契約違反で訴えるという連絡が入ったんです。でも、そんな奴隷制度みたいな契約は違法なんで、法律の知識があったから「そんなの関係ない」と突っぱねたんです。それからLLPWと険悪ですけど、数年前に神取忍さんとは飲んで握手して和解しました(笑)。
    松澤 ネオはその時期に消滅しますよね。
    篠 正確にいうと消滅ではなく、分裂って感じです。ReMixの少し前ぐらいに選手やスタッフと話し合いがあって。「後楽園ホール以上の会場で派手に見せながら、スポンサーを付けてチャンスを伺う方法がいいんじゃないの?」って提案したんだけど、甲田くん(東京女子プロレスの代表)を筆頭に「下北沢タウンホールを中心にコツコツ地道にやっていきたいです……」と言われたので、別々の道を進む話になったんです。正直な話、特別な感情もなくて、進む方向の不一致というの感じです。同時期にオレが参加していたDDTに関しても全否定されていたので、お互いの考え方に溝があったんだと思います。でも、共に苦労してくれた井上京子選手に対する想いは強くて、彼女に「ReMixに出てほしい」と伝えました。こちらも看板選手がいないと厳しいし、彼女に対しても出場してくれたら少しはギャラを払うことができたからです。彼女は「出てもいいけど、勝てないよ……」と言うんだけど、「出ることに意味があるんだよね―」ということになるんです。
    松澤 それで井上京子の1DAYトーナメント1回戦の相手はグンダレンコ(・スベトラーナ)だったんですね。でも、グンダレンコはいわくつきの試合もあったし、篠さんはプロレス側の人間だから変な目で見た人もいたんじゃないですか。
    篠 そこで八百長を組んでも意味ないですよね。ReMixやスマックガールは神に誓って一度も事前に勝ち負けを決めた試合はないです。だから、井上京子選手の試合も八百長ではないし、彼女に対するリスペクトは強いんです。
    松澤 最近井上京子さんのインタビューを読むと、団体で作った借金で何回か自殺しようと考えたこともあったみたいで。「選手を食わせるために大変だった」みたいなことも振り返っていて。
    篠 そこはオレも同じ気持ちでしたよ。多くの選手は、お金が空から降ってくるくらいに思ってるんですよ。会場にお客さんが入ってない現実を認めたくないのかもしれませんけどね。
    そういう状況だったから井上京子選手に「ReMixに出ないか?」と声を掛けました。ReMixにはサンクスとか大手企業のスポンサーが付いていたから、もしかしたらプロレスに還元できるかもしれないし。彼女は本当にプロレスが好きな人だから、プロレスだけをやっていきたい人ですよね。そんな自分の気持ちを置いても他の選手を思って嫌なことも飲み込める男気がある選手なんです。
    松澤 ファンからしても格闘技をやらせたら、けっこうイケるんじゃないかって幻想はあった選手ですよね。身体能力が高かったし。
    篠 「絶対に勝てないから、好きなことしていいですか?」って宣言して、グンダレンコに噛みつきましたからね(笑)。それはそれでプロレスラーの魅せ方と言えるんじゃないでしょうか?
    松澤 もう1つの看板はさっきも名前が挙がった当時グラビアアイドルの桜庭あつこですよね。
    篠 総合格闘技自体が黎明期だし、名前のある選手なんていないわけですよ。ちょうど桜庭あつこ君の事務所から「何か目立つことできないですか?」なんて相談をされたので「格闘技をやってみませんか?」と交渉して即決して頂いたんですよね。彼女は半年間ぐらいずっと練習してたんですよ。
    松澤 絶妙な人選でしたよね。PRIDEでは同姓の桜庭選手が大活躍してましたし(笑)。
    篠 かなり話題になりました。当時はスキャンダルネタもあって、週に1回ぐらいはワイドショーに出演してましたね。桜庭あつこ効果はすごかったです。
    松澤 そこでちゃんとした相手をぶつけるのは篠さんらしいです(笑)。
    篠 ロシアの柔道メダリスト、コボチノバ・タチアナ選手です。最近、石井館長が桜庭あつこの試合は注目していたと言ってくれたんですけど、あんな強い相手をぶつけるのはダメだって言われました。個人的には勝敗ではなく、彼女がいかに頑張ったかを見せたかったので、弱い選手ではダメだと思ったんです。一応、打撃の選手は避けましたけどね。ちなみに、グンダレンコ選手の件を含めてロシアまで交渉に行って、現地の怖い人たちと気絶するまでウォッカを飲んで信用を勝ち取ってブッキングしたんですよ。
    松澤 前田日明ばりの行動力(笑)。
    篠 あ、前田さんといえば、立ち技系の選手とバランスを取るために寝技20秒ルールにしようと発案したんですが、「これってリングスKOKルールに似てるから前田さんに筋を通したほうがいいんじゃないの?」みたいな話になったので、挨拶に行ったんですよ。
    ちなみに20秒は短いという話になって、スマックガールからは寝技30秒になりました。
    ――当時は寝たら終わりの選手が多かったですもんね。
    篠 前田さんはかわいい子が好きだと聞いたので、桜庭あつこくんを同行させるかたちで会食を行なったんですよ。そしたら作戦通り上機嫌で「KOKルール、使っていいよぉ」と(笑)。
    あと、阪神タイガースをやめた直後の新庄剛志が解説なんです。同級生が新庄のマネジメントをやってたので、一緒に飲んだんですけど、野球の知識がないから「あ、有名なの? 格闘技の大会をやるからゲスト解説してくれません?」と言ったら、たまたまスケジュールが空いていて、トントン拍子で決まったんです。これもスポーツ新聞の一面ネタになりましたね。
    ――チケットは売れたんですか?
    篠 正直なところ売れてないですね。ただ、思っていたよりは入っていて、パッと見た目、ガラガラに見えなかった。友人たちも驚くほど呼びましたからね。チョロさんも現場にはいましたよね?
    松澤 いました。なんとなく入ってましたね、なんとなく(笑)。
    篠 それは2003年大晦日の『猪木祭り』も同様、売れてないけど、思った以上は入っていた(笑)。
    松澤 ハハハハハハ! ReMixはトーナメント準決勝で、藪下めぐみが90キロ近く体重差のあるグンダレンコに勝ったことに尽きますよね。
    篠 大会的には薮下効果で大成功だったと考えてます。寝技20秒ルールの面白いところが出て。寝技になっても薮下選手が亀になって30秒間耐えきる。判定で負けたグンダレンコ選手が泣くという。グンダレンコ選手は負けるはずがないと思ってたでしょうからね。
    松澤 いまはもう競技化されて階級制になってますけど、無差別だから生まれたドラマというか。
    篠 個人的にはいまでも無差別級はありだと思ってるんです。当時はすべてが手探りだったから、やっていく中で勉強させてもらって、リングドクターも整骨院の先生がいれば大丈夫だろうみたいな感じでやってたわけです(苦笑)。ところが、専門誌の記者たちに怒られて改善していったんですよね。
    松澤   プロレス流は通用しなかったと(笑)。
    篠    そんな経緯があって、前日検診や試合前問診なども行うように成長しました。当時、2000年の頃はそんなノウハウもなかったんですよね。気合でなんとかなんでしょ!みたいな。
    松澤 よく言えば、手作り感満載だからこその親しみやすさはありましたね(笑)。
    篠 当然ですけど、選手には賞金をキチンと渡してますよ。ジェラルド・ゴルドー選手が昔チョロさんのインタビューで「日本で一番信頼できるプロモーターは篠だ!!」って言ってたじゃないすか! ゴルドー選手には現金で渡してますからね。彼が招聘してくれたマルロス・クーネン選手が優勝したので賞金を届けに行くと、「本当に満額くれるのか? はじめてだよ!」って驚いてました(笑)。
    松澤 どれだけ日本で変な目にあってたのかって話ですね(笑)。
    篠 あるときエリン・トーヒル選手たちが試合直前に「ギャラアップしなきゃ試合をやらない!」と言い出して、マネージャーがチンピラみたいに騒いでいたときも、ゴルドー選手が「どうした?」って事情を聞いてくれて、「ちょっと待っていてくれ……」と言うと、トーヒル選手の控室に入って行って、中からは怒鳴り声が聞こえてきたので、ヤバイかな?と思っていたら、扉が開いてゴルドーが「……解決したよ」と(笑)。
    松澤 ゴルドーらしい、いい話!(笑)。
    篠 黎明期の頃っていい加減だったんですよね。それは自分も含めてですけど。あの頃はビジネスとしても成立してないし、オレもお金をもらってないし、日当1万円ぐらいのボランティアスタッフで運営していたんですよ。外国人招聘で関わった橋本欽也さんもそんな感じで参加してくれてました。
    松澤 メモ8さんや品川さんも、そんなスタンスでスマックガールに関わっていたんですね。
    篠 そうそうそう。みんな女子格闘技は面白くなるって信じて、夢を見て、サークル活動的なカタチで手伝ってくれていた。自分を含めて、品川さんやメモ8さんは私財を投げて応援してくれた。そこは本当に感謝してます!!
    ――スマックガールは小規模興行、ReMixは大規模興行という両輪でやっていく予定だったんですよね。<ジョシカク黎明期2万字対談はまだまだ続く>

    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!



     
  • 【令和のSWS】AEWのバックステージで揉め事が止まらない!!

    2022-10-15 21:30  
    150pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはAEWのバックステージで揉め事が止まらない!!です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・CMパンクとヤング・バックスが控室で殴り合い!? AEWの内紛とは何か/中山貴博
    ・トニー・カーンいわく「ボクは、もう、あなたたちレスラーの言いなりにはならないから」
    ・それはセクハラではない……その後の「#SpeakingOut」
    ・「私はビンスに襲われた……」元・女性レフェリー“2度目”の告白
    AEWのバックステージで揉め事が止まらない。
    8月10日には、サミー・ゲバラが番組収録中のマイクパフォーマンスで「クソデブ豚野郎」とエディ・キングストンの体型をバカにしたことが発端となり、両者はロッカールームで口論。その際、キングストンがゲバラの顔を押すなど手を出したためにキングストンは2週間の出場停止処分を受けた。
    9月4日に起きたCMパンクとケニー・オメガ&ヤングバックスらによる乱闘事件は、多数の謹慎処分者を出す大騒動となったのは記憶に新しいところだ。
    そして、また選手同士による新たなケンカ騒動が起きてしまった。
    今回は、新日本プロレスでも活躍していたラ・ソンブラことアンドラデ・エル・イドロと、キングストンと揉めたばかりのサミー・ゲバラの2人が、10月5日にワシントンD.C.で行われた「ダイナマイト」生放送収録前にひと悶着を起こしたのであった。
    この騒動を受け、AEWから帰宅処分を言い渡されたアンドラデは命令どおりに会場をあとにする。一方、ゲバラはメインイベントに出場。ネットを通してトラブルを知っていた一部の観客たちは、なんのペナルティも受けていないゲバラに対して「クソ野郎!」と容赦なく罵声を浴びせる。
    じつは前日から、ツイッターで口論していたアンドラデとゲバラの2人のあいだに、はたして何が起きていたのか。辿っていくと、そこにはビンス・マクマホン退陣後の新体制となったWWEによる引き抜き工作の影がちらつくのであった。


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • IWGP女子王座の違和感の正体■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-10-15 21:09  
    150pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはIWGP女子王座の違和感の正体です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■WWE総帥ビンス・マクマホン引退


    ■新日本プロレスが丸ごと直輸入された『FORBIDDEN DOOR』
    ■新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方

    ■さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38


    ■追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール
    ■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑

     
    ――今回は、新たに設立されるIWGP女子王座について語っていただきたいですのが、そのIWGPを設立した猪木さんがお亡くなりになりました。
    フミ 日本中の人たちがアントニオ猪木さんの思い出を語ったり、ビデオで猪木さんの試合をまた観たり、猪木さんに関連する本を読んだりしていますね。誤解を恐れずにいえば、天皇が崩御されたときのような雰囲気ですね。
    ――猪木さんに関してはあらためて振り返る機会もつくるとして……猪木さんが設立したIWGPに女子王座ができるわけですが、本日スターダムの記者会見があったそうですね。
    フミ ついさっき、その記者会見から帰ってきました。今日は「秋の大発表祭り」と銘打って3部構成。2時間ちょっとの記者会見だったんです。
    ――かなり長い会見ですね。
    フミ 3部構成で発表されたことは4アイテム。10月19日に新宿住友ビルで開催されるNEW BLOODという若手中心の興行のカード発表。2つ目が10・22後楽園ホールでトーナメント第1回戦が行われるIWGP女子王座決定トーナメント1回戦に関するお話。それから5★STAR GPというシングルのトーナメントが終わったばっかりですが、今度は10月23日からスタートするタッグリーグ戦。16チーム32名の出場メンバーが発表され、主な顔ぶれがチームごとにコメントを出したんです。
    ――32名全員ってなかなかすごい。
    フミ 4つ目が11月3日の広島サンプラザのビッグマッチのカード発表。赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)と白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)のそれぞれのタイトルマッチがあって両国国技館クラスのカード編成。記者会見自体がどちらかといえばYouTube生配信番組用の構成になっていた。
    ――いまの発表内容を聞くだけで、スターダムが乗りに乗ってる感じが伝わってきますね。
    フミ スターダムに1軍、2軍という分け方はありませんが、番付でいえば横綱、三役クラスから平幕、十両まで30名近くの選手たちが一度に壇上に並ぶわけです。スターダムの勢いを感じましたね。
    ――肝心のIWGP女子王座はどのような発表があったんですか?
    フミ IWGP女子王座決定トーナメントの概要なんですが(https://wwr-stardom.com/news/iwgppressconference/)、そこには選手間にも温度差があるというか……。選手たちからすればスターダムには赤いベルトという最高権威のものがあって、それとは別のもうひとつの価値観として白いベルトがあるわけですよね。
    ――赤いベルト、白いベルトという呼び方は全女時代から受け継がれていたものですね。
    フミ ロッシー小川さんは全日本女子プロレスからずっとプロレスのビジネスを手がけてきた方ですから、チャンピオンベルトの系譜はその流れを汲んでいる。全女にはWWWAの赤いベルトと、オールパシフィックの白いベルトというレイアウトがしっかりありました。スターダムもその歴史にならってるわけです。これらのベルト以外にも、フューチャー・オブ・スターダム、ハイスピードベルト、SWAとシングルのベルトがありますが、スターダムにはその赤いベルト、白いベルトを目指す闘いがある。では、この新設されるIWGP女子王座はいったいどこに位置するものなのかという素朴な疑問があるわけです。IWGPはもちろん新日本プロレスの最高権威のチャンピオンシップです。その女子王座新設とはいっても、やはりそれは新日本プロレス的な価値観の上に立った発想ですよね。あくまでも男性のプロレス、あるいは男性のプロレス観から眺めた景色だと思うんです。
    ――IWGPには長い歴史があるわけですし。
    フミ 女子プロレスのほうの景色、女子プロレスの価値観からはなんとなくその展望が見えてこないタイトルなんです。ひょっとしたら、IWGPのほうから見れば、赤いベルトや白いベルトよりも上にあるサムシングという発想がどこかにあるのかもしれない。今回のスターダムの記者会見を取材して、初代王座決定トーナメントに出場するスターダムの選手本人たちが、IWGPというものにあまりピンときていないように感じたんです。猪木さんの現役時代とIWGPが誕生した大河ドラマを知らないのは世代的に仕方がないとしても、オカダ・カズチカの活躍は知っているはずですよね。
    ――でも、IWGP女子王座をどういうベルトとして捉えていいのかわからない。
    フミ 王座決定トーナメントにエントリーしている選手のひとりである渡辺桃は、そこらへんが妙に正直だったというか、「IWGPとかよくわかんないんですけど……チャンピオンになったら新日本のイッテンヨン・ドームで防衛戦ができるって話なので、それだったらほしいです」とコメントしていた。
    ――面白いですね、そこまで正直で話をしたうえに団体側が統制しないのは(笑)。
    フミ そこで「こういうところではこう言うんだよ」と発言をプロデュースされていたら、本音は覗けなかったかもしれないですけど。たとえばプロレスリング・ノアという世界観で生きている選手たちは、三沢光晴さんが立ち上げたGHCというベルトこそ最高の権威だという感覚でリングに上がっているわけですよね。スターダムの選手たちがIWGPがイマイチわからないというのはウソでもなんでもないと思います。それにこの記者会見でIWGP女子王座の発表に使われた時間は全編2時間のうち、ほんの15分、20分だった。


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • 西川大和UFC契約の舞台裏/RIZINマッチメイク二転三転■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2022-10-15 14:05  
    150pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は10月1日にニコ生配信されたものを編集したものです)


    【1記事100円から購入できる過去記事】・井の中の蛙化にしてるのは○○キッズのせい?・LFAだけが「UFCの登竜門」なんかじゃない
    ・平本蓮とRIZINの契約、井上直樹vs瀧澤謙太、PFLとベアナックルは美味しい?
    ・平本蓮vs安保瑠輝也消滅の内幕



    ――というわけで、前回のインタビューはいろんな意味で大反響だったんですけど、シュウさんのところにお叱りのDMは届かなかったでしょうか。
    シュウ そんなことはなかったですよ。どちらかというと、理解の高い方が多くて。
    ――Dropkickメルマガの会員は“大人のファン”が多かったということですかね(笑)。
    シュウ そうですね。罵詈雑言を浴びせてくるようなDMはそんなに来なかったんで、大丈夫でした。
    ――いつもは罵詈雑言のDMが飛んでくるわけですか?
    シュウ はい(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 今日は罵詈雑言が飛ばない内容でお送り……できればと思っていますが。まずは西川大和選手がUFCと電撃契約されましたけど、シュウさんがUFCと交渉されたそうですね。
    シュウ もともとマルスジムの(平)大門さんが西川選手のマネジメントしてたんですけど。海外のことですし、結果的にこちらがテイクオーバーすることになったんです。で、最近のUFCは1試合だけの契約の枠があるじゃないですか。
    ――異例のワンマッチ契約ですね。
    シュウ 最近のUFCがなんで1試合契約をやるかといえば、UFC PI上海で選手を育成してるので、そこから出てきた選手にチャンスを与えなくちゃいけないと。そうなると1試合組んでみて、どんな感じか見るための処置なんです。いまやっているROAD TO UFCみたいに優勝したら必ず契約をもらえることは一切ないんですよ。じつをいうと、西川選手へのオファーは1試合契約、ウェルター級で中国人相手という内容だったんです。
    ――当初はライト級ではなく、そんなオファーだったんですか!
    シュウ UFCからその内容で伝えられたときには「西川選手のマネジメントに連絡してもいいけど、その内容なら説得できないと思うから、UFCのほうで勝手にやってくれ」と(笑)。大門さんの連絡先を教えて突き放したんですよ。そうしたら、翌日UFCのマッチメイカーのショーン・シェルビーから「ライト級でケガ人が出たから、ライト級で話せないか」と。それならいいよってことで、ボクのほうから大門さんに連絡したんですよね。UFCがウェルター級のオファーの件で大門さんに連絡したのかもしれないですけど、その条件だとレスポンスがなかったのかもしれないです。
    ――1試合契約でウェルター級は条件としてどうなんだろう?と思っちゃいますね。
    シュウ そうですよね。大和選手に関してはすごく前から注目はしてまして、世界を狙うんだったら、ウェルターよりもライトのほうがいいに決まってますよね。そういう話だったら責任を持って西川選手に話は持っていけますし、今回は4試合20ヵ月の契約にしてもらいました。
    ――話はとんとん拍子に進んだんですよね。
    シュウ とんとん拍子というか、1~2日、日本のほうでの調整には時間がかかりましたけども。これは皆さんに言いたいんだけど、アメリカでも海外でもどこの国でも、こういった緊急に限らず、試合のオファーは基本的に遅くとも48時間のうちに返さないと、チャンスを失う可能性がすごく多いんですよ。
    ――「その選手がじゃないとカードが成立しない!」というマッチアップじゃなければ、待てないですよね……。
    シュウ マッチメーカーのほうも急いでますし、なるべく早く決めたいじゃないですか。そうすると、各方面に打診のボールを投げるわけですよね。そのボールに早く飛びつく選手に決めちゃう傾向があるわけですよ。日本の場合は「この人に相談して……」とか「こっちの人にお伺いして……」とかやってるうちに、タイムリミットを過ぎちゃうことが多いんです。遅い、決められない。国外市場において、それでチャンスを逃した日本人は、どの業界でも多いと思うんですよね。
    ――どこまでしゃべっていいのかわかんないですけど、お伺いを立てなきゃいけないパターンが多すぎますよね、日本の場合……。
    シュウ ものすごく多いですね。お伺いをしないために契約があるわけじゃないですか。契約がないのになんでお伺いを立てなきゃいけないの?って疑問なんですよね。もっと面倒くさいケースだと「わざわざ会いに行って挨拶しろ」とか、どこまで上から目線なんですかって思うんですよね。選手がいなければ大会は開催できないわけですから、本来ならばプロモーターと選手の関係は持ちつ持たれつであるべきだと思うんです、とくにローカル大会は。選手はチケットの手売りもしているわけですからね。本来ならばチケットを売るのはプロモーターの仕事で、その営業努力、工夫の足りない部分の皺寄せが選手のところに来ているという見方もできると思いますし。アメリカのローカル団体でいえば、UFCからのオファーが来たら、一方的に破棄できる項目が入ってますから、それが普通なんです。だってよく考えていただきたいんです。「ローカル大会=マイナーリーグ」ですよね? メジャーからのオファーをすんなり受けれらないマイナーリーグって、どんだけ厄介で、どれだけ選手の足枷になっているか、よく考えていただきたいです。
    ――基本的にメジャー行きを拒む契約はありえないですよね。お世話になったことで、義理立てで報告するのはわからないでもないですけど
    シュウ ただ思うんですけど、アメリカのローカル大会も日本とそんなに状況は変わんないんですよ。手売りのチケットで稼いでる部分もありますし、ギャラだってそんなにいいわけではない。それなら試合に向けてちゃんと練習して、計量をパスして、手売りでチケットを売ってあげて、試合をしたら、もうそれでビジネスは終わりなんですよ。ドライかもしれませんが「お世話になった」という感覚を必要以上に持たなくていいわけです。試合を組むごとに「お世話になった」という足枷が付くんだったら、身動きできないじゃないですか。ですから、「お世話になった」という感覚は、もう捨ててもいいんじゃないかなとボクは思うんですよ。それがなぜか日本だけは、アマチュアからもうその目に見えないというか暗黙の了解というか、そういう足枷がつくんですよね。「デビューさせてやった」とか。そんなこと言われたらデビューできないじゃないですか? プロモーターの中には、俺が育ててやったのにとかいう人もいますけど、選手を育てるのは親、コーチ、練習仲間であって、プロモーターはその次ですよね。さらにはローカル大会なら、お金かけてスポットとか流して選手をPRしてとかもできないし、実際にやってないわけですから、選手側ももっと自分の正当な権利というのを考えていただければ、自ずと答えは出ると思うんですよね。たぶんですけど、ほとんどの方々は、それを頭では理解できてるとは思うんです。「どこかおかしい」「こんなの実社会ではありえない」と思いながらも、「昔からこうなんだ」という一部の上にいる人たちの考えに逆らって村八分になるぐらいなら、もうその長いものに巻かれますか、みたいな感じだと思うんです。
    ――対等の立場にあるってことを意識してほしいってことですね。
    シュウ どちらかというと、コーチやスポンサー、練習相手にお世話になってるというのはわかりますよね。プロモーターなんて、ヘタしたら年に2回ぐらいしか試合を組んでくれないわけだし、デビューさせてやった、タイトルマッチのチャンスあげてやったなんて言ったら、試合するたびに貸しを作っちゃうわけじゃないですか。それって構図としておかしいと思うんですよね。
    ――次のステップの足かせ手かせになるのは、ひじょうによくないってことですね。
    シュウ それから、もうひとつのポイントは、ローカル大会のチャンピオンシップやランキングがここまで重要視されるのは日本だけなんですよ。
    ――これはちょっと踏み込んではいけない領域の話になってきましたね(笑)。
    ・日本の団体の契約のここがおかしい
    ・平本蓮vsドミネーター戦の経緯
    ・本来は佐々木憂流迦vs元谷友貴だった?
    ・RIZINに「ドミネーターvs摩嶋のほうが面白くないですか」と聞いたら…
    ・細川バレンタインの「MMAファイター1000人」の件
    ・ベラトールはフライ級を新設するか?……などなど12000字記事はまだまだ続く


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!


     
  • 侵略者、現る!! 宇佐美正パトリック「みんな食ってやります」

    2022-10-13 11:58  
    150pt


    RIZIN福岡に参戦する宇佐美正パトリックインタビュー! 高校時代にボクシングで輝かしい実績を残してMMAに転向。LDH martial arts所属として3勝1敗のレコードを残していたが、先日LDH martial artsを離れフリーとなった。9月の超RIZIN&RIZIN38では矢地祐介戦の噂もあった宇佐美にボクシングから現在までの道のりを語ってもらった(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・THE MATCH総合演出・佐藤大輔「天心も武尊もちゃんと送り出せる映像を作りたかった」
    ・キング・ムエ会長・佐藤孝也「あんなにお客が入ったスタジアムは見たことなかったです」
    ・【UFC契約ゲット!】木下憂朔インタビュー「ボクが日本格闘技の流れを変える」
    ・RIZINに外国人を取り戻す■RIZIN海外事業部・チャーリー柏木信吾

    ――先ほどは、RIZIN.39の会見お疲れさまでした!
    宇佐美 めっちゃ緊張しました! めっちゃ早口になっちゃいました!
    ――ハハハハハ! パトリック選手って試合だと舞台度胸のかたまりみたいな印象ですが、意外と緊張するんですね。
    宇佐美 いやあ、そうなんですよ。試合のときはその瞬間にドンと変われるんですけど、会見なんかはやっぱりまだ慣れないですね。
    ――でも、あれだけのRIZINファイターが並んでいたにもかかわらず、パトリック選手にはもの凄く「華」を感じました。
    宇佐美 ホントですか? ありがとうございます!
    ――ファイターとしてそういうのも意識されているんですか?
    宇佐美 いや、もう自分はとにかく強さを徹底して磨いているんで、そういう余計なことは考えてないんですね。だからこそ、いまそう言われてよけいにうれしかったです。でも、今日の会見ってフェザー級タイトルマッチの調印式もあったせいか、ピリついた感じでしたよね。それが逆に「やっぱ凄くいい雰囲気だな……」って。
    ――パトリック選手自身も「RIZINで戦いたい相手がいる」という刺激的な発言がありましたよね。
    宇佐美 そこはもう言いたいことはしっかり言わないと。そうじゃないと絶対に実現はできないので。だから矢地(祐介)さんとも戦いたいですし、強い人を食って自分をもっとあげていきたいです。
    ――矢地選手ご本人がいる中でその発言ができるのは凄いです。
    宇佐美 だからこそ言わないと。ああいう場所だからこそ言わないと実現しないと思うんですよ。今回組んでもらったのは佐々木信治選手とのカードですけど、このまましっかりKOで勝ったら年末にも組んでもらえる可能性もありますから。
    ――そんなに早く戦いたいんですね。
    宇佐美 組んでほしいです。まあ、矢地さんとは言わず、ある程度名前のある選手とは絶対にやりたいですね。
    ――これまでRIZINライト級はどういうふうに見ていたんですか?
    宇佐美 やっぱりレベルは高いと思っていました。有名な選手も集まってきますし、チャンピオンのホベルト・サトシ・ソウザ選手も柔術の力がかなり凄いと思うので、やっぱり凄いというか。それに、ボクも直接会場に来て観たこともありましたから。つい先日の超RIZINとRIZIN.38もさいたまスーパーアリーナで観ましたし。
    ――超RIZINとRIZIN.38はめちゃくちゃ盛り上がりましたが、自分があの舞台に上がるとなると、やっぱり興奮します?
    宇佐美 もちろん興奮もしますけど、自分の中ではまずそこに上がらないと意味がないと思っています。そして、上がることが目標ではなく、しっかり勝たないとと思いますね。やっぱりボクは本当に世界に行きたいので。ROAD to UFCとかでは、自分のやってしまった過ち(計量前の体調不良による欠場)がいろいろあるので……。まあ、いろいろツイッターのDMとかでも凄いのが届いたりしましたし。
    ――え、DMでけっこう辛辣なコメントが……?
    宇佐美 でも、それを見返すというとおかしいですけど、それはしっかり結果で「あ、宇佐美やるやん」と思われるような試合をやろうと思っていますね。
    ――今回、佐々木選手との試合は契約体重が75キロですよね。
    宇佐美 そうなんです。じつは、もともと違う選手と対戦予定だったんですけど、それがダメになってしまって。「じゃあ、ほかに誰かいないか」となったときに佐々木選手が75キロでなら、ということだったんで、ボクも「それでOKです」と。ここでしっかり勝ったらアピールできるチャンスにもなるのでね。
    ――いろいろ条件を呑むことで、チャンスを掴むというか。
    宇佐美 だから、まずはしっかりKOで派手に勝つことです。
    ――そんなパトリック選手といえば、ボクシング仕込みの豪快な打撃が印象的ですが、キャリアのスタートは空手からなんですよね?
    宇佐美 そう、空手です。空手を始めたのは3~4歳ぐらいからですね。
    ――それは、日本拳法の経験があるお父さんの影響だったんですか?
    宇佐美 そうですね。最初は「道場に行ってみようか」ということで、お父さんがボクと弟を連れて道場に行ったんですけど、そのときに「おもしろそやな」と。
    ――ということは、けっこう自分の意志で始めた部分が大きかった。
    宇佐美 はい。自分がやりたいと思って始めました。まあ、キツイなあと思うこともあったんですけど、全然苦ではなかったですね。
    ――そして、そのあとがボクシングですか?
    宇佐美 いや、空手のあとはキックボクシングです。キックボクシングは小学校から始めたんですけど、当時ボクはK-1に出ようと思っていたので。ただ、K-1自体が大変な時期がありましたよね?
    ――ちょうど旧K-1から新生K-1に体制が移る頃ですかね。
    宇佐美 なので、今後をどうしようかと考えたときに、小学5年生で格闘技を全部1回やめたんです。それで、小学6年生の1年間は水泳やダンスとか格闘技以外のものもやってみたんですけど、いろいろやった結果、たどり着いたのがボクシングだったという(笑)。
    ――また格闘技に(笑)。やっぱり好きなんですね。
    宇佐美 それもあるし、ちょうど2020年の東京オリンピックが開催されるということで。だから「これ、オリンピックに出てプロに転向したら一気に世界が変わるよな」と。当時は重量級だったんで自信もありましたしね。
    ――ボクシングでは何キロだったんですか?
    宇佐美 一番軽い階級のときは64キロでしたけど、64キロ、69キロ、75キロで戦っていますね。まあ69キロが基本でしたけど、高校のときは64でも全国2回獲っています。
    ――2回どころか、高校では6冠だったと聞きました。
    宇佐美 ああ、それは64キロと69キロの階級ですね。だから、インターハイ2連覇、国体2連覇、あとは選抜大会2連覇で合計6冠です。
    ――す、凄すぎます!
    宇佐美 いやでも、ボクにとって一番意味があったのは世界3位になったことですね。AIBA世界ユース選手権の重量級で銅メダルを獲れたのは、やっぱり自分の中で一番大きかったです。
    ――それだけタイトルを獲っていれば、相当自信があったんじゃないですか?
    宇佐美 自信はありました(キッパリ)。でも、それに浮かれている自分もいて、なんかちょっと自分がキライでもありましたね。なんか、調子乗っている時期もあったんで。でも「もう絶対に誰にも負けへんやろ!」と思っていたときに、オリンピック選考会で負けてしまって。ボクに勝った相手が優勝しちゃったんですけど、それで「もう東京五輪出られへんのや……」と思ってどん底まで落ちてしまって。
    ――そうだったんですね……。
    宇佐美 そこで、どうしようかと思ったときにMMAにたどり着いたんですけど、それも身近にストラッサー起一選手がいたので。それで、MMAの基本とかは起一さんに教えてもらっていましたね。
    ――ストラッサー選手とは、もともと知り合いだったんですか?
    宇佐美 ボクのお父さんがずっと起一さんを応援していたんですよ。で、たまたまボクも起一さんと会う機会があって。ボクが初めて起一さんに会ったのは中学生のときですね。
    ――じゃあ、MMAという競技が視界に入ってきたのはそのぐらいの時期で?
    宇佐美 いや、MMA自体はもっと前から知っていました。もう、ボクが空手をやっているときからですよ。
    ――となると、3~4歳とかですか?
    宇佐美 そう。朝起きるじゃないですか。そうすると、テレビに映っているのはボクシングの『EXCITE MATCH(エキサイトマッチ)』かUFCかのどっちかでしたから(笑)。
    ――お父さんがWOWOW加入者だったから、どっちも観てた(笑)。
    宇佐美 だから、ホンマに格闘一家という感じですね。弟(宇佐美秀メイソン)も格闘技の実力は凄いですし、昔からそうですけど、お父さんには厳しい練習をやってもらっていたんで。休みの日も、どっかに出かけるというよりかは格闘技の話をずっとしていたりして。
    ――365日格闘技でも、イヤにならないもんですか?
    宇佐美 たまにちょっと「あれ、これ休みかな……?」と思うこともあるんですけどね(笑)。まあ、好きなので全然です。
    ――それにしても、よくこれだけの栄冠を手にしていながら、コロッとMMAに転向できましたね。
    宇佐美 いや、MMAはめっちゃ楽しいですよ!
    ――ボクシングに未練はなかったんですか?
    宇佐美 うーん、正直オリンピックに行けていたら未練はあったと思うんですけど、行けなかったので「もうないかな」と。たとえば、いまからプロになっても、世界に行くまでに凄く時間がかかるし。そうなったときに、もっと自分の持ち味を活かせるところはどこだろう、と。空手、キックボクシング、ボクシングといろいろやってきた中で「あ、やっぱMMAじゃん」って。そんな感じですね。
    ――ご自身としてはMMA転向は自然な流れだったんですね。
    宇佐美 自然です、本当に。
    ――そのときに、LDHのオーディション『格闘ドリーマー』のチャンスが来たという。というか、あの企画の中で行われた合宿は厳しすぎて地獄のような光景でしたよね……。
    宇佐美 メチャクチャ凄かったですね(苦笑)。でも、アレを経験してないと、ボクらは逆に「この場にいていいのかな?」と思っちゃうというか。自分がそのレベルに達していないんじゃないかと思うような感じだったので。
    ――ずっと格闘技やってきたパトリック選手にとってもヤバかったんですね。
    宇佐美 いやー、しんどかったです! 筋肉痛がハンパなかったですよ。でも、MMAに関する知識とかもそうですし、あの合宿とかを経験したことで得ることのほうが多かったので、凄く感謝しています。
    ――MMAという競技は初めて体験したわけじゃないですか。たとえば、バックボーンが打撃系の選手って寝技で心が折れるという話も聞きますが。
    宇佐美 って聞くんですけど、ボクは最初からずっと楽しいですね。なんか、練習で漬けられたりするじゃないですか。ボクシングではそこまでやられる経験がなかったんですけど、練習でやられまくったら「あ、こうやってやられるんや」というのがわかるというか。なんか毎日勉強ができるので楽しいんですよね。


    この続きと追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事16本」の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2125440
     
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事130円から購入できます!