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記事 17件
  • 【15万字・記事15本詰め合わせセット】伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…

    2022-04-30 23:59  
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    part100
    ◎伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
    ◎我々は斎藤裕、浜崎朱加の戦いを見届ける義務がある
    ◎【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
    ◎RIZINのテーピングが悪いのか?
    ◎【vs浅倉カンナ】SARAMI「彼女はもう、充分いい思いしたじゃん」
    ◎斎藤裕「次の試合で終わるかもしれないという緊張感、危機感はあります」
    ◎いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー
    ◎虚構の中で輝いた青木真也vs秋山成勲
    ◎アメリカインディの雄ROHの始まりと終わり、そしてAEWへ
    ◎これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件
    ◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・大谷晋二郎選手の試合中の事故について
    ・DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ
    ◎【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏
    ◎JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士
    ◎さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38■斎藤文彦INTERVIEWS
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    ウェルター級でも強さを発揮した修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――修斗の山田崇太郎戦はすごかったです!
    西川 ありがとうございます。
    ――1階級上のウェルター級初戦で、日本屈指のグラップラー相手に腕十字で一本勝ち。もちろん反響はすごかったんじゃないですか。
    西川 そうですね。やはり今回の試合に関しては、ボクが負けるという予想が格闘家や関係者のあいだに多かったこともあったと思うんですね。一緒に練習してる仲間の方々からは「勝てるんじゃない」という声がありましたけど、東京の選手たちは「今回の西川はキツイんじゃないか」と。自分自身では「行けるでしょう」と信じながら戦った結果、こんな試合になりました。
    ――そういった「西川不利」の予想はどう思われていたんですか?
    西川 東京に拠点を置いて練習すると、練習での強さがみんなに伝わりやすいところはありますね。選手や関係者に早く届きます。北海道や地方だと「あの人って強いの?」ってモノサシの基準がわからないと思うんですよ。
    ――交流が限られることで強さが伝わりにくいと。
    西川 モノサシの基準ってやっぱり練習が一番だと思ってるんですよね。やっぱり試合ですべて出しきれるかといったら、そうではなかったりするので。それはボク自身もそうですし、皆さんもそうですけど、練習が強さの基準になるのかなと思うんですよ。そうなるとボクの基準というのは北海道にいることで、なかなか皆さんやっぱり目にすることもないし、話を聞くこともないこともあって判断しづらいですよね。だからナメている選手のほうが多いのかなとは思います。
    ――下馬評が低かった理由に、ウェルター級転向初戦ということもあると思いますか?
    西川 階級を1つ上げるということは、やっぱり勇気がいると思うんですよ。勇気がいるということは、普通の人でいえば「怖い」という気持ちがあるってことですよね。そこを跳ね除けての試合なんで反対する人のほうが多いかなと。その怖さがあるから「西川は負ける」と予想されたんじゃないですかね。
    ――階級の壁や山田選手のグラップラーとしての幻想に飲み込まれてしまうような不安はなかったんですか?
    西川 よく皆さんは試合の前から「あの選手、強い」とか「この選手、ヤバイ」という話をすると思うんですよ。でも、試合になってみないとわからないことって多いと思うんですよね。いくら「あの選手のパンチ力はヤバイ」「寝技の極め力がすごいよ」って動画で言っても、それを見てる人には伝わるかもしれないですけど。じゃあ“対自分”になったときに通用するの?という話になると、またそれも変わってくると思うんです。それは逆にいえば自分のスタイルにも言えることで、対戦相手に通用するかもわからないです
    ――極端なことをいえば、情報はすべて先入観にすぎないってことですね。
    西川 ボクが練習に集中した生活を送りたいというのは、そこなんですよ。対戦相手の動画で見て研究するのも悪くないんですけど、仮に作戦がハマらなかったときに誰が助けてくれるの?となったら自分しかいないじゃないですか。これはすごく言いたいことなんですけど、普段の練習から試合していると思ったほうがいいですよね。すべてにおいて「戦うということはなんなのか?」っていう準備を普段からしてこそファイターだと思ってるので。ここらへんの意識の違いが今回の試合に出たのかなと思います。
    ――普段からそういった姿勢で練習していないと、緊張感や興奮に包まれる試合では実力が発揮できないこともあるってことですかね。
    西川 そうですね。余裕を持ったり、心をリラックスしながら練習することもいいとは思うんです。ボクはそれを許さないタイプの人間なんで、普段から気を引き締める。誰かと仲良くしようとしてるわけじゃないので、戦いというのは。
    ――こうして冷静な語り口な西川選手ですけど、試合では闘志溢れていますよね。練習のときも試合のテンションに近いということですか?
    西川 常に試合を想像して、不利なところもあれば有利なところもあるってことを想像しながらの練習を意識してるので、やっぱり緊張感は出ますよね。
    ――そういった練習が試合でも効いてくるってことですね
    西川 やっぱり格闘技は「やるか、やられるか」なのでメンタルを左右する競技だと思ってまして。なので、普段から緊張感は自然と出るような感じになります。どんなに強い相手だろうが、どんなに弱い相手だろうが、体重が軽い相手だろうが、向こうは自分を倒しにくるわけじゃないですか。やりにきてるわけですから練習も戦いというか、気を抜かないことはやっぱり大切ですよね。
    ――それこそ練習じゃなくて、普段の生活からそういう感じなんでしょうね。
    西川 ああ、だから結局1人なんですかね(苦笑)。
    ――だんだんと友達が少なくなっていく……みたいなことをおっしゃってましたけど。
    西川 もともと少なかったわけではないんですよ。こんな感じで話したりするタイプの人間でもなかったので、おちゃらけタイプの感じで。
    ――あ、そうなんですか(笑)。
    西川 ボクの中学生のときの同級生に話を聞いたらビックリすると思いますよ。もう中身は全部変わっちゃった感じですから。そうやって変わってしまったことで、ボクから疎遠になったわけではなくて、周りが近づいてこなくなったって感じですね。
    ――それだけ志が高いってことなんでしょうね。
    西川 そうおっしゃってくださると嬉しいですけど。
    ――そういう意識を積み重ねることで、試合中にも混乱しないわけですか?
    西川 そうですね。いまも話したとおり、試合になれば相手はボクに対してやりにくるわけじゃないですか。なので、ボクが試合を100パーセント、コントロールできるものではないと思うんですよ。相手はやりにきてるんだから、自分もやられて当然だっていう意識を持つ。そこで自分もやりにいくことで、お互いが交差するのが戦いじゃないのかなと思ってて。自分がダウンすることもあれば、獲られそうになるってことは常に頭と心に置いてあります。
    ――完璧に戦えることは想定しないと。
    西川 ないです。戦いに完璧はないです(キッパリ)。
    ――たとえば今回の試合で最初に組んだとき、山田選手とのフィジカル差は感じませんでした?
    西川 同じ体重なのでバカみたいなフィジカル差は感じないんですけど。今回にかぎらず、北海道では感じることのできないフィジカルだったり、それこそスピードだったり、そういうものを試合で感じたことはよくありますね。でも、それは相手も同じだと思うんですよ。いままでやったことないようなスタイルだったり、フィジカルだったり、スピードだったり、身体の圧力、そして気持ちの圧力、それらをボクから感じた選手もいると思うんですよ。そこはオアイコですよね。どっちもどっちです。
    ――あのファーストコンタクトで心を乱さないのはさすがですねぇ。
    西川 その選手が持ってるバックボーンにビビらないってことが一番大きいんですよ。たとえば空手やボクシングのバックボーンを持っている選手もいますが、それは空手とボクシングでの実績でもあり、今回はグラップリングの実績ですよね。たしかにそこでやり合ったら強いです。逆にいえば、自分は幼少期から総合格闘技をやってきてるわけです。
    ――ああ、なるほど。西川選手の庭、総合格闘技で戦うわけですもんね。
    西川 総合格闘技というのは打撃もあるし、組みもあるし、寝技もあるし、得意ではない分野で戦うことを意識しないといけないです。そうなると、力が半減することもありえますよね。たとえばグラップリングがバックボーンの選手も、打撃がバックボーンの選手も、総合格闘技になったら、その力が40パーセントに落ちる場合もあれば、ヘタしたらゼロになる場合もある。逆にその自信を逆手に取ることもあるんですよ。自信を持ちすぎて、逆に動きが固くなる選手もいます。パンチ力にすごい自信があって「これさえ当たれば……」と考えてしまうことで固くなっちゃうんです。
    ――自信を持ちすぎちゃってプランB、プランCの選択ができなくなると。グラップリングという分野において山田選手は圧倒的な強さがあるけど、総合格闘技の戦いに持ちこめばわからないし、こういう結果になったということですね。
    西川 総合でよくあるのがグラップリングの強い選手が打撃の選手相手にパンチでダウンを奪うことですね。それは寝技に特化した圧力があるから、スタンドでパンチが当たりやすくなる。逆に今回のボクみたいにグラップリングが強い相手から一本を獲ることもあるわけです。今回の試合に関しても、もしかしたら自分が極められたかもしれないし、スタンドでKOをされたかもしれない。実際にやってみないとわからなかったと思いますね。
    ――それほど展開が複雑な競技ってことですね。
    西川 注意するところが多いですし、メンタルも意識しないといけない。相手が自分の不得意な分野を突いてくることはあたりまえにありますから、自信を持ちすぎてもいけない。いろいろと考えると悩んでくるし、怖くもなってくるし、そうなった状態で自分の持ってる力を試合で出せるの?ってことですよね。
    ――本当に“総合”が問われる競技。
    西川 悪い言い方をすると、総合格闘技って卑怯な競技ですよね。――卑怯な競技! 西川選手の発想は面白いですねぇ。19歳とは思えないです。15万字・記事15本詰め合わせセットはまだまだ続く……

     
  • 大谷晋二郎選手の試合中の事故について■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2022-04-28 10:27  
    130pt
    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は大谷晋二郎選手の試合中の事故についてです。

    <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ<new>
    『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
    新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
    令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
    東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
    プロレスと結婚した風間ルミさん
    武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」

    『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
    冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…


    ――4月10日のゼロワン20周年記念興行で、杉浦貴選手とシングルマッチで対戦した大谷晋二郎選手が頸髄損傷の重傷を負ってしまう事故が起きてしまいました。
    小佐野 あの日は昼間にDDTの解説があって、時間がかぶっちゃうこともあってゼロワンの会場には行ってないんです。事故が起きた瞬間の試合映像は見てます。
    ――杉浦選手のターンバックルに投げるジャーマンを受けた直後のことでした。
    小佐野 その技は杉浦が普段は繋ぎ技としてやってる攻撃なので、その技が決まった瞬間自体は衝撃映像ではなかった。叩きつけられた大谷が自分で首を起こそうとするんだけど、そこから動くことができない。そのときの周りの判断が難しくて、試合を止めるまでに時間かかっていた。杉浦は「これからだオラ!」って煽っていたけど、大谷は起き上がれない。杉浦はいったんその場を離れるんだけど、大谷のセコンドは「起きてください」と声を送っている。レフェリーが大谷本人に確認して、そこでようやく試合を止めた。すぐに止めていいかどうかプロレスは本当に難しいね。格闘技の場合は「おかしい」と思ったら、すぐに止めるでしょ。でも、プロレスの場合はそうじゃない。
    ――プロレスはそこが難しいですね……。
    小佐野 格闘技ってルールで守られてるじゃないですか。「こうなったら止めます」というルールの中で試合をしてる。でも、プロレスの場合は、5カウント以内の反則がオーケーであったりとか、グレーな部分があって。そこがプロレスの醍醐味でもあったりするから。あとは「 Show Must Go On」じゃないけど、いわゆる純粋な格闘技的な見方をしてくれないから、戦っているレスラーたちも中途半端なところではやめられないという意識の高さはある。たとえば昔の全日本で三沢(光晴)と川田(利明)がやったとき、試合開始5分で三沢が川田の蹴りで眼窩底を骨折して、三沢本人も吐き気がしてるから大ケガをしたことがわかってるわけ。でも30分時間切れ引き分けまで戦い抜いた。あと大阪で川田が裏拳をやったときに折れたことはすぐにわかったけど、そのまま試合をやって最後はパワーボムまでやっちゃって。
    ――言い方が難しいですけど、ストーリー以外のハプニングもあっても続ける場合があるわけですね。
    小佐野 ホントに止めなきゃいけないケガもあるし、いまの三沢たちのようにそのまま続ける場合もあるから、すぐには止められない。ひょっとしたら、まだ起きるかもしれないと。それこそ猪木さんの舌出し失神事件と一緒ですよ。坂口さんが無理やり猪木さんをリングに上げたよね。
    ――1983年6月2日、第1回IWGPリーグ優勝戦のアントニオ猪木vsハルク・ホーガン。エプロンでホーガンのアックスボンバーを食らって場外転落した猪木さんが起き上がれず、セコンド陣が猪木さんをリングに上げて……。
    小佐野 結局あれは猪木さん1人の演出だった……という話になってるわけだけど、猪木さん本人が何も語ってないから謎は謎のままだよね。
    ――右腕だった坂口征二さんが「人間不信」の書き置きを残して失踪しちゃうくらいだから、何かがあったことはたしかとはいえ。あと天山広吉vs小島聡のIWGP&三冠統一戦では、60分フルタイムドロー直前に天山選手が脱水症状を起こしてレフェリーストップ。これも予想外のアクシデントのように見えましたね。
    小佐野 変な話、試合中に選手がおかしな状態になって立てなくなる場合がある。このままだとレフェリーのダウンカウントが10まで数えられちゃうから、相手が慌ててストンピングを入れて相手を起こして試合を継続させたりすることもあるから。「こんなとこで終わっちゃ、まずい」という判断だよね。
    ――場外カウントもレフェリーが配慮することがありますよね。
    小佐野 とくに全日本の場外カウントは10カウントだから。和田京平さんは本当にダメだったら数えちゃうけど、行けそうだったら数えないで、なんとか試合を成立させようとする。
    ――そこの見極めは難しいですね。試合の流れ的に決着はまだ先に見えて、これは起きてこられないんじゃないか……ってときはありますし。
    小佐野 この前の全日本プロレス後楽園ホールで諏訪魔と大日本の野村卓矢のシングルがあったけど、諏訪魔の最後のラリアットなんて、野村本人の意識がない角度から横殴りに入ってるから。京平さんはそのままワン・ツー、ちょっと間をおいてスリーを叩いた。昔の全日本でいえば、ジャンボ(鶴田)のパワーボムを食らった天龍さんがもう絶対に起き上がってこないと思って3カウントを叩いたそうだね。
    ――それはつまりレフェリーとしても「ここでは勝負は終わらないだろう」「ここで終わると思ってなかったけど……」と読みながら臨機応変にレフェリングしてるってことですね。
    小佐野 川田が三沢のタイガースープレックスを食らったときに、京平さんが返すだろうと思ってツーで止めけど、川田は返せなかったんだよね。三沢が「京平ちゃん、いま返さなかったでしょ?」と聞いたら「レフェリーが叩いてないんだから返してる」と。それで三沢は仕方なくもう一発タイガースープレックスを決めてワンツースリー。
    ――川田さんからすれば災難ですねぇ。
    小佐野 今回大谷も「立ってくるだろう……」とみんな思っていたはず。必殺技ではなかったからね。いつもと違う点をいえば、ノアのリングだとターンバックルが3つに分かれたセパレートタイプ。ゼロワンは1本なので、そこの当たり方の違いはあったのかもしれないけど……ターンバックルへの技が必要かといえば、必要ではないと思う。わざわざターンバックルにぶつけなくたっていいとは思うけど、この技は初めてやったわけじゃないからね。いま非難するんだったら、初めて使ったときに非難されるべきで。杉浦以外にも使うレスラーはいっぱいるし、ターンバックルにパワーボムをやる人だっているわけだし。あとは大谷の首が悪かったのも事実だから。
    ――ターンバックル・ジャーマンだけに問題があったわけではないという……。
    小佐野 2016年9月10日のリアルジャパンのディファ有明大会で、大谷が船木誠勝に勝ってリアルジャパンのチャンピオンになったことがあったんですよ。その試合中に大谷は頚椎損傷をやっちゃって1ヵ月休んでるんです。そのときから首はどう考えても悪いはず。去年の4月の全日本のチャンピオンカーニバルでは右肩をやって欠場して、今度は9月に左腕もケガしたでしょ。肉体的にかなりキツくなってたのは事実だと思うんだよね。
    この続きと、伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事15本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • 【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一

    2022-04-25 18:51  
    130pt

    毎大会恒例!笹原圭一RIZIN広報の振り返りインタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)

    【1記事から購入できるバックナンバー】・ボンサイ柔術の戦友が語るクレベル・コイケの強さ■関根シュレック秀樹
    ・日本ムエタイの至宝・梅野源治はなぜRIZINキックで戦うのか
    ・なぜ「皇治は俺たちのスーパースター」なのか■宮田充
    ・DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー

    ――笹原さん! RIZIN2DAYSおつかれさまです!
    笹原 (食い気味に)2DAYSなんて、もう二度とやりませんよお!!
    ――ハハハハハハハ! いい大会だったじゃないですか!
    笹原 大会自体は本当に素晴らしかったです。ただ、やっぱり2日連続は運営としてはなかなか大変でしたね。たとえば2日目の公式スケジュールとか公開計量の段取りと、まぁ当然ですがいつもよりかなり大変でした。結局計量は初日の大会中の会場でやることにしましたけど。
    ――会場での公開計量は大好評でしたね。UFCっぽい雰囲気で。
    笹原 大きな声では言えませんが、あれに憧れがあったんです(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    笹原 で、やってみたら「これこれ、俺がやりたかった計量はこれだよ!」って感じで大満足でした(笑)。
    ――ボクも見ていて新鮮でしたし、面白かったですよ。
    笹原 ただ計量は楽しかったんですけどやっぱり、2DAYやってみてプロモーションや、公式スケジュールの進め方とかそれなりに大変でした。お客さんも「両方行きます!」というよりもどちらか一方を選びますし。
    ――大晦日の1日明けての2DAYSとは違うんですね。
    笹原 大晦日はスペシャルなお祭りの雰囲気があるので成立しましたけれど、いわゆる普通の週末に2DAYSをやってみて、いろいろと思うところはありましたね。
    ――トライ・アンド・エラーじゃないですけど、いろいろと試して、それでLANDMARKのようにものすごくハマるものもありますし。「100年続くRIZIN」の糧にするわけですね(笑)。
    笹原 さっきは「もう二度とやりませんよ!」とか言いましたけど、まあウチはそういうのをすぐ忘れますからね。社長のことなんで「2DAYSは大変だったけど、3DAYSはどうだ!」とか言い出しかねない(笑)。
    ――さすが「地獄のプロモーター」ですね(笑)。初使用となった武蔵野の森総合スポーツプラザの使い心地はどうでした?
    笹原 会場は新しいですし、使いやすかったですよ。ただ縦長の会場の真ん中にリングを置くので、客席の位置によってはリングが遠くなってしまうのが気になるところでした。また使いたいと思っていますが、じつはこの春は普段使っている都心付近の会場はどこも埋まってて。ようやく武蔵野の森にたどり着いたんですよ。
    ――今春は会場探しに苦労されてたんですね。
    笹原 有明や横浜にも新しい会場ができるそうなので、いろいろな会場を試していきたいですね。
    ――初日のRIZIN TRIGGERでいえば、倉本一真vs金太郎が金太郎選手のぎっくり腰により試合中止のアクシデントが起きちゃいました。
    笹原 本当に残念でした。試合2日前の深夜に佐伯さんから電話があったんですよ。もう、そんな時間の電話なんてイヤな予感しかしないじゃないですか(笑)。
    ――弁当の話じゃないかことはたしかですね(笑)。
    笹原 そうしたらブヒブヒ言いながら、「金太郎がぎっくり腰で、ダメだわ」って連絡で。このタイミングでぎっくり腰って、身体が動けなくなるから減量ができないんですよね。多くのファイターは試合2日前に最後に身体を絞って減量するんですけど、ぎっくり腰で体重が落とせない。なので痛み止め打って試合をする、みたいなこともできないんですよね。
    ――これが1週間前2週間前だったら主催者としても代役を探せるけど。
    笹原 それでもボクらも代役を探したんですけど、バンタム級の選手は1日で体重を落とせないですし、フライ級の選手になっちゃいますよね。しかも相手はケージ無双の倉本選手ですからねぇ。
    ――万全の状態でもやりたくない相手ですよ。
    笹原 倉本選手本人はすごく調子がいいらしいので、相手がハマれば早いうちに試合を組みたいなと思います(5月5日のRIZIN LANDMARKで魚井フルスイング戦が決定)。金太郎選手も回復次第、マッチメイクしたいです。
    ――TRIGGERの摩嶋一整vs金原正徳は解説の中井祐樹先生が「That's MMA!」と絶賛するほどの激闘でした。
    笹原 いやぁ「That's MMA!」Tシャツ、作りたいですよね(笑)フェザー級の門番同士の試合でしたけど、2人ともやっぱすごいですよね。
    ――摩嶋選手は負けちゃいましたけど、持ち味を出しましたね。
    笹原 摩嶋選手はスタッフ人気がすごく高いんですよ。本人は一切気がついていないと思いますけど。むしろ「なんで俺ばっかりこんな強敵とやんなきゃいけないんだ?俺はRIZINに嫌われてるのか?」って思っていても不思議じゃないですけど(笑)。
    ――摩嶋選手も牛久選手のように「ボクは敵じゃないです!」と思ってそうです!
    笹原 摩嶋選手はコロナがなければ、UFCに行っていたかもしれないですよね。仕方なくRIZINに来たわけじゃないですが、いきなり斎藤(裕)選手とやってて、勝った斎藤選手が一気に階段を駆け上がった。あそこで摩嶋選手が勝っていたら、もしかしたら逆の立場になってたかもしれないですよね。でも、現実はRIZIN3連敗。
    ――RIZINで勝つ姿が見たいってことですね。いまのところ斎藤裕、クレベル・コイケ、金原正徳と強敵が続いてますけど、だからって楽な相手を当てるんじゃなくて……。
    笹原 やっぱり実力者を当てて、手に汗を握る試合をして勝利をつかんでもらいたい。摩嶋選手に「RIZINに上がってよかった」と言うまで試合をして欲しいですもん。
    ――「勝つまで逃さない」って怖いですよ!
    笹原 はい。ここで宣言しておきますけど、摩嶋さん逃がしませんよ!
    ――勝った金原選手は試合ではあの落ち着きぶりなのに、マイクは逆にフワフワしてて……きっとシャイなんでしょうね。
    笹原 金原選手は普段からあんなノリですよね。ちょっと腰が軽いというか、落ち着きがないというか、試合内容も含めて来年40とはいい意味で思えない(笑)。
    ――「皆さん、いいお年を!」という締めも「大晦日は出られなかった自分にとって今回が大晦日」という解釈をしたんですが、そこまで深い意味がないかもしれないし(笑)。
    笹原 いつでも自分のペースでやれる選手は強いですよね。そんなタイプでパッと思いつくのは田村潔司さんなんですよ。そこはベテラン勢の強みですよね。<14000字インタビューはまだまだ続く>
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  • 【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」

    2022-04-25 18:04  
    130pt
    MMA6戦目でRIZIN女子スーパーアトム級王者となった伊澤星花インタビューです!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・“修斗伝承者”中村倫也 日本格闘技界の歴史と未来を背負う男
    ・ネオ柔道・小見川道大“引退直前”インタビュー「すべて柔道で戦ってきた」
    ・朝倉海を最初から最後まで褒め称える会
    ・浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」
    ――RIZIN.35の浜崎朱加戦はめちゃくちゃ面白い試合でした! しかも、試合後の大号泣も非常に印象的で。
    伊澤 ……ああ、そうですよねえ(苦笑)。
    ――さらに、マイクをよくよく聞いていると、なぜか悔しくて泣いているという。
    伊澤 3ラウンド終わったときに本当に悔しいと思って。もともと判定で勝つつもりではいたんですけど、3ラウンド目でちょっと気持ちが折れちゃったのが悔しくて。横田(一則・K-Clann主宰)さんに「泣くな」と言われて我慢しようと思ったら、よけいに涙が出てきちゃいました。
    ――まさか反省の涙と思わなかったから、会場もちょっとビックリしていたというか。
    伊澤 いやあ、そのときはもう自分に必死だったので、よくわからなかったです。
    ――でも、それぐらい自分の中で納得いかない部分があったということなんですか?
    伊澤 1、2ラウンドはちゃんとやりたいことができてたんですけど、3ラウンド目で一回、自分が下になっちゃったときに、そこで妥協しちゃって。下の場面が長くなって「うわ、いま私、めっちゃつまんない試合してるよ」と思っちゃって。
    ――え……? 観ていた側としては、1、2ラウンドは伊澤選手が押していたので、3ラウンド目に浜崎選手があの腕を取る体勢に入ったときは、凄く緊張感があって「つまんない」なんて1ミリも思いませんでした。
    伊澤 ホントですか? 腕十字に入る前の体勢で動きが止まっていたじゃないですか。だから「これ面白いのかなあ。でも展開するのも疲れたなあ」と。そこでずっと休んでたんですけど「やばい、何してるんだろう?」と我に返って。でも、抜けようとすると少なからずリスクもあるので「5分間このままの体勢でもいいかな……」という気持ちも湧いてきたり。
    ――そもそも、あの体勢に入られたのは何か要因があるんでしょうか?
    伊澤 テイクダウンに入られたときに、すぐ動いてリカバリーしていけばよかったんですけど、3ラウンド目だから疲れもあって動くのをやめちゃって。どんどん浜崎さんの得意なポジションに進められちゃって、動くのがしんどいところまできてしまったという感じです。
    ――1、2ラウンド伊澤選手が押してたことによって、3ラウンド目に浜崎選手が絶対に何か仕掛けてくるなという感覚はありました?
    伊澤 それは絶対来るなとは思ってたんですけど、ちょっとそこで引いちゃった部分が……だから、そこが本当に悔しくて。自分に甘さがあったなと思いました。
    ――しかし、腕を伸ばされそうになったシーンでも、一気に形勢逆転して。あの逃れ方は本当に凄かったです!
    伊澤 さすがにずっと下になってるのはヤバいなと思ったので、クラッチしていた手を一回伸ばして逃げるという動きをつくって。だから「展開をつくらなきゃ!」という一心ですよね。
    ――……ちょっと待ってください。ということは、自分からクラッチを外したということですか?
    伊澤 そうです(アッサリ)。
    ――えええええ! そうだったんですか!
    伊澤 だって、ずっと組んでると5分間その体勢で終わっちゃうじゃないですか。で、やっぱり手を伸ばすのって、その後の展開次第では極められたりもするので。リスクがあるからやりたくはなかったんですけど、でも、やらないとしょうがないし。
    ――そこで勝負に出た、と。
    伊澤 はい。そしたら、会場が沸いたから「あ、動いてよかった!」と思いました。
    ―― 一瞬「5分間ずっと同じ体勢でもいいか」と頭によぎったという話でしたが、それでも伊澤選手はそれをよしとしなかったということなんですね。
    伊澤 そうです。あれで終わってたら、お客さんは面白くないから。
    ――というか、あんなピンチの状態でも、会場が沸いているかどうかずっと気にして戦っているんですか。
    伊澤 まあ、それも人によると思うんですけど、自分は歓声が凄くうれしいんですよ。自分はコロナ禍でデビューしたので、最初の試合からずっと応援は拍手だけだったんで。でも、少しずつ緩くなってきて歓声が聞こえるようになってきたので、盛り上がってるかどうかは凄く敏感に感じますね。だから、あの瞬間の盛り上がりを聞いて「やってよかった!」と思いました。
    ――しかも、あの場面で浜崎選手が極められなかったのは、伊澤選手のほうから仕掛けて先の展開を考えてたから。
    伊澤 もう抜ける動きを考えてました。だから、さらにもう一個、浜崎さんがその逃げに対しての極めの仕掛けをやってきてたら危なかったかもしれないですけど、まあ自分が思った試合展開になったかな、と。
    ――いや、伊澤選手、凄いです!
    伊澤 まあ、判定も勝ったかなと思ったんですけど、それよりも悔しさしかなくて。やっぱり、動けなかったところの心の甘さと、体力には自信があったんですけど、キツいシーンになってくると疲れも出てくるので「やっぱり、まだまだだな」と思いました。
    ――ズバリ一番の勝因はどこだったんでしょうか?
    伊澤 やっぱり自分のほうが攻めのバリエーションを持っているというか、どのポジションからでも攻められるというところかな、と。どこにいてもダメージを与え続けているという。だから、年末の浜崎さんとの試合では下からの攻めしかしてないんですけど、今回は上からの攻めもできたので、そこはよかったのかなと思います。
    ――驚くべきスピードで成長している伊澤選手ですが、そこもさらに成長したということなんですね。
    伊澤 一番成長したのは、ずっと練習していた打撃だと思うんですけどね。前回はほとんど打撃のシーンはなかったんですけど、今回は打撃の中で組めたのがよかったのかなって。
    ――たしかに、今回は浜崎選手が距離を取って打撃の展開を選んでくる可能性もありましたよね。
    伊澤 絶対に距離を取ってくるというのは頭に入れていたので、それでも自分から打撃を出して組み付けたのがよかったのかな、と。距離を取られながらも、もう一個距離を詰められたのが。でも、自分自身、RIZINではまだ浜崎さんとしか試合をしていないので。もっと、RIZINの常連選手とも戦って、自分が一番強いんだぞというところを見せたいですね。
    ――試合後のマイクでもトーナメント開催を望んでいましたが……、正直、伊澤選手はもう充分に一番強いと思われているんじゃないですか? 「『○○選手を倒してないから一番じゃない』と言われちゃう」とコメントされてましたけど、浜崎選手を倒したことで、誰もそんなこと思わないんじゃないか、と。
    伊澤 あ、ホントですか? そこはでも……どうなんですかね?
    ――そこらへんは、自分でもあんまり自分のことわかってない感じなんですかね?
    伊澤 あんまり状況がわかってないかもしれないです(苦笑)。
    ――伊澤選手の強さにみんなが驚いてるというのも、あんまりわかってない?
    伊澤 たぶん、周りの評価と自己評価がいま凄くゴチャゴチャで……。
    ――じゃあ、周りから「凄い、凄い」と言ってもらっても、よくわからない感じなんですか?
    伊澤 自分のことだけど「ああ、そうなんだ……」みたいな。正直、他人事という感じですかね。
    ――たとえば、伊澤選手はよく「自分にはまだまだ弱い部分がある」と言われますけど、それはいったい何と比較してそう思っちゃうんでしょう?
    伊澤 自分の理想像というかゴールというか。だから、自分の中の理想像と比べて“まだまだ”なんだと思います。
    ――つまり、もっとコンプリートされた伊澤星花が自分の中にあるわけですね。
    伊澤 そうです! そこと比べたら甘いところばかりなんですよ。だから、対戦相手によって試合へのモチベーションが変わる選手もいると思うんですけど、自分としては誰とやるとかは関係なくて。どんな相手とやるときでも、そこでできる自分の最高のパフォーマンスをできれば100点をあげるし、できなければ全然ダメだしという。
    ――聞くところによると、練習でも男子選手とスパーして負けたりするとギャン泣きしているそうですね。
    伊澤 ああ、今回も試合前は相当ギャン泣きしてましたねえ(苦笑)。じつは、試合前の2週間切ったぐらいの時期にカンピロバクターになってしまって……。つまり、胃腸炎みたいな感じなんですけど。
    ――え、そうだったんですか?
    伊澤 だから全然走れなくなって、体力が全然戻らなくて。でも、試合の2週間前というのはちょうど追い込み時期じゃないですか。だから、追い込みで男子選手とスパーするときに、けっこう横田さんは気を遣って選手のモチベーションを上げようとしてくれるんで、その男子選手に「……手を抜いてやれ」と言ってるのが聞こえちゃって。
    ――うわ~~。横田さん、もっと小声じゃないとダメですね!
    伊澤 スパーの一本目は弟の風我とやってて、弟からいいポジションを取ったのに極められなくて、立たれちゃって。そこで気持ちが折れてた自分を見て、横田さんが次にやる子に「手を抜いてやれ」と。それが聞こえちゃったので、「うわ、手を抜かれるのか……」と思いながらその男子選手とスパーしたら、ちゃんと手を抜いてくるんですよ(笑)。
    ――ハハハハハ。
    伊澤 だから、それが悔しくて。一本獲ってブワーっと泣いて、勝ってるのに泣いてる、極めながら泣いてるみたいな。そういうのが今回では一番印象的なギャン泣きですね(笑)。<1万字インタビューはまだまだ続く>この続きと、伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事15本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • 【RIZIN35レビュー】我々は斎藤裕、浜崎朱加の戦いを見届ける義務がある

    2022-04-24 11:27  
    130pt
    この記事はRIZIN35を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎「偶然じゃないことを証明する」
    ・浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」
    ・自由すぎる投神・倉本一真「RIZINに出るまでは週3の練習だったのを奥さんが……」
    ・ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」
    いやあー、RIZIN35は盛り上がりましたねぇ。とくに休憩明けの後半4試合はひとつのパッケージとしてここまで完成度が高くて、泣けるというか、ドラマティックな流れはそうそうないかなと。それぞれ繋がりのない4試合なんですけど、RIZINとしてのグルーヴ感があった。日本格闘技の歴史やRIZINがやりたいことのすべてが表現されている4試合だったんじゃないかなって見えました。
    休憩明け一発目が日本ヘビー級を背負ってきた高阪剛52歳の引退試合。世界のTKの歩みは日本格闘技界のそれですよ。ここ最近は「強くなるならアメリカ」という議論が白熱してますが、TKが90年代に単独で海を渡ってシアトルを拠点して活動していたのはご存知のとおり。そこから広がっていったものも数知れずで、TKの渡米がなかったらパートナーで立ち技の帝王だったモーリス・スミスのUFC戴冠がなかったかもしれないし、すなわちストライカー時代の到来は遅れていた。シアトルでお世話になった日本人格闘家はたくさんいましたから、日本の総合の進化はTKの功績ともいえます。
    この続きと、伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事15本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-04-20 10:14  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはさらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール
    ■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――今月のテーマはWWE年間最大の祭典レッスルマニアです。
    フミ 今大会で38回目の開催となるレッスルマニアは盛り上がりました。私事でたいへん恐縮ですが、新型コロナの時代になって2020年、2021年、2022年と3年連続でレッスルマニアの現地取材をミスってしまいました。
    ――現地取材があたりまえだったことが羨ましいです! コロナ情勢も変わってきていますから、来年は行けそうですかね。
    フミ もう何がなんでも行こうと思っています。来年のレッスルマニアも4月1日と4月2日の2日間の日程でロサンゼルスのSoFiスタジアムで開催されます。
    ――今回のレッスルマニアも仕掛けが盛りだくさんでしたね。
    フミ レッスルマニアは毎年「史上最大」を煽っているんですが、今年は例年以上にそういう手法の宣伝になっていました。
    ――ボジョレーヌーヴォー解禁の「ここ数年で一番のでき」なんて煽りじゃないですけど(笑)。
    フミ 今年のレッスルマニアには“ストゥーペンデスStupendous”というサブタイトルがつけられていた。ストゥーペンデスとはイタリア語由来の単語で「巨大な」「とてつもない」「驚くべき」「膨大な」「途方もない」という意味です。この単語がレッスルマニアのロゴの下にドカンと記されていました。
    ――それくらいの意気込みのレッスルマニアだったんですね。
    フミ 2日目のメインイベントのローマン・レインズvsブロック・レスナーは「レッスルマニア史上最大の決戦」と謳われていました。レッスルマニアのメインイベントといえば、もちろん史上最大の決戦ですが、WWEヘビー級王者のブロック・レスナーとユニバーサル王者のローマン・レインズの王座統一戦は、タイトルマッチのスケールとしても“史上最大の決戦”だからその看板に偽りはなかった。
    ――そんなレッスルマニアの2日間なんですけども、その前日から見どころがあったそうですね。
    フミ 前日に“ホール・オブ・フェイム”、WWE殿堂入りの式典がありました。今年はジ・アンダーテイカー、ベイダー、スタイナー兄弟、シャーメル、“ウォリアー・アワード”部門でシャド・ガスパードの5組が殿堂入り。金曜夜の『スマックダウン』の枠を使ってのテレビ番組として2時間の作りになっていたんですが、後半1時間はアンダーテイカーが独り占めした。
    ――さすがWWE最大のスーパースターのひとりですね。
    フミ 興味深かったのは、アンダーテイカーがいつもの“墓掘り人”のコスチュームではなく、髪の毛をまとめて後ろで結んで黒のスーツ姿で登場してきたことでした。いわゆる正装です。そしてマーク・キャラウェイ、ジ・アンダーテイカーと本名で紹介されました。アンダーテイカーは「レスト・イン・ピース」がキャッチフレーズの基本的にはあまり喋らないキャラクターなのですが、今回は「あれ、こんな地声だったんだ」とみんなが驚くくらい、マーク・キャラウェイの肉声で長いスピーチしました。
    ――アンダーテイカーは誰もが知ってるけど、その声は聞いたことがない人が大半なんでしょうね。
    フミ このセレモニーには毎年、殿堂入りするインダクティーを紹介するインダクターがそれぞれつくんです。数年前、スタン・ハンセンが殿堂入りしたときのインダクターはかつて死闘を繰り広げたベイダーだった。今回、リング上からテイカーさんを紹介したのは、ビンス・マクマホンでした。
    ――最高級の待遇!
    フミ あくまでも別格ということですね。まずビンス御大が出てきて、テイカーさんがこれまでレッスルマニアの大舞台で闘った20数名のWWEスーパースターズの名前をひとりずつリストアップしていったんですが、一度も噛まず、よどみなく、しかもかなり早口で全員を紹介したのはさすがビンスでした。そしてテイカーさんが登場すると、スピーチを始める前にアリーナ全体から「サンキュー、テイカー!!」という大コールが巻き起こったので、さすがのテイカーさんもちょっと涙くんで、声をつまらせてしまった。それでなかなかスピーチが始まらなかったんです。
    ――墓掘人の目にも涙……。
    フミ テイカーさんは「今日はアンダーテイカーとしてではなく、オレの声で本当のことをみんなに伝えていく」と前置きしてから、まず「アンダーテイカーをずっと演じるためには、3つの犠牲が必要だった」と語った。それはファミリー、ヘルス(健康)、プライバシー。この3つを犠牲にすることで“架空の人物”アンダーテイカーは成立していたということですね。
    ――つまり普通の生活と引き換えに……ってことですね。
    フミ テイカーさんはみずからの活動期間をレッスルマニア7(1991年)からレッスルマニア38(2022年)、つまり今回のHOFセレモニーまでというふうに数えていました。そのあいだのレッスルマニアにはほぼすべて出場していますからね(1994年、2000年の2大会は負傷のため欠場)。
    ――それもすごいキャリアですね。
    フミ 2014年(レッスルマニア30)にブロック・レスナーに敗れるまでレッスルマニアで21連勝という前人未到の大記録を築きました。スピーチの中では自分が信頼する人たちとして、ステファニー・マクマホンとシェーン・マクマホン、親友だったゴッドファーザー、プライベートで仲の良かったブライアン“クラッシュ”アダムス、マネージャーだったポール・ベアラーらとの思い出を語った。そしてビンスについては「最初は自分のことをあまり買ってくれていなかったんだけど、アンダーテイカーのアイディアの実現に向けて、誰よりも尽力してくれたのはビンス自身だった」と語った。アンダーテイカーとして成功していくためには3つのモットーがあった。1つはパーセプション・イズ・リアリティPerception is Reality。「認識が現実だ」という言葉があって、どういうことかというと、自分が伝えたかったことがその通りに相手に伝わるとは限らない。しかし、みんながそう思ってくれたことが現実になる。それが現実なんだという意味ですね。アンダーテイカーがアンダーテイカーとして成立したのは、みなさんが自分のことをアンダーテイカーとして認識してくれたからで、だから自分もまたアンダーテイカーになることができたんだということですね。
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  • これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件

    2022-04-15 00:00  
    130pt

    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件」です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件
    ・AEW設立メンバー、コーディ・ローデス離脱
    ・「同時多発テロはブッシュの自作自演」…問題発言で参戦中止にされたプロレスラー
    ・血を流すとはなんて残酷なんだ!WWEが流血プロレスを批判
    晴れの大舞台で王座に返り咲き、活躍が期待されていたNXTタッグ新王者が、王座獲得のわずか4日後に突然、解雇されてしまった。王座獲得後、新王者の妻への家庭内暴力問題疑惑が明るみになったからだ。
    2年前に、プロレス版セクハラ告発運動「#SpeakingOut(声に出して言う)」が起きた際、WWEは、以下のような厳格な対応を取ることを表明していた。
    「家庭内暴力、児童虐待、性的暴行については、ゼロ・トレランス方式(非寛容で毅然たる対応)での容赦ない厳しい対処(罰金、停職、解雇)を取ります」
    そのポリシーに従い、即刻解雇という容赦のない処分を受けたのは、人気タッグチームMSKの1人ナッシュ・カーター。そして、虐待を受けていたとされ、ナッシュを告発した彼の妻は、IMPACT!やインディーでは、流血をも恐れない男勝りでハードコアな試合もこなす女子プロレスラーのキンバー・リーであった。
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  • JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士

    2022-04-15 00:00  
    130pt
    日本ボクシング界の手綱を握る日本ボクシングコミッション(JBC)が財政難を理由に解散……いったい何が起きているのか。JBスポーツの山田武士トレーナーに話を伺いました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事110円から購入できるバックナンバー】・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
    ・強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
    ・【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔
    ・ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」
    ――亀田兄弟の訴訟に関する賠償金のニュースを受けて、JBC(日本ボクシングコミッション)の財政難と解散が報じられました。そこでボクシング界隈で何が起こっているのかを山田さんにおうかがいしたいんですが……。
    山田 最初に結論からいうと、JBCは解散しますが、いままでどおりボクシング界は回っていきます。組織としてはやらなきゃいけないことはありますけどね。
    ――そもそもJBCってなぜこんなにお金がないんでしょうか?
    山田 もともとJBCはけっこうなお金をプールしていたんですよ。それは健保金という名目で、選手が試合をするたびにファイトマネーの1~2パーセントを積み立てていて、そのお金でいろんな事故に対応していたんですけども。
    ――つまり、選手がケガなどで何かあったときのための積立金。システムとしては素晴らしいですけど……。
    山田 ちょっと脱線しますけど、コロナのちょっと前にボクが、笹原(圭一・RIZIN広報)さん、佐伯(繁・DEEP代表)さん、あとは大沢ケンジさんや梅木(良則レフェリー)さんとか、みんなを集めてこの健保金の話をしたことがあったんですよね。というのも、MMAやキックでは、選手がケガをすると興行主が補填するので凄く大変じゃないですか。
    ――選手が試合用の保険に入れるわけじゃないから。
    山田 そこでMMAの首脳陣が「ボクシングの健保金を学びたい」ということで、JBCとコンタクトを取る話があって。そうしたら世の中がコロナになっちゃって、ドタバタしているあいだに亀田兄弟が裁判を起こしてという。
    ――そんな大プロジェクトが動くきっかけが、Dropkickの山田さんインタビューだったという話は聞いてましたよ!(笑)。
    山田 もしコロナがなかったら、面白いことになっていたかもしれないんですよねぇ。
    ――今回の亀田さん以前にもJBCは裁判を抱えてましたよね?
    山田 JBCの事務局長だった安河内(剛)さんが、JBCから不当に懲戒解雇処分を受けたということで裁判になりましたし、亀田家でいえば、今回の裁判の前に、JBCの関係者が亀田陣営の恫喝を捏造したという案件もあったし。
    ――そういった裁判の賠償金は、そのJBCのお金から払われていたんですか?
    山田 そうなりますね。でも、日本プロボクシング協会から、健保金の扱いについて指摘を受けてまして。
    ――JBCは、ライセンス発行など日本においてプロボクシングの競技を統括する機関で、そのJBCと協力して興行を行うプロボクシングジム経営者による団体が、日本プロボクシング協会ですよね。
    山田 その協会とJBCが健保金の扱いを巡っていろいろあって……協会もコロナで大変だったんですよ。コロナ禍の中で新人王を全部無観客でやり続けましたから。
    ――配信で稼げる感じでもないし、確実に赤字じゃないですか!
    山田 そうなんですよ。西日本、東日本、すべての興行を無観客でやってたんで、ビジネス的には赤字じゃないですか。
    ――そこまでして興行を回したかったんですね。
    山田 でも、当時ボクらのジムに所属している選手だって、1年半ぐらい日本タイトルマッチすらできてないんですよ、「新人王は50年間毎年行われてきた伝統的な大会だから」という理由で、絶対にやめさせなかったんですよね。それを2年間ずっとやり続けたことと、あとは本当にコロナでロックダウン状態だった時期に、全国のジムに見舞金を払ったんですよね。全国に300ぐらいジムがあるんですけど、ひとつのジムに10~20万円。
    ――ジムからするとありがたいけど、協会にとっては大金ですね……。
    山田 それも、プロが50人いようが、プロがゼロだろうが金額は一緒という。まあ、そこで差をつけちゃうとガチャガチャなるということで、一律にしたみたいなんですけど。そうやってお金は出ていく一方だけど、コロナ禍だから試合もないし収入はない。あと協会の人間が突然辞任したことで混乱はしてたんですよね。
    ――そして今回の亀田裁判での多額の賠償金。
    山田 ただ、今回判決が出た大毅くんとの問題は完全にJBCが悪いじゃないですか。だって、WBA・IBFのタイトル統一戦でWBA王者の対戦相手が体重オーバーでしたんだけど、試合は行なわれてIBF王者の大毅くんが判定で負けた。でも、相手が体重オーバーしてたからWBAは空位、IBFは大毅くんが王者のままだったんだけど。
    ――ルールミーティングではIBFも空位になるとアナウンスされていたとして、この混乱はなぜか亀田側に責任があるとJBCが追求したんですよね。
    山田 IBF側も「相手が体重オーバーの場合、チャンピオン(=亀田大毅)はタイトルを保有しつづけてOK」と言ったんだけどね。そこをJBC側が問題視して、大毅くんたちも叩かれて。「(大毅は)勝っても負けても王座にとどまることを事前に知っていながら、その報告を怠り公表もしなかった」ということで、その後、亀田くんたちはライセンスが降りなくなっちゃいましたよね。
    ――それで亀田家はボクシング人生を大きく変えられてしまったわけですね。
    山田 それが原因で三軒茶屋のジムも潰れちゃったわけだから。JBCは誰も責任を取ってないんですよ。
    ――よくわからないのは、捏造までしてJBCが亀田家を攻撃する理由ってなんだったんですかね?
    山田 一言でいうと、アレルギーなんですよ。亀田家に対するボクシング業界のアレルギーというか。いまボクは5月の大阪興行を興毅くんと一緒にやらせてもらっているのでよく連絡を取り合っているんですけど。興毅くんから直接は言われないものの、やっぱりアレルギーがまだあるみたいですからねえ。いま亀田くんたちはABEMAとタッグを組んでいろんな企画を動かしているじゃないですか。TKO木下隆行をリングに上げたり、YouTuberのゆたぽんを動かしたり。JBCはいまこの時代だから許してますけど、たぶん、ひと昔前なら何か言われているはずですよね。
    ――そういえはABEMAの那須川天心vs亀田興毅企画の前日にJBCはリリースを流してましたもんね。「ボクシングの名のもとに、商業性のみを追求するイベント、企画などへの関与、協力はしない」と。天心vs亀田のことではないということでしたけど(笑)。
    山田 でも、いま亀田くんがいなかったらABEMAでもボクシングはやってないわけで、亀田くんの存在はもの凄く大事だとボクは思うんですよ。だから、ボクは興毅くんには「何かあったらいつでも言ってくれ」と言ってるんですけどね。ウチから選手もどんどん出すし、ちゃんとキャラもつくって勝負させるからと。でも、ほかのジムは亀田くんたちが連絡しても取り合わないし、一緒にはやらないという姿勢みたいで。
    ――亀田アレルギーは強いんですねぇ。
    山田 で、今回のことでJBCも解散することになってますけど、もう1回しっかりやれば再生できるので。ただ、亀田くんたちに払わないといけない賠償金をどうやって払うのかという問題はありますけど。
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  • 【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏

    2022-04-12 11:46  
    130pt

    UWFの熱を浴びて人生を変えられた方々にあの運動体を振り返ってもらう「こじらせU系・第6弾」。今回は『さらば雑司ケ谷』や『民宿雪国』などの作品で知られる小説家・樋口毅宏氏が再登場! 高田延彦のこじらせトーク! ボーナストラックとして樋口さんの短編プロレス小説『最強のいちばん長い日』も掲載(聞き手/ジャン斉藤)
    【1記事から購入できる「こじらせU系」バックナンバー】・前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏

    ・ハードヒット王・和田拓也「田村潔司に習っても強くなれない」・黒いパンツのプロレスラー中村大介「“UWFごっこ”にはしたくない」

     ・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」・関根“シュレック”秀樹「Uインターが新日本に負けるとは思わなかった」
    ――前回の前田日明編はかなりの反響がありまして、樋口さんのところにもいろんな声が届いたと思うんですけど。
    樋口 同意、賛同はある一方で前田日明ガチ主義者の方からすると……。
    ――硬い反応もありましたね(笑)。
    樋口 でも、全文は読んでないで批判してるなっていう人も見受けられましたけど。
    ――全文を読んでも樋口さんに批判的な感想を持つんだろうなって思いました!
    樋口 そう思います?
    ――大雑把にいえば、あの記事は「前田日明のいいところも悪いところも語りたい」内容なので「前田日明のいいところだけを語りたい」人からすれば許せない。Uが分裂していったようにUのファンも分かれていったのかなと。
    樋口 しかし、前田について語ったらハズレはないですよね。吉田豪さんが「猪木本にハズレなし」というふうに言ってたように前田日明の話も絶対に面白いですから。やっぱりみんな前田のことが大好きなんだもん。
    ――みんな熱いですよね。樋口さんの語りに喜んだり、怒ったりする人がたくさんいるので、前田日明というエネルギー体は本当に終わってないんだなって。
    樋口 まあ、たしかに終わってないですよ。日本プロレス史上、5本指に入る面白さ。前田日明について考えることは悦びですよ。
    ――ターザン山本っぽいまとめですね(笑)。あの樋口さんの記事がきっかけでこうして「こじらせU系」企画が始まったわけですが、今回のテーマは高田延彦さんです。現役時代の功績からすると過小評価されてるというか、プロレスファンのイメージもあんまりよくないですよね。
    樋口 というか、ツイッターでは斉藤さんが高田に一番厳しいですよ(笑)。
    ――よく言われます!(笑)。でも、高田キャプテンの政治や格闘技に関するトンチンカンなツイートは批判しますけど、プロレスラー格闘家としての低評価だったことはないんですよ。北尾光司戦のハイキックKO勝ちに今頃批判的な声を寄せる奴には憤りさえありますし。あれこそみんなが見たかったUのはずなのに!って。RIZINになってからはイマイチになっちゃってますけど、PRIDE時代の「鳥肌立った!」な解説業を絶賛していたのはボクだけだったりしますし。
    樋口 ボクも高田のことは昔から大好きで。じつは生まれて初めてもらった有名人のサインって高田延彦なんです。小学生のとき、池袋の『レッスル』で。
    ――懐かしいですね、プロレスショップ『レッスル』(笑)。
    樋口 商品を1000円以上買うと高田延彦にサインしてもらえるっていうんで、朝早くから兄貴と文芸座のそばのマンションの1室に行って。時間になると、高田が階段をトントントンとさっそうと上がって来て。目の前でサインしてもらったんです。当時からスター性があったんですが、「高田はナンバー2」という目線がいまでも根強いですよね。前田日明派のファンは高田を認めないところはありますし。
    ――新日本時代から新生UWFまで、高田さんは前田さんの次というポジションでしたね。
    樋口 プロレス界には「ナンバー2の歴史」がありますよね。猪木さんが馬場さんを、天龍さんが鶴田さんを、中邑真輔が棚橋弘至を超えようとして光り輝いた。面白いことに、みんな団体を出てるんですけど、要するに次男坊が長男を超えるためには実家を出ることが必要なんでしょうね。前田と高田ってすごく仲が良かったというか、兄弟みたいな間柄でしたから。高田は前田日明を立てていたし。そういった家族みたいな関係がゆえに一旦こじれたら元に戻らないものですよね。
    ――2人はPRIDE1のヒクソン・グレイシー戦後あたりから疎遠になったみたいですね。前田さんからすれば新生UWF解散は高田さんのクーデターだったとか、ヒクソン戦を横取りされたとかで堪忍袋の緒が切れたみたいですけど。
    樋口 「高田、計画的クーデター成功」。あのときの『週刊プロレス』の煽り方! ターザン山本のせい(笑)。自分が発掘してきたリングスの外国人をPRIDEに取られたこともあったけど、トドメは『泣き虫』で前田の出自に触れたことでしょうね。
    ――前田さんが高田さんに「どこかでつながってるかもしれへんな」と話しかけたって話ですね。ただ新生UWFのクーデターやヒクソン横取りは前田さんの思い違いなんじゃないかなって点もあるし、高田さん自身も前田さんのことを拒絶してる感じが伝わってくるんですね。
    樋口 Uインターが旗揚げした後、高田が『週プロ』の巻頭インタビューで「UWFはあの人と兄弟でした」と。過去形か(笑)。別々になったことで兄弟の縁は切れた、あの関係性は卒業したっていうことを匂わせてはいましたよね。
    ――Uインター旗揚げの中心人物だった宮戸優光さんも当初は船木誠勝エース構想だったけど、船木さんが藤原喜明さんと一緒にメガネスーパー傘下に入るから急遽高田さんを担ぎ上げたということですし。で、高田さんは最後まで前田さんとやりたいという姿勢だったんですよね。高田さんの二度の新日本プロレス離脱にしても、あのまま新日本に残っていればスターになれたのに外に出て。
    樋口 それはホントに「新日本プロレス最大のif」なんですよね。もし高田延彦が第2次UWFに移籍しなかったら……高田があのまま新日本に残ってたら闘魂三銃士の天下はなかった。高田延彦が時代を築き上げてたと思う。ケニー・オメガからAEWに誘われたけど行かなかった飯伏幸太がG1制覇とIWGPのベルトをもらえたように。論功行賞。
    ――高田さんはストロングスタイルをやれるし、どんな試合でも着地させることができる天才肌ですよね。怖さがあるし、大人でもある。
    樋口 忘れられないシーンがあります。87年末、両国国技館で暴動。明けて88年、新日が後楽園ホールで開幕したとき、高田が小林邦昭とのシングルだったかな?野次が飛んだんですよ。そうしたら高田がフェンスを蹴って北側を睨んだの。会場が静まり返りました。あのときの凄み! 大人といえば、前田の長州力顔面襲撃のときにあっけなくフォール負けして事態を収拾するところですね。
    ――逆に空気を読まないでやっちゃうキラーぶりもあるわけですよね。
    樋口 高田が初めからトップに立ちたい志向があったら、第二次Uの前に、前田にサヨナラって言いますよね。思ったんだけど、高田ってやっぱり憧れ体質な人なんだと思う。そもそも新日本に入る動機はアントニオ猪木の憧れだった。人生で一番の目標が新日本プロレスに入ることだったんだけど、17歳でその夢がかなっちゃったってことはテレビで言ってます。猪木の次はダイナマイト・キッド。ぶすっとした顔のキッドに高田が満面の笑みで頭を下げて両手で握手してる写真がありますけど。前田にも思慕や恭順が確実にあった。もし長州との騒動を穏便に済むことができたら、新生UWFやUインターはなかっただろうし、あのままずっとナンバー2だったでしょう。
    ――高田さんは野心的ではないですけど、何か純粋なところがあったのかなと。だからこそストロングスタイルを追求するUに……。初めてエースとして担ぎ上げられたのがUインターでしたけど。
    樋口 当時のUインターのイメージって第2次UWFマイナス前田日明、と藤原喜明、船木誠勝、鈴木みのる。つまり残党的なイメージしかない中で、高田が神輿として担がれたけど。いったいUインターとはなんだったのかといえば、多くの人が指摘していますけど、明らかに宮戸ですよね。宮戸は理想主義者だけど、自分の肉体性ではリングで表現することは到底、及ばなくて。そこで自分の理想を託したのが高田延彦。新日本はUインターの精神的支柱が宮戸だってわかっているから、対抗戦をやるときに宮戸を排除したんですよね。一番うるさい人間を最初に取り除いた。
    ――宮戸さんがプロデュースするUインターは、プロレスに回帰したからこそうまくいったんですが、一番先鋭的でしたね。
    樋口 やっぱりそれは絶えず経営難だったからだと思います。リングスにはWOWOWがついてたし、藤原組にはメガネスーパーがついていたけれど、Uインターは何もなくて。だから攻めないといけなかった。Uインターが潰れたあとぐらいかな。ターザン山本のインタビューなんかでも高田は「儲からない」を繰り返していて。それは月1回の興行なんだから、あたりまえなんですね。ボクはUインターが大好きで、武道館、横アリ、真冬の神宮球場にも行ったりしましたけど。神宮は寒かったです。
    ――Uインターはプロレス回帰路線だったことに違和感はなかったですか?
    樋口 当時はべつに……。『紙のプロレス』で花くまゆうさく先生の漫画の中で、松本人志がUWFを見に行ったという話を描いていて。花くま先生は「松っちゃんがあれをUWFと思ってしまう……」みたいな感想だったんです。でも、ボクはあれはあれでプロレスとしてホント面白かったなって。<13000字インタビューはまだまだ続く>
    この続きと、伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事15本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー

    2022-04-08 15:04  
    130pt
    ウェルター級でも強さを発揮した修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・恐るべき北の闘争家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和インタビュー
    ・【こじらせU系】関根“シュレック”秀樹「Uインターが新日本に負けるとは思わなかった」
    ・平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」
    ・“修斗伝承者”中村倫也 日本格闘技界の歴史と未来を背負う男
    ――修斗の山田崇太郎戦はすごかったです!
    西川 ありがとうございます。
    ――1階級上のウェルター級初戦で、日本屈指のグラップラー相手に腕十字で一本勝ち。もちろん反響はすごかったんじゃないですか。
    西川 そうですね。やはり今回の試合に関しては、ボクが負けるという予想が格闘家や関係者のあいだに多かったこともあったと思うんですね。一緒に練習してる仲間の方々からは「勝てるんじゃない」という声がありましたけど、東京の選手たちは「今回の西川はキツイんじゃないか」と。自分自身では「行けるでしょう」と信じながら戦った結果、こんな試合になりました。
    ――そういった「西川不利」の予想はどう思われていたんですか?
    西川 東京に拠点を置いて練習すると、練習での強さがみんなに伝わりやすいところはありますね。選手や関係者に早く届きます。北海道や地方だと「あの人って強いの?」ってモノサシの基準がわからないと思うんですよ。
    ――交流が限られることで強さが伝わりにくいと。
    西川 モノサシの基準ってやっぱり練習が一番だと思ってるんですよね。やっぱり試合ですべて出しきれるかといったら、そうではなかったりするので。それはボク自身もそうですし、皆さんもそうですけど、練習が強さの基準になるのかなと思うんですよ。そうなるとボクの基準というのは北海道にいることで、なかなか皆さんやっぱり目にすることもないし、話を聞くこともないこともあって判断しづらいですよね。だからナメている選手のほうが多いのかなとは思います。
    ――下馬評が低かった理由に、ウェルター級転向初戦ということもあると思いますか?
    西川 階級を1つ上げるということは、やっぱり勇気がいると思うんですよ。勇気がいるということは、普通の人でいえば「怖い」という気持ちがあるってことですよね。そこを跳ね除けての試合なんで反対する人のほうが多いかなと。その怖さがあるから「西川は負ける」と予想されたんじゃないですかね。
    ――階級の壁や山田選手のグラップラーとしての幻想に飲み込まれてしまうような不安はなかったんですか?
    西川 よく皆さんは試合の前から「あの選手、強い」とか「この選手、ヤバイ」という話をすると思うんですよ。でも、試合になってみないとわからないことって多いと思うんですよね。いくら「あの選手のパンチ力はヤバイ」「寝技の極め力がすごいよ」って動画で言っても、それを見てる人には伝わるかもしれないですけど。じゃあ“対自分”になったときに通用するの?という話になると、またそれも変わってくると思うんです。それは逆にいえば自分のスタイルにも言えることで、対戦相手に通用するかもわからないです
    ――極端なことをいえば、情報はすべて先入観にすぎないってことですね。
    西川 ボクが練習に集中した生活を送りたいというのは、そこなんですよ。対戦相手の動画で見て研究するのも悪くないんですけど、仮に作戦がハマらなかったときに誰が助けてくれるの?となったら自分しかいないじゃないですか。これはすごく言いたいことなんですけど、普段の練習から試合していると思ったほうがいいですよね。すべてにおいて「戦うということはなんなのか?」っていう準備を普段からしてこそファイターだと思ってるので。ここらへんの意識の違いが今回の試合に出たのかなと思います。
    ――普段からそういった姿勢で練習していないと、緊張感や興奮に包まれる試合では実力が発揮できないこともあるってことですかね。
    西川 そうですね。余裕を持ったり、心をリラックスしながら練習することもいいとは思うんです。ボクはそれを許さないタイプの人間なんで、普段から気を引き締める。誰かと仲良くしようとしてるわけじゃないので、戦いというのは。
    ――こうして冷静な語り口な西川選手ですけど、試合では闘志溢れていますよね。練習のときも試合のテンションに近いということですか?
    西川 常に試合を想像して、不利なところもあれば有利なところもあるってことを想像しながらの練習を意識してるので、やっぱり緊張感は出ますよね。
    ――そういった練習が試合でも効いてくるってことですね
    西川 やっぱり格闘技は「やるか、やられるか」なのでメンタルを左右する競技だと思ってまして。なので、普段から緊張感は自然と出るような感じになります。どんなに強い相手だろうが、どんなに弱い相手だろうが、体重が軽い相手だろうが、向こうは自分を倒しにくるわけじゃないですか。やりにきてるわけですから練習も戦いというか、気を抜かないことはやっぱり大切ですよね。
    ――それこそ練習じゃなくて、普段の生活からそういう感じなんでしょうね。
    西川 ああ、だから結局1人なんですかね(苦笑)。
    ――だんだんと友達が少なくなっていく……みたいなことをおっしゃってましたけど。
    西川 もともと少なかったわけではないんですよ。こんな感じで話したりするタイプの人間でもなかったので、おちゃらけタイプの感じで。
    ――あ、そうなんですか(笑)。
    西川 ボクの中学生のときの同級生に話を聞いたらビックリすると思いますよ。もう中身は全部変わっちゃった感じですから。そうやって変わってしまったことで、ボクから疎遠になったわけではなくて、周りが近づいてこなくなったって感じですね。
    ――それだけ志が高いってことなんでしょうね。
    西川 そうおっしゃってくださると嬉しいですけど。
    ――そういう意識を積み重ねることで、試合中にも混乱しないわけですか?
    西川 そうですね。いまも話したとおり、試合になれば相手はボクに対してやりにくるわけじゃないですか。なので、ボクが試合を100パーセント、コントロールできるものではないと思うんですよ。相手はやりにきてるんだから、自分もやられて当然だっていう意識を持つ。そこで自分もやりにいくことで、お互いが交差するのが戦いじゃないのかなと思ってて。自分がダウンすることもあれば、獲られそうになるってことは常に頭と心に置いてあります。
    ――完璧に戦えることは想定しないと。
    西川 ないです。戦いに完璧はないです(キッパリ)。
    ――たとえば今回の試合で最初に組んだとき、山田選手とのフィジカル差は感じませんでした?
    西川 同じ体重なのでバカみたいなフィジカル差は感じないんですけど。今回にかぎらず、北海道では感じることのできないフィジカルだったり、それこそスピードだったり、そういうものを試合で感じたことはよくありますね。でも、それは相手も同じだと思うんですよ。いままでやったことないようなスタイルだったり、フィジカルだったり、スピードだったり、身体の圧力、そして気持ちの圧力、それらをボクから感じた選手もいると思うんですよ。そこはオアイコですよね。どっちもどっちです。
    ――あのファーストコンタクトで心を乱さないのはさすがですねぇ。
    西川 その選手が持ってるバックボーンにビビらないってことが一番大きいんですよ。たとえば空手やボクシングのバックボーンを持っている選手もいますが、それは空手とボクシングでの実績でもあり、今回はグラップリングの実績ですよね。たしかにそこでやり合ったら強いです。逆にいえば、自分は幼少期から総合格闘技をやってきてるわけです。
    ――ああ、なるほど。西川選手の庭、総合格闘技で戦うわけですもんね。
    西川 総合格闘技というのは打撃もあるし、組みもあるし、寝技もあるし、得意ではない分野で戦うことを意識しないといけないです。そうなると、力が半減することもありえますよね。たとえばグラップリングがバックボーンの選手も、打撃がバックボーンの選手も、総合格闘技になったら、その力が40パーセントに落ちる場合もあれば、ヘタしたらゼロになる場合もある。逆にその自信を逆手に取ることもあるんですよ。自信を持ちすぎて、逆に動きが固くなる選手もいます。パンチ力にすごい自信があって「これさえ当たれば……」と考えてしまうことで固くなっちゃうんです。
    ――自信を持ちすぎちゃってプランB、プランCの選択ができなくなると。グラップリングという分野において山田選手は圧倒的な強さがあるけど、総合格闘技の戦いに持ちこめばわからないし、こういう結果になったということですね。
    西川 総合でよくあるのがグラップリングの強い選手が打撃の選手相手にパンチでダウンを奪うことですね。それは寝技に特化した圧力があるから、スタンドでパンチが当たりやすくなる。逆に今回のボクみたいにグラップリングが強い相手から一本を獲ることもあるわけです。今回の試合に関しても、もしかしたら自分が極められたかもしれないし、スタンドでKOをされたかもしれない。実際にやってみないとわからなかったと思いますね。
    ――それほど展開が複雑な競技ってことですね。
    西川 注意するところが多いですし、メンタルも意識しないといけない。相手が自分の不得意な分野を突いてくることはあたりまえにありますから、自信を持ちすぎてもいけない。いろいろと考えると悩んでくるし、怖くもなってくるし、そうなった状態で自分の持ってる力を試合で出せるの?ってことですよね。
    ――本当に“総合”が問われる競技。
    西川 悪い言い方をすると、総合格闘技って卑怯な競技ですよね。――卑怯な競技! 西川選手の発想は面白いですねぇ。19歳とは思えないです。<1万字インタビューはまだまだ続く>
    この続きと、伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事15本の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2094382
     
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