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記事 19件
  • 【13万字・記事17本詰め合わせセット】佐藤大輔、『Breaking Down』、神龍誠、青柳館長、ターザン後藤

    2022-07-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part103大好評記事17本13万字で600円!!(税込み)
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    part103
    ◎THE MATCH総合演出・佐藤大輔「天心も武尊もちゃんと送り出せる映像を作りたかった」

    ◎佐藤大輔インタビューの面白さを解説する会

    ◎松根良太インタビュー  いかにして「沖縄から世界」は結実したのか

    ◎【電撃連戦】山本空良「ケラモフに勝って……斎藤裕選手と戦いたいです!」

    ◎【所英男戦!】UFC王手の神龍誠がRIZINに出る理由

    ◎RIZIN沖縄は内容的にも金銭的にも「大負け」です■笹原圭一

    ◎木下憂朔ラスベガスUFCコンテンターズ出場

    ◎平本蓮とRIZINの契約、井上直樹vs瀧澤謙太、PFLとベアナックルは美味しい■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎【RIZINデビュー】強くてかわいくて極めれる17歳JK柔術家!!  須田萌里インタビュー

    ◎ケラモフvs山本空良はなぜ第4試合なのか■試合順評論の会

    ◎『Breaking Down』から生まれるのは堀口恭司か、山本太郎か

    ◎プロレスを変えた空手家・青柳政司館長を語ろう◎正道会館と藤原組退団■臼田勝美インタビュー②

    ◎新日本プロレスが丸ごと直輸入された『FORBIDDEN DOOR』■「斎藤文彦INTERVIEWS」

    ◎ビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料

    ◎頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ◎「カネを返さないならベルトを燃やす!」老舗インディ団体の嘘と愛の結末

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉THE MATCH総合演出・佐藤大輔インタビュー。THE MATCHの那須川天心vs武尊の煽りVはどのように作られたのか。12000字で迫ります!(聞き手・ジャン斉藤)
    ――佐藤大輔さん渾身の映像が華を添えたことでTHE MATCHは素晴らしいイベントでした。
    佐藤 まあボクらがやれば素晴らしくなるのはわかっていたことだから。
    ――ハハハハハハハハ!
    佐藤 いきなり偉そうですか?(笑)。
    ――いや、気持ちいいです(笑)。
    佐藤 マジメな話、我らRIZINチームはスポーツの演出においては世界一という自信をもって臨みましたよ。
    ――でも、佐藤大輔さんってキック嫌いですよね。それなのにオープニング映像や天心vs武尊の煽りVまで、キックイベントを素晴らしく演出できるのがすごいなって。
    佐藤 ボクがキック嫌いとか、そうやって根も葉もないデマを流して煽ろうとするのは三流マスコミの悪いところですよ。
    ――えっ、違うんですか?
    佐藤 MMAより詳しくないし、キックをそんなに見てこなかったから、ぼんやりしているだけですね。
    ――でも、フジテレビ社員時代はK-1の煽りもやってましたよね?
    佐藤 1999年2000年の煽りはボクが作ってましたね。アーネスト・ホーストに「バンナがこんな悪口を言ってます」って伝えて『I’m 4 times champion.』を引き出したのはボクですね。でも、そんなに前のめりでキックは見てこなかった。フジテレビ局内はPRIDEとK-1に割れていく中、PRIDE側の中心になったし。DREAMのときTBSとギクシャクしてたのは、いわゆるK1MAX的世界観的なものと相容れなかったわけですから。
    ――PRIDEvsK-1対立時代のしこりが感覚的に残っているわけですかね。
    佐藤 ああ、それは血液型レベルで残ってるんじゃないかな。
    ――そんな佐藤大輔さんがじつはこの7年間、RIZINの煽りVで密かに天心vs武尊を煽り続けてきてきましたよね。何かを示唆するシーンを一瞬、挟み込んだり。
    佐藤 ああ、あれは「どこまでやったら怒られるかな?」っていうゲームです(笑)。
    ――ずいぶんスリリングなゲームですね(笑)。今回のオープニングにも挿入された那須川天心の「誰と戦いたいですか?」というマイクは、両陣営のいざこざの原因にもなりましたよね。あのシーンですら物語として消化してるんだなと。
    佐藤 あの発言自体は問題ないんだろうし、そこは有無を言わせないオープニングVの出来になったってことじゃないですか。やっぱり感動しちゃったら、表に出したいと思っちゃうでしょう。
    ――作品として崩したくないと。
    佐藤 今回はいろんな人の協力があって、映像が作れたんですけど。個人的には関(巧)さんの存在が大きいです。関さんがいたからキックと繋がれたところがある。
    ――制作会社ブロンコス代表の関さん。昔からK-1関連のテレビ番組のクレジットでよく名前を見ますね。マニアックな情報としては『週刊プロレス』常連投稿会プレッシャーの会長を務めたこともあります(笑)。
    佐藤 関さんはいまはK-1のマッチメイクを中心にお仕事をされてますけど、昔からいろんなプロレス格闘技に関わっていて。ボクとはPRIDE時代からの付き合い出し、『やれんのか!大晦日2007』でも一緒だったし、そういう意味ではつかず離れずとやってきた。「お互いに趣味が違ってよかったね」って間柄。だって関さんは全日本プロレスファンだけど、こっちは新日本プロレス。関さんはキック大好きだけど、こっちはMMA大好き。お互いに好みが違う。「なんで全日本プロレス好きだったんですか?あんなもの」「ああ、新日ファンってそういうこと言うよねー」みたいなやり取りも面白くて。
    ――なんてったって会社の名前からしてテリー・ファンクな「ブロンコス」ですからね(笑)。昔からのつながりがあったから、いざ何かやるぞとなったらスクラムが組めると。
    佐藤 面白いことができるとなったら、メンツや意地とかっていうよりもオモシロで繋がれる。「うわ、それ、面白いですね」「オマエ、面白いこと考えるじゃん」と。オモシロできたら、こっちもオモシロで返すしかないでしょ。そこは那須川天心も一緒。関さんもそういう脳がある人。まあ榊原(信行)さんはオモシロの権化だよね(笑)。
    ――地獄のオモシロ・プロモーター。
    佐藤 よくよく考えたら、俺と関さんがいまだにやってるんだから、お金を出す人は変わっても格闘技界の現場は変わってないってことだよ。
    ――逆にそういうオモシロな大人たちが不在になったら、格闘技界はどうなるんだろうなっていう。
    佐藤 「佐藤大輔・後継者」問題ですね。
    ――自分で言いますか(笑)。
    佐藤 「榊原信行・後継者」問題もありますね。候補は誰かいますか?
    ――うーん、ビジネスの巨大な山を動かせるのは朝倉未来選手ですけど、プロモータータイプかといえば、ちょっとわからないですね。
    佐藤 少なくとも自分たちの世代にはいないですよね。後継者問題はフジテレビ以上に大変ですよ。ソフトづくり的にはフジテレビが離れても、俺がフジテレビ以上にフジテレビなわけだから。
    ――俺がフジテレビ宣言! いろいろあったとはいえ、THE MATCHの地上波がなくなると聞いたときはどう思いました?
    佐藤 鬱。強がっていたけど、鬱。
    ――あー。
    佐藤 風邪もひいちゃって、なんにもやる気がなくなりました。撮影自体は全部済んでいたんですけど。
    ――それだけショックだったのは、テレビ局のいた人間として地上波にこだわりがあったからですか?
    佐藤 地上波にこだわりがあったというか、それは「俺がフジテレビ!」だからだよね。
    ――フジテレビがなぜ「フジテレビ」を放送しないのかと。
    佐藤 でもまあフジテレビには感謝しかないですよ。ここ何年間、RIZINを扱ってくれたことに関しては感謝しかないです。
    ――フジテレビがなかったらRIZINは始まってなかったし、ここまで続いてなかったですよね。
    佐藤 地上波がなくなったことはもちろん悔しいけど、フジテレビというテレビ局自体は最後まで応援してくれたから。
    ――「フジテレビというテレビ局自体は」ですか。
    佐藤 さらに上の人たちの判断だよね。老人たちの逃げ切りは、日本社会の縮図ですよ。だからフジテレビに恨みはないです。「ありがとう!」としか言いようがないです。だってフジテレビがなかったらRIZINもない。ってことは、那須川天心や朝倉兄弟も、こうはなってなかったということですからね。
    ――つまり今回の天心vs武尊も実現しなかったってことですね。
    佐藤 そういう意味では、この試合をフジテレビから届けられないのは、天心と武尊と同じくらい無念です。フジテレビがなくなっても、RIZINはお金的にはそこまで関係ないのかもしれないけど……地上波がないなら俺はもう引退かなって思った。
    ――緊張の糸が切れたってやつですかねぇ。
    佐藤 しばらく休みたいな……って本気で思いましたよ。なんで元気になったかっていうと、○○○○○の話が出てきたから。
    ――えっ、そんな話が。
    佐藤 あ、知らなかった? 向こうの現場はノリノリで、もうあと一歩のところまで行ったらしい。まあ最終的にはギリギリすぎたんで調整はつかなかったんだけど。いまなんとなく元気があるのはPPVの数字がよかったこともあるし、もしかしたら将来的にこういうチャンスがあるんじゃないかな……と。
    ――佐藤大輔さんにとって地上波は精神的支柱だったわけですね。
    佐藤 それに今回の映像だってフジテレビで流す前提のものだから。
    ――すごくきれいで心が洗われるような映像でした。いまから殴り合いが始まるのに。
    佐藤 自分で言うのもなんですけど、抑制が効いてて美しかったでしょ。俺の暗黒面みたいなところを持って、グリグリに2人の因縁を煽ることもできたけど。俺以上に天心vs武尊を待ち望んでいる人が多いから、その人たち全員を納得させるものを作らなきゃいけない。やっぱり天心も武尊も両方をちゃんと送り出したいでしょう。なんなら試合前に両方の選手がその映像を見て、ちょっと涙ぐみそうになるのがベスト。関係者も含めてウルッとさせたい。
    ――派手に煽ったり、どちらかに立った視点ではないものを見せたい。
    佐藤 選手を含めて誰にも文句を言わせないものを作ったという自負がありますよ。あともうひとつ描きたかったポイントは那須川天心と親父さんの関係。正直ここ1年はずっとギクシャクしていたでしょう。
    ――父と子にありがちな仲はよくない雰囲気が漂ってましたよね。那須川天心はキック最後の試合で宿敵と戦い、そして親父さんとの和解がゴールだった。
    佐藤 そうなんですよ。“父許し”。まさに『エヴァンゲリオン』なんですよね。RISEのラストマッチの風音戦は同門対決で、親父は風音のセコンドについたでしょ。あのカードのVは俺が作りたかったなあ……とも思った。まさに『シン・エヴェンゲリオン』でいえば、電車から親父を下ろすための試合だったんだなって。
    ――武尊との物語が巨大すぎて、親子の物語にはなかなか目が向きませんでしたけど。
    佐藤 だから親父さんのことは煽りVでも最後にさらっと見せた。で、大会途中に「天心vs武尊の歩み」というドキュメンタリーVを流したでしょ。
    ――“碇ゲンドウ”な立木文彦さんナレーションで。
    佐藤 あれでなんとなくわからせようかなって。今回の武尊戦は親父との再合体の物語でもあるよ、と。
    ――その前提で見ると、お父さんに触れた那須川天心最後のマイクも味わい深いですよね。
    佐藤 天心にとってお父さんの存在はデカイんだよ。で、ライバルの武尊くんもいいよねぇ(しみじみと)。いまどきこんなに素直な子がいるんだと感心した。終わったあと泣きながら謝る姿とかもさ……ちょっと心配になってくるよね。
    ――武尊、お父さん、K-1vsRISE、RIZIN……と様々な視点がある中で、ひとつの映像に落とし込むのは大変な作業だったわけですね。
    佐藤 最初に「ボクがやれば素晴らしくなるのはあたりまえ」なんて言ったけど(笑)、なかなか難しかったし、自分だけの力ではできなかった。いろんな人の力を借りましたよね。VのコピーはRIZINと同じく松下ミワさんね。どれも最高でしょ。彼女もホントに大変だったと思う。あと選曲はFantastic Plastic Machineの田中(知之)さんにお願いした。東京2020オリンピックの音楽監督。
    ――えっ、そうだったんですか!?
    佐藤 俺の選曲じゃ無理だと思ったから。そうしたらエヴァのヴンダー発進の曲(Dark Defender [3EM-06] )を出してきた。「うわ、そうですね!これですね!」って一発で納得しましたよ。
    ――エヴァだから佐藤さん選曲ではなかったんですね。
    佐藤 違う違う。そもそもFPMの田中さんは、PRIDEの煽りVが覚醒したきっかけを作った人ですよ。偉大なミュージシャンだし、ボクの師匠。桜庭和志vsヒカルド・アローナ、ミルコ・クロコップvs美濃輪育久(現ミノワマン)、ノゲイラvsジョシュ・バーネットもFPMの曲ですよ。
    ――知りませんでした。
    佐藤 教養がないよ!(笑)。煽りVを覚醒してくれた人にこうして天心vs武尊の選曲を頼むことで、恩返しもできたかなと。
    ――いままで田中さんにお願いしたことってあるんですか?
    佐藤 ないです。ここぞ、だったわけですよ。田中さんも格闘技に詳しいから「この試合は重いですね。その重さはよくわかります」と。オリンピックで使いたかったけど、使えなかった曲があるんですよってことで、エヴァのヴンダー発進の曲をポンとかけた。たしかにこれはすげえわと。
    ――東京オリンピックも、エヴァも、天心vs武尊も伸び伸びになった共通点がまたいいですね。
    佐藤 メインの煽りVでも使った『イノセンス』もオリンピックで使いたかったんだって。「リベンジさせてくださいよ、佐藤さん」ってことでね。
    ――煽りVからオリンピックの神々しさを感じさせたのはそういうことなんですね。
    佐藤 そういうことです。メジャー感、ドラマチックさ、感情を揺るがすのはあたりまえだけど、日本のアーティストで、しかもサブカルであるというか。反抗的なもの、カウンター的なものをちゃんとぶつけてこられる田中さんはすごい。教養のない斉藤さん、我々はこうやって日本のカルチャーから深く考えているんですよ。
    ――教養がなくて、すいません(笑)。
    ・なぜ天心は茂みを歩き、武尊は屋上に? 煽りVの解釈
    ・THEMATCHで気になった煽りV
    ・見習うべきK-1の潔さ
    ・東京ドームに投下したかった「クロン・グレイシーvs○○」
    ・RIZINに必要なものは○○である
    ・格闘技がブレイクするのは「煽り映像」がなくなったとき?
    ・幻の地上波構成案
    ・ボクシングに向かう那須川天心へ……12000字インタビューの続きは「13万字・記事17本詰め合わせセット」へ続く

     
  • 【無料公開】木下憂朔ラスベガスUFCコンテンターズ出場■シュウ・ヒラタ

    2022-07-30 11:46  

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回は日本人初!ラスベガス開催ダナ・ホワイト・コンテンターズ・シリーズに出場する木下憂朔選手について!

    【1記事100円から購入できる過去記事】・UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」
    ・RIZIN広報・笹原圭一のエンドルフィンマシーン的THE MATCH!!
    ・【技術解説】那須川天心vs武尊■鈴木秀明
    ・【殺しのプリンスがヤバイ】風間敏臣さん、チャーオリや青木真也のことは知ってますか?

    ――矢沢永吉の8・27国立競技場ライブチケットに当選したシュウさんはコロナ以降、ひさりぶりに日本に戻る予定でしたが、大きな試合が決まったことで来日取りやめとか。
    シュウ はい。私がマネジメントする木下憂朔選手が8月30日のUFCダナ・ホワイト・コンテンターズ・シリ
  • 頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2022-07-28 12:00  
    140pt
    スーパーFMWのサイトよりプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さんです。

    <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件
    大谷晋二郎選手の試合中の事故について
    DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ
    『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
    新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
    令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
    東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
    プロレスと結婚した風間ルミさん
    武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」

    『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
    冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…


    ――今年の5月29日にお亡くなりになったターザン後藤さんについてお聞きします。
    小佐野 突然のことだったので、ちょっとビックリしました。去年の12月に電話でしゃべってるんですよ。私が書いた三沢光晴の本に協力してもらった関係で、謝礼の振り込み先を聞いたときが最後かな。そのときは全然元気で。その取材のときも直接は会ってなくて電話取材だったんです。
    ――小佐野さんが後藤さんと知り合ったのは全日本プロレスの時代ですよね。
    小佐野 彼が九重部屋をやめて、全日本へ入ってきたのは80年の4月。私が『ゴング』でアルバイトを始めたのが80年の3月なんですよ。その頃の『ゴング』は週刊誌じゃなくて、現場に毎日出ていたわけじゃないから選手と密だったわけではないけれども。いつも「お疲れさまでございます」とすごく丁寧に挨拶してくれる新弟子の印象がありましたね。親しくなったのは、日本テレビ系列の『底ぬけ脱線ゲーム』の特番があったからです。全日本の選手も参加していて、私が取材に行ったら、現場で後藤から声を掛けられて「すいません、誰かアイドルと写真を撮ってもらえませんか」と(笑)。番組に出演していた石川秀美に声を掛けて、ツーショット写真を撮ってあげたんです。
    ――取材の体でプライベートショットを(笑)。
    小佐野 それをパネルにしてあげたら、彼は実家に送ったみたいです(笑)。で、彼は相撲出身で気が利くから、まだ未成年なのにウイスキーの瓶を持ってきて「この前はありがとうございました」と。
    ――大人の世界がわかってるんですね(笑)。
    小佐野 あと全日本プロレスのグアム合宿で一緒に酒を飲んだりしてね。週刊になる前に親しくなった初めての全日本の選手かもしれない。当時の全日本に若い選手っていなかったから。三沢(光晴)が入ってきたのはその1年後。週刊の時点で若い選手は1個上の冬木(弘道)さん、1個下の三沢、2個下の川田(利明)と後藤。新日本には若い選手がいっぱいいたけど、全日本はみんなおじさんばっかりだから。
    ――そういう世界で若手が新弟子からやっていくのは大変だったんでしょうね。
    小佐野 彼の入った頃の若手は越中詩郎さんぐらいしかいなかった。そのあと何人か入ってきてんだけど、みんなやめちゃうんだよねぇ。私は『ゴング』に入る前は新日本のファンクラブをやっていて、新日本の選手は知ってたけども全日本の選手って知らない。それに年上の人ってなんとなく近づきにくいから、自然と若い子たちとまず仲良くなっていきますよね。
    ――後藤さんというとコワモテのイメージがありますけど、当時はどういう方だったんですか?
    小佐野 コワモテといっても、結局はターザン後藤にリングネームを変えて、ヒゲを生やして、コスチュームもワンショルダーのアニマル柄になってからだから。もともと童顔だから以前は子供っぽく見えたんです。性格は真面目で細かい。彼が寮長になったときは厳しかったよ。「夜遊びしちゃダメ」とか(笑)。きっちりした人だった。
    ――川田さんとは同い歳だけど先輩だったり、年下の後輩に三沢さんが売り出されたり、けっこう複雑な立場ですよね。
    小佐野 後藤いわく「自分のほうが年下だから、ことさら三沢に対して先輩風を吹かせてたと思うけど、三沢のほうが大人だったから、そのへんは許してくれてた」と。三沢がタイガーマスクになってスターになっても、ずっと「後藤さん」って変わらず接してくれたと。後藤はずっと三沢のことは意識してたみたい。彼は三沢みたいな華麗なファイターではなくパワーファイター。当時のコーチ役だった佐藤昭雄さんに「彼らと同じ動きしたって誰も喜ばないよ。おまえは動くな。荒々しくやれ」と。初めの頃は「自分も三沢と同じ動きができる」とハイスパートなプロレスやってたら、昭雄さんから「おまえがやるプロレスはそれじゃないよ」と注意されて。馬場さんからは「やれることは何でもやれ」って言われてたんだけどね。昭雄さんの指示でヒゲを伸ばして、タイツも変えて“ターザン後藤”にしてもらった。
    ――後藤さんの腕組みイメージは佐藤昭雄さんのプロデュースからきてるんですね。
    小佐野 試合にしてもバタバタ動かず重厚にやりながらも飽きさせない。昭雄さんがいなかったら、なかなか芽が出なかったと思う。いつまでたっても小僧みたいな感じだったし、やっぱり三沢や川田のほうが顔つきは精悍だから。後藤は目がクリクリっとしてて、ヒゲがなかったらかわいい顔立ち。昭雄さんにしてみれば、若手をそれぞれに個性を持たせて、ちゃんと育ててあげたいっていう思いがあったんだろうね。
    ――あのキャラクターは“ターザン後藤”以外の何者でもないですもんねぇ。
    小佐野 海外遠征に行く前にロード・ウォリアーズとテレビマッチで抜擢されて。秒殺で負けたとはいえテレビに出してもらったからね。それは彼が頑丈だからウォリアーズ相手でも大丈夫ってこともあった。
    ――相撲出身の頑丈さですね。
    小佐野 彼は八角理事長と同期だからね。
    ――つまり安田(忠夫)さんとも同じってことですよね。すごいメンツです(笑)。
    小佐野 彼がようやく海外修行に出れるようになったとき、いずれ三沢の敵役みたいな感じで戻れたらいいなって気持ちはあったみたいだね。
    ――アメリカ修行には出ましたけど、全日本には戻ってこなかったじゃないですか。いったい何があったんですか?
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!

     
  • 『Breaking Down』から生まれるのは堀口恭司か、山本太郎か

    2022-07-26 17:00  
    140pt
    この記事は『Breaking Down』を語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・修斗はローカルなのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・【GLEATなU】船木誠勝「2021年のUWF」14000字インタビュー
    ・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
    ・世界のTK“引退激勝”高阪剛16000字インタビュー
    ――朝倉未来が仕掛ける1分格闘技『BreakingDown』が話題になっています。
    斉藤 『BreakingDown』って『BD』って略されてるじゃないですか。我々プロレスファンからすると、BDってバックドロップ(BD)が必殺技の後藤達俊のことですからね。酔ったBDが包丁を振り回すのは怖いですよ。
    ――いきなり後藤達俊さんの話題から始まるとは思いませんでしたよ。後藤達俊さんじゃないほうの『BD』は相当の人気ぶりですが、格闘技として認める・認めないの議論が起きてます。
    斉藤 そりゃあ仕方ないですよ。DEEPなんてつい最近まで認められてなかったですから。
    ――また話が横にそれてますよ。
    斉藤 みんな大人だから忘れてるけど、元谷友貴がパトリック・ミックスに一本負けしたとき、修斗事務局の人間が「DEEPの選手が日本代表ヅラして負けても痛くも痒くもないから気楽に見れるのがRIZINの良さかな」という素晴らしいツイートをされてまして。
    ――あらためて酷いツイートだ!(笑)。
    斉藤 あの元谷友貴ですら認められてないんだから『BD』なんてまだまだですよ! のちにその元谷友貴に修斗世界王者が負けたんですけどね。修斗もまだまだ!!
    ――早く本題に戻ってください。ボクシング世界王者の京口紘人選手はエンタメイベントとして一定の理解を示しながらも「格闘技ではない」「格闘技を志す人間はいない」「同じ括りで見てほしくない」と批判気味ですね。
    斉藤 格闘技かどうかといえば、『BD』は殴ったり蹴ったりしてるわけですから格闘技ですよね。ただ『BD』を格闘技として認めたくない心理があるんじゃないかと思います。たとえばこれ、朝倉未来選手のカリスマ性がなかったら、『BD』を認めてない人はもっと多かったと思うんですよね。
    ――某・地獄のプロモーターがやっていたら、もっと荒れていたかもしれないですねぇ。
    斉藤 そもそもUFCも初期は認められてなかったですからね。アメリカでは野蛮だと締め出しを食らっていたし、日本の名のある格闘家、武道家も「技術的に大したことはない」と見下してたんですよ。そのUFCが認められていったのは競技化されていったからです。結局プロ興行の人気や継続ってコンペティション(競技)とサーカス(見世物)、どちらの評価もされないといけないと見てるんですね。
    ――いまのUFCも競技と見世物のバランスが優れてるわけですね。
    斉藤 RIZINがいろいろと批判されがちなのは、サーカスのバロメーターが突き抜けるときがあるからだし、そのサーカスだけの印象で語ってる人もいるからです。誤解されないようにいうと、格闘技やプロレスを貶めるときにサーカスという言葉がよく使われるんですが、サーカスも命懸けのエンターテイメント。『シルク・ドゥ・ソレイユ』とか本当にヤバイですから。この記事ではそういうニュアンスでサーカスという言葉は使ってるわけではないです。で、やっぱり格闘技はバイオレンス性が高いから、「見世物」だけを堪能してるとは表向きに言いづらいんですよ。
    ――思ってる以上に格闘技の偏見ってありますよね。
    斉藤 かといって競技だけの追求で、耳目を集めてきたイベントってないわけです。コンペティションとサーカスはどっちも必要なんですけど、どの度合いはイベントによって変わってきます。今回修斗と『BD』が同日開催だったことで比較する声もありますが、成り立ちが違うんだからナンセンスかなって思いますし、結局、議論になってるのは言い方の問題だと思いますよ。ボクがリツイートしたジョビンさんのツイートも、言い方のせいなんじゃないかなと。
    ――「俺はどの格闘技も真剣に見たいし、ブレイキングダウンも真剣に見た。実際に見てめちゃくちゃ面白かったけど、見てもないくせにブレイキングダウンを下に見てる奴が多過ぎる。誰かに媚びる気なんか一切ないけど、普通に考えて今日の修斗よりはブレイキングダウンの方が見たいってなると思うけどな」
    斉藤 「普通に考えて今日の修斗よりはブレイキングダウンの方が見たいってなると思うけどな」って、そんなの普通に考えたら、どっちが見たいかなんて人それぞれじゃないですか。ルールもぜんぜん違うわけだし。さっきも言いましたけど、『BD』は朝倉未来選手がやったことが成功を収めた大きな理由でしょうし、朝倉未来選手がやってるから乗ってる格闘技ファンも多いはずですね。彼の成り上がりぶりを共有することの興奮ってあると思います。
    ――朝倉未来がアウトサイダーという不良イベント出身という点もストーリーが繋がってる感がありますね。斉藤 PRの手法的には関しては、かつてのTBSバラエティ番組の『ガチンコ!』だったり、UFCのTUFだったり、ABEMAの『格闘代理戦争』とか、あらゆるリアリティショー的エッセンスが詰まっているわけですよね。そしてどんな企画でもオーディションは面白く見えるんですよ。
    ――オーディションという魔法。
    斉藤  『ガチンコ漫才道』のときの巨人師匠の名言「弟子やったらパンパンやな」もオーデイションのときでしょう。れいわ新選組の山本太郎が世に出たのは『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』ダンス甲子園のオーディションですよね。
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • ケラモフvs山本空良はなぜ第4試合なのか■試合順評論の会

    2022-07-24 10:03  
    140pt
    この記事はRIZINの試合順を語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
    ・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」
    ・誠実のプロレスラー・大谷晋二郎を信じろう■松澤チョロの脱線プロレス
    ・DEEP佐伯繁が見た「テレビ格闘技と現実」12000字
    ――RIZINの試合順がまた物議を醸しています。
    斉藤 俺は中日ドラゴンズの打順に怒ってますよ! 「3番・後藤駿太」ってどういうことだよ!! 
    ――中日ドラゴンズもRIZINも名古屋発祥ですけど、きょうは中日の打順はどうでもいいですよ。RIZIN37の試合順です。
    斉藤 「試合順・評論家」として言わせてもらうと、RIZIN37の試合順は工夫が施されてるなって感想です。たしかに選手の格順じゃないから「あれ?」って戸惑う並びかもしれないけど、RIZINはこれまでもこういう試合順はたびたびあって。そうなってるのは何かしら意図があるわけですよ。
    ――同大会に出場する関根シュレック秀樹選手も今回の試合順を評価していますね。
    「これ、試合順が意味わかんないって人いると思うけど
    休憩前と休憩後で別の2つの大会と見れば色々としっくりくるよ
    実にバランスがいい」
    斉藤 シュレックさんはスシローと試合順には目が行き届いてるんですよ。
    ――世界一スシローに通ってる格闘家ですね(笑)。
    斉藤 たとえばボクシング世界戦なんかのお客さんはメイン目当てだから三々五々集まってくる。でも、RIZINの場合はオープニングVやセレモニーから堪能してもらったりして、大会全体を楽しんでもらうから、第1試合にそれなりのカードを置く傾向がある。TRIGGERにはオープニングVがないこともあって、そこまでのこだわりは見えないけど。
    ――メインイベント主義だと格順に並べていく。UFCも基本的に格順ですよね。
    斉藤 試合順評論の会では有名な研究資料「堀口恭司のUFC北アイルランド試合順」というのがあって……。
    ――そもそも試合順評論の会の存在を聞いたことがないですよ。
    斉藤 2016年11月19日「UFC Fight Night: Mousasi vs. Hall 2」。堀口恭司UFC最後の試合となったアリ・バガウティノフ戦はプレリミナリーカードの第8試合だったんですよ。
    ――当時の堀口選手はフライ級上位ランカー。ナンバーシリーズでもないのにプレリミナリー。
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • 新日本プロレスが丸ごと直輸入された『FORBIDDEN DOOR』■「斎藤文彦INTERVIEWS」

    2022-07-22 09:35  
    140pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは新日本プロレスが丸ごと直輸入された『FORBIDDEN DOOR』です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方

    ■さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38


    ■追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール
    ■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑

     
    ――今回はフミ斎藤さんにAEW対新日本の対抗戦を振り返っていただきたいと思います。フミさん、よろしくお願いします。
    フミ よろしくお願いします。
    ――ざっくり聞きますけど、大会の印象はどのように感じました?
    フミ 今回のAEWと新日本プロレスの合同興行の大会名は『FORBIDDEN DOOR』(禁断の扉)。以前にもお話したことですが「禁断の扉が開いた!」は、本来は当事者ではなくて第三者の評価というか観察、分析であるべきところではありますが。
    ――“禁断”としているのは自分たちに理由があるわけですよね。
    フミ 今回は自分たちの手で「禁断の扉をこじ開けたぞ!」ということなのでしょう。『FORBIDDEN DOOR』は本戦が9試合、プレショーで4試合がラインナップされていて合計13試合。試合以外の登場人物を含めると出場選手50人数名。AEWの実況・解説のジム・ロス、トニー・シヴァーニ、タズ、エクスカリバーらが「スリーイヤーズ・イン・ザ・メイキング!」というコメントを繰り返していました。AEW設立発表が2019年の1月1日ですから、3年がかりでついにこのイベントが実現したという意味ですね。
    ――3年で新日本とコラボイベントができたと。
    フミ 「石の上にも三年」じゃないけれど、それくらいネゴシエーションに時間をかけた大きなコラボレーションだった。現AEW世界ヘビー級チャンピオンのCMパンクが負傷欠場となったため、暫定世界ヘビー級選手権というかたちで新日本代表の棚橋弘至と、AEW代表ジョン・モクスリーがメインイベントで対戦。コラボイベントとしてはベストのカードをラインナップしたと思います。
    ――超満員のアメリカのお客さんたちは新日本のレスラーたちに相当詳しい印象がありました。
    フミ 会場はシカゴのユナイテッド・センター。WWEがPPVイベントを、それこそサマースラムを開催するような大都市のビッグアリーナです。今回は1万6000人の観客が集まっていましたが、WWEのそれよりもマニア層、気合の入ったプロレスファンが多かったこともあって、新日本の選手たちに対してはすごく歓迎ムードだった。メインイベントの棚橋vsモクスリーも先に入場したがモクスリーで、あとから入場してくるのが棚橋という順番になっていた。これはAEWサイドの選択だった。
    ――それだけ棚橋を大物として扱っていると。
    フミ 今回の『FORBIDDEN DOOR』の2週間前に行われたAEWのTVショーに棚橋ら新日本勢が登場して対抗戦の予告編をやりました。そのときモクスリーは「俺がプロレスラーになる前から目標としていたのがアンタなんだ」っていうことを棚橋に訴えた。要するにモクスリー自身にとって棚橋戦は夢の一戦だといことを連呼したわけです。この時点で棚橋のほうが格が上であるという“初期設定”が明らかにされた。「“チャンピオン”とかいろんなニックネームを持つ人はいるけれど“エース”という称号を持っているのは棚橋だけだ」「棚橋、アンタに勝って、俺がエースという称号を奪い取る」ということもモクスリーはアピールしたんです。
    ――“エース”という新日本のニックネームがアメリカにも届いてるわけですね。
    フミ それくらい棚橋はものすごい大物として紹介されていた。ただ、会場にはマニア系のファンが集まっているといっても、PPVの一般視聴者層も想定しなくちゃいけないので、コメンテーター陣は、視聴者に対して親切な説明をするわけです。興味深かったのは、イベントの日付が日本時間では6月27日の月曜の午前でしたが、アメリカ時間では6月26日の日曜日の夜。そこで「いまから46年前の6月26日、アントニオ猪木とモハメド・アリが闘った」という史実についてもコメントしていた。
    ――すごいところを引っ張ってきますねぇ。
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  • RIZIN沖縄は内容的にも金銭的にも「大負け」です■笹原圭一

    2022-07-19 12:31  
    140pt

    毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はRIZIN沖縄大会を11000字で振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事110円から購入できるバックナンバー】
    ・RIZIN広報・笹原圭一のエンドルフィンマシーン的THE MATCH!!

    ・【技術解説】那須川天心vs武尊■鈴木秀明

    ・DEEP佐伯繁が見た「テレビ格闘技と現実」12000字






    ・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り


    ――前回はTHE MATCHの社長賞として2億円のボーナスがほしいと吠えていた笹原さんですけど、今回の沖縄大会のゴタゴタで大減俸されるんじゃないですか?
    笹原 2億円減俸なのでプラマイゼロですね(笑)。
    ――「行って来い」なら安心しました(笑)。沖縄大会はメインの朝倉海選手の欠場が直前で発表されたことでけっこうな騒ぎになりましたね。
    笹原 メインイベントがなくなるわけですから、どうやっても批判を浴びる覚悟はしていました。スポーツにケガは付きものなんですけど、だからって仕方がないでは済ませられない。それにRIZINでメインが直前で飛んだのは今回が初めてなんです。
    ――今回騒ぎが大きくなったのは、朝倉海欠場は内定していたのに、発表を遅らせてPPVやチケットを売ろうとしたんじゃないか……という疑惑ですね。
    笹原 プロレス格闘技マスコミで最も斜に構えている斉藤さんはどう思われたんですか?
    ――……正直に言っていいんですか?
    笹原 ぜひお願いします。
    ――RIZINだと、やりかねないイメージがあるなと。
    笹原 ひどい!!
    ――いやいや、あくまで「イメージがある」ですからね(笑)。発表が遅くなればそういう疑惑を持たれるに決まってるから、わざわざヘタな小細工をするのかなあって。
    笹原 なかなか途中経過って説明できないので「何か裏で工作してんじゃないか?」とか思っちゃう方もいるかもしれませんが……海選手とはギリギリまで出場の道を探っていたんですね。本人もRIZINで最もメインを張っている選手なので、その重要さがわかってるんですよ。
    ――ケガを抱えて試合をすることを美談にするわけじゃないんですけど、メインイベンターとしての責任感ってやつですね。最近のUFCでもガヌーやシェフチェンコの王者たちが「そんな状態で試合を!?」ということがあったり。
    笹原 RIZINとしても試合を強制することも当然できないでし、そこの見極めは本当に難しいです。これが1週間2週間後に再試合ができる競技なら、話はまた変わってきますけど……。
    ――5月のLANDMARKに出場した倉本一真選手もじつは重傷を抱えて戦い抜きましたが、試合後に「ケガをして欠場するのも、やるのもどっちもプロだ」と言っていて。レスリングのときは「欠場=オリンピック断念」になるから多少無理してでも出るしかないのかもしれないけど、プロの場合は選択ができると。
    笹原 普通に考えたら欠場を優先するんですけど、プロは試合の勝ち負け以外に背負うべきものが出てくるから強行する場合もあるってことですよねぇ。海選手も7ヵ所ぐらい病院を回ってなんとか試合ができる方法を探してました。RIZINにもお医者さんとの繋がりがあったりするので、拳のケガ治療の名医に診てもらったり、高田(延彦)さんや桜庭(和志)さんに腕利きのドクターを紹介してもらったり。いろいろ回ったんですけど、それでも試合をすることは厳しい。そのケガはRIZIN参戦以前のアウトサイダー時代に負った古傷なんですけど、根本的に手術をしないと治らないものだったんです。
    ――いままでは騙し騙しやっていたけど、今回ばかりはどうにもならないと……。
    笹原 試合は当然無理だし、手術することになりました。ギリギリまで動いていたので、欠場の発表自体も遅くなってしまったことは本当に申し訳ありませんでした。メインイベントが飛んでしまった窮余の策として、希望者にはチケットとPPVの払い戻し、そしてPPVをRIZINストリームパスの会員になれば見られるようにしたんです。
    ――RIZINストリームパス会員費の500円で視聴できると。メイン消滅でチケット&PPV払い戻しはわかるんですが、実質PPV無料解放はビックリしました。
    笹原 もうやるからには中途半端じゃなくて徹底的にやったほうがいいですよね。来場者には特典タオルもプレゼントすることにしました。PPVを払い戻しにしたうえに無料配信するのは関係各社との調整が必要になってくるので、すぐには発表できないんですよ。さっきも言いましたけど何か起きると「なんで黙ってるんだ!説明しろ!」と言われちゃうんですけど、当然裏側では泣きそうになりながら調整ごとをしているんですよ。
    ――ダラダラと問題をやりすごそうとしてるわけではないと(笑)。
    笹原 まぁでも斉藤さんが「RIZINならやりかねない」と思っていることが、RIZINのパブリックイメージってことなんですよね。もうやめたくなってきたなぁ(遠い目)。
    ――笹原さん、あくまでイメージですよ、イメージ。
    笹原 でも、そのイメージを斉藤さんのよう人が悪意を持って歪曲し、喧伝して騒ぎが拡大していくんですよ! 
    ――ボクはそんなことしていませんよ!どちからかというと火事を目撃したいだけのタイプです。
    笹原 でも我々にとっていちばん重要なのは本当にファンの存在なんですよ。どんなに素晴らしいカードを組んでもファンに見てもらないと意味がないわけですから。お客さんがどう感じてもらえるのかどうか。もちろん「PPV5500円が高い」とか「値段を下げろ」という意見も理解しています。
    ――現在のPPV5000円は新型コロナの入場規制もあることから値段を上げたという理由もありましたよね。
    笹原 コロナはPPV価格を見直すきっかけではありますね。どこにジャンルもそうですが、いまはフルにお客さんを入れられるとはいえ、一度離れた客足が完全に回復してるわけではないですし、MMAシーンのファイトマネー事情を踏まえると、2000円や3000円は運営的に厳しいところもあります。逆に斉藤さんお聞きしたいんですが、プロレス方面のPPVやサブスクってどんな感じなんですか?
    ――格闘技と合わせても圧倒的なのはWWEの「WWEネットワーク」ですね。月額9.99ドルでPPV主要大会まで見られます。新日本プロレスの新日本ワールドも999円ですべて見られたんですが、ビッグマッチはPPVで別料金を取り始めてきました。あと新日本ワールドでは他団体の興行をPPV配信してるんですよ。藤波辰爾デビュー50周年興行やTAKAタイチの後楽園ホールをPPV3000円とか。
    笹原 RIZINの5000円より安いんですけど、プロレスの1興行でPPV3000円以上取るってなかなかですよね。
    ――新日本とAEWのコラボイベントは4980円でしたし、それなりのイベントは5000円が基準になるのかなと。ただRIZINの場合は興行数が増えてるじゃないですか。RIZINの連続ドラマとして堪能している人は全部見たいから、毎回この価格はちょっと……となるんじゃないですかね。
    笹原 たとえば年間5回☓5500円と、年間12回☓5500円では違ってきますよね。最近開設したRIZINストリームパスで年間コースなんかを作って経済的負担を軽くする考えもあります。
    ――今回の沖縄大会みたいにストリームパス会員になれば、フリーで見られる大会もあるかもしれない。
    笹原 いろんな選択肢はあります。そこはなるべくストレスなくRIZINを楽しめるように考えたいですね。
    ――ある格闘家がツイートしてたんですけど、RIZINはTHE MATCHで大儲けしたと。売り上げはすべてRIZINに流れてると思ってるんですよ(笑)。
    笹原 そんなわけないですよ!(笑)。
    ――普通に考えれば、大会に協力したK-1、RISE、配信したABEMAにも取り分はあるし、那須川天心や武尊をはじめとする選手たちのファイトマネーも払う。「RIZINはめちゃくちゃ儲かってるのに、PPVでも暴利を貪っている!」という雰囲気があるのかもしれないですね。
    笹原 この流れでこんなことを言うと更にイメージが悪化すると思うですけど、プロモーターの正義って何だと思います?
    ――なんですか、藪から棒に。まさか「お金です」とか言わないでくださいよ。 
    笹原 いやお金です。お金しかないです。
    ――ついに開き直りましたね(笑)。
    笹原 いやそういうことじゃなくて、ファンが見たいものを実現させることがプロモーターじゃないですか。それが実現すれば、たくさんおファンの皆さんに観ていただいて、それが選手にも還元される。だから判断に迷った時は、プロモーターは金で判断しろ!金になるほうを選べ!と佐伯さんが言ってました(笑)。
    ――「佐伯さん=弁当」だったのに(笑)。「お金になる」ってことは、つまりニーズがあるってことですよね。「金=悪」はプロレス格闘技に限っていえば、天龍(源一郎)さんがSWSに移籍したときの『週刊プロレス』の金権プロレスバッシングがいまでもこびりついて……
    笹原 つまり当時の編集長だったターザン山本さんが悪い(笑)。
    ――実際はどんな物事も金がないと始まらないことをわかっているから、逆にみんな清貧さを求めるのかもしれないですね。あと朝倉未来とか選手のリッチな感じに憧れるファンはいるけど、主催者がリッチになるのは搾取感がある(笑)。
    笹原 「経営者=錯取」ってタイガーマスクの世界ですよ!
    ――まずタイガーマスクの虎の穴の説明が必要になってきますよ。ぶっちゃけRIZINは儲かってるんですか?
    笹原 2015年に立ち上げてから、まだまだ投資の真っ最中ですよ。
    ――以前は年3~4回だったのにここ最近は大会回数が増えてきたということは、徐々に軌道に乗っているってことですかね?
    笹原 いままでは投げるばっかだったものが健全に回り始めてきたって感じです。どうしてもお金がかかるんですよ、興行を打つのは(しみじみと)。
    ――必ずしも毎回プラスになるわけでもないでしょうし。
    笹原 興行の世界に身を置いていると、「勝ち」「負け」という言葉をよく使うんです。今回の沖縄大会は勝ったか負けたかといえば、金銭的にも内容的には大負けです。
    ――さすがに大負けですよね……。
    笹原 でも、意味のある負けってあるんですよ。負けるにせよ、意味のある負けにしなきゃいけない。そういう意味では、さっきは「プロモーターは金!」とか言いましたけど、ぼんやりした勝ちよりも、大敗を選んだほうが良いときもあるわけです。
    ――なるほど。負けたにせよ、PPVを開放したりして記憶に残りましたね。
    笹原 地獄のプロモーターは、ここの勘所がすごいんですよ(笑)。まあでもTHEMATCHが大成功で終わったあとの沖縄がこんな感じでドタバタしちゃうとは、興行ってホント難しいし、いまは禍福は糾える縄の如しといいうか、人間万事塞翁が馬というか、そういう言葉が頭に渦巻いています(笑)。
    ○ヤン・ジヨンの素顔
    ○朝倉海欠場、昇侍登場の経緯
    ○山本空良vs○○○をやりたかったが……
    ○山本美憂vs大島沙緒里の判定
    ○鈴木博昭vs平本蓮、メインの難しさ
    ○配信の巻き戻し機能は著作権問題でNG?
    などなど11000字インタビューはまだまだ続く!
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • 【RIZINデビュー】強くてかわいくて極めれる17歳JK柔術家!!  須田萌里インタビュー

    2022-07-18 17:30  
    140pt
    RIZIN沖縄で一本勝ちデビューした須田萌里インタビュー!!  強くてかわいくて極めれる17歳JK柔術家の素顔に迫ります!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
    ・浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」
    ・【vs浅倉カンナ】SARAMI「彼女はもう、充分いい思いしたじゃん」
    ・次はベラトールのタイトルマッチだ! 渡辺華奈&上田貴央インタビュー
    ――今日は平日の真っ昼間ですけど、高校生の須田選手がこんなインタビューとか受けてて大丈夫なんでしょうか?
    須田 ええっと、今日は試験休みなので大丈夫です(笑)。
    ――試験休み! そういえば、須田選手ってRIZIN.36の試合後はすぐ期末テストだったんですよね?
    須田 そうなんですよ。というか、期末テストを休んで試合に出場しました。
    ――え! それは期末テストの時期を特別にずらしてもらったんですか?
    須田 いや、期末テストは5日間あったんですけど、そのうち3日間は休んで、最後の2日間だけ受けました。なんか、点数が入るんですよ。見込み点みたいなのがあるので大丈夫なんです。
    ――そんな特別扱いが。ちなみに、残りの2日はなんの試験だったんでしょう?
    須田 受けたのは現代文と、英語表現、数学Ⅱ、食材食文化の4つです。
    ――はー、大変そうですね。ちなみに、お父さんの須田智行選手がツイッターでつぶやいてましたけど、須田選手はけっこうクラスでもトップの成績だそうで。
    須田 いやあ……そんなことないです(苦笑)。
    ――でも、せっかくの沖縄だったのに試験期間だとあんまり遊べなかったんですかね?
    須田 いや、1日は遊べました。雨が降ってたんですけど、かりゆし水族館とか国際通りとか行きたいところには行けたので。
    ――じゃあ、修学旅行では沖縄に来られなかったそうですが、今回はご家族で満喫できた、と。
    須田 そうですね。去年12月の竹林愛留選手との対戦が沖縄の修学旅行と被ったんですけど、そのときは試合することを選んで。でも、今回行けたのでよかったです。
    ――しかも、試合では白星まで獲得して。にっせー選手との対戦は1ラウンド一本勝ちで、やっぱり反響も大きいんじゃないですか?
    須田 めっちゃ凄いです(笑)。いろんな人が自分のことを「凄い」と言ってくれてて、うれしいですね。DEEPに出てたときもそういう声はあったんですけど、なんかRIZINは規模とかも大きいし。
    ――試合の日はちょうどauの通信障害があって、メッセージを返すのも大変だったそうですね。
    須田 そうなんです。私もauなんですけど、Wi-Fiがつながるところやったらちょくちょくメッセージが来るんですけど、外やったら全然ダメで。それで、つながった瞬間にめっちゃ来るから大変でした。
    ――それぐらい凄い試合だったというか。ゴング後は、まず前蹴りがいい感じでした。
    須田 最初は前蹴りしかできなかったんですけど、あれは自分の好きなヤツなので。自分、もともと足癖が悪いんですけど(笑)、打撃はやりたくないから、とりあえず前蹴りで距離を取りたいなあと思って。それで出していたらけっこう使えるようになってきて。
    ――須田選手の前蹴りって首元に来るから強烈ですよね。そして、速攻でグラウンドに引き込んでいくという試合運びでした。
    須田 柔術をやってるんですけど、もともとテイクダウンとかは苦手で倒せないんで。柔術みたいに組み付くことしかできなかったので。
    ――その後、にっせー選手はスタンドに戻しましたが、猪木アリ状態のときにグラウンドの須田選手が煽りの手招きするシーンがありました。高校生ファイターの須田選手がアレをやるというのは、なんかドキドキしましたよ。
    須田 フフフフ……。あれは、お父さんに言われたんですけど、練習のときによくあの体制になってて、“ブラックパンサー”ベイノワ選手と弥益ドミネーター聡志選手の試合でアレをやって盛り上がってたみたいだったので。だから、お父さんから「あれ、やってや」みたいな。それが試合中に急に頭に思い浮かんだんで、やってやろうと思いました。
    ――凄い度胸です! ただ、柔術では下になるのは平気だと思うんですけど、MMAではかなりリスクがあるんじゃないですか?
    須田 でも、パウンドを打たれないという練習をしているんですよ。下になって距離をとって。で、そこから極めにいくという練習をしているので、新しいスタイルとして認めてほしいです(笑)。
    ――いいですね、須田萌里スタイル(笑)。パウンドを打たせないというのは技術力でできるんですね。
    須田 距離をとったり、いろいろ打たせない動きを細かくやってます。
    ――さらに、今回の試合も含めて須田選手は腕十字で極める試合が非常に多いですが、相手としては須田選手が十字が得意だとわかっていても抜けられない感じなんですね。
    須田 ええっと、十字を取るためにいろいろ仕掛けたりしてて、十字を取りたいから「こっちに頭をずらさせたいな」とか、そういうのをいろいろ考えてやってると思います。
    ――今回のそうした試合運びは、須田選手としては何点の出来だったんでしょう?
    須田 うーん、80点ぐらいですかね。1回目で引き込んだときにちゃんと引き込めなかったのと、そのときににっせー選手に立たれちゃったので。そこが悪かったかなと思います。
    ――そして、試合後のマイクも凄く堂々とされててカッコよかったです。
    須田 そうですか? めっちゃ緊張してたんですけど(照れながら)。
    ――でも、須田選手っていつもニコニコしているから、緊張を感じさせないですよね?
    須田 というか、笑ってないとやってられないので。
    ――ハハハハハハハ! じゃあ、物怖じしないタイプに見えるのも気のせいなんでしょうか。
    須田 気のせいです(笑)。試合はいつも怖いし、ずっと慣れないし、緊張もしちゃうし。今回も、入場式から山本美憂さんとかが見えて「うわ!」と思って。めっちゃ会場も大きかったので、周りをなるべく見ないようにしていました。
    ――でも、逆に勝ったときはあの大会場は快感だったんじゃないですか?
    須田 いやあ、逆に今回の沖縄は対戦相手のにっせー選手の地元やったから「応援してくれるかなあ」というのは心配で。でも、勝ったときに「ワーッ!」と沸いてくれたから、そこはたしかに気持ちよかったですね。
    ――ということは、結論として大会場のほうが好きですか?
    須田 えー、どうだろう?(悩みながら)。でも、大きい会場は楽しかったしテンション上がりました。
    ――さらに、バックヤードでは平本蓮選手と同じ控室だったそうで。なんか、よけいなこと教えられたりしませんでした? 
    須田 ええっと、それは大丈夫だったんですけど、怖くて何も話せなかったです……。
    ――それは逆に安心しました(笑)。ところで、現役高校生ファイターであり、柔術の実力でMMAでも一気に駆け上がっている須田選手ですが、格闘技のキャリアはやはり柔術からということで。
    須田 そうです。小学5年生からはじめました。
    ――それは、格闘家であるお父さん(スダコンガ)に誘われたんですかね?
    須田 お父さんが新しくジムをつくることになって、最初は弟とお父さんが柔術をやってたんです。でも、自分も身体を動かすのが好きやから、自然とジムに行くようになって。それで柔術をやる流れになったという感じです。
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!

     
  • ビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料

    2022-07-16 07:00  
    120pt

    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・いったい何が? コロナ陰性「偽造」証明書の偽造事件?
    ・注射器を持ち込んだデスマッチファイター第2の人生、サムタック・ジャックの場合
    ・天国へ旅立ったダニー・ハボック……最後の試合は日本のために
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    御年76歳のビンス・マクマホンが、40代の女性社員と社内不倫をし、その口止め料として4億円を払い、退職させていた。
    これがWWEによる番組上のストーリーだったら笑い話で済んでいたことかも知れない。しかし、この不倫騒動が紛れもない事実であったことから、世界のプロレス界に衝撃が走る。
    このWWEの屋台骨を揺るがすかのような一大スキャンダルを報じたのは、プロレスマスコミではなく、米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」。6月15日(日本時間16日)に同紙サイトが報じたスクープ記事は、WWE取締役会がビンスの不倫問題について調査中であるという内容のものであった。
    この不倫スキャンダルが報じられるや、ビンスは調査が終了するまで、会長とCEO(最高経営責任者)の職務から降りることを発表。代わって、5月から休職していた愛娘のステファニーを復帰させ、暫定的に会長兼CEOに就任させる。
    しかし、ビンスはクリエイティブ責任者の座は譲ることなく、番組制作の陣頭指揮を取り続ける。スキャンダル報道直後の、6月17日のスマックダウン、20日のロウに連続してテレビ出演。観客からは、不倫騒動など関係ないような大声援を浴び、ご満悦の表情を見せていたが、そんなビンスを“文春砲”ならぬ、“ウォール・ストリート・ジャーナル砲”のさらなる追撃の矢が待ち構えていた。
    7月8日、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「ビンス・マクマホンは、(過去16年で)4人の女性にの口止め料を払っていた」と題するスキャンダル告発記事第2弾を掲載したのである。
    ビンスから口止め料を支払われていた4人のうちの1人目は、元女子レスラーであった。
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  • 平本蓮とRIZINの契約、井上直樹vs瀧澤謙太、PFLとベアナックルは美味しい■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2022-07-16 07:00  
    140pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は7月3日にニコ生配信されたものを編集したものです)


    【1記事100円から購入できる過去記事】・日本に外国人はやってこない?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・平本蓮vs安保瑠輝也消滅の内幕■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・平本蓮vs鈴木千裕決定の裏側/キッズMMAのパウンドについて
    ・扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
     

    ――矢沢永吉の8・27国立競技場ライブチケットに当選したシュウさんは新型コロナ以降、ひさりぶりに日本に戻る予定でしたが、“大きな試合”が決まったことで来日取りやめとか。
    シュウ はい。ついに「日本人初」なことが起きます。契約書にもサインしたんで、あとは正式発表を待つのみです。矢沢のコンサートのプレミアムシートをキャンセルしてでもいく価値があります(笑)。
    ――その発表はあらためて楽しみにするとして、きたるRIZIN.37ではシュウさんがマネジメントする井上直樹選手(vs瀧澤謙太)、佐々木憂流迦選手(vs中原由貴)の試合が決定しましたね。
    シュウ 井上直樹選手は予定より早く日本に帰国しているので、最後の1ヵ月の調整は日本でやるんですけど、問題はセコンドに誰を送り込むか。本来ならメラブ・ドバリシビリの予定だったんですけど試合が決まっちゃったんでね。
    ――「どこでもメラブ」が(笑)。
    シュウ で、アルジャメイン・スターリングも試合があるし、もう1人のコーチも考えたんですけど、ビザがどうなのか。だからちょっとまだ決まってないんですけど、もしかしたら“ボス”こと魅津希ちゃんを送り込むことになるかもしれないな、と。
    ――送り込むというか、普通に帰国じゃないですか(笑)。
    シュウ いや、もうね、彼女はなかなか日本に帰りたがらないんですよ。いずれにしても、直樹選手はいい感じで調整できていると思うので。
    ――聞くところによると、井上選手自身は瀧澤戦はあまり気乗りしていないそうで。
    シュウ うーん、とにかく彼は「強い選手とやりたい」と、そればっかりなんですよ。だからボクは冗談で「じゃあ、ステロイドをバンバン打ってるような選手が来てもいいの?」と言ったんですけど、「はい、試してみたいです」と(苦笑)。
    ――ハハハハハハハハ!
    シュウ で、いまだから言えますけど、ジョン・ドットソンとか名前は出てたんですよね。彼はベアナックルかどこかに取られちゃいましたけど。
    ――おお、元UFCファイターのドットソンと井上直樹は観たいですね。ただ、RIZINという興行的に瀧澤選手のほうが絶対にいいんでしょうけど。
    シュウ そりゃそうですよ。ボクがRIZINスタッフだったらドットソンって「誰が知ってるんだ?」という感じじゃないですか。だから、普通は昨年のバンタム級グランプリで上位陣だった朝倉海選手や瀧澤選手と戦うのが話題になると思うんですけど、直樹選手はビックリするぐらいそういうこと考えてないんです。ですから、本人が乗り気じゃないというのは決して瀧澤選手に失礼な感じではなく、ただ鈍感で「強いヤツとやって上がっていきたい」ということしか考えてないんですよね。
    ――それはそれで愛すべき姿勢だと思いますけど(笑)。次の話題ですが、シュウさんがマネジメントしている平本蓮選手MMA初勝利おめでとうございます!
    シュウ ホッとしました(笑)。彼も含め、周りの人も全員ね。
    ――試合後、平本選手とは何かお話はされたんですか?
    シュウ 話はしてないけど、LINEでのやりとりはしまして。本人も明かしてましたけど、平本くんは練習で右の拳をケガしてたんで、試合中もちょっと違和感がある戦い方でしたけど、怪物くん(鈴木博昭)が思ったよりも殴りに徹してくれたので。というか、序盤にテイクダウンを取れなかったから諦めたんだとは思うんですけど、どうしてもキックボクサー出身のふたりですから、ああいったスタンドでの展開になっちゃったんでしょうね。
    ――大きな勝利だったとはいえ、やはり取り組むべきことも見えてきたというか。
    シュウ まあ、それははじめから見えていて、いろいろとあるんですけど、そのうちの一つは相手との距離ですよね。前回の鈴木千裕戦は、初っ端一発いいの喰らってやや焦ったのか、若干距離が近すぎて、まだキックボクサーみたいなスタンスでしたけど、今回はMMA用のスタンスで戦えたからよかったんじゃないかなと思います。
    ――いずれにしても1勝を挙げたことで、引き続きRIZINで試合を重ねていくということでよろしいんでしょうか?
    シュウ じつは、RIZINさんとは3試合契約で3試合終わったんですよ。だから、これから新しい契約の話をしないといけないんですけど、基本的には本人はRIZINでやりたいと思うんですよね。
    この続きと、佐藤大輔、『Breaking Down』、青柳館長、ターザン後藤などの7月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2113070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!