サマータイムの始まりは資源節約が目的
アメリカでは、資源節約を目的に、第一次世界大戦時からこの制度を実施してきました。2007年に「包括エネルギー法案」が可決され、前後2週間ずつ追加になり、合計4週間延びました。その結果、3月第2日曜日から11月第1日曜日まで、つまり1年のうち8か月間もサマータイムが採用されているのです。
サマータイムを導入すると、明るい時間が1時間増えるので、省エネに貢献すると言われています。たしかに、全米のオフィスが1時間早く電気を消したら、すごい省エネになりそう!
また、経済や産業にも好影響があり、人々のゆとりあるライフスタイルや犯罪率の低下などにも貢献する、と言われています。実際、ニューヨーカーたちは、明るい時間に仕事が終わるので、セントラル・パークでピクニックをしたり、アウトドアテラスでディナーを楽しんだり、ルーフトップバーでくつろいだり......と、家族や友人たちとゆったり贅沢な時間を楽しみます。
日本でサマータイムが定着しない理由
日本では、第二次世界体制後に連合軍により占領統治されていた時代に導入されました。しかし、「日本は湿度が高いので帰宅後の冷房需要が高い」、「日本は南北に長いので日の出・日の入り時間に格差があり、一律の導入は難しい」、「日本周辺の国は導入していないので欧米に合わせる必要性が薄い」などの理由で廃止されたそうです。
最近では、福島原発問題後の節電対策として議論が再燃したようですが、なかなか実施には至らないようです。「明るい時間が増えても残業が増えるだけ」、「体調が崩れる」、「通勤時間の交通に混乱が生じる」などの意見も多く、日本人の勤勉な国民性にはなかなか馴染まないのかもしれません。
サマータイムのスタートと同時に、日本でも環境問題だけでなく、過剰労働や豊かなライフスタイルを見直すよいきっかけなれば、と思います!
photo by Thinkstock/Getty Images
[Daylight Saving Time Around the World 2013,サマータイムパーフェクトナビ]
text by太田あや(Aya Ota)
BIO ARTS NYC, INC.代表 ニューヨーク在住。米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・コーチ。コロンビア大ティーチャーズ・カレッジで統合栄養学のサーティフィケートを取得。ニューヨーク大学大学院のメディア・コミュニケーション分野で修士課程修了。メディア・IT業界での豊富な経験と、食・健康に関する専門知識を組み合わせ、教育・情報発信事業やコンサルティング事業を展開。ライター&リサーチャーとして食・健康・環境などを専門に執筆実績も多数。 ホリスティック・ヘルス・コーチ資格取得講座>>