暮らしに活かす二十四節気「小満」の過ごし方
「小満(しょうまん)」
・毎年5月21日頃
・太陽と地球の関係:60度
今日(2018年5月21日)は、二十四節気の「小満」です。
小満とは、草木が茂り、動物たちの活動は活発になり、自然界が生命力で満ちてくる頃を意味します。本来ならば、自然のリズムに合わせて私たちのカラダも元気がわいてくる時季です。
しかし、実際には疲労を感じやすい頃といえます。というのも、新年度からスタートした新しい生活や環境、人間関係などに慣れてきたところで、ふっと気が抜けるタイミングだから。朝がなかなか起きられない、息切れがしやすい、カラダが重だるい……これらは小満の頃に現れやすいカラダのサインです。日々の疲れをこまめにリセットすることを心がけましょう。
疲れたときこそ時間を惜しまず湯船につかる
疲れをこまめにリセットするために見直したいのが入浴です。小満の頃は、気温が上昇して、夏のような陽気になることもしばしば。そのせいで、夜はシャワーだけでさっとすませたくなるかもしれません。ですが、その日の疲れをその日のうちに取り除くには、湯船につかるのが効果的。湯加減は40℃以下に設定し、いつもより長めにつかると、全身のすみずみまで血行が促され、疲労回復につながります。
仕事や外出先から疲れて帰ってきて、「今日は早く眠りたい」と思うときほど、ぬるめのお湯でゆったりと入浴した方が◎。 ぬるめのお湯は副交感神経に働きかけるので、リラックス効果も期待できます。
小満に見頃をむかえる「麦」の星とは
小満は、暦のうえで初夏にあたりますが、麦にとっては実りの時期です。毎年小満の頃、宵のうちに南の空を見上げると、オレンジ色に輝く星を見つけることができます。その星は、うしかい座の「アルクトゥールス」。日本では、麦刈りの時期に天高く輝くことから「麦星」と呼ばれていました。
小満の頃の夜空には、麦に関係している星がもうひとつあります。それは、おとめ座の「スピカ」です。スピカには「穂先」という意味があります。古い星図に描かれているおとめ座は、ギリシア神話に登場する農業の女神・デーメーテール。彼女は左手に1本の麦を持ち、その穂先にあたる星がスピカなのです。
アルクトゥールスもスピカも、1等星と呼ばれる明るい星で、市街地でも見つけることができます。これらの星を探すガイド役は、7つの星が柄杓(ひしゃく)のような形に並んだ「北斗七星」です。まず、北の空に北斗七星を見つけましょう。
次に、柄の曲がり具合にそって視線を南へ移していきます。すると、オレンジ色のアルクトゥールス、さらに視線を延長していくと白く光るスピカにぶつかります。属する星座が違う2つの星ですが、日本では「夫婦星」と呼ばれ、一対として見られていました。それだけ、この2つの星が広い夜空の中でも目立つ存在で、輝きがまるで呼応しているように見えたのでしょう。
梅雨入り前の、初夏の夜。気持ちのいい夜気に包まれながら、仲良く光る星たちを眺めていると、不思議と心が洗われていくのを感じます。星を眺めることも、心身の癒しにつながるのかもしれません。
次に巡ってくる二十四節気は、「芒種(2018年6月6日)」です。
イラスト・カイフチエリ