前編の黒ズミ毛穴の対処法に続いて、後編では、特に30歳をすぎると多くなる“たるみ毛穴”について美容家・山本未奈子さんにお聞きします。
「たるみ毛穴」の原因とは……
毛穴の悩みと一口に言っても、年齢によってその原因はまったく違うのだそう。20代〜30代前半までは、毛穴悩みといったら小鼻を中心としたポツポツがほとんどだけれど、30代の半ばからは顔全体の毛穴、それもたるみ毛穴へと悩みがシフトするのだとか。
「30代半ばからはエイジングによるたるみ毛穴が目立つようになります。また、若くてもダイエットで急激に痩せたりすると皮下組織が一気に小さくなるので肌がたるむことが。出産して体重が一気に落ちるのも毛穴やほうれい線悩みのモトとなるので、過激なダイエットも控えて」(山本さん)
「たるみ毛穴」は解消できる?
自身も毛穴に悩み、正しいお手入れ方法を実践してつるすべ肌を取り戻したという山本さん。山本さんいわく、黒ずみ毛穴や角栓のケアは効果が出やすいけれど、たるみから生じる毛穴はコツコツと地道なケアを続ける必要があるそう。
「黒ずみ毛穴は表皮の問題ですが、たるみ毛穴は真皮のハリがなくなり、肌が落ち込むのが大きな原因。真皮をケアするには3〜5年かかると言われているので、一刻も早くエイジングケアをおすすめします。たるみ毛穴は時間がかかりますが、地道な努力を続ければ必ず改善します。長い目で見て、コツコツとお手入れを続けましょう」(山本さん)
「たるみ毛穴」解消につながるセルフケア
手持ちのコスメで毛穴を引き締めたい! そんな欲張りに山本さんがおすすめしてくれたのが、温冷ケア。冷やして引き締めることで毛穴の開きが目立たなくなり、しかもメイクが崩れにくくなるというから一石二鳥。ただし、冷やすケアにはコツがあり、山本さんいわく
「冷やすケアは、必ずお手入れの最後に取り入れること。洗顔の最後に冷水ですすぐという方もいらっしゃいますが、私はおすすめできません。というのも、肌が温かいほうが美容成分は浸透しやすくなるから。まずは温かい状態でスキンケアをしてしっかり浸透させ、その最後に冷やすステップを取り入れましょう。冷やしたローションパックをのせてもいいし、タオルで包んだ保冷剤を当てるのも効果的。1〜2分冷やすだけで、毛穴がキュッとなるのを実感できるはずです」
とのこと。そして、たるみ毛穴をケアするのにおすすめなのが、エイジングケア美容液。クラランスの「トータルVセラム 」は、「使用感がよく、ハリが出てくるのを実感します」と山本さんも太鼓判。フェイスラインの引き締め用だけれど、たるみ毛穴のケアにもいいのだそう。さらに、肌を柔らかく整え、シワを改善する美容液のエリクシール シュペリエル「エンリッチド リンクルクリーム」も。代謝がよくなりハリ成分を増やしてくれるので毛穴ケアにぴったりです。
これらの美容液は、血行がよくなる入浴後、あるいはスチーマーやホットタオルで肌を温めた後だと浸透力がアップするそう。
毛穴悩みを和らげるインナーケア
外側からのケアも大切だけれど、内側からのケアも大事にしているという山本さん。
「コラーゲンが壊れてたるみ毛穴になったり、メラニンが生成されたり。そういったトラブルのもとは、肌内部の微炎症です。スキンケアだけでなく内側からそういったトラブルを防ぐために、ぜひ抗酸化作用の高いものを食事に取り入れて」(山本さん)
たとえば “エース”と称されるほど抗酸化作用が高いビタミンA、C、Eはその代表。また、植物が紫外線ダメージから自らを守るために作っているフィトケミカルを摂るのも効果的だとか。
「見分け方は簡単で、“色の濃い食べ物”を意識するだけ。特に暑いエリアで育った色の濃い食べ物には、こういったフィトケミカルが豊富に含まれています。アサイーやトマトのリコピン、緑茶のグリーンも抗酸化作用の高いポリフェノールの一種。ワインを選ぶなら白より赤……といった具合に、ちょっと気をつけると抗酸化力を高めることができますよ」(山本さん)
毛穴の悩みと一言で言っても、年齢によって毛穴のタイプが異なることに驚きました。30歳を過ぎたら、「たるみ毛穴」まで含めたエイジングケアを心がけたいですね。
山本未奈子さん
美容家。「MNC New York Inc.」代表取締役、「グローバルビューティカレッジ」理事長。ニューヨーク有数の美容学校を首席で卒業し、教鞭をとったのち、美容ブランド「シンプリス」を創設。自身の毛穴の悩みを克服した方法を明かした『毛穴レス美肌バイブル』(毎日コミュニケーションズ)ほか著書多数。
取材・文 / 高見沢聡子