「炭酸水は甘い炭酸飲料より健康によいもの?」
科学者を含めた一部からは、そんな疑問の声もあるようです。例えば、歯や消化、空腹感によくない影響があるのでは、といったことです。
炭酸水は健康にどのような影響があるのでしょう?
そもそも「炭酸水」って?
image via shutterstock「炭酸水」ですから、文字通り「炭酸を含む水」。
でも、ちょっと気をつけたいのは、炭酸水にはいくつかの種類があるということです。シカゴで栄養・食品のコンサルティング会社「80 Twenty Nutrition」を経営するクリスティ・ブリセットさん(管理栄養士で理学修士)によると、「炭酸水にはいくつかタイプがあって、その違いがわかりにくいのです。スパークリング(発泡)ミネラルウォーター、セルツァー、クラブソーダ、それにトニックウォーターです」
基本的に、二酸化炭素で発泡している点はどれも同じです。そのうえで次のような違いがあります。
スパークリング(発泡)ミネラルウォーターは、自然に発生したガスを含み、そのために発泡しています。もっと発泡させるために、二酸化炭素が添加される場合も。塩分や硫黄化合物など、天然のミネラルも含まれています。 セルツァー水は、二酸化炭素入りのただの水で、香料が添加されたものもあります。 クラブソーダは、ミネラルウォーターより多くのミネラルを含みます(重炭酸ナトリウム(いわゆる重曹)、クエン酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸二ナトリウムなど)。 トニックウォーターは、砂糖が添加されています。どうして炭酸水がよくないと言われるのか?
image via shutterstock「炭酸水に悪い評判が立つ理由にはいくつかあります。歯に悪影響があると考えられていること、成分の一部が本当に“天然”かどうか疑問が出ていること。加えて、おなかが張って、ガスがたまりやすいという声もあります。発泡しているため、消化管に空気が入ってきますから、不快に感じる人もいます」(ブリセットさん)
さらに、「少し昔の研究によると、炭酸飲料は骨の健康によくないとされています」と、管理栄養士・認定スポーツ栄養士・認定管理栄養士/栄養士のケリー・ジョーンズさんは説明します。
このほか、炭酸水は普通の水より水分補給になりにくいために、“空腹ホルモン”を増やしてしまう可能性も指摘されます。ネズミを使った研究によると、炭酸水を飲むと空腹を感じさせるホルモン“グレリン”がたくさん作られるとわかったのです(男子大学生20人を対象に結果を確かめた研究でも)。
炭酸水を飲んだ方がいい人は?
「甘い炭酸飲料をたくさん飲んでいる患者には、砂糖や人工甘味料から抜け出す方法として、炭酸水をすすめています」と、ブリセットさん。ジョーンズさんも同意。「私はよく炭酸水をすすめるだけでなく、自分でもいつも飲んでいます」
ふたりともすすめるのはプレーンタイプ。フレーバーをつけたかったら、自分でフルーツ(フローズンフルーツでも)を加えます。「おなかが張ったり、ガスがたまったりしない限り、毎日、一日中でも炭酸水を飲んでいいのです」とブリセットさんはつけ加えます。
「大半の人にとって、炭酸水を控える理由はないと思います。ただ、中〜高強度の運動中や直後には、ガスがたまる原因になりかねないのでおすすめしません」と、ジョーンズさんも言っています。
自分の適量を考えて体調と相談しながら飲むとよいでしょう。
太りにくい体をつくろう
Natalie Rizzo, MS, RD/So Is Sparkling Water Bad for You, or What? Dietitians Explain
訳/STELLA MEDIX Ltd.