しばらくがんばったのに体重がちっとも落ちないと、かなり悔しい気持ちになりますよね?
そこで、最前線で活躍する栄養士の皆さんに、ダイエットがうまくいかないのはなぜなのか、体重がなかなか落ちない原因はどこにあるのかについて聞いてみました。
ダイエットを長く続けて成功させるにはどうしたらいいのでしょうか。多くの人がやりがちな、意外な間違いとは?
体重計の数値を気にしすぎている、できるわけのない目標を設定しているなど5つは、こちらで。
1. いろんなことをすぐにやろうとしている
食生活に一生続けていけるような変化をもたらしたい場合、すべての炭水化物をやめる必要はない(むしろやめるべきではない)ことは、おそらくあなたももうわかっているはず。
6時間内に1日のすべての食事を済ませなくてはいけないということもないし、1週間で7kgも体重を落とせるなどと期待すべきでもありません。
「特定の食品や食べる量、食事の時間を極端に制限すると、気づかないうちにカロリーの摂取過多を招いてしまうかもしれません。特にダイエットを長くやっている人は気をつけて。それよりも無理のない現実的なダイエットを行って、身体を動かすことに集中しましょう」と、ニューヨーク市の登録栄養士バーリ・ストリコフさん。
継続可能な小さなことをするよう勧めているのは、健康的なダイエットについて解説する『The One One One Diet』の著者で公衆衛生学者のラニア・バテイナーさんです。
1か月にひとつ変えることから始めてみましょう。それが習慣として身についたら、4週間後には新しいものをひとつ追加します。たとえば、次の通り。
1日に飲む炭酸飲料をひとつ減らす 毎週3回、ワークアウトに10分間の有酸素運動を追加する コーヒーはクリームも砂糖も入れずにブラックで飲む サラダのドレッシングを半分の量にする「ダイエット中の人は、簡単でいちばん早く体重が減る方法をいつも探しています。何らかの理由で体重が落ちて数日間はキープできても、その後で前よりも体重が増えてしまったりすることも。ゆっくり、そして着実なほうが効果的だし、体重が減った状態を維持できるようになりますよ」(バテイナーさん)
2. 食べ物と不健康な関係を築いている
いちばん長続きする方法を考える際に出発点となるのは、何を食べたらいいのかではなく、自分の気持ちです。
「食べ物と健康的な関係を築く最初のステップは、“ダイエットをしない”ことを自分に許すこと。これが健康的なライフスタイルと密接に関係しているます」と話すのは、栄養カウンセリングを行う企業トゥー・ザ・ポイント・ニュートリションのオーナーで登録栄養士のレイチェル・ファインさん。
「私は甘いものが大好きなんですよ。でも甘いものを避けるのではなく、その気持ちにきちんと向き合っているんです! 毎晩ちょっとだけチョコレートを味わってもいいことにしているのですが、そのおかげで、もっとほかの選択肢が目の前に提示されたときに、食べたいという欲求を抑えられるようになりました」
レストランに行って、まあまあの選択肢が並んでいるデザートメニューを見ても、ファインさんはめったに注文することはないのだそう(なぜなら家でおいしいチョコレートが待っているので、甘いものへの気持ちがいつも満たされているから)。
「“しばらくこんな機会はないだろうから、いまのうちにいっぱい食べておかなきゃ!”という気持ちにはなりません」とファインさん。多くの人が“これはダメ、あれもダメ”というダイエットに従っているように思える、とバテイナーさんも指摘します。
3. 繊維質をほとんど摂っていない
食べることを加減すると、少々お腹が空く時間ができます。繊維質を35g以上摂取するようにすれば満腹感がより長く続くはず、と話すのはイリノイ州シカゴの登録栄養士マヤ・F・バックさん。
「食物繊維はお通じも規則的になるので、消化機能の健康も向上します。さらに繊維質を豊富に摂取すると体内で消化されるのに時間がかかるため、食欲やカロリー摂取を抑制するのが容易になります」
繊維質の摂取を増やすには、以下を検討してみましょう。
農産物は、バナナのような皮を剥くものよりも、皮付きのものを選ぶ ジュースやスムージーを飲むのではなく、果物をひと切れ食べる レストランの付け合わせが野菜とフライドポテトのセットなら、ポテトの代わりに野菜を倍にしてもらえないか頼んでみる 手早く簡単な朝食や軽食として、職場にオートミールの小袋を備えておく4. 食べ物を勧めてくる人たちがまわりにいる
会社で働いていると、誕生日や退職祝い、“ベーグルを食べる金曜日”といったような食べ物に囲まれる機会がたくさんあります。
事実、アメリカ疾病対策センター(CDC)によれば、平均的なアメリカ人は、職場のフリースナックだけで毎週1277kcalを摂取しているそう。これは、単純に計算すると3週間につき0.45kg体重が増えることになり、1年間に換算すると7.7kgにもなってしまいます。
身体を引きしめるという目標をいったん立てたのであれば、オフィスのデスクの目に入る場所に張り紙をしておきましょう。それから同僚にも自分の願いを伝えて、協力をお願いすること。おやつが食べたくなったらベーグルは誰かと分け合い、ブラウニーをもう1個うっかり食べてしまうかわりに、散歩に行くのがベター。
「目標を達成するのを支えてくれる友人や同僚を見つけてください。習慣を変えるのをひとりで行うべきではありません。助けてくれる仲間を探して、一緒にやりましょう!」(ウェルナーさん)
5. 食べている量が多すぎる
アボカドトーストを食べ過ぎていませんか? 「よいものを食べ過ぎてしまうということもあります。“ヘルシーな食べ物”だと思われているからといって、好きなだけ食べてもいいわけではありません」とウェルナーさんは注意しています。
ファインさんによると(少なくともダイエットの最初のうちは)家で調理した食事の量を計ることから始めるのが確実とのこと。
『Current Obesity Reports』誌が行った分析では、レストランや料理本の量は比較的多めになっています。そして量が倍になると、標準的な量にくらべて35%も多くカロリーを摂取することになるとオーストラリアの研究で判明しています。
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訳/Maya A. Kishida