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もしもがんになったら…医師に聞いておくべきポイントとは?
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もしもがんになったら…医師に聞いておくべきポイントとは?

2019-08-02 05:30
    自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「乳がんを告知されたら……」について、お届けしました。今回は、「乳がんの治療前に医師に聞いておくべきポイント」を女性医療ジャーナリストで乳がん経験者の増田美加がお伝えします。

    治療施設や医師選びは、がんの場合、特に重要です

    乳がん治療は、乳腺外科(乳腺・内分泌外科)、あるいは外科で乳腺外来を設けている医療施設が専門です。そこには、乳腺の専門医がいて、乳がん、良性の乳房の病気など、乳腺の病気全般を扱います。

    がんの場合、施設や医師選びは重要です。

    どのがんでも共通する選び方のポイントは、

    そのがんの専門医であるかどうか 治療の選択肢をあげて、選ばせてくれるかどうか 質問に嫌がらずに、答えてくれるかどうか セカンドオピニオンを嫌がらない 相性がいいと感じるかどうか 放射線や腫瘍内科の専門医がいる施設かどうか 病理医や緩和ケア医がいる施設かどうか 通院しやすい施設かどうか

    治療施設と医師が決まったら、次は、どのような治療法を選択するか、です。

    「先生にお任せ」ではいい医療は受けられない!

    今、医療では、インフォーム・ド・コンセントと言って、患者や家族が医療者からの説明を聞いて、病状や治療について十分に理解し、どのような医療を選択するかを、医療者と情報共有して、自ら決定していきます。

    「先生にお任せします」では、いい治療は受けられません。

    そこで、大切な治療法を自ら決定する前に、医師に納得するまで説明を聞いておく必要があります。

    治療を決める前に医師に聞いておくべきこと

    医師に確認しておくべきポイントはなんでしょうか? 

    乳がんの場合を例にしてまとめました。

    1.診断の内容は?

    がんのある位置はどこか。大きさはどの程度か。リンパ節転移や他臓器への転移はあるのか。悪性度は高いか(進行の早いタイプか、緩やかなタイプか)。がんの病期(ステージ)はどこか。

    最終診断は、術後の病理検査の結果になりますが、術前検査結果での診断を確かめましょう

    2.その診断はどんな検査結果からわかるの?

    その診断は、どんな検査結果に基づくのか――、医師が下した診断の理由は、何かを聞いていますか? 

    難しいからわからないとあきらめないで。医師は、わかりやすい言葉で、納得するまで説明してくれるはずです。1回でわからなければ、別の日にもう一度時間をとってもらうよう申し出ましょう。

    3.現在の標準的な治療はどんなもの?

    診断結果に納得できたら、次は治療法について詳しく聞きます。

    まず、自分の場合は、「乳がん診療ガイドライン」に沿った標準的な治療法(科学的データに基づいて効果があると証明されている治療)がどのような方法なのかを聞きます。それが現在、もっとも多く行われていて、科学的に効果があるとされている治療方法になります。

    4.医師がすすめる治療法は?

    次に、主治医がすすめる治療法について聞きます。もしも、標準的治療と異なるときは、その内容と根拠を説明してもらいましょう。

    大切なのは、治療開始前に、手術のことだけでなく、術後の治療の可能性についても聞いて、全体を見渡しておくことです。

    5.治療法の選択肢はほかにある?

    医師がすすめる治療以外に、どんな治療が考えられるかを聞きましょう。

    乳がんの病期(ステージ)によっては、選択肢の幅が狭まることもありますが、たとえば「乳房温存手術をすると、その後の治療はどうなるのか?」、逆に「切除術だとその後の治療はどうか?」などです。

    6.治療のメリット、デメリットは?

    医師がすすめる治療法と、ほかの治療法と比べてメリット、デメリットを比較検討しましょう。

    それぞれの治療法にどのような効果があり、どのようなデメリット(副作用)があるかを聞きます。そうすることで、治療を選択する手がかりになり、何が大切か見えてきます。

    7.治療を決めるまでどのくらい時間的猶予がある?

    乳がん治療では、急がなければならない状態のことは、ほとんどありません。

    手術は、どのくらい先まで待てるのかを聞いてみれば、時間的猶予(余裕)がわかります。たいてい告知から3~4か月は問題ありません。

    がん治療の場合は、あとで後悔しないように、できるだけ情報を集めて、治療を決定することが大事。早く手術日を決めようとするのは、病院側の都合である場合も少なくありません。

    8.長期的な治療の見通しは?

    乳がんの治療はほとんどの場合、手術で終了ではありません。術後に、放射線治療、ホルモン療法、化学療法(抗がん剤、分子標的治療)、乳房再建などのいずれか、あるいは全部を組み合わせて行うことがほとんどです。

    目前の手術のことだけでなく、術後の見通しや治療期間についても聞いておきましょう

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    増田美加・女性医療ジャーナリスト 予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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