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テーブルコーディネートやインテリアコーディネートはイメージがわくけれど、「和の室礼」と聞くと、なんとなくなじみがなく敷居が高いように感じられる方も多いのではないでしょうか?
和の空間に、美しく移りゆく節季の室礼をとりいれ、和の心でおもてなしをするのが、和の国の文化です。季節の変化に敏感に自然とともに生きる暮らしは、まさにロハス女性が目指すところ!
「和の室礼」は奥深い世界ではありますが、まずは気軽に身の回りにあるものを活用し、楽しんでみませんか?
Q:そもそも「室礼」ってなに?
A:「室礼」と書いて「しつらい」と読みます。 「しつらい」とは、日本で生まれた言葉で、平安貴族がハレの日にふさわしい調度を置いて、部屋を整えることをいいました。その後、室町時代になり「室礼」という漢字があてられました。会場などを「設える・しつらえる」という言葉の語源です。
農耕民族であった日本人は、季節の節目となる時期に、自然の恵を祈願・感謝し、供物を捧げてきました。それが年中行事となって人々の暮らしに定着したのです。「室礼」は、こうした年中行事の目的や内容に合わせ、室内に季節の作物や草花などをしつらえ整える習わしであり、時代に合わせ変化してきました。
現在では、家庭での室礼は簡略化が進んでいますが、「室礼」を行う代表的なものに、「五節供」があります。
Q:和室や床の間がなくても、また、豪華な装飾品がなくても、室礼を楽しめますか?
A:室礼というと、和室の床の間に著名な書家による書、高価な花器に絢爛豪華な花が飾りつけられているといったイメージをもつ方も多いかもしれませんが、実際には、季節や人生の節目にあわせ、家の中にある物や、草花などを用いることができます。
また、和室や床の間がない家でも、玄関、壁、棚・机の上のスペースなどの場所に飾りつけ、楽しむことができます。
Q:室礼時に、まずやるべきこと、意識すべきことはなんですか?
A:室礼時にはまず主題、テーマを何にするかを決めます。それから、自然と物とがうまく調和するように趣を整え、風情をそえるよう道具だてを考えます。
茶道をはじめとするあらゆる和文化の根底にある「一期一会を大切にする精神」「おもてなしの心」は、室礼でも重要です。室礼は、お客様をお迎えするためのものであり、お客様の心にあわせ飾り付け、コミュニケーションを円滑にする手段、人間関係や生活をより豊かにするものであるという意識をもつとよいでしょう。
Q:「二十四節気」ってなに?
A:「二十四節気(にじゅうしせっき)」とは、節分を基準に1年を24等分して約15日ごとに分けた季節のことです。
1か月の前半を「節」、後半を「中」と言います。その区分点となる日に季節を表すのにふさわしい春・夏・秋・冬などの名称を付けました。
古く日本人は一年を二十四節季に分けて暮らしており、室礼もそれにそう形で、繊細な季節感を暮らしにとりいれ、整えられていました。
Q:「五節供(節句)」ってなに?
A:歳月を二十四節気に分け、その節目節目に区切りをつけたのが「五節供」です。
五節供の「節」というのは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のこと。暦の中で奇数の重なる日を取り出して(奇数が重なる日には禍が起こるとされた中国の古い言い伝えから)、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的から始まりました。この中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合わさり、定められた日に宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり「節供」といわれるようになったそうです。
人日(じんじつ・1月7日)・上巳(じようし・3月3日)・端午(たんご・5月5日)・七夕(たなばた・7月7日)・重陽(ちょうよう・9月9日)、この5日を五節供といい、けがれを落とすための儀式が行われるようになりました。
Q:「節供料理」とは?
A:節供料理とはおせち料理のことです。現在では「おせち料理」=「お正月のお料理」のイメージが定着しましたが、もともと、五節供それぞれに「節供(おせち)料理」があり、季節の節目を味わっていました。
節供料理には、その季節に一番最初に芽をだした植物、実った果実などがメインの素材として使用されていました。初物は、霊力があると信じられていたため、初物を食べる時には東を向いて笑顔で食べると七十五日長生きをするという言い伝えが残っています。
流通が発達していない時代に生まれたので、各地の旬の素材を使ってつくられ、地方独自の様々な節供料理が生まれました。
和の室礼や料理の楽しさは、季節と物をどう調和させ、そこにいかに風情を出すかにあります。そして、和の室礼やおもてなしを学ぶことは、和文化を学ぶことに通じています。
伝統的な日本家屋が減ってきている時代だからこそ、工夫をこらし、暮らしの歳時や伝統行事を大切にする生活「和の室礼・おもてなし」を大切にしたいものです!
本物の「和の室礼」にふれていただける機会として、来年1月26日(土)、 日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋で、「和の室礼と食を味わう会」を開催予定です。
なかなか足を踏み入れる機会のない有形文化財 二木屋の美しい室礼の中、室礼のプロフェッショナルとして多数の著書をもつ二木屋のご主人、小林玖仁男氏から、和の室礼についてお話をうかがいつつ、特別な日本料理をご堪能いただける企画です。
一緒に和の室礼と食を味わってみませんか?
日時:2013年1月26日(土)12:15開場 12:30開始
講師:小林玖仁男先生(日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋 主人)
会場:日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋
お申し込みはこちら>>
ご参加お待ちしています!
text by 神森 真理子(かみもり・まりこ)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
パリ大学で映像・アートビジネスの勉強をし、松竹(株)に入社。ベルギー・フランス生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、現在は日本文化の伝道師として、日本文化・食・アートの魅力を発信するイベント企画・プロデュース・執筆・講演などを多数手掛ける。日本を学ぶ大人の学校「和塾」世話人。+ART CLUB/「食とアートの会」主宰。「銀座なでしこ会」幹事。ワインコミュニティ「OWL」主宰。フードアナリスト1級・ワインエキスパート・利酒師。【ブログ】神森真理子の『食を!アートを!日本文化を!楽しもう』。【連載】日本酒を楽しむスマホマガジン「酒ゼミ」にて日本酒コラム執筆中!【監修】現代ビジネス:安倍昭恵「対談『日本の食』を考える」
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和の空間に、美しく移りゆく節季の室礼をとりいれ、和の心でおもてなしをするのが、和の国の文化です。季節の変化に敏感に自然とともに生きる暮らしは、まさにロハス女性が目指すところ!
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Q:そもそも「室礼」ってなに?
A:「室礼」と書いて「しつらい」と読みます。 「しつらい」とは、日本で生まれた言葉で、平安貴族がハレの日にふさわしい調度を置いて、部屋を整えることをいいました。その後、室町時代になり「室礼」という漢字があてられました。会場などを「設える・しつらえる」という言葉の語源です。
農耕民族であった日本人は、季節の節目となる時期に、自然の恵を祈願・感謝し、供物を捧げてきました。それが年中行事となって人々の暮らしに定着したのです。「室礼」は、こうした年中行事の目的や内容に合わせ、室内に季節の作物や草花などをしつらえ整える習わしであり、時代に合わせ変化してきました。
現在では、家庭での室礼は簡略化が進んでいますが、「室礼」を行う代表的なものに、「五節供」があります。
Q:和室や床の間がなくても、また、豪華な装飾品がなくても、室礼を楽しめますか?
A:室礼というと、和室の床の間に著名な書家による書、高価な花器に絢爛豪華な花が飾りつけられているといったイメージをもつ方も多いかもしれませんが、実際には、季節や人生の節目にあわせ、家の中にある物や、草花などを用いることができます。
また、和室や床の間がない家でも、玄関、壁、棚・机の上のスペースなどの場所に飾りつけ、楽しむことができます。
Q:室礼時に、まずやるべきこと、意識すべきことはなんですか?
A:室礼時にはまず主題、テーマを何にするかを決めます。それから、自然と物とがうまく調和するように趣を整え、風情をそえるよう道具だてを考えます。
茶道をはじめとするあらゆる和文化の根底にある「一期一会を大切にする精神」「おもてなしの心」は、室礼でも重要です。室礼は、お客様をお迎えするためのものであり、お客様の心にあわせ飾り付け、コミュニケーションを円滑にする手段、人間関係や生活をより豊かにするものであるという意識をもつとよいでしょう。
Q:「二十四節気」ってなに?
A:「二十四節気(にじゅうしせっき)」とは、節分を基準に1年を24等分して約15日ごとに分けた季節のことです。
1か月の前半を「節」、後半を「中」と言います。その区分点となる日に季節を表すのにふさわしい春・夏・秋・冬などの名称を付けました。
古く日本人は一年を二十四節季に分けて暮らしており、室礼もそれにそう形で、繊細な季節感を暮らしにとりいれ、整えられていました。
Q:「五節供(節句)」ってなに?
A:歳月を二十四節気に分け、その節目節目に区切りをつけたのが「五節供」です。
五節供の「節」というのは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のこと。暦の中で奇数の重なる日を取り出して(奇数が重なる日には禍が起こるとされた中国の古い言い伝えから)、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的から始まりました。この中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合わさり、定められた日に宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり「節供」といわれるようになったそうです。
人日(じんじつ・1月7日)・上巳(じようし・3月3日)・端午(たんご・5月5日)・七夕(たなばた・7月7日)・重陽(ちょうよう・9月9日)、この5日を五節供といい、けがれを落とすための儀式が行われるようになりました。
Q:「節供料理」とは?
A:節供料理とはおせち料理のことです。現在では「おせち料理」=「お正月のお料理」のイメージが定着しましたが、もともと、五節供それぞれに「節供(おせち)料理」があり、季節の節目を味わっていました。
節供料理には、その季節に一番最初に芽をだした植物、実った果実などがメインの素材として使用されていました。初物は、霊力があると信じられていたため、初物を食べる時には東を向いて笑顔で食べると七十五日長生きをするという言い伝えが残っています。
流通が発達していない時代に生まれたので、各地の旬の素材を使ってつくられ、地方独自の様々な節供料理が生まれました。
和の室礼や料理の楽しさは、季節と物をどう調和させ、そこにいかに風情を出すかにあります。そして、和の室礼やおもてなしを学ぶことは、和文化を学ぶことに通じています。
伝統的な日本家屋が減ってきている時代だからこそ、工夫をこらし、暮らしの歳時や伝統行事を大切にする生活「和の室礼・おもてなし」を大切にしたいものです!
本物の「和の室礼」にふれていただける機会として、来年1月26日(土)、 日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋で、「和の室礼と食を味わう会」を開催予定です。
なかなか足を踏み入れる機会のない有形文化財 二木屋の美しい室礼の中、室礼のプロフェッショナルとして多数の著書をもつ二木屋のご主人、小林玖仁男氏から、和の室礼についてお話をうかがいつつ、特別な日本料理をご堪能いただける企画です。
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日時:2013年1月26日(土)12:15開場 12:30開始
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会場:日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋
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ご参加お待ちしています!
text by 神森 真理子(かみもり・まりこ)
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パリ大学で映像・アートビジネスの勉強をし、松竹(株)に入社。ベルギー・フランス生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、現在は日本文化の伝道師として、日本文化・食・アートの魅力を発信するイベント企画・プロデュース・執筆・講演などを多数手掛ける。日本を学ぶ大人の学校「和塾」世話人。+ART CLUB/「食とアートの会」主宰。「銀座なでしこ会」幹事。ワインコミュニティ「OWL」主宰。フードアナリスト1級・ワインエキスパート・利酒師。【ブログ】神森真理子の『食を!アートを!日本文化を!楽しもう』。【連載】日本酒を楽しむスマホマガジン「酒ゼミ」にて日本酒コラム執筆中!【監修】現代ビジネス:安倍昭恵「対談『日本の食』を考える」
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