みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。今年大注目の天体「アイソン彗星」が、11月29日に太陽に最接近します!
見頃は、ちょうど今! 日の出前の東の低空に注目を彗星とは、おおざっぱに説明すると、表面にチリがついた「汚れた雪の玉」のようなもの。太陽に近づくと、その熱で彗星本体が蒸発し、ガスやチリも一緒に放出されます。このとき、太陽とは反対の方向に細長く伸び、まるで箒(ほうき)のように尾を引いた状態になります。これが、天体写真などでよく目にする彗星の姿です。
彗星が太陽に近づく様子って、なかなか想像がつきませんが、この動画を見れば一目瞭然。太陽系の中で、アイソン彗星がどのように移動しているのかがわかります。
太陽に最接近する11月29日に、アイソン彗星はもっとも明るくなると予想されています。ですが太陽に近すぎるため、肉眼ではもちろんのこと、双眼鏡や望遠鏡でも見ることはできません。
では、見頃はいつになるかというと、太陽に一番接近する少し前と、少し後。具体的には、ちょうど今頃から11月24日頃までと、12月4日頃から10日頃まで。いずれの場合も、日の出前の東の低空(地平線近く)に注目です。
もしかしたら肉眼で彗星の姿をキャッチできるかもしれません! アイソン彗星の位置は、日に日に変化していくので、国立天文台のホームページなどで詳細をチェックしてから観察するのがおすすめです。
彗星は、明るさを予想するのがとても難しい天体です。もしも現時点で期待していた姿が見られなくても、急に明るさを増したり、尾が長くなったりする可能性があるので、目が離せません! しばらくの間は、夜明け前の東の空を見るために、早起きを続けることになりそうですが、その価値は十分にあります。
チャンスは一生に一度だけ!アイソン彗星は太陽に近づいた後、太陽系の彼方へ去っていき、もう二度と戻ってこない天体です。人類が、この彗星と対面できるのは、長い宇宙の歴史において、たった一度きり。しかも、日本国内にいながら、自分の目で彗星の姿が見られるかもしれないなんて、とってもラッキー! 宇宙の中の一期一会を体験するため、明日も空を眺めます。
photo by Thinkstock/Getty Images
(景山えりか)