普段から鳥そのものや、鳥をモチーフにした雑貨が大好きな友人も、先斗町のあちらこちらで見つかる、千鳥柄の提灯や看板やお土産ものを、撮影したり求めたり、たっぷりと楽しんだもよう。
私はといえば、いつもより品数の多い夕餉の準備にいそしんだり、書こう書こうと思ったまま筆を持てずにいた手紙を書いたり、片付けをしたり、自宅で悠々過ごすことに。そんな中、友人からの京都便りに感化され、5月という季節を象徴する、京都メイドの千鳥雑貨をいっせいに集め活用しました。
まずは部屋の香りから。贈りものにいただきながら、あまりに雅びやかで箱の中に大事にしまったままにしていた「豊田愛山堂」の千鳥の印香に火を入れて、古都の香気を吸い込みます。毎日の繰り返しの中で、香りは手軽に気分転換できるすぐれもの。
それからおやつに、餡と白味噌の柏餅を。「嵩山堂はし本」製の、それぞれ異なる千鳥の懐紙にのせてみました。子どもの頃からの大好物でふっくらお腹も満たされたところで、長らくのばしのばしにしていた、お礼状書きに着手。封筒には、懐紙と同じく「嵩山堂はし本」の手紙用に和紙を用いた匂い袋「文香」をしのばせて。もちろん柄は千鳥のもの。
こんなふうに過ごす休日。出かけたのは、近所だけ。スーパー、薬局、八百屋に、花屋。それでも、千鳥の帯留めをブローチ代わりに安全ピンでひっかけて胸に飾れば、気の抜けたいつもの格好とは違う、特別な気分に。千鳥に囲まれ、初夏の気配とのんびりな休日を満喫しました。
京都・「豊田愛山堂」の印香。型抜きして作られるお香で、花や縁起ものなどいろいろなモチーフがあります。
手紙道具や、ポチ袋、香りの雑貨がずらりと並ぶ、京都「嵩山堂はし本」で求めた懐紙。お菓子をのせるだけでなく、一筆箋にも代用しています。
「嵩山堂はし本」の、文香と金封。文香は、封筒に偲ばせて。封を開けるとふわりと薫香が流れ出します。手紙を届ける相手の方への心遣い。
随分前に「豊田愛山堂」で求めた、千鳥のつげ櫛と帯留め。帯留めはピンにひっかけ、ブローチにアレンジして使うことも。