ストレス、不安などの対処法「ソフロロジー」
ソフロロジーは、1960年代、スペインの精神神経科医A. Caycedo(カイセド)によって考案された「心と身体の調和を目的とする学問」です。
日本では出産法のひとつとして聞くことしかありませんが、フランスでは、ストレスを始めとする、さまざまな内面の問題にうまく対処する方法として、最近脚光を浴びはじめています。
私のまわりでも、ソフロロジーのセッションを受けることで、対人恐怖症が改善した例や、落ち着きのなさがおさまった子どもの話を聞くことがあり、気になっていました。
よく聞けば、ストレス以外にも、不安、恐怖症、不眠、集中力の欠如も改善されたり、つらい別れや出産など、人生の節目に上手に対応する力もつけてくれるそうです。
そう言うと、まるで万能薬のように思えますが、ソフロロジーは、薬のように外から何かを与えてくれるものではありません。ソフロロジーにできるのは、「身体の声を聴き、それに応える」方向へ導いてくれること。身体の声を聴くのも、それに応えるのも、あくまで本人なのです。
ソフロロジーエクササイズのやり方
ソフロロジーのエクササイズは、落ち着ける場所なら、どこででもできるものです。普通はソフロロジストの誘導する声を聞きながら行いますが、その声は録音したものでも可能ですし、慣れてくれば声がなくてもできます。
1.ダイナミックリラクセーション
深い呼吸とともに筋肉の弛緩をいざなうエクササイズ
2.ソフロニゼーション
物事をポジティブに捉えるテクニック
L'Express誌より翻訳引用
別世界から戻ってきたような不思議な心地
ものは試しと、私もソフロロジーを試してみました。
最初は、ソフロロジストの声に導かれて、身体の各部分の緊張を徐々に緩めることから始まります。始める前は、ソフロロジストの声がかえって邪魔にならないかと思ったのですが、やはりさすがはプロ。ゆっくりとしたリズムで話される静かな声は、耳に心地よく、安心感も誘うため、リラクセーションの大きな助けになりました。
身体の緊張を解いたあとは、そのまま上述のソフロニゼーションに移ります。例えば「自信をつける」コースでは、ポジティヴな言葉と文章が並べられ、それを心と身体に刻むように繰り返すエクササイズを行うのです。
最後に、再びソフロロジストの声に従って、ゆっくりと身体の緊張を取り戻します。
ほとんど動きもせず、ずっとひとところに座っていたのに、目を開けると、なんだか別の世界から戻ってきたような不思議な心地がしました。瞑想につながる効果があると言われるのも納得できる話です。
また、体験してみてもうひとつしみじみ感じ入ったのは、多くの問題解決の糸口は、実は私たちの内にあり、うまく辿りさえすれば、私たちにはひとりひとり、その問題を解決する力があるのだということ。
自分の内なる力を信じ、それをうまく伸ばすソフロロジー。ヨガや瞑想と同じように、ロハスな生活にこそふさわしいものに思えました。
meditating, flower via Shutterstock
(冠ゆき)