感動を抑えきれず、そのお人形をギュッとちいさな胸に押しつけ、嗚咽を止めることができないエマ。
もう一人ぼっちじゃない
彼女の号泣のワケは、そのお人形の片足がプロテーゼをしていたから。じつはエマもすこし前に片足を失い、プロテーゼをつけていたのでした。あたらしいお友達を一瞬にして心底気に入った様子のエマ。
まるでつらかった自分自身を抱きしめてあげるかのように、ずっと胸に人形を抱きっぱなし。元気にふるまってはいるものの、足を失うことは何歳であってもとてもつらいこと。しかも遊びたいざかりの子どもにとっては非常に酷な出来事です。これからの長い人生において不自由に感じることもあるでしょうし、自分の体と向き合わない瞬間はないでしょう。
そんな彼女の気持ちを汲んだ家族の「配慮」や「思いやり」について、多くの人が考えさせられたのではないでしょうか。
一人ひとり、皆が社会の一員であること
エマの人形を制作したのは、ニューヨークに本部を置く「A Step Ahead Prosthetic」。技術だけでなく見た目にも本物のようなプロテーゼづくりにかけては先駆者的存在。子どもから大人、またアスリートたちのためのプロテーゼを制作しています。事故や病気で足を失った子どもたちの写真を両親が会社まで送ると、その子どもそっくりのお人形を制作、プロテーゼと共にカスタマイズして家まで送り届けてくれます。
「私たちは人形を一体一体患者のためを想い制作、「本物のプロテーゼ」を取り付け、手作業で丁寧に色付けをしています。(プロテーゼをした患者とそっくりな人形をプレゼントすることで)足を失ってしまった子どもたちが自分に誇りを持てるように、また社会の一員として生きていくことができるような大きな手助けとなることを願っています」
(代表ダニエル・クレップナー氏のコメントより引用翻訳)
じつはこのプロテーゼ作成にはカスタマイズ料金が一切かかりません。それは企業理念として、将来ある子どもたちを幸せにしたいというものがあるからだそう。「配慮」ということについて、どんなちいさなことでも、人の気持ちになって考えることは大事なのだと思いました。
[A Step Ahead Prosthetic,YouTube]
photo by PIXTA
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