欲しいものや理想の状態に向かっていくのは、達成感のある楽しい作業です。何かを欲することは生命力の証でもあります。人間として向上したい、毎日をもっと有意義にしたいという思いがもとになっています。その一方で、しあわせを求めて突き進む意識の根底には、「何かがなければ、何かをしなければ幸せを感じることができない」という前提があるようにもみえます。無意識に頭のどこかで、幸福感に条件を付けているようなのです。
幸福感は一瞬の感情ではなくこころの状態何か特別なことをしなければ、または何かを手に入れなければ幸せにはなれない。そうであれば、人は永遠に幸せを求めてさまようことになります。なぜなら、何かが手に入って幸せを感じても、また時間が経てば別の状態を求めてしまうから。これはスピード社会に生きるうえでごく自然なこと。いつまでも3年前のスマートフォンで満足することはできないし、自分が思い描く理想も成長とともに変化していきます。
つまり、モノや条件によって手に入れる幸せは一瞬の感情のようなものだということ。そして感情とは流れていくものです。さっきまで泣いていた子どもが、次の瞬間にはもう笑顔になっているように、感情はどこからともなくやってきては消えてゆきます。
一方で、深い幸福感は一瞬の感情ではなく、こころの状態だと言われています。ポジティブ心理学が定義する幸せとは、「喜びの経験、満足感、またはポジティブで健康な状態。その人の人生に意味があり、価値があるものだと感じる状態」です。また、幸福感は条件が揃うのを待たずとも今すぐに自分で意識して作っていくことができると言われています。
いま、幸せを感じる方法たとえば感謝の気持ちで、自分自信や周りを眺めてみましょう。こんな質問を自分に問いかけてみてください。
人生でうまくいっていることは何?10年前の自分と現在の自分を比較してみてください。これまで自分が得てきたものや成し遂げたことは何でしょうか? いまの人間関係で「恵まれているな」と感じることは何ですか? 誰の顔が頭に浮かびますか? 時間をとって、これらの質問に思いを巡らせてみましょう。そして喜びをじっくりと感じてみてください。満足感にひたってみてください。
すでに存在している状況の中に幸せの材料を探してみることが、深い幸福感を感じるコツです。何かを手に入れるまで幸せになるのを待たなくてもよくて、「いま、幸せになると決める」こと。「幸せは未来に待っているのではなく、いまここにあると信じる」ことで、外側の条件にたよらずに深い幸福感を感じることができます。
幸せを感じる習慣を持つ未来はいまの繰り返しによってできています。つまり、自分で意識的にいま現在が幸せだと繰り返し感じる習慣を持つことで、自然と幸せな未来が作られていくのです。もちろん、モノや条件によって得ることができる幸せ感も、それはそれで悪くないもの。生活に彩りを添えてくれますし、消費社会に生きる私たちにとってはある意味、当然の欲求でもあります。でも大切なのは、バランスをとること。物質的な幸せ感に加えて、感謝の気持ちで日常に幸福感を感じる習慣を持つことができれば、ゆるぎないしあわせが作られるはずです。
楽しく走ると心も体もポジティブになれる理由は(sponsored)
Photo by PIXTA
この記事を気に入ったら、いいね!しよう。
Facebookで最新情報をお届けします。