えれなちゃんは、ショールームで案内係の仕事をしている女の子だ。たまたま、知り合ったときは、彼氏と別れたばかりで、「もうこの世の終わり」とでもいうような悲壮感ただよう感じだった。その恋愛の相談役に徹しているうちに仲良くなった。
もちろん、日々お互い忙しくしているため、コンタクトはもっぱらLINEだ。LINEのやりとりをしていくうちに、他の女性と違ういい意味での違和感を彼女に感じはじめた。その答えが次のやりとりに現れている。
TETUYA:「仕事、頑張ってね」
えれな :「はーい。TETUYAさんも頑張って!」
TETUYA:「ありがとう」
えれな :(スタンプ)
観察結果「思いやりのLINE」私はLINEのやりとりの最後が、必ず彼女で終わっていることに気づいた。センテンス上、僕で終わっても問題ない流れであっても、彼女はスタンプを使ってでも最後はしめてくれる。だれもが感じることだと思うが、電話で話しているときに、相手に先に切られると何だか寂しい気持ちになる。LINEでも自分が最後に送ったメッセージに既読マークがつくものの、そのあとの反応がないと、言葉では言い表せない空虚感が襲ってくるものである。
彼女に会ったときに、そのことについて聞いてみたことがある。すると、彼女は「自分がされて嬉しいことを、相手にやっているだけ」と気持ちよい返答をくれた。
彼女の言うように、文章では返信しづらい内容でも、スタンプを使えば自分の喜怒哀楽の感情表現を伝えることができる。それだけでも相手としては嬉しいものである。「返信はいいからね」的スタンプも、相手のストレスを緩和できる優れものだ。LINEの何気ないやりとりの中でも、その人のコミュ力はにじみでてくるし、差がつくポイントだと思う。そこまで配慮ができていないと思った人は、ぜひこの気遣いを実践してほしい。
(イラスト・たなかみさき)
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