こうした梅雨冷えも、毎日とっている食べ物をちょこっと工夫するだけで、おいしくケアできますよ。
ヘモグロビンの量と質が冷えと関係冷えが起こる原因にはいろいろありますが、ひとつ考えられるのが、全身のすみずみに酸素を運ぶヘモグロビンが少ない、ということ。ヘモグロビンは頭のてっぺんからつま先に至るまで、細胞のひとつひとつに酸素を運びます。細胞はその酸素を使ってエネルギーを生みだし、身体を温めていきます。
ところが、材料である鉄やタンパク質が少ないと、ヘモグロビンの量が減ってしまうことに。そこから冷えやすい身体につながることが考えられます。さらに、ヘモグロビンが入った赤血球の膜が、しなやかであることもキーポイントとなります。
わたしたちは昔、生物の授業で「細胞は核を持っている」と習いました。赤血球も細胞の一種ですが、実は核がありません。赤血球は酸素を運ぶ仕事をしているため、自らが運ぶ酸素を使って自分のエネルギーを作るようなことはしていない、ということでしょう。なんだか、けなげですよね。
核を持っていないということは、自分でエネルギーを作る力も、細胞を包む膜の状態をキープすることもできないということになります。赤血球は真ん中が凹んだ形。それは細い血管に入るとき、パタンと折れ曲がった形で通っていくから。しかし、赤血球の細胞膜がコチコチになっていたらどうでしょう。ムリヤリ細い血管を通ろうとし、壊れてしまうことに......。
細胞膜をしなやかにする栄養といえば、脂の一種、EPA。細胞膜は脂でできているので、この脂をEPAに置き換えていくことで膜がしなやかになり、手足など、末端の冷えをやわらげることができる、ということになります。
冷え対策には、鉄やタンパク、EPAを含む青魚を摂る鉄やEPA、タンパク質が多い食べ物といえば、かつおやまぐろ、さばといった魚があげられます。サバ缶を使うのも便利です。サラダのトッピングにしたり、スープにしたり、トマト煮にしたり、卵でとじて親子丼風にしたり。そのままわさびと酢、しょうゆをかけて食べても。
EPAは魚の身にはもちろん、スープにも溶けこんでいるので、スープごといただくのもポイント。EPAをとって細胞膜がしなやかに変わると、肌もしっとりとやわらかになる、というオマケがついてくるのもうれしいところです。
梅雨が明けて本格的な夏になると、冷房冷えなども気になってきます。いまから少しずつ、冷え対策するのもいいですね。
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