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不妊治療の方法とかかる費用は? 妊娠力を下げてしまう3つの要因
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不妊治療の方法とかかる費用は? 妊娠力を下げてしまう3つの要因

2018-11-28 16:30
    妊娠・出産は女性のライフイベントの中でももっとも大きなもの。妊活をスタートさせて、頭に「不妊治療」が思い浮かぶ人もいるかもしれません。

    どんなことをするのか、料金はどのくらいかかるのかなど不妊治療の疑問を、フェニックス メディカル クリニック院長の賀来宗明先生にお答えいただきました。

    不妊のカップルは約6組に1組

    現在、産まれた子どもの数は100万人弱、体外受精で産まれた子どもの数は約5万4千人と、約18人に1人が不妊治療(体外受精)で産まれた赤ちゃんだといわれています。初婚年齢が上がったことや、それにともなって出産年齢も上がったことで不妊治療は特別なことではなくなってきました。

    「『不妊』とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものと、日本産科婦人科学会は定めています。

    この一定期間とはおおよそ一年が目安とされていますが、女性のほうに排卵がなかったり、子宮内膜症があるなどすると妊娠しにくいことがわかっています。

    また、男女とも加齢により妊娠が起こりにくくなることもわかっています。不妊のカップルは約6組に1組と言われていますが、妊娠を考え出す年齢、つまり妊活を開始する年齢があがってきていることもあり、この数はもっと増えている印象です」

    女性の妊娠する力を調べるAMH検査

    不妊の原因は、男女ともにありますが、女性が妊娠する力がどのくらいあるか調べるための検査があります。これがAMH(アンチミューラリアンホルモン)というものです。

    「これは、卵巣の中にある卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣の中にどのくらい卵の数が残っているか、卵巣の予備能を図る目安とされるもの。

    もともと卵子の数は、産まれてすぐの頃に200万個ありますが、思春期には20〜30万個まで減少、そのあとはどんどん減少し、閉経の頃はゼロに近づきます。

    AMHの値は個人差はあるものの、年齢に大きく影響します。『見た目が若くみえるから大丈夫』『健康には気をつけているから大丈夫』と思っていても、AMHが低いことも少なくありません。

    今の40代と昔の40代では見た目年齢は大きく変わりましたが、残念なことに卵巣の寿命はほとんど変わっていません。ですので、モデルのようなスタイルのいい女性だとしても、見た目では妊娠できる力は測れないのです。

    むしろ、痩せすぎは妊娠する力を低下させてしまうことも。加齢、体重(BMI18以下の痩せすぎ、BMI30以上の太りすぎ)、喫煙は妊娠する力を低下させてしまう三大要因と言われています」

    不妊治療の方法とその費用は?

    では実際に不妊治療をスタートさせる場合、どのような方法があるのでしょうか。

    「まず一般的に最初に用いられる方法がタイミング法です。

    これはおりものの状態や卵胞の大きさなどから排卵日を正確に把握し、その日に性交渉をしてもらうことで自然妊娠を目指す方法です。排卵の状態がよくない場合は、卵胞の発育を促すよう排卵誘発剤を使うこともあります。

    タイミング方法で妊娠しなかった場合や、男性に原因がある場合には人工授精が用いられます。

    人工授精は、精子を子宮の中に直接注入して妊娠へ導く方法です。フーナーテストという性交渉後の頚管粘液の中にある精子の状況から、子宮内に上昇できた精子の数を調べる検査結果がよくなかった場合にも用いられる方法です。

    そして人工授精を一定期間行っても妊娠しない場合や、精子の状態がよくない場合などは、体の外で精子と卵子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す体外受精の方法を用います。

    費用はタイミング法で数千円、人工授精は2〜3万円ほど、体外受精は50〜70万円くらい、その他に検査費用などがかかります」

    しかし、不妊治療の多くは一度で終わることがなく、精神的、肉体的負担だけでなく、金銭的にも負担が大きくなります。国の補助はあるものの、数百万、なかには数千万円も不妊治療にかけたという夫婦もいるそうです。

    “最短”での妊娠を目指すクリニックがオープン

    「世界各国の生殖補助医療の実施状況をモニタリングしている組織『国際生殖補助医療監視委員会』が実施した調査で、日本の生殖補助医療、つまり体外受精の実施件数は60カ国中第1位だったにもかかわらず、出産率は最下位の6.2%という結果が出ています。

    これは、日本が晩産化していることが大きく影響しています。不妊治療は長く続けたからといって成功するわけでもない難しいものです。

    多くの医療機関は年齢制限をもうけていて、その多くが45歳前後。フェニックス アート クリニックでは、患者さん一人ひとりに合った方法を提案し、“最短”での妊娠を目指しています」

    フェニックス アート クリニックは、2018年9月にオープン。院長は、山王病院のリプロダクションセンターのセンター長などを務め、多くの臨床実績を持つ体外受精の第一人者である藤原敏博先生。

    高度生殖医療のために建設された専門の施設で、仕事と治療を両立できる診療時間など工夫がこらされています。

    フェニックス アート クリニック

    住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-12-18
    Tel:03-3405-1101
    診療時間:月・水・金・土……9:00〜12:00/13:00〜18:00 火・木……13:00〜20:00
    日曜休診

    お話を伺ったのは、賀来宗明先生

    フェニックス メディカル クリニック理事長・院長。昭和32年生まれ。台湾出身。ハーバード大学、オックスフォード大学への留学を経て、東邦大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院で勤務後、平成6年に独立開業。帝京大学医学部非常勤講師。東京大学医学部非常勤講師。台北医学大学産婦人科准教授。実践大学民生学院教授。東京大学医学部医学博士。9月から藤原敏博先生を院長に迎え、不妊治療専門クリニックであるフェニックス アート クリニックを設立。

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    取材・文/大場真代、image via shutterstock

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/11/179477fertility_treatment.html
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