近年、都市での畳の暮らしは少なくなりましたが、未来に受け継ぎたい、畳にまつわる日常の作法や文化はたくさんあるように思います。そのひとつに、「座布団」があります。今回は、大正8年の創業以来、京都で寝具・座布団を作り続ける『洛中高岡屋』の「おじゃみ座布団」を紹介しましょう。
コロンとしたまるいカタチと、上質なカラーリング。ほんとに、これが座布団!?
Mサイズ:21,000円/Lサイズ:24,150円(税込)
「座布団は四角いもの」という概念をくつがえす、愛らしいこの形状は「おじゃみ」をモチーフにしています。「おじゃみ」とは、関西弁で「お手玉」のこと。こどものときに日本人なら誰もが親しんだおもちゃがネーミングされていることも、なんだかあたたかな印象です。その一方でイギリスやフランス、タイの上質なファブリックを使用することで、モダンな完成をプラス。古きとあたらしきの調和が美しい座布団は、洋の生活スタイルにも違和感なくマッチするので、海外からも注目されています。
畳がなくても使いたくなるデザイン。生地の組み合わせはセミオーダーが可能。
国内外での展示会などでは、こんな斬新なディスプレイも!
おじゃみ座布団の魅力はそのカタチ。このプックリとした特徴的なカタチは、熟練の職人さんたちの手作業でないと作り出せません。だって......中には、こんなに綿が詰まっているのです!
ちいさなおじゃみ座布団の中に、こんなにたっぷりの綿が詰まっていました!
わたしも実際に体験したことがあるのですが、これだけの量の綿を重ねたり折り畳んだりしながら、小さな座布団のなかにカタチよく詰め込むのは、思っている以上に難しく、技術のいる作業。
どう重ねてどう畳むかは、職人さんの長年の勘と技次第。
この手しごとが、長く使ってもへたりの少ない商品を生みだす。
クッションと違い、正座でもあぐらでも楽な姿勢で座れる「おじゃみ座布団」。9月の「敬老の日」のプレゼントに選んでも、きっと喜ばれると思いますよ。
[おじゃみ座布団]
(高橋マキ)