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ギフトを選ぶときに、心がけていることのひとつが、その時期にあった品。なかでも、いわゆる五節句には、その節句に合わせた品をお渡ししたいと考えています。
旧暦9月9日に行われる「重陽の節句」。長寿と無病息災を願う日は、別名「菊の節句」ともいわれています。
この時期の手土産には、菊のモチーフを意識して、わたくしは、京都・祇園、八坂神社の門前に店を構える、享保年間(1716~1736年)の創業と伝わる「御菓子司 鍵善良房」の菊壽糖を選ぶことが多いのです。この「菊壽糖」は、なんと150年も前から、その姿形を変えることなく受け継がれた逸品だそう。
昔ながらの包装紙をとき、杉箱をあけると、菊の花が一面に咲いているようでとても整然とそして美しいことに、京の美意識を感じます。きめ細かな和三盆糖は、口どけもよく、まろやかな甘み。そのまま、いただいても、また、珈琲や紅茶に入れてもしゅわ~っと、溶けて、程よい甘さは万人に愛されます。そのうえ、上質な阿波和三盆を固めた押し物ですから、日持ちするのもギフトとしてはうれしいこと。
菊には、不老長寿の薬効もあるといわれていますから、重陽の節句の頃だけでなく、誕生日のお祝い、還暦、古希などの長寿のお祝いごとにもぴったり。京都の老舗の逸品ですから、目上の方や年配の方に差し上げても喜ばれます。
ギフトはコミュニケーションツールです。相手、シーン、目的、価格を考えて、選びますが、その時期にあった品は、気の利いた人と思われることが多く、会話もはずみ、いい人間関係をつくるきっかけになりますよ。
(裏地桂子)
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