前回は布団の話でしたが、今回はベッドです。
ベッドといえば一年中、同じ状態で使っている方がほとんどかもしれません。
しかしベッドやベッド周りにも冬支度が必要です。睡眠には季節のサイクルがあり、冬に向かうと睡眠時間は長くなります。それだけ眠りたい要求は高まるわけですが、外の気温が下がると、血流を含め体液循環が悪くなり、皮膚も引き締まって交感神経が亢進、睡眠が浅くなります。
体が冷えると眠れないのは誰しも経験がありますよね。快眠には就寝前に体を温めるのはもちろんのこと、室内や床の中の暖めも必要。
ベッドの寒さ対策冬の睡眠環境を整えるポイントは3つあります。
第一のポイントは冷気対策です。寒くなると、やたら掛け物を増やしたり、とにかく暖めればいいやとエアコンと電気毛布のスイッチを入れて終わりにしている人も多いのでは? しかしそれだと乾燥してしまったり、寝心地も気になります。次のような対策がおすすめです。
(1)エアコンはあらかじめつけておき、就寝後2~3時間で切れるようにします。部屋の乾燥や暖まりすぎを防ぎます。
(2)冷気は下から来るもの。フローリングの場合はベッド下に絨毯を敷きます。
(3)掛け物は敷物の方を暖かくすることが先決。薄いベッドパッドは厚いものに替えたり、パッドの上に敷き布団を敷く。(羊毛をお薦め)シーツは化学繊維の起毛ものが人気ですが、寝返りしにくく静電気も起きるため、あまり薦められません。
私は質の良い綿のシーツで電気毛布を使用。でもちょっと工夫をしています。電気毛布は、あらかじめ床を暖めたら、就寝時には足元に移動。温度も下げて、一時間ほどで切れるようにしています。足が温まることが眠気を誘うからです。
「安物でも やっぱり僕のベッドが好き」ネムリのイロハカルタ ナカニシカオリ
第二のポイントはベッドの位置です。
(1)エアコンの暖気が直接顔に当たっていると、乾燥してしまい体調にNG。頭の位置を逆にするか、スペースに余裕があればベッドを移動します。
(2)ベッドを窓際に押し付けていると、窓からの冷気や結露が。ベッドの移動がかなわなければ、ほんの10センチでいいから、ベッドと窓に空間を作り、カーテンを厚いものに替えます。
(3)ベッドを壁にピッタリ押し付けている人はとても多いですね。これもほんの10センチ隙間を。冬は加湿器を使ったり、部屋を閉め切っているので意外に通気が悪いからです。
第三のポイントは寝具の色です。
色が人の感覚に大きく影響するのは実感するところですよね。冬は寝具やカーテンなど、パステル調の暖色系にしてみると、ずっと暖かく感じ安眠に繋がります。そんな余裕は......と言う方は、せめてシーツやパジャマで実践してみてください。
さて、これから、ベッドを買おうかなと思っている方は、引き出しつきで床にべったり置くものは避けたほうがいいですね。寒い冬でも通気は大事。低めでも、足のあるもので空間を確保してください。
【今月のねむまめ】
①平安時代に貴人たちが寝た畳ベッド。嵐山の博物館「小倉百人一首殿堂時雨殿」に実物大があります。
「平安の御寝台」
②東京都昭島市にあるフランスベッドのショールームでは、オリジナルの寝姿勢測定器があります。自分の体とベッドの相性を試してみては? 家具博物館も併設しています。
[小倉百人一首殿堂時雨殿]
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
営業時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
定休日:月曜日、年末年始(月曜が祝日の場合は翌平日休館)
入館料:高校生以上500円、小中学生300円
[株式会社フランスベッド]
住所:東京都昭島市中神町1148
営業時間10:00~18:00
定休日:平日(月~金曜日)※変更の場合もあり
TEL : 042-543-3281
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(橋爪明子)